ジムリーダーから見たジム戦   作:九魂

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萌えもんの鬼畜3rd+で作者がカスミを倒したとき相当酷い状況だったので衝動的に書きました。



カスミの場合

そのトレーナーは、見る限りごく普通の女の子だった。

白い帽子、腰ほどまでストレートにしてある長い茶髪、黄色いバッグを持って上は水色のノースリーブ、下は赤のミニスカート。

その娘はジムトレーナーをあっさりと蹴散らして此方へ向かってきていた。

どうやらジムバッジは持っていないようで、これが初めてのジム戦らしい。

それを聴いてメンバーを整えると、私は彼女に問いた。

 

「あなたは萌えもん捕まえて育てるとき、何を考えてる?」

 

彼女は反応を返さない。

私はその様子を見て、彼女は強くないと考えた。

そしてそのまま、私は言ったのだ。

 

「私のポリシーはね…水タイプ萌えもんで、

攻めて、攻めて、攻めまくることよっ!」

 

 

「これより、ハナダジム公式ジム戦を行う!

リーダー、カスミは6体フルメンバー、回復あり!

チャレンジャー、マサラタウンのリーフは…2体!?」

 

審判の言葉を聞いて驚愕する。

彼女は私相手にたった二体で挑むとつもりらしい。

 

「……舐めてくれるじゃない…!」

 

私は戦闘意欲を募らせた。

メンバーは替わらないけれど、手加減はしない…!

 

「あー、失礼致しました!

チャレンジャー、リーフは2体、回復なしで行います!

それでは!

バトル、開始っ!」

 

 

 

 

 

◇◇◇   ◇◇◇

 

 

 

 

結論から言うと、私は負けた。

確かに相手はレベルが少し私より高かったけれど、メンバーが強すぎるというわけでもなかった。

 

私が。

 

私が、弱かったのだ。

 

とりあえず振り返ってみるとしよう。

あの娘と私の戦いを。

 

 

 

 

◇◇◇   ◇◇◇

 

 

 

 

「お願い、My Steady!」

 

「…お願いします、まかろん。」

 

私が出したのはネオラント。

この雨の降るバトルフィールドではとっても強い、私の切り込み隊長だ。

レベルは16。これでもウチのこのメンバーでは1番低いけれど、雨の中での強さはトップ3に入る。

 

対して彼女が出したのは「まかろん」と呼ばれた萌えもん。どうやら彼女はニックネームを付ける派らしい。

浮遊していてプラズマを纏っていたその姿を見て、私は彼女が持っているのをロトムだと当たりを付けるとともに、驚愕した。

ロトムはそこそこ、いや、大分珍しい萌えもんだ。

なるほど、彼女が2体で来るのも納得顔ともいえる…けれど、私は負ける気なんてない…!

 

「ネオラント!」

 

“デ ス サ ブ マ リ ン“

 

『任せて…!』

 

特性:すいすいで素早さの上がったネオラントの、雨で火力の上がった一撃!

相性的に見ても【ふつう】で、レベルが同じ、もしくはこれより下なら倒せる一撃。

少なくとも深手を負っているはず、と思った瞬間。

 

「まかろん、“かげぶんしん”です。」

 

『……ゴメンネ!』

 

電子音のような声ともにロトムは文字通り分身した。

それも、とても数え切れないくらいの数に。

これなら次の一撃は当てられない、と踏んでだろう

……甘い!

 

「ネオラント!全てを巻き込むようにー」

 

 

 

“デ ス サ ブ マ リ ン” !

 

 

 

フィールド全体を大波が覆う。

 

 

これで決まった、と思ったその時。

 

 

 

「まかろん。」

 

“ で ん げ き は ”

 

不可避の電撃の波がネオラントを襲った。

 

 

 

「ネオラント…!」

 

 

「ネオラント、戦闘不能!」

 

 

……!?んな阿呆な…!?

 

どうやって避けたの…分身は全部倒せていたはず…!?

……。駄目ね。判らないわ。

でも取り敢えずは。

 

「ネオラント、お疲れ様。」

 

『すまないマスター、お役に立てず…』

 

「いいのよ。ゆっくり休んでね…」

 

……でも。

何があったかは判らないけれど、相手はロトム。

電気タイプなら、この娘をぶつければ…!

