ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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第54話卒業~鐘の伝説~(最終回)

 とうとうやって来た3月1日、ひびきの高校卒業式。今日で制服も着納めよ、校門に続く坂を登るのも最後なのよね。それを思うと感慨深いわ、あちしは大きく深呼吸して3年1組の教室の自分の席につく。因みにあちしの前の席が純で、後ろが高坂だったのよ。

 「この席に座るのも今日で最後だな」純が溜め息混じりに呟く。

 「何だかんだ三年間、あっという間だったな」高坂もまた感慨深そうにしている。

 「ま、アンタ達と過ごした日々も悪くなかったわよ」あちしも二人に声をかける。あの事件で光ちゃんに全部バレてからあちしは(変身能力は抜きとして)少しずつ自分の正体をみんなに包み隠さず話して聞かせたのよ、結果殆どの人が受け入れてくれたわ。彩ちゃんには

 「Really? that's Fantastic!」とか言われたわ、何がファンタスティックなのかあちしにもよく分からないのよね。

 「お~、それじゃ藤ぴーはおフライパンなんだねぇ」美幸ちゃん、それってオカマでもオナベでもないって事?後、水無月さんが嫌悪しなかったのは意外だったわ。

 「まあ、女にも同性愛者がいるんだし、寧ろ普通じゃないかしら?」やっぱりあの娘、当初あちしが睨んだ通り…イヤ、詮索するのは止めましょ。

 

 華澄先生が教室に入ってきた、これから最後の出欠をとるそうよ。

 「赤石君、飯島さん、岩崎さん、小此木君、~∥坂城君…」当然返事はない、華澄先生は目を潤ませながら続ける。そしてクラスメート全員の名前が呼ばれて教室から講堂へ移動する、あちしの隣に座るのは光ちゃん。そういえば入学式の時もこうして隣の席になったわね、あの頃は自分でも女の子を好きになるなんて思ってもみなかったわ。

 

 卒業式ではやはり一悶着あった、伊集院妹が送辞を読んだんだけどお世辞にも卒業生に送るモノとは言い難い内容だったわ。特に赤井に対するバッシングが凄かった、更に答辞を読んだ赤井もこれに負けじと喧嘩腰になりもうメチャクチャ。でもこういうのがひびきの高校らしくて良いと思えちゃうわね、それにしても二人共最後の最後まで相変わらずよね。

 「古より云われておりましょう、『喧嘩する程仲が良い』と」って!三原さん、いつの間に?ウン、そういうモンかも知れないわね。

 

 ~一方アンジェは~

 坂城匠から転生したアンジェは新しい両親に自分の境遇を聞かされた、二人は彼女の魂が別人になっているのは知っているらしい。

 「貴女にとっては嫌かも知れないけどこれからは私達の娘として過ごしてもらえるかしら?そうしてくれると嬉しいわ」

 「ハ、ハイ」アンジェはこの申し出を受ける事にした。

 (元男だってのは言わない方がいいかもな、こうなりゃ後は野となれ山となれだ)家族との話し合いも終わり、明日からアンジェはスモルニィ女学院に復帰する。

 

 ~話はひびきの高校に戻る~

 卒業式も終わりクラスメート達も少しずつ教室から出ていくわ。あちしも後ろ髪引かれる思いで去ろうとする。その前に忘れ物はないかと机の中を確認する。アラ、手紙が入ってるわ。

 『大事な話があります、中庭で待ってます。陽ノ下光』光ちゃんが…行かなくちゃ!

 

 中庭に来ると光ちゃんがいたわ、結構待たせちゃったみたいね。

 「ゴメンね、急に呼び出したりして」

 「別にいいけど…何の用なの?」

 「ヤだよ、行っちゃヤだ。私、もう嫌だよ。離ればなれになるの」

 「え、どうしたのよ?いきなり」

 「私、あの時…君が引っ越して行ったあの時…スゴく泣いたんだよ。毎日毎日、ずっと泣いてた」彼女は目を潤ませながら続ける。

 「でもいつまでも泣いてちゃダメだって。いつかまた会った時、泣いてばかりじゃ嫌われる…そう思って、君の前じゃ絶対泣かないって…誓った」返答しようとしたあちしだけど言葉につまって声がでない。

 「でも今日が…卒業が近づいてきて、またあの日みたいに君がどこかへ行っちゃったら…そう思うと苦しくて、切なくて涙がでちゃうんだよ…だって私、君の事…

好きだから‼」ここまで聞かされてやっと声がでそうになったあちしは今の気持ちを真剣に伝える。

 「あちしも…光ちゃんが好きよ、こんな…オカマでよければ」

 「あっ…❤」

 ♪リンゴーン!リンゴーン♪

 「鳴らないハズの鐘が…」

 「鐘の伝説…」

 「光ちゃん、あの指輪持ってる?小さい頃お祭りで買った…文化祭でも一騒動あったヤツ…」

 「あ、うん…」あちしは光ちゃんの左手を取り薬指にその指輪をはめる。

 「やっぱりちょっと小さいわね」苦笑するあちしに涙こそ浮かべているけどとっても幸せそうな笑顔で

 「エヘヘ、でもスッゴく嬉しい!忍君、」

 「何かしら?」

 「ずっと一緒だよっ❤」

 

 ~エピローグ~

 こうしてあちしの高校三年間は幕を閉じたわ、思えば変身ばかりしていたような気がするわね。

 何はともあれ、無事卒業できて良かったわ。二流(にながれ)大学からも合格通知もきたし一安心ね、そういえば光ちゃんは体育大学に通うそうよ。違う大学とはいえ会える時間はまだ幾らでもあるわ、これでしばらくは一緒に過ごせるわね。

 光ちゃんは魅力的だから同じ大学の連中から言い寄られそうでちょっと心配だけどそんなヤツらはバレエ拳法でぶっ飛ばしてやるわよ、それにいつまでも二人で歩んでいけるって信じてる。この学校の伝説が永遠に語り継がれるように、あちしと光ちゃんの愛も永遠なんだからっ!

 




ここで「高校生時代本編」は終わります、次回から二人や他のキャラ達のその後を「オリジナル未来編」としてお送りします。
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