ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
伊集院姉妹の祖父、
「お爺様、メイに何のご用でしょうか?」光輝は咳払いを一つしてメイに告げる。
「そんじゃ、アンタが次期当主になるって事?」相談があると忍に連絡したメイは彼に『越後屋』へ連れ出され、酒を交わしながら話を続ける。
「ウム。お姉様には好いた男がいるというのだ、そいつの元へ嫁ぐなら当主の座はメイが継ぐべきだとお爺様は仰るのだ」
「けど、アンタはいいの?」
「どういう意味なのだ?」
「超シスコンのくせに。『お姉様~お嫁になんていかないで~』とか泣いたんじゃない?」
「そ、そんな事ないのだ。今回はメイも応援するつもりなのだ!」
「そう、よっぽど大した男なのね。そもそもお爺さんは反対しなかった訳?」
「相手はお爺様も一目置く男なのだ、今はまだお姉様の片想いなのだが」
「それにしちゃ気の早い話ね」
「そこで貴様に相談なのだ」前のめりになって切り出すメイ。
「やっと本題に入ったわね。で、あちしに何をしろって言うの?」煮込みをつつき酎ハイを呑みながら問う忍。
「例の異世界から惚れ薬を手に入れてほしいのだ、貴様ならツテもあろう?」
「それ、アンタの一存?」
「いかにも。相手に薬を盛る手筈は既に調えてある、後は…」
「お断りよ」メイが言い切る前に話を遮る忍。
「ナゼだ?報酬は払うのだ、金がいらないなら何らかの利権でも」
「アンタねぇ、それでホントにお姉さんが喜ぶと思う?そんな偽りの上に成り立つ幸せなんて本物じゃないわよ」
「ウッ、その通りなのだ」シュンとするメイのグラスに忍はビールを注ぐと自分と同じ肴を薦める。メイはグラスを煽ると忍とお揃いで給された小鉢の中身に手をつける。
「このニコミとやら、庶民の料理としては中々に旨いのだ」
「でしょ?何でも金かけりゃ旨いってモンじゃないのよ。大輔く~ん、こっちにカナッペとサラダ追加ね~」
「メイはこの酎ハイとかいう酒のお代わりを所望するのだ!」
「ハイ、しばらくお待ち下さい」いつの間にかただの呑み会になっていた。
「万丈様、伊集院家の使いの方がお見えでございます」この日、野原一家を邸宅に招いて食事会を開いていた破嵐万丈はギャリソンからこう伝えられた。
「伊集院家から?一体何の用だ?」
「それがご息女のレイ様と是非お見合いをというお話でしてな」呑みかけのワインにむせる万丈。彼の助手である三条レイカとビューティフル・タチバナに赤ちゃんのひまわりまでハイハイしながらギャリソンに詰め寄る、尤もひまわりは直ぐ様みさえに抱え上げられて激しく抵抗していたが。
「「ギャリソン、どういう事?」」
「たいやいよー」三人共正に鬼の形相である。万丈を愛している彼女達にとってはシャレにならない話だ、これ以上ライバルが増えたら堪ったモンじゃない。
「何で伊集院家がでしゃばってくるのよ!」
「万丈、勿論断るわよね?!」
「いや、お見合い自体はしようと思う」ハッキリ宣言する万丈に怒り心頭のレイカとビューティー、そんな二人を端から見てビビるしんのすけ。
「レイカお姉さんもビューティーお姉さんも怖い…」途端に居心地が悪くなる食卓。
「それじゃあ、我々はお暇しよう。なあみさえ」ひろしは帰宅を急ごうとみさえに促す。
「そ、そうね。万丈さん、どうもご馳走様でした」にげるように去っていく野原一家、しんのすけも後を追うが
「「しんちゃ~ん」」ドス黒いオーラを全身から放つレイカ、ビューティーコンビに襟首を捕まれる。
「ちょ~おっとお姉さん達に協力してくれないかしら?」
「引き受けるわよねぇ~」
「は、はい…」冷や汗を垂らしながらやむなく頷くしんのすけ。
「お嬢様方、万丈様はあくまで先方に筋を通す為にお見合いなさるのです。別にご結婚を決めるおつもりでは」
「「ギャリソンは黙ってて‼」」こんな時だけ息の合う二人、来たる日に向けてお見合いぶち壊し作戦が始まろうとしている。