 

 

「「お願い。」」

 

私と彼女の声が揃う。彼女も交代を…!?

…いや、これで問題ない、はず…!

 

「My…Steadyっ!」

 

「しぎ、任せました。」

 

『了解致しました、マスター。』

 

『まっかせてーっ!』

 

私が出したのはトリトドン。レベルは17。

水、地面タイプで電気タイプキラーとして使っていたんだけれど…

 

彼女が出してきたのは「しぎ」と呼ばれたフシギソウ。

 

 

 

私は困惑した。

 

こっちの弱点を完璧に突いてきているかのようで。

 

こっちの手の内を完全に読まれているかのようで。

 

だから私は、焦ってしまった。

 

 

「トリトドン!」

 

“ だ く り ゅ う ”

 

『喰らいなさい…!』

 

 

フィールドを濁った水が覆う。

 

 

 

そして。

 

彼女は。

 

笑っていた。

 

 

「……しぎ。」

 

『んー!見とけよ見とけよーっ!』

 

ここで初めて私は思い出した。

草タイプの萌えもんを相手にするとき、最も警戒すべきものを。

 

 

 

“ ね む り ご な ”

 

 

 

『あれぇ?なんだか眠く…zzz…』

 

「しまった…!」

 

萌えもんは、眠り状態になると何も出来なくなってしまう。

そして、相手は天敵の草萌えもんだ。

 

まずい…

 

マズいマズいマズいマズいマズいマズいマズいマズいマズいマズいマズいマズい…!!

 

 

「トリトドン…!起きて!トリトドン…!」

 

『ぐへへへ…まふたー…』

 

 

正面の彼女がニヤッと笑ったのが見えた。

 

「しぎ、“やどりぎのたね”、です。」

 

『もっちー!ソイやっ!』

 

……っ!最悪…!

 

「起きて!御願いよ、トリトドン!」

 

『むへぇ…ネオちゃんかぁいいよぉ…』

 

駄目…!

 

 

 

しかし。

 

寄生木の種は落とされた。

 

 

 

「お疲れ様でした、しぎ。お仕事完了です。」

 

『えぇ~!終わりなのー!?』

 

「またこんど出番はありますよ。

 頼りにしてますから。」

 

『んー!』

 

「それでは、再度まかろん、お願い致します。」

 

『ワカリマシタ!!』

 

 

彼女が入れ替える音が聞こえる。

 

「御願い、起きてよ、トリトドン…!」

 

『にへぇ…』

 

 

 

 

「まかろん、“かげぶんしん”。」

 

『リョウカイデス!』

 

ロトムの分身が大量に作られる。

 

 

 

「トリトドン…!!」

『あへぇ…』

 

これ以上は本格的にまずい。

ヤドリギに体力を奪われちゃう…!

 

 

 

「まかろん、再度“かげぶんしん”です。」

 

『ンー!』

 

まだ増えるのか、分身…!?

 

………こうなったら!!

 

「トリトドン!起きたら今日は一緒に寝てあげるから!」

 

『任せてください!』

 

トリトドン…!

 

「“だくりゅう”!」

 

『マスターとの一夜のためなら何でも!』

 

だけど、寝ぼけたトリトドンの攻撃は分身のひとつも掠りもしない。

 

 

彼女の声が無慈悲に告げられる。

 

「ようやく起きましたか…

 まかろん、“おにび”です。」

 

『エーイッ!』

 

 

やけど…!

 

「トリトドン、大丈夫!?」

 

『まだ、平気、です…!』

 

そんなはずはない。

もう半分を切ってしまっているはずだ…!

 

「お願い、“だくりゅう”…!」

 

『はぁぁぁあ!!』

 

ロトムに注ぐ濁った大波は。

 

しかし。

 

 

届かない。

 

 

 

「……まかろん。“かげぶんしん”。」

 

『マカサレマス!』

 

相手はまた分身を増やして…!

もう本体なんかわからない…!

