ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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嵐を呼ぶ快男児 後編

 望と三流を乗せたまま海へ飛び込んだダチョウ忍。そのまま海中に真っ逆さまと思いきや、落ちてきた彼らをガッチリと受け止める腕があった。

 「どこのマッチョかしら?」比較的落ち着いていた忍は自分達を支えている人間をチラッと見る。次の瞬間、望と三流は目を何度もパチクリさせる。そこにいたのは精々小学二年生くらいの少年(・・)だったのだ、忍が元の姿に戻ると今度は少年の口の方が開きっぱなしになる。

 「な、何でダチョウが人間に?」

 「あちしは人間よ!それより助けてくれてアリガト、しかしそんな小さい体で随分力持ちね」落ち着いていた忍は冷静に礼を言うが

 「えっと、君幾つ?何年生?」望は未だ信じられないといった様子で少年に問う。

 「八歳、小二っすけどそれが何か?」サラッと答える少年。だが常識で考えればそんな幼い身で大人三人を支えられる訳がない、まして忍はさっきまで人間の数倍は重いダチョウの姿に化けていたのだから尚更だ。

 (ひょっとしたらあちしと同じ転生者なのかしら?)とも思ったが追求しない事にした、他の二人は未だ混乱から立ち直れないでいた。

 

 ここまで時間にすれば数秒、少年は耳を澄ます、忍達には寄せては返す波の音しか聞こえないが

 「あっちからダイターンが来てます。この音量だと2、3分で到着するでしょう」どうやら腕力の他に聴力も優れているらしいが忍以外はまだどこか嘘のような気がしていた。

 

 一方、コマンダー・ジョルジオは別の場所で改造する人間を狩っていたのを万丈らに気付かれてしまい、メガボーグとになってしばらくダイターンと闘っていたが

 「ジョルジオ様、改造予定の素体が三名逃げだしました」部下の報告を受けると急いでアジトに戻ろうとする。そんな事をすれば万丈に計画を知られた挙げ句ワザワザ潰させるようなモノだが基本コマンダーには詰めの甘い連中が多くよく言えば自信家揃い、悪く言えばアホの集まりである。

 

 本当に2,3分でダイターン3が敵を追って上空から彼らの目に見える範囲までやってきた、最早色んな意味で己の常識が崩壊する望達。その後ろを一台のヘリがついてきていた。

 ヘリを操縦していたのは一人の老紳士。彼は三人にヘリで避難するよう促す、望達は感謝して即座に乗ったが

 「では皆さまを安全な所までお届け致しましょう。ささっ、あなた様も」忍は老紳士の申し出を断る。

 「ちょっとあの連中を懲らしめてくるわね」そして自らアジトへ逆戻りしていった。

 「ギャリソンさん、俺も闘います」

 「幸太様、先程の方の援護をお願いできますかな?後、くれぐれもムリをなさいませんよう」

 「了解っす!」幸太と呼ばれた少年も忍を追ってアジトへ入る。

 

 上空では改めて万丈VSジョルジオの闘いの火蓋がきって落とされた。

 「おのれ破嵐万丈、毎度毎度我らメガノイドの邪魔をしおって‼」

 「黙れ!コマンダー‼世のため人のためメガノイドの野望を打ち砕くダイターン3,!この日輪の輝きを恐れぬなら、かかってこい‼」

 「ダイターンもろとも地獄へ堕ちろ!」

 「ちょっと待て、コマッタちゃんだジョー」ダイターンに同乗していたしんのすけがわざとなのか天然なのか間違って呼び名を叫ぶ。ズルッ、思いっきりズッコケるジョルジオ。

 「えーい、緊張感のない奴め!俺様はコマンダー・ジョルジオだ‼」

 「そーともゆー。ハ○坊だジョー、立つんだジョー」完全にジョルジオをバカにしているしんのすけ。

 「しんのすけ君、赤○不二○梶○一○両先生がゴッチャになってないかい?」思わず突っ込む万丈。

 「お○松さ○は面白いですゾ」

 「あれは先生ご自身も不本意なんじゃ…既に故人だから憶測でしかないが」

 「お前らぁ!俺を無視すんじゃねー!」怒り心頭のジョルジオはミサイル拳銃で攻撃してきた、そこに突然タックルを食らいバランスを崩す。

 「うぅ。何だ今のは?」呻き声をあげながら辺りを見回すとそこにはもう一体のダイターン3の姿があった!

