ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
陽ノ下光は教師か保育士のどちらかになろうと大学に通いながら資格試験に挑んでいた、この日は教育実習の為、ある幼稚園を訪れていた。
「それじゃ陽ノ下さん、今日は初日ですからあまり気負わなくていいですよ」一見強面だが話してみると優しそうな園長にそう言われて幼稚園を一通り回ってみる、バタバタ駆け回る子供達を微笑ましく見ていると一人の園児がやってきて
「ネェネェ、お姉さんはコーンポタージュの粒々が好きなタイプ?」と突拍子もない事を聞いてきた、丸刈りに太い眉毛が特徴の男の子だ。
「う~ん。好きでも嫌いでもないかなぁ?あ、でもあの四角いカリカリしたのは好きだな」こんな下らない質問にも真摯に答える心の広い光であった。
「ホォホォ、ところでお姉さんは新しい先生?」普通はそれを真っ先に聞くモノだが光は気にするでもなく
「お姉さんは先生のお勉強にきてるの、だからここの先生になるかはまだ分からないよ」膝を折り子供と同じ目線で答える光、その姿から名前通りの暖かな雰囲気が滲み出ている。
その頃、藤崎忍は大学の授業を終えて帰宅するところをいきなり怪しい集団に襲われた。全員が同じ服を着てヘルメットを被っている、しかも顔色に生気がなく死人が動いているようで不気味極まりない。
「アン!ドゥ!オラァ!」咄嗟にバレエ拳法で抵抗する、が大して効いてないようだ。
「どうぞ・オカマ・い
目が覚めると手足を拘束された状態で洞窟らしき場所にいた。だが表には鉄格子が嵌められていて土の匂いもしないのでおそらくは人工の施設だろう、ここはさっきの奴らのアジトと推測された。
忍は一旦猫に化けて拘束から逃れると本の姿に戻り衣服を調える、ふと誰かの呻き声が聞こえた。
「ムグ~、ボフッ」清川望がさっきまでの忍と同様に猿轡噛まされていて手足を縛られて、そこから抜け出そうと必死にもがいていた。忍はたまたま持っていたカッターで解いて状況の説明を求める、清川自身もよく分かってはいないが彼女もまた、正体不明の連中に捕まったという事だ。
「お前ら、何をしている?!」見張りをしていた奴らの仲間が鉄格子から二人に銃口を向けた、拘束を解いたのがバレたのだろう。忍は銃を引き寄せ頭に一撃を食らわすと自らの姿を殴り付けた相手に変身した、更にヘルメットと服を剥ぎ取り望に着せると仲間の振りをして出口を探す。
幼稚園が終わると酢乙女あいが野原しんのすけを呼び止める
「しん様、今日は我が家が懇意にしております大財閥の伊集院家のパーティーがありますの。是非
「やあ、しんのすけ君」
「ホッホーイ、万丈お兄さ~ん♪」普段男に懐く事などないしんのすけだが唯一の例外がこの快男児、破嵐万丈である。
「万丈様、本日の伊集院家のお誘いは如何なさいますか?」万丈の執事、ギャリソン時田が尋ねる。
「下手に断ると先方の顔に泥を塗りかねないからな。仕方ない、出席すると伝えてくれ」
「万丈お兄さんパーティー行くの?オラも行きた~い」
「じゃ一緒に行こうか、しんのすけ君」
「ウォー!万丈お兄さんフトもも~っ」
「野原家にはギャリソンから連絡しておいてくれ、それとしんのすけ君に合うタキシードの用意も頼む」
「承知致しました」ギャリソンと呼ばれた老執事は万丈に一礼する。
「しん様、私がお誘いした時はお話すらロクに聞いて下さらなかったのに」人知れず悔しさに歯軋りする酢乙女あい、些か見当違いの嫉妬の目を万丈にむけるのだった。
冒頭で光に質問しているのもしんのすけです。