あの事件の後私達はすぐに先生へと報告しに行った。それがあってか、明日の午前の自由行動は中止となった。修学旅行も残すところ後は明日の午後の団体行動のみとなった。
私達は部屋に戻ると先程の事を忘れられず私はお嬢様に、さゆりは天音様にくっついて離れられなかった。ってか天音様の芯の強さがほんとに今回の件で分かった。あんな事があったのに弱みを見せずさゆりのケアに一生懸命で普通の女の子ならあんな事をされたら泣いてもおかしくないのに一切泣かず笑顔さえ見せていた。やっぱり次期当主ってだけあって肝が座っているなと改めて思い知らされた。その点私とさゆりはどうだろうか、すぐにお互いのお嬢様に会うと泣いてしまい弱い所を見せてしまった。私も強くなりたいなぁほんと…お嬢様に守られるだけじゃなくて守れるようになりたい。今度天音様にそれとなく強くなれる秘訣とかを聞いてみようかな。
「楓」
「え?」
「貴方自分が弱いとか思ってない?」
また心を見透かされたようだった。ほんとよく私の事見てるんだな…
「まぁ…今回の件で何も出来なかったし」
「バカ」
優しくお嬢様は私の頭を抱えて言葉を続けた。
「あそこで楓が叫んでくれなかったら私は助けにすら行けなかったのよ。それだけで弱くなんてないわよ。楓は強い子だから大丈夫。楓は楓のままでいて大丈夫だからね」
「お姉ちゃん…なんでそんなに優しいの…ずるいよ。これ以上好きになっちゃうじゃん。ん」
私はお嬢様に軽い口付けをしてまたお嬢様の腕の中に戻った。
「ほんと甘えん坊さんなんだから。今日はもう遅いし寝ちゃいましょ」
「そーだね、また一緒に寝てもいい?」
「もちろんよ」
「ふふ、ありがとうお姉ちゃん」
話している間に天音様とさゆりも布団に入っていたので私達も寝ることにした。
「おやすみお姉ちゃん」
「おやすみ楓」
私達はまたキスをして眠りについた。
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「楓、朝よ起きて」
「ん…お姉ちゃんおはよ」
私はお嬢様の声で目を覚ました。時間は…9時か。昨日疲れてたしこのぐらいに起きるのは仕方ないか。
「おっはよー楓ちゃん。昨日の疲れは取れた?取れるわけもないか」
「あ、天音様おはようございます。あんま取れてないですね。まだ体重たいです」
「だよねー。私も昨日あの変態に掴まれたとこアザ出来ちゃってほんと最悪だよ。まぁ慰謝料ふんだんに取ったからいいけどさ。手出したのが緒方家の次期当主と月村家のメイドだもん相手も運が悪いよね」
「えぇ!?アザできたんですか!?そんな強く掴まれてたんですね…まぁ確かに…自業自得ですけどね」
「別に大丈夫だよ。アザのとこはスカーフでも巻いて誤魔化しとくしさ。楓ちゃんこそお腹大丈夫なの?結構強く殴られてたでしょ」
「そーいえば昨日お風呂も入らずに寝ちゃって見てませんでした…」
「だよねー。私達も今順番にはいってるからさ今見てみたら」
「あ、了解です。えっと…」
パジャマの裾を掴んでめくろうとした時だった。
「ちょっと!そんな簡単に人に素肌見せないの!こっちいらっしゃい!」
「え!?うん」
「ちぇ。楓ちゃんの綺麗な肌見れるチャンスだったのに」
いや、前一緒にお風呂入ってますよね天音様…
「見ていいのは私だけよ」
「独占欲おばけ」
「うるさい、ほら楓いらっしゃい」
「う、うん、うわ…思いっきりアザ残ってるじゃん」
お腹を見て私は驚愕した。天音様とは比べられない程大きなアザが残っていた。アザを撫でるとヒリヒリする痛みが伝わってきて嫌な感じだった。お腹のアザを凝視していたお嬢様はというと…
「やっぱりこの世から消しておくべきだった…楓の綺麗な肌にこんなもの残すなんて……痛いよね?」
私は前半部分を聞き流して後半部分だけを聞いていたことにした。
「特に触らなければ痛くないから大丈夫だよ。さゆりお風呂から上がったみたいだし私入ってくるね」
話の途中でさゆりがお風呂場から出てくるのが見えたので私はお風呂に行くことにした。
「私も行「来なくていいです」
絶対そう言うだろうと思ったから私は話をぶった切ってお風呂へと逃げ込んだ。
だってお嬢様とお風呂入ったら絶対昨日みたいになるじゃん…今はそういう気分じゃないし。
「かえでぇ!なんでよぉ!」
さっきまでのかっこいいお嬢様はどこに行ったんだろうってぐらいの変わりようだった。それを見て天音様とさゆりは笑いを隠せなかったようだった。
脱衣場に行きパジャマを脱ぐ時にアザを触ってしまいチクッとした痛みが全身を襲った。
「ったぁ…ほんとあんなに強く殴られるなんて聞いてないよ…お風呂上がったら持ってきた湿布貼っておこ」
浴槽に1人でつかっているとお嬢様と付き合う前の事を不意に思い出した。そう言えば付き合い始めてからずっとお風呂一緒に入ってたから1人で入るの久しぶりだな。あの頃のお嬢様の面影なんてホントに皆無だもんね。冷徹で非情とまでは言わなくてもホントにきつい人だったな…それが今じゃ私の彼女なんだもんなぁ…人生ほんと何が起こるかわかんないや。
