「ん…もう朝か…」
私は目覚ましがなる前にカーテンから差し込む日差しの眩しさで目を覚ました。
「今の時間は…まだ5:30じゃん。まぁいっかシャワー浴びてこよ。あ、その前に…お姉ちゃん起きて、ちょっとお姉ちゃん!」
昨夜のせいで下着1つ身につけてないお嬢様を起こした。この格好をあんま他の人に見せるわけに行かないからね…
「ん、楓…?また私気失ってそのまま寝ちゃったの…」
「まぁ、そんなとこかな…とにかく今のうちにシャワー浴びて着替えちゃってよ。寝直すのはその後でも大丈夫でしょ?」
「そーね。じゃあ一緒に入りましょうか」
「え?そんなに広くないんだけどお部屋のお風呂」
「いいからいいから」
「まぁいいけど」
やっぱり狭い…2人で浴槽に入りシャワーを交代交代で浴びるならどっちかが部屋で待機してるのが正解だった。
「はい楓、前いらっしゃい洗ってあげるから」
「ん、ありがとお姉ちゃん」
すっかりお嬢様に髪や身体を洗ってもらうのもなれた。前まではちょっと恥ずかしかったが体を重ねるうちにそんな恥じらいは一切消えてしまったみたいだった。
「少し髪伸びたんじゃないの?」
「あー確かに最近切ってなかったかも。お姉ちゃんぐらい伸ばそうかな」
「いいんじゃない?楓はどんな髪型でも似合うわよ。元の素材が完璧なんだし」
「それは褒めすぎだよお姉ちゃん」
「そんなことないって、ほらこことか」
「きゃっ!ちょっと朝からはやめようよ…」
「ちょっとした恋人同士の悪ふざけよ、じゃあ泡流すからね」
「はーい」
私の方は洗い終わったので次は交代で私がお嬢様の体を洗う番になった。
「眠い…」
「お姉ちゃんお風呂場で寝ないでよ?風邪引いちゃうからね」
「大丈夫よ、楓の指やっぱり気持ちいい、もっと髪触ってよ」
なんだろう…すんごい今の発言エロく聞こえちゃったんだけど。私もお嬢様に毒されてきたのかな…気にしないで髪洗うの続けちゃお。
「はぁ…気持ちいい…」
「ねぇ、わざとやってるよね?」
「バレちゃったか」
「そりゃ普段そんな声出したことないじゃんお姉ちゃん。朝からはやらないからね」
「楓に髪洗って貰ってる時に感じちゃったんだから仕方ないじゃない!」
えぇ…自分で言うかな普通…このままじゃいつもの流れになっちゃうしどーしよ。不健全すぎるんだよね前話から。あ、なんでもないです。
「わかったからちょっと静かにしよ、お姉ちゃん…天音様とさゆり起きちゃうよ」
「あ、ごめんなさい」
「………一回だけだからね」
そう言って私はお嬢様の唇に軽くキスをした。
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お風呂場で色々な意味でスッキリしたのかお嬢様は部屋に戻ると数秒で寝てしまった。ほんとにこの人は…欲に正直と言うかなんていうか。
「ふぁーあ。私も寝直そ…2日目は、あぁ今日も自由行動なんだっけ。ほんとこの学校行事に関してはぬるいんだよね…団体行動が3日目の午後だけとか生徒ほったらかしすぎじゃないかな」
考えているうちに私は眠りについてしまった。
「楓!楓起きて!」
「ん……どうしたの…」
「やっと起きた。天音もエレナ様も皆爆睡してるんだもん。もう13時だよ?このままだといつも見たく部屋でダラダラしてるだけの修学旅行になっちゃうよ!」
「うっそ…もうそんな時間なの…でもちょっと寝足りないや…さゆり様もう少し寝させてください眠いんです……zzz」
私は昨夜、そして早朝のお嬢様との連戦のせいで疲れ切っていたのか普段なら絶対に寝直さない時間だったが今日ばかりは体が怠くて起きるのを拒んだ。
「え!?ほんとに寝ちゃったの!うっそでしょ!」
さゆりの悲鳴を背に私は再び深い眠りについた。
「う、うぅ…なんだろ…体に重みがあるような。なんか甘い匂いもするし…」
私は体に違和感を感じて目を覚ました。