 

 「ダイターンが2.体?どうなってる?」ジョルジオのみならず万丈達も唖然としている、そのもう一体のダイターンもナゼか決めゼリフを言い放つ。

 「世のため人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン.3!この日輪の輝きを恐れぬならかかってきぃなすゎーい!」今一つ締まらない、よく見るとこのダイターンの頭上には幸太が乗っかっている。

 「どうなってるんだ、ギャリソン?」万丈達にも何が起きてるのかサッパリ分からない。通信を聞いたギャリソンも

 「はて、私めにも何が何だか」としか返事のしようがなかった。

 「アティチュードからの~ドゥバン!デリエール!」ジョルジオにバレエを彷彿させる足攻撃を繰り出す偽ダイターン、幸太は振り落とされそうになるのを何とか踏ん張っていた。すると偽ダイターンはみるみる小さくなっていった、同時に海へ落下して元の藤崎忍の姿に戻っていく。危ういところを幸太に支えられ崖の中腹に横たえられる。

 「ゼェゼェ、流石にあんなデカいのに化けるのはキツかったわね」息を切らす忍。

 「事情は後で聞くとして、今は休むっすよ。水くらいなら持ってますから」幸太は腰に装着していた水筒の水を忍に差し出す。

 

 「フッ。所詮は偽物、このジョルジオ様の相手にもならん」下卑た笑みを浮かべて彼らの落ちた方へ視線をやるジョルジオに今度は本物のダイターンの鞭が打たれる。

 「油断しすぎだ、ダイターン・スナッパー!」体勢を崩すジョルジオに万丈は敢えて呆れ顔を、しんのすけはジト目を向ける。

 「万丈お兄さん、あいつアホだね」

 「ああ、アホ揃いのメガノイドの中でもとびきりだな」

 「う、煩い!その可哀想な生き物を見るような眼差しをやめろ!」

 「フォーク&ナイフ‼」突如さっきの場所から幸太が放った、目に見えない(やいば)と刺又が飛び出してジョルジオに突き刺さる。

 「な、何だこれは?」この好機を万丈が見逃すハズがない。

 「日輪の力を借りて今必殺の!サン・アタック!」額の反射盤からコマンダー・ジョルジオの腹部に強力な太陽光線を浴びせる、その薄くなった装甲にドロップキックを食らわせた。

 「ダイターン・クラッシュ‼」コマンダー・ジョルジオは倒された…。

 

 「すると君はメガノイドの改造手術を受けた訳ではなく…」

 「そうよ、ある日突然この能力(ちから)に目覚めたの。歴とした生身の人間よ」前世の事は抜きにして己の能力について万丈に語る忍。

 「ま、幸ちゃんみたいなぜんざい(・・・・)もありますからなあ」

 「前例(・・)だろ、小豆煮てどうすんだよ!」従兄弟同士息の合った漫才?を披露する幸太としんのすけ。

 「とにかく、この場にいる人達以外には黙っててもらえるとありがたいわ」

 「ああ分かった、しんのすけ君もいいね」

 「ホッホ~イ」

 「お前、口軽そうだからなぁ。イマイチ信用しきれん」

 「イヤァ、それほどでもぉ」

 「誉めてねーよ!」こうして今回のメガノイドの計画は失敗に終わった、しかし近い内に奴らは次の作戦に出るだろう。破嵐万丈の闘いはまだ続くのであった。

 

 

 

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