ボンクレーが『ときメモ2』の世界に転生したようです   作:越後屋大輔

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「ご注文はオカマですか?」と同時系列の話、こっちは女子バージョン。


女子会サプライズ

 穂苅純一郎と一文字茜の結婚が決まったと知った藤崎光と佐倉楓子は茜を誘って呑み会を開こうと提案した。

 「ちょうど旦那達もウチで宅呑みする事になっているからさ、私達も便乗してどっかで呑まない?」光は楓子に声をかけた。

 「いいね、でもどこで呑むの?忍君が一緒って事はSunnylightもお休みでしょ」

 「越後屋さんにしようか、あそこならよく知ってるし」しかし熊実には

 「ゴメンなさい。その日はアタシどうしても出掛ける用事があって、大輔もサークル旅行でいないのよ」と言われて計画は白紙になった。

 「じゃこっちも宅呑みしよっ、私の家に集まってね」楓子に事情を話すとそう言ってくれた。

 

 そして呑み会当日、光は賢と純一郎が訪れる時間を見計らって二人が来る少し前に自宅をでる、途中で楓子と合流して忍から聞いていたあの酒屋に立ち寄った。

 「八重さ~ん、こんばんはぁ」

 「アッ光ちゃん、(かえ)ちゃん。いらっしゃいませ」染井酒店で働く八重花桜梨が応対する為、店にでてきた。彼女は元々プロのバレリーナとして世界各国を回っていたが寿命の短い仕事なので、先日引退して両親の世話をする事も考えて日本で出来る仕事に転向しようと今は忍に紹介されたこの酒屋で働いている。

 「ワインあるかな?後、日本酒も。旦那が仕入れる上等のモノじゃなくて値段もお手頃なやつで」本日酒担当の光が訪ねると

 「それならこのテーブルワインと日本酒は紙パックのでいいかしら?」この頃酒の知識も増えて接客も慣れてきた花桜梨が希望に添ったモノを薦める。

 「ウン、大丈夫」

 「二人がお酒買いに来るなんて珍しいわね、何かあるの?」

 「純君と茜ちゃんが今度結婚するの、それで今日は私と楓ちゃんの三人で前祝いに呑もうと思って」

 「そう。じゃ私からのお祝いよ、ワインは無料でいいわ」

 「え?悪いよ」

 「いいから持っていって」

 「ウーン、そうだ!八重さんこの後予定は?」

 「えーっと、何もないけど」

 「それじゃ一緒においでよ、四人で呑もうよ!」光は笑顔で花桜梨を誘う。

 「でも…私なんかが混ざっていいの?」

 「勿論O.K.!八重さんだって大事な友達だモン」楓子も賛成した。

 

 この日一文字茜は只、佐倉家に来るようにとだけ言われて事前に何も知らされないままやってきた。玄関のドアを開けると

 「「「茜ちゃん、結婚おめでとう‼」」」クラッカーを引く光達、茜はその音にビクッとなるも

 「え?これって…」

 「エヘヘ、サプライズだよ。どう?ビックリした?」ちょっと恥ずかしそうに微笑む楓子。

 「もう、楓ちゃんが照れてどうするの?」光が突っ込む、茜は目を潤ませて

 「みんな…ありがとうー!」光と楓子を抱き締める、しかしその力が強すぎた。

 「茜ちゃん、ブレイクブレイク!二人共死んじゃう!」慌てて茜と二人を引き離す花桜梨、光と楓子は呼吸困難に陥り泡を吹いて気絶していた。

 

 「それじゃ、気を取り直して…」復活した光が、夫の忍仕込みのカクテルを作り乾杯の音頭をとる。

 「茜ちゃんの結婚を祝して」

 「「「カンパーイ‼」」」互いにグラスを合わせてから楓子はキッチンに入り、料理を運んできた。

 「簡単なモノばかりで悪いけど、フライドポテトにお刺身、お腹持ちすると思って炊き込みご飯でオニギリ作ったよ」各々料理に手を伸ばす。

 「ど、どうかな?」不安そうな楓子に

 「うん!美味しいよ楓ちゃん!」茜は正直に誉める。

 「流石主婦ね、私も頑張らないと」この中で唯一の未婚者の花桜梨は改めて女子力向上に意欲をだす。

 「ボク、楓ちゃんはいい奥さんになるって見込んでたんだよ。ヤッパリ間違ってなかったね」

 「あの?私もなんですけど、皆さん」一番最初に結婚したハズの自分が圏外扱いされてると見た光が反論するも

 「え?だって忍君のが料理上手だよね?」忍は飲食店を経営しているから当然といえばそれまでである、それに光は専業主婦にはならず今も女子高教師として教壇に立っている。

 「何かバカにされた気分」膨れる光、勿論本気ではない。既にホロ酔いの為にこんな事も言える、茜達も同様だ。

 

 次の日いつも通り仕事をしている花桜梨にこの店の若旦那、染井吉彦が話を切りだそうとしていた。

 「あ、八重さん。昨日は友達の結婚祝だったそうだね」

 「若旦那?そうですけど。それがどうかしましたか?」

 「あの…実はですね…」

 「ゴメン下さーい!」客が来た、お馴染み越後屋大輔である。

 「いらっしゃい大輔君」花桜梨は吉彦の話を遮って接客に向かう。

 「これ、今月分の支払いです。後、醤油を一斗缶で頂けますか?」

 「ちょっと待ってて。若旦那、お醤油の缶ありますか?」吉彦に在庫の確認をする花桜梨、吉彦は店の奥にある倉庫から缶を下ろしながら

 「後で彼女にはキチンと申し込もう」染井吉彦、齢35で身を固める決意をしていた。

 

 

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