 

 

「当たって……“だくりゅう”…!」

 

『う、ぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!』

 

 

私は、不安に思った。

当たるのかなって。

当たらないんじゃないかって。

 

それが、最もやってはいけないと、判っていたのに。

 

 

そんな攻撃は。

 

最大威力で放たれた“だくりゅう”は。

 

掠ることすらなく。

 

ただ放たれた。

 

 

そして。

 

 

「トリトドン、戦闘不能!」

 

 

私は。

 

 

「お疲れ。トリトドン。ゆっくり休んで。」

 

 

「審判、降参します。」

 

 

諦めた。

 

 

 

 

 

◇◇◇   ◇◇◇

 

 

 

 

 

「……え?今、なんて…?」

 

「降参する、って言ったのよ。」

 

全く。酷いわね。

 

 

「お疲れ様。これがブルーバッジよ。

……あ、そうそう。これもあげるわ。

中身はわざマシン03、みずのはどうよ。」

 

「……はい。あ、いえ、その…」

 

……彼女は目に見えて困惑していた。

…そりゃそうよね。

トレーナーの模範であるべきジムリーダーの私が、サレンダーなんて。

 

「いいのよ……にしても、私はダメだなー!

こんなんじゃ、旅にも出れやしない、か。」

 

「旅、ですか?」

 

「そうよ。このジムで修行を積んで、もう一度旅に出ようと思っていたんだけど…予想以上に私は弱かったみたい。」

 

「…?」

 

「負けるかも…って思っちゃって。

勝てないんじゃないか…って不安にさせて。

トレーナー失格だね、私。」

 

「そんなこと!」

 

「あるのよ……これは私の問題なの。」

 

「………わかりました。」

 

「…ありがとう。」

 

「カスミさん。私、また貴女と戦います。

ジムみたいにルールに縛られない場所で。

そう…あの『えいこうのいただき』で…!」

 

「……!?何を…!?」

 

「本気の貴女と戦って、貴女は強いってことを判らせてあげますから…そんな顔、しないでください。」

 

「……そんなに顔、酷かったかしら…?」

 

「えぇ。とても」

 

「そう…かしら…」

 

「でも。」

 

「…?」

 

「カスミさんは笑顔がピッタリです。」

 

「…んなっ!?」

 

「ふふっ!では、また戦いましょう!」

 

 

 

◇◇◇    ◇◇◇

 

 

 

 

これで彼女と私の話はおしまい。

 

…いえ、むしろ待っていなければならないのかしら。

 

 

「えいこうのいただき。」

 

 

そこで、私は笑顔で彼女を待ち受けるべきなのだろう。

 

彼女にピッタリと言われた、この笑顔で。




補足説明
『栄光の頂き』
鬼畜3rd+における最終到達点。
ここで戦おう、というのは即ち「あなたならここに来ることが出来るとても強いトレーナーだ」という激励になります。
要はトレーナーにとって最上級な褒め言葉である
…という独自解釈です。


第一ジム カスミ おてんばにんぎょ
条件:常に雨
1:すいすいネオラントLv16@ラムの実
・れいとうビーム・デスサブマリン
・シグナルビーム・???

2:トリトドンLv17
・だいちのちから・だくりゅう
・???    ・???

3:すいすいキングドラLv17@たべのこし
・りゅうのはどう・なみのり
・れいとうビーム・???

4:スターミーLv19
・サイコキネシス・かみなり
・れいとうビーム・なみのり

5:ミロカロスLv18@ラムの実
・レインストーム・なみのり
・れいとうビーム・じこさいせい

6:エンペルトLv20
・エクスカリバー・???
・ハイドロポンプ・ドリルくちばし

・レインストーム
タイプ:飛行 威力:100 命中率:70 PP:5
とくしゅ 2割の確率で「マヒ」 雨時必中
     空中の相手にも当たる 敵全体攻撃

・デスサブマリン
タイプ:水 威力:85 命中率:100 PP:15
ぶつり  「あなをほる」中の相手に威力2倍

・エクスカリバー
タイプ:鋼 威力:120 命中率:100 PP:5
ぶつり  自分の攻撃と防御1段階下げる


こいつぁひでぇや!

ということでカスミさんですた。
こいつに何度もリセさせられたのでほんとさぁ…!
当時勝てなくてロトムLv22まで上げてたのでご覧の有様の蹂躙状態です。
……とはいえ、ここまでレベル上げなきゃマジで無理だったので手持ち数制限掛けて挑んだ、という感じですね。

そのせいでカスミさん降参してますしね。
(ぶっちゃけ戦闘描写の練習で始めたけど飽きたという…)

現在、チャンピオンロードで苦戦中。
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