日にちが少し飛びますごめんなさい。
今日は聖チェリチョウ学院の修学旅行の日だ。
結局お嬢様は天音様の説得もあり今年は参加することを決めてくれたようだった。
「お姉ちゃん荷物の確認は大丈夫だよね?」
「もーそれ聞くの3回目だよ楓、大丈夫だって」
「あれ、そうだっけ」
「楓らしくもないわね、楽しみすぎて焦ってるんじゃないの?」
「そ、そんなことないよ」
そう、実のところ、私は修学旅行はめちゃくちゃ楽しみだった。幼少期からメイドをやっていたのもあってほとんどお屋敷から出たことがなく他県に遊びに行くのは実は初めてだった。それにお嬢様とどこかに一緒に行くってだけでほんとに楽しみだった。
「ふーん?じゃあお互い準備出来たみたいだし学院向かいましょうか」
「うん!」
私達は荷造りを完了して学院に向かった。
この時楓が大切なものを忘れていた事に気付くのはまだ先の話、、、
「おっはよー!エレナ、楓ちゃん!」
「おはようございます天音様」
毎朝恒例ともなりつつある天音様の抱擁にも慣れた。そしてこれも恒例になりつつあるのだが、、、
「だからセクハラすんな!」
毎度の如くお嬢様が天音様に飛び蹴りするのも当たり前になっていた。天音様毎朝のように蹴られてるけど大丈夫なのかな、、、
「もー痛いじゃない、、、でも楓ちゃんと今日から2泊一緒だし夜楽しみにしててね」
ウインクしながら言ってくる天音様。いや、楽しみにしててね言われましても、、、ってかお嬢様その目やめてください、バレーボールの時のトラウマ蘇るので、、、
「じゃあ点呼とるので集まってー!各班の班長は私にメンバー全員いるか報告宜しく!」
クラスの担任のつかさちゃんの声が響く。
あれ?そう言えばうちの班の班長って誰なんだろ、、、
「お嬢様、この班の班長って誰なんです?」
「あ、そう言えば決めてなかったわね、天音あんたやりなさい」
「えぇ!?やだよめんどくさい」
「ん?やりなさいって言ってんだけど?文句ある?」
「ないです、、、」
相変わらずのカリスマ力はお持ちのようで。お嬢様の強さの1つだと思うんだよね、目力で相手に主導権を与えないって言うのかな。わかりやすい言い方1つあった。メンチビーム!え?わかんない!?
「よかった、ありがとう天音ちゃん」
「エレナからちゃんづけとかバス横転するからやめて」
「さぁ楓バス乗りましょ、貴方酔いやすいから窓際の方がいいでしょ?」
「え?私が酔いやすいって言いましたっけ?」
「貴方私がパーティとか呼ばれた時車で行くと毎回青い顔してたじゃない、だからそうなんじゃないかなって思ったんだけど違う?」
いや、あってるんだけどお嬢様そんな私の事見ててくれたんだ、、、その事が知れただけでもちょっと嬉しいかも。
「はい、ちゃんと見ててくださったんですね、ありがとうございます」
それを言った瞬間お嬢様の顔がほんのり赤く染まったのが分かった。
「あの時は主人として使用人の体調管理も仕事だから見てて当然よ」
「そうでしたか、じゃあお言葉に甘えて窓際の席に失礼させてもらいますね」
こうして私は最後尾の窓際というベストポジションを確保することが出来た。横にお嬢様、天音様、さゆりという席順になった。
「じゃあ京都に向けて出発します!トイレなど行きたくなった場合にはすぐ教えてくださいね!到着予定時刻は今から4時間後の12時になってます!では各自自由にくつろいでね」
つかさちゃんも元気いいなぁ。それなりに楽しみにしてたみたいだった。
「ねぇねぇ何しようか?」
奥の席から天音様が片手にトランプ、もう片方の手にはUNOを持って身を乗り出して来た。遊ぶ気満々といった感じだった。
「天音悪いんだけど楓車に弱いのよ。多分トランプなんてした日には私の服が大変なことになりかねないわ」
いや、流石にエチケット袋持ってきてますよ、、、
バスに揺られること30分ほど、、、
「気持ち悪い、、、」
酔い止めの薬を飲んでもこんなに酔うなんて、、、私弱すぎじゃないかな、、、
「楓顔色悪いけど大丈夫?」
「ちょっと酔ったかもです、、、」
「早くない!?肩貸してあげるから楽にしていいわよ」
「とても嬉しい提案なんですが他の人の目もありますし窓に寄りかかるんで大丈夫ですよ」
「他の人仲良い子達とお喋りに夢中で端の私達の事なんて気にやしないから平気よ。それに横でゲロゲロされるの見たくもないし」
ごもっともである、、、窓開けても匂いも残るだろうし、、、私は申し訳ない気持ちになりながらお嬢様の肩に体を寄せた。
「戻しそうになった時とかすぐ言うんだよ?遠慮することなんてないんだからね」
「すみません、ありがとうございます」
ほんとに何してるんだろお嬢様にご迷惑おかけして、、、
でも、
お嬢様に寄りかかったら急激に吐き気が収まるのが分かった。安心感から来るものかもなのかは分からないがとにかく気持ちが安らいだ。
そして私はそれから京都に着くまでお嬢様の肩に顔を寄せて熟睡したのだった。