まさか観月先生からお食事に誘われるなんて思わなかったなぁ。やっぱり楓が言ってたように冷徹な人には見えなかった。感情表に出してくれるおかげでこっちもわかりやすくてとても助かるし、私がいいですよ、って言った時の笑顔はほんとに素敵だったなぁ……それに佳奈さんって呼んだ時は少し照れててほんと可愛かった。今のとこ冷徹のれの字もないよ楓。
「紅葉さん、ファミレスでもいいですか?あまり持ち合わせがないもので……」
「いえいえ、私も普段私もファミレスとかしか行かないので」
「そうなんですか、じゃあ行きますか」
私は佳奈さんに連れられ駅前のファミレスへと入った。
◇ ◇ ◇ ◇
「ちょっとあれどういうこと!?なんで校長先生とお母さんが一緒にいるの?」
「落ち着きなさい楓、テーブルに書いてあったでしょ。先生とご飯食べてくるって、別に慌てて後追いかける事もなかったでしょうに」
「だってピンポンの音がして目覚めて、リビング覗いたら校長先生とお母さんいるんだもんそりゃびっくりするよ。しかも校長先生はお母さんの事ご飯誘うしわけわかんないよ」
「私はなんで校長先生がお母さんの事ご飯誘ったのかなんだかんだわかるけどね、楓はわからない?」
「全然わかんない……教えてよお姉ちゃん」
「やっぱり子供ね楓わ、それはね、校長先生がお母さんに一目惚れしたのよ」
………は?何を言ってるんだろうかこのお嬢様わ。確かに私達は女同士で付き合ってるけど世間的には大分少ないからね?まさかそんなことありえるはずないだろう。確かにお母さんは外見30を超えてるようには見えないし、綺麗だとは思うけど、あの校