ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
高校入学4日目、1人の男子があちしに声をかけてきた。
「やあ!」坂城って言ったわね、見た目はチビでいかにも頼りない感じ。あちしが一番いけすかないタイプ、こいつはよくいえば気さくに悪くいえば馴れ馴れしく話してきた。
「ところで君と陽ノ下さんとの関係は?」
「えっ?」
「恋人同士?」
「そんなんじゃないよ、ただ幼馴染みってだけで」
「ほうほう、じゃこの後詳しく聞かせてもらおうか。とにかく立ち話もなんだし…」
「匠!なにやってんだ?」誰かがこいつを呼ぶ声がした。
「あー純!お前もこっち来いよ」現れたのはネクタイを緩めたメガネの中々にいい男❤
「俺の友人の穂刈純一郎、『純』って呼んでやってくれ」
「穂刈『純一郎』、よろしくな」ウッ、何か取っつきにくいわね。
「じゃ、これから本格的に話を聞く為に
「俺は別に興味がないから遠慮する」
「そう言うなよ、これからの高校生活を女の子といかにラブラブに過ごすか決めておかないと」アンタは野郎とラブラブしてんのがお似合いよ!
「ラ、ラブラブ?」
「ほら、
「お、俺は帰る!」
「あっ、まあいいや。とにかくサ店に行こう」こいつが光ちゃんに下心を持っているのが分かったあちしはその人となりを観察するつもりでついていく事にした。
サ店では光ちゃんの事を根掘り葉掘り聞かれたわ、あちしのこいつに対する印象はズバリ『ろくでなし』。そりゃあちしはオカマだから光ちゃんとどうこうなろうなんて考えてないけどね、彼女には幸せになってほしいの。その気持ちは誰にも負けない、あの純って奴ならともかくこんなのに光ちゃんを渡す訳にはいかないわ。とりあえず質問には適度に嘘を混ぜてやった、案の定簡単に信じたみたいね。
「そういえばお前、鐘の伝説って知ってる?」
「鐘?」
「中庭にある塔の鐘だよ」確か学校案内のパンフレットにも載ってたわね、今思い出したわ。
「卒業式の日に告白してあの鐘が鳴ると永遠に幸せになれるんだってさ」あちしには縁のない話ね、そもそも相手が同性って事自体普通に考えりゃまず不幸よね。
「ま、俺はそんなの信じてないけどね。一応当てにしとけば」する訳ないでしょ?!昨日までノーマルなのが告白と同時に目覚めるとでも言いたいの?いっそカミングアウトしてぶっ飛ばしてやりたい気持ちを堪え、その日は何気ない顔で坂城と分かれた。
「ただいまぁー」
「お帰り、忍ちゃん」家に帰ると母が迎えてくれた、あちしは夕食の時間まで自分の部屋に寝転がる。
「ねぇ忍ちゃん、好きな男の子できた?」食事中突然話を切り出す母にあちしも父も弟も一斉に咳き込む。
「いきなり何言い出すのよぉ?まだ4日目だしそんなの分かんないわよ!」
「兄ちゃん、そういうの高校卒業してからにしてくれよな」
「お前のその、何だ?性癖というか
「いいのよ、あちしこそこんなのに生まれてゴメンね」父と弟は無言になる。
ウチの家族はあちしがオカマだって事を知っている、その上でできる限りの理解を示してくれてるの。但し世間体もあるし家族の為にもあちしは家の外では本当の自分を隠してる。
「母さんは大歓迎よ❤」若い頃から
翌日、あちしはある部室棟の門を叩いた。実際はドアだけど、ガチャリと開いて応対にでてきた先輩に入部届けを差し出した。受け取った先輩はあちしを部室に招き入れてくれた、そこに幼馴染みがいた。
「忍君!入部してくれたんだぁ、陸上部へようこそ!」
[注釈1]今ならカフェでしょうね。
[注釈2]こちらは草食系と表しますね
[注釈3]LBGTという言葉もありませんでした。
[注釈4]いわゆるBLですね。