「じゃあ皆集まったね!絶対に離れないこと!それだけを守って私達についてきてね」
つかさちゃんの号令で私達はクラスでの団体行動を開始した。帰りのバスの都合もあるので正味2時間ほどしかなかったが清水寺へ行ってクラス写真を撮ったり各自お土産を購入した。お嬢様学校ってこともあり各メイドは両手いっぱいにお土産を持っていた。やっぱり家柄によってお土産の量とかも変わるんだなと思った。私はというと。
「お嬢様、何か記念に買っていきます?」
「んー、別にいらないかな。楓も荷物持つの嫌でしょ?」
「いや、別にそれは構いませんが」
「それに何かもたせちゃって両手ふさがっちゃったら帰り手繋いで帰れないじゃない」
「あ、そこ…」
「何言ってんのよ、大事な事よ」
「まぁ、そうですね」
お嬢様は相変わらず私の事を第一優先してくれてるみたいで嬉しかった。
「団体行動なのにイチャイチャしてんじゃないわよそこのバカップル」
「あ、天音様、ってさゆり何その荷物…」
声をかけてきたのは天音様だった。しかしその横にいるさゆりが死にそうな顔で両手いっぱいにビニール袋を下げていた。
「天音様がたくさん買っていきたいって言うから…」
「貴方も少しは自分で持ちなさいよ。さゆり死にそうな顔してるわよ?」
「えーだって重いし…」
「ほんとこういうお嬢様にはなりたくないわね」
えぇ…それを半年前のお嬢様に聞かせたらなんていうんだろ…
「エレナにだけは言われたくないわ」
「昔と今は違うのよ」
「へいへい、さゆり片方持つから貸しなさい」
「え、ですが…」
「いいのよ、流石にそんな顔されちゃ持たせられないって。ごめんね気付いてあげれなくて」
「い、いえ…ありがとうございます」
さゆりは顔を真っ赤にしていて照れていた。無自覚イケメンだからなぁ天音様も。お嬢様もそういうところあるから時々ドキッとしちゃうんだけどね。残念系お嬢様が8割を示してたんだけどこの前のナンパの1件で残念なのが5割ぐらいになった気がするよ。
私達はお土産などを買い終え帰りのバスへと乗り込んだ。
「なんかあっという間だったね。ってかまともに観光してない気がする…」
「確かに…ってきもぢわるい…」
私は行きと同じく少しの揺れでバス酔いを起こしてしまった。
「流石にその早さに脱帽するよ楓…エレナ様に言いなよ。また肩貸してもらえばいいんじゃない?」
「簡単に言うけど結構恥ずかしいんだからね!?」
「ホテルのお風呂場でやってた人の台詞とは思えないんだけど…」
「うるさい、寝れば大丈夫だよ多分。おやすみ!」
「はいはい、おやすみ」
私はしばらく目を瞑っていたが一向に眠気が来ず吐き気だけが増していた。
やばい…マジでこのままだとお昼ご飯の海鮮丼出てきちゃう…その時だった。
「全く…気分悪いなら早く言いなさいよね。私の膝使っていいから寝ちゃいなさい。肩貸してると私も少し肩痛くなるから膝で我慢して」
膝枕!?それはとても魅力的な提案だけど流石にほかの目もあるから無理だよお嬢様…
「いや…流石にほかの人の目ありますからそれは…って!お嬢様!?」
お嬢様は私の首根っこを捕まえると自分の膝の上にちょこんと乗せた。ほんと人の話聞かないんだから…1度決めたら実行するっていうのはほんと付き合う前から変わってない。
「そんなの気にしなければ平気よ。別に他の人になんと思われようが構わないわ」
構いますってぇ!お嬢様のファンの目がヤバいですって!ほらぁ!私の事すんごい目で見てますもん!
「いった…お嬢様何するんですか…」
突然お嬢様に頭をはたかれた。しかも割と強めに…
「まーた釣り合ってないだとか変な事考えてたでしょ?そんな事ばっか考えてたら学校の教卓の目の前でキスするからね」
死ぬわ。そんな事されたら色んな意味で死んでしまいますお嬢様。
「す、すみません…じゃあ改めてお膝お借りしますね」
お嬢様の膝枕はとても温かかった。細い足にどこからこんなぬくもりが…それにやっぱりお嬢様にくっついていると自然と体が安心感に包まれていた。
「お嬢様は体休めなくて大丈夫ですか?」
「私は大丈夫よ。それに楓がいるだけで疲れ取れるもん」
「もー!そんな恥ずかしい事平気で言わないでくださいよ!」
「ふふ、いいからもう寝ちゃいなさいな。着いたら起こしてあげるから」
「ありがとうございます、おやすみなさいお姉ちゃん」
私は皆に聞こえないような声でお姉ちゃんと言った。お嬢様は不意打ちに少し照れていたようだった。