「あ、楓ちゃんおはよ」
「あ、おはようございます…天音様なんでわたしのお腹枕にして寝てるんですか…」
どうやら体の重みは天音様だったらしい。甘い匂いがしたのは恐らく天音様がシャワーを浴びてそのまま私のお腹で寝てたからだと思う。
「いやぁなんかそこで寝たらよく眠れそうかなぁって思ったんだけど。起こしちゃったみたいだねごめんね」
「いやそれは大丈夫なんですけど今何時ですか?」
「ん?18時だけど?」
「へ?」
アホみたいな声が出てしまった。でも18時!?いったい今日だけで何時間寝ちゃったの私…
「ふふ、そりゃエッチするのも体力いるからねぇ」
ニヤニヤしながら言う天音様。私だって朝は普通にシャワー浴びようとしたんですよ…
「まぁそれは置いといてお嬢様とさゆりどこいったんですか?姿が見えないようですけど」
「さゆり、1回楓ちゃんの事起こしたんだけど起きなさそうだったから、たまたま起きたエレナ様と京都観光してきますって3時頃メッセ入ってたよ。私も起きたの今さっきだもん」
エレナ様とさゆりって珍しい組み合わせだなぁ。私は何しようかな。今から外出る気にもならないし。
「そーだったんですね。私達はどうしましょうか」
「部屋いてもやる事ないんだよねぇ。さゆり達は外でご飯食べてくるみたいだし私達もどこか探してご飯食べ行こっか」
「ですね、そうしましょ」
天音様と二人っきりでご飯なんて初めてだなそういえば。まぁ付き合う前荒れてたお嬢様に普通に接してた私だしなんら問題ないだろう。
っと思っていたんだが問題はご飯屋さんに着く前に起きてしまった。
「お姉ちゃん達修学旅行生?可愛いねー。よかったら俺らと楽しいことしよーよ」
めんどくさい…この手のナンパはお嬢様と買い物に行く度にされるからもうコリゴリだった。どうやら天音様と歩いていてもそれは同じらしい。そりゃ天音様もめちゃくちゃ可愛いからね。女目線だけど天音様はなんていうかふわふわした感じ?誰とでも仲良く出来るのはほんとすごいと思う。そのせいで色んな女の子勘違いさせて告白されたりもしてたっけな。うちの高校ではナンバー2だね間違いなく。1はお嬢様。それは間違いない。
「解説してる暇あったらやんわり断ってよ楓ちゃん。私のこと可愛いって思ってくれてたんだぁ。後でチューしてあげるね」
「さゆりに殺されたくはないんで遠慮しときますよ。すみません私達そういうのは大丈夫なんで、行きましょ天音様」
軽くあしらって行こうとしたのだが…
「おいおいノリ悪いなーちょっと待ってよ」
「いたっ!」
「天音様!」
1人の金髪の男が天音様の手を強引に掴んで自分の方へと引っ張っていた。
「お前もこっち来いよ!」
「ちょっと!なにするんですか!」
私ももう1人の男に手を拘束されて身動きが取れなくなってしまった。
「さぁお姉ちゃん達楽しいことしよーな。そこに車止めてるからちゃっちゃと乗れよ」
この人達やばい!私は本能で危機を察した。このまま連れてかれたらどうなるかわかったもんじゃない。私は必死で抵抗した。
「離してよ!!誰か来て!お願い!誰かぁ!!」
私は声の続く限り叫び続けた。
「うるせぇんだよ黙りやがれ!」
「うっ、ケホッケホ!なんてことするの……」
私は男に鳩尾の当たりを思いっきり殴られ息が出来なくなるほど苦しくなって声を荒らげることが出来なくなった。
「楓ちゃん!」
ごめんなさい天音様…さゆりごめん。天音様守れなかったよ私……
「おい見ろよ、こいつ泣いちまったぜ。ホテル言ったらもっと泣くかもしんねーけどな、ギャハハハ」
外道が。手さえ拘束されてなかったら私も戦えたのに…
私と天音様はそのまま抵抗出来ず車に連れ込まれそうになったその時だった。
「お前ら。何したかわかってるでしょうね。私の一番大切なもの気付けたんだからそれ相応の覚悟はしてもらうわよ」
「え…?」
