ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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原作通りに進めようとしたらトンデモ展開に…


第49話スキーと誘拐騒動 前編

 12月になると早くも大学に合格したとか企業から内定貰えたって人の話もチラホラだけど聞こえだしたわ。そういうのを耳にすると何となく不安になるのよね、結局合否の通達って向こう側の都合だから今更焦っても仕方ないんだけど。

 

 そんな中、純が何やらパンフレットらしき束を抱えてあちしの机にブチまけた、よくみるとどれもパリの風景が写っている。

 「忍、俺決心したぜ。パリで彩と過ごしながらフラワーアレンジメントの腕を磨こうと思う」どうやら腹を据えたみたいね。

 「そっか。たまにゃ連絡よこせよ」そして互いの拳をぶつけ合う、あちしも負けてられないわ。

 

 「忍君、今年のクリスマスイブは二人でスキーに行かない?」光ちゃんからお誘いを受けたあちし、イブの日に二人っきり?ヤダ、ドキドキしちゃう❤勿論O.K.よ。新しいウェアやゴーグル、その他一式用意しなくっちゃ。バイト代の前借りできるかしら?

 

 「貴様」伊集院芋づる、イヤ妹じゃない。何の用よ?

 「クリスマスの予定はどうなっているのだ?」ああ、パーティーね。今年は参加しないわよ、予定はあると断っておく。

 「そうなのか」珍しくイヤミも言わずに受け入れた。やっぱり例のお客さんのお怒りが相当効いたのね、流石に学習したみたいだわ。

 

 それからすぐの土曜日、いつものようにねこやのバイトに行くと

 「年末だからな、いつもより早めに渡しとく」おじちゃんから今月のバイト代を貰えた、やった!これで欠けてるスキー用品を補充できるわ。

 

 とうとうやってきたクリスマスイブ。ひびきの駅で待ち合わせて電車でスキー場へ向かう、着いた先は一面の銀世界。

 「さ、光楽しもうぜ」

 「ウン!思いっきり滑ろう」光ちゃん。あちし達まだ進路未定なんだから、そんなはっきり『滑る』とか発言しちゃダメでしょ。

 それから一頻りスキーに夢中になったあちし達だけどお昼を過ぎた辺りから雪がチラつきだした。

 「少しだけど降ってきたなぁ」

 「雨じゃないから大丈夫だよ、行こう」

 「それもそうだな」

 

 …皆さん自然を嘗めちゃいけません、雪はドンドン激しくなりやがて吹雪いてきたのであちし達はやむなく引き返す。

 「光!危なくなってきたから戻ろう」

 「うん、しょうがないね」それから大急ぎで着替えて駅まで戻ったけど

 「あれ、ひょっとして電車止まってる?」

 「え~!!?」駅員のおじさんに確認すると

 「あー。電車は止まっちょるよ。いつ動くか分からんが、暖かい待ち合い室に入りんしゃい」そう言ってくれたおじさんの厚意に感謝しつつストーブに手をかざし暖まる。

 「ゴメンね、雪が激しくなっても私がずっと滑っていたから」

 「気にするな。どっちにしろ電車は止まってたさ」大雪なんか誰にも予測できないもの、光ちゃんはなんにも悪くないわよ。

 「今年はクリスマス、いい思い出になったよ」

 「うん…二人だけの思い出…だね」光ちゃん、それだけ呟くとウツラウツラし始めたわ。

 「眠い?」

 「うん…私ちょっと…疲れてるのかな」

 「熱はないか?」

 「うん…大丈夫…」

 「電車が動くようなら起こすから寝てていいよ」あちしの肩にもたれて眠る光ちゃん、無防備な寝顔に心臓がバクバクする。

 

 ん?ホームにいるのすみれちゃんだわ、こんなトコで見かけるなんて偶然ね。この寒い中、何で外にいるのかしら?アラ、隣にいるのはストレッチアさんじゃないのね。随分人相の悪い男、それも見覚えのない外国人。どことなく怪しげな匂いがするわね、よく見るとエテ公もといデイジーも一緒じゃないし。

 

 「オイ」誰かあちしを呼んだ?駅員さんにしちゃ可愛い声だし、光ちゃんは『オイ』なんて言わない。

 「オイ、ここだここ!」どうやら下から声が聞こえるから足元を覗き込むと

 「やっと気づいたか、オレだよ」デイジーが喋りながらジャンプしてあちしの膝に乗っかってきた。

 「え~っ?!サ、サルが喋ったぁ~!」

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