私の足を舐めなさい!   作:足でされたい

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本編に戻ります


前日

「え?学校から電話」

 

「うん、お姉ちゃんに変わってくれだって」

 

学校は春休みに入り私とお嬢様、それに加えてお母さんと仲良く談笑していた時にその電話はかかってきた。学校からの電話と言うと何かの呼び出しとかだとは思うがお嬢様に直接のお電話は初めてだった。

 

「はい月村です。ええ、代わりました。それでご要件と言うのは?……はい。え!?ですが橘は?私一人!?嫌です。なんで私が1人で行かなきゃ行けないんですか、メイドと主人は同じ学年、同じクラスって決まりではなかったのでは?はぁ……それはそちらの都合ですよね、もう切ってもいいですか?は?わかりました……では明日15時に校長室で。はい。失礼します」

 

ガチャン!!

 

お嬢様は思いっきり電話を叩きつけるように戻した。

 

「ちょっと聞いてよお母さん!それに楓!」

 

鬼のような顔をしたお嬢様がこちらにズカズカと歩いてきた。すっかりお母さん呼びも慣れたみたいだった。前までは照れながら言ってたのに。まぁ可愛かったよね。

 

「どうしたの?」

 

「それが大学に飛び級しないか?って連絡だったの。確かに高校の勉強範囲は頭の中に入ってるけど私だけ来いって言うのよ?普通メイドと主人は同じ学年、クラスが当たり前でしょ?楓と離れるなんて絶対やだもん。それなのに話勝手に進めて手続きしたいから明日学校に来てくれだって。そこではっきり断ってやるわ」

 

「あー、そーだったんだ……」

 

裏を返せば私がもう少し勉強出来てたらお嬢様は何の障害もなく大学に飛び級出来たんだなって思うと少し胸が痛くなった。私だってお嬢様と離れるのは絶対に嫌だ。でもお嬢様の将来とか考えたら絶対大学行って先へ先へ言った方がいいよね……

 

私の意図を察したのか、私が喋らないから先に話したのかは分からないがお母さんが口を開いた。

 

 

「エレナちゃん的にはじゃあ大学は別に行かなくてもいいと思ってるの?」

 

「ううん、大学は行きたいなとは思ってるよ。でもわざわざ急ぎ足で行くことはないでしょ?」

 

「まぁそうね、じゃあ聞き方を変えるね。仮に楓と付き合ってなかったら行ってた?」

 

「それは……わからないかも……でも!絶対に今は大学なんて行きたくないのよ、楓も天音もさゆりちゃんもいないとこに1人で放り込まれたらと思うと少し怖くて……大学っていう所がどんなところかもわからないし不安しかなくて……」

 

「お姉ちゃん……」

 

そうだよね、お嬢様も1人の女の子だもん。知らない環境に飛び込んで行くのは少し怖いよね。でも………

 

「私は大学に行ってもらいたいかな」

 

「楓……?」

 

お嬢様は私へ不安を込めた目で見てきた。それはそうだろう。嫌だと言ってるのに恋人が勧めてくるんだからね。

 

「だってお姉ちゃんは凄い人なんだって周りにも知って欲しいんだもん。どんどん大きくなってこれが私の彼女です!って堂々と言えたらすんごい嬉しいかなって思っちゃったの」

 

「楓……でも!離れちゃうんだよ?」

 

「明日私からお願いしてみる。一緒に大学に行かせてくださいって。それでダメなら大人しく3年生に進級しよ?それじゃダメかな?」

 

「ううん、私は楓さえいてくれたら何でもいいもの。ありがとうね、楓なりに考えてくれたんだね……」

 

「当たりだもん彼女だもん」

 

私は精一杯の笑顔でお嬢様に返答した。ちょっと臭すぎたかな。

 

「楓!」

 

お嬢様は私に思いっきり抱きついてきた。多分お母さんいること思いっきり忘れてるね……

 

「ほんとにありがとう……」

 

「ううん、当たり前だよ」

 

お嬢様は涙ながらに言っていた。本当に悩んでいたんだな。

 

「楓……」

 

「ちょ、ちょっと待って!今お母さんいるからね?」

 

「え、あ……」

 

やっぱり気付いていなかった……多分そのままの勢いで私にキスしてくれようとしたんだろうけど……

 

「あはは、お邪魔みたいだったかな、まぁまた明日聞きに来るね、後は2人で楽しみなさいな」

 

「うん、ありがとねお母さん、また明日」

 

「はーい、それじゃね楓、エレナちゃん」

 

「はい……」

 

お嬢様は顔を真っ赤にして下を向いてしまった。ほんとにこの人はすぐ照れるなぁ。

 

「そんな照れなくてもいいじゃん」

 

「いや……流石にお母さんに見られてる前で何してんだろって思っちゃって恥ずかしくて」

 

完全に自己嫌悪モード入っちゃったよ……仕方ないなぁ。

 

「こっち向いてお姉ちゃん」

 

「何……?っん!!ちょっと楓!?」

 

私はお嬢様の唇を強引に奪ってそのまま押し倒した。

 

「何でいいムードだったのにそうなるかなぉ……そういうお姉ちゃんにはお仕置きが必要だよね?」

 

ムードもくそもなかったけど私がしたくなったしいいよね?お母さんも気使ってくてたんだし。あれ?なんか最近の私性欲強くない……?まぁいっか。高校生だもん普通だよね。

 

「お仕置き……そーだよね、悪い子にはお仕置き必要だよね……お願いします……」

 

流石お嬢様。お仕置きってワードにすぐ反応してくれたみたい。

 

「目が喜んでるみたいだけど気のせいかな?」

 

「そ、そんなことないよ!」

 

「そっか、ならいいけど、じゃあ、はい。わかるよね?」

 

私はお嬢様の目の前に足を差し出した。もう恒例となってしまったけど普通のカップルこんなことしないよね。同性ってだけでも珍しいのにほんとぶっ飛んでると思う私達。

 

「はい……失礼します」

 

こうして私達はまた1つになった。この時だけは明日の面接の事を忘れられて目の前のお嬢様だけを見ていられてとても幸せだった。


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