ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです 作:越後屋大輔
「
「ひとみさん、改まってどうしたんですか?お給料なら据え置きですが」
「いいえ、そうじゃございません。実は現世の孫娘が良縁に恵まれまして」元々は結構な高齢で亡くなったひとみだが現在の見た目はナゼか10代後半くらいに見える、現世の住人なら孫娘がいる年齢とは思えないだろう。
「それはおめでとうございます」鬼灯は素直にお祝いの言葉を送る、彼自身は生まれてこのかた家族を持った事なぞないが、だからといって
「それでですね、折角だからせめて夢枕にでも立って一言祝いの言葉をかけてやりたいと」言い切る前に鬼灯が返す。
「なるほど、休暇願いですか。しかしどうせなら私の視察についてきますか?」
「ご視察にでございますか?」
「ええ、今回はたまたまブライダル業者に潜伏する事にしましたから。ついでになってしまい申し訳ないのですが」
「とんでもありません、願ったり叶ったりでございます」かくして現世に向かう鬼灯とひとみであった。
二人は潜伏したブライダル業者を経て、あるホテルで行われる式の準備に取り掛かっていた。実はこれこそがひとみの孫娘ほむらの結婚式である、随分都合のいい話だがそこは鬼灯がひとみの為にこっそり書類や会社のデータをチョチョイと改ざんしていたのだ。
新郎新婦の控え室に本日の主役がやってきて、結婚衣装に着替え始める。新婦、ほむらの着付けを手伝うひとみ。
「死んだ時、鬼灯様のスカウトを受け入れてよかったわ。もし天国行きを選んでたらこうしてほむらに花嫁衣装を着付けてあげる事なんて出来なかったもの」感極まって涙が溢れそうになるひとみにほむらが不思議そうな顔をして尋ねる。
「あれ?お姉さん、泣いてんの?」慌てて涙を拭い笑顔を作る。
「いえね、大した事じゃないんですよ」そのまま着付けを続けようとしたその時、突然フロア全体の照明が消えた。
「何だ、停電か?」ほむらが呟く。ひとみには分かった、これは停電じゃない。何処からか悪霊が現れ結婚式の邪魔をしに来たに違いない、愛する孫娘の晴れの日に水を指すとは許せない。退治してやろうと、悪霊を探っていたら鬼灯に制される。
「この悪霊は特別
「ウヌヌッー!平民ごときが、たかが狗がこんな立派な式を挙げるなどあってはならん!ぶち壊してくれる!」今回の犯人がフワフワ浮かびながら叫ぶ。貴族至上主義者でかつて某ヨーロッパ小国の貴族だったオスロー・モンテギューは数百年前に起きた革命の末、民衆の手で処刑されて一度はEU地獄に堕ちた。しかし一般人に知られず暗躍する悪の組織、メガノイドの科学力でコマンダーとして現代に甦り再び自らの理想とする貴族至上主義を復活させようと目論んだ。結局最後は破嵐万丈とダイターン3に破れたが、その野望までは失ってなかったのだ。
「フフフ…ハハ、アーッハッハッハァ!」
「いい加減にしなさい‼」一頻り高笑いしたところで鬼灯にどつかれた。
「全く!貴方随分昔に死んでいながら今更
「それにしても亡者まで復活させる、メガノイドとかいいましたか。基本生者には何もできない我々ですが連中に好き勝手させてもおけませんね、確か破嵐万丈さんとかいう人が彼らと敵対しているハズ。一度コンタクトをとってみますか」当面の問題を片付けた鬼灯はそうひとりごちると式の準備に戻っていった。
「ほむら、素敵だよ」新郎、早乙女好雄は妻としたほむらに向き合うと正直な感想を伝える。
「よせよ、照れるじゃねーか」頬を染めながらぶっきらぼうに返すほむらにとうに死んだハズの祖母の声が聞こえた。
「ほむら、幸せになりなさい」
(え、バアちゃん?)声がした方を見るが誰もいない。
(ひょっとしてあたしの花嫁姿、見に来てくれたのかな?)何となくそんな気がした。