次の瞬間暗闇の中から武装した軍人らしき人達が一瞬で私達を取り囲み男を手刀で一撃で落としてしまった。
「ご苦労様です。本当に感謝します」
「いいえ、私達には勿体なさすぎるお言葉です。また何かありましたらお声掛けください。私はこいつらを警察署まで運んで行くので」
「ちょっと待って、金髪じゃない方にやらなきゃいけない事があるの」
「は、はぁ」
「お前か。私の楓を痛みつけたのわ。楓が受けた痛みの数倍の痛みを受けてもらうからな」
「ひ、ひぃ。ごめんなさい!出来心だったんです!」
「知るか。死ねやぁ!」
まぁそれは見るも無残と言いますかこれまで天音様を蹴り飛ばしてた蹴りとは比べ物にならないぐらいの威力で男の顔面を蹴り飛ばしていた。やっぱり絶対怒らせちゃいけない人なんだなと思った。
「じゃあ、あとお願いね」
「承知しました」
軍人風の男が2人の首根っこを掴んで警察署の方へと引きずっていった。
「楓!!!」
お嬢様が勢いそのままに抱きついてきた。ほんとにお嬢様がいなかったらどうなってたことか…私は安心感からか泣いてしまった。
「うぐ、お姉ちゃん!お姉ちゃぁん!ほんとに怖かったんだよ!もう会えないかと思ってたんだから!うわぁぁん!」
「もう大丈夫だからね。私がずっとそばに居るから」
「うん…」
しばらく私はお嬢様の腕の中で泣いていた。その感もお嬢様は私の頭を撫でてくれたり励ましの言葉をずっとかけてくれていた。
「ありがとうお姉ちゃん、もう大丈夫」
「よかった…じゃあホテル戻りましょうか」
「うん、でも警察とか行かなくていいの?」
「面倒なことはあいつらに任さるわ。一応先生には報告するけどね」
「あの、あの人たちはいったいどういう関係なの?」
「それ、私も聞きたかったのよ。後なんで私たちの居場所やらこの状況がわかったのか。さゆりいい加減に離れて、もう大丈夫だって」
「でも、でも…何もしてあげられなかった自分が悔しくて…」
「いいのよ。それに襲われたのがさゆりじゃなくてほんとによかった。多分貴方可愛いから車連れ込まれる前にやられちゃってるよ」
「うう、天音ちゃぁん!ほんとによかったよぉ!」
さゆりがここまで動揺して甘えてるのも初めて見た。ほんとにこの事件は忘れられない思い出になりそう。
「よしよし、ホテル戻ってゆっくりしようね、ごめんエレナ話し切って。それでどういうことなのあれは?」
「あぁ、まずさっきの人達は私の持ち物よ。持ち物って言い方は失礼かな。お母様が雇っていた用心棒だと思ってもらっていいわ。お母様が亡くなった後もずっと私を見守ってくれていてそれですぐ向かってもらったの。場所となんであの状況がわかったのはこれのおかげなの」
お嬢様は鞄からタブレット端末を取り出した。そして、アプリを開くと今いる地点が表示されていた。
「楓には言ってなかったけど貴方の靴に発信機と盗聴器仕掛けさせてもらってたのよ。私と離れてる時に何かあったら困るなと思って。盗聴器もこの自作のアプリで声が聴けるようになってるのよ。さゆりにはバレないように片耳だけインカムつけててそれでナンパされてるのがわかって成り行き見守っていたらあんなことになってたからすぐに用心棒に連絡して向かってもらったってわけ」
なんていうか…お嬢様はお嬢様だなって。忘れかけていたけどお嬢様は超がつくほどのお金持ちで日本でも名のある月村家の当主だ。確かに用心棒を雇っていても不思議ではないが…
「発信機と盗聴器って…私のプライバシー的な問題は…」
「まぁそのおかげで助かったんだしいいじゃない楓ちゃん。今回はエレナに頭が上がらないよ。それじゃ帰ろ。お腹すいちゃったよ安心したら」
「そうね、行きましょ」
さゆりがまだ泣き止まないので私達は4人仲良く手を繋いでホテルへと帰った。
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