「へっくち!」
「なにそのエレナに似合わない可愛いクシャミは」
「うるさいわね、人のくしゃみにいちいち突っかからないでよ」
「へいへい」
なんか外が賑やかな気がするけど気のせいかな。多分また天音様がお嬢様からかって遊んでるんだろうけど。
私は一通り体を洗って髪を洗いお風呂場を後にした。やっぱり1人より2人の方がいいなお風呂…お嬢様近くに感じられるし。お屋敷戻ったらまた一緒に入れるけどね。恥ずかしくてこんな事お嬢様には言えないけど。
「あ、楓ちゃん聞いてよ、エレナのクシャミ可愛いんだよー」
「あんた突っかからないでよって言ったわよね?」
「痛い痛い!アザ出来てるとこ掴まないでよ!」
ほんとこの二人は相変わらずだなぁ。
「お姉ちゃんのクシャミが可愛い事はよく知ってますよ天音様。寝てる時横でクシャミされてビックリしたの思い出しました」
あれは驚いたなぁほんと。お嬢様の可愛い1面の1つだと思う。だってへっくち!だよ!?萌え死ぬよね。
「なーんだ楓ちゃん知ってたのかぁ。ってかなんでエレナは顔真っ赤にしてんのよ…いつも2人でイチャイチャしてんだから照れる要素どこにもないでしょうに」
「うるさい」
顔を真っ赤にしてそっぽを向くお嬢様はとても可愛くてちょっと虐めたくなってしまった。
「お姉ちゃん?ほんとに人に可愛いとか言う癖に自分が言われると照れちゃうんだもんね。そういうところほんと可愛いと思う」
「ほんとエレナちゃん可愛いよ、ねぇさゆり?」
「え!?私に振るの…エレナ様可愛いと思いますよ」
三位一体の攻撃を受けエレナ様はと言うと…
「もー!うるさいってば!」
布団に包まって出てこなくなってしまった。ちょっとやりすぎちゃったかな。
「楓ちゃんがドSになるのもわかるかもね」
「別に私はドSじゃないですよ」
「ふーん、じゃあ私達は食堂で昼ご飯食べてくるね、後はごゆっくりー」
「あ、じゃあ私もお姉ちゃん出て来たら向かいますね」
さてと…こうなった時のお嬢様はいつ出てくるかわからないからなぁ。
「お姉ちゃんごめんって。ちょっとからかいすぎた」
「…知らない楓のバカ」
完全に拗ねちゃったよ。仕方ないなぁ。私はお嬢様が寝ている布団に潜り込んだ。
「仕方ないじゃんお姉ちゃんほんとに可愛いんだもん」
息が当たりそうな至近距離で私はそう言った。またお嬢様は顔を真っ赤にして照れ隠しに私にキスをしてきた。そういうことが可愛いのにほんと。私からもお嬢様にキスを返した。
「天音達は?」
「今食堂に行ったから部屋には私達二人きりだよ」
私はわざと二人きりの所を強調してお嬢様に話した。私もお嬢様が欲しくなったのだ。昨日お嬢様に助けられてまた好きの気持ちが強くなったからだった。でも自分から欲しいとは言いづらいから私は敢えてそういう言い方をしてみた。
「楓、いいの?お風呂断られたから今日はそういう気分じゃないのかなって思ってたんだけど」
なんでこういう時控えめなの!?いっつもは何も言わなくてもがっついてくるじゃんお嬢様。変に見透かされてる気がしてならなかった…
「なんでこういう時は鈍いのお姉ちゃん…私だってそういう事したくなる時だってあるんだよ」
私はお嬢様の腕の中で小さく呟いた。お嬢様がその言葉を聞き逃すはずもなく。
「ごめんね気付いてあげられなくて。じゃあ遠慮なく、ん」
「ん!?遠慮なさすぎじゃないかなそれは…」
お嬢様はいつもより激しく私を求めてきた。それに応えるように私もキスを返す。
「楓から誘ってくれる時は少ないからその分たくさん可愛がってあげよっかなって」
冗談交じりの笑顔で言ってくるお嬢様。
「ふふ、どーせいつも見たくドMになる癖に」
「それはどーかしらね。今日の私は一味違うわよ楓」
お嬢様がそう言ってたったの30秒後…
「お姉ちゃん?どこ舐めたいか言っていいよ?それとも踏まれたいかな?」
「楓様の足に踏まれたいです…お願いします」
「ふふ、ほんと可愛いんだから。じゃあ特別サービスで今日はたくさん踏んであげるね」
「エレナ感激です!!」
「ぶふっ!それやめてお姉ちゃん…」
なんだかんだでいつものお嬢様でしたとさ。
やる事をやって私達は一緒に大浴場に来ていた。丁度皆お昼を食べている時間帯だったので貸切状態だったので他の人に見られない間に私達はお互いの背中を流しあったり髪を洗いあったりした。
「修学旅行来てよかったわ。また来年も行こうね楓」
「そうだね、でも今度は2人だけで旅行とか行きたいかも」
「じゃあ夏休み行こっか」
「ほんとに!?やったー!」
「ふふ、そろそろ午後の団体行動の時間だから戻ろっか」
「そーだね」
私達はお風呂から上がりクラスの集合場所へと向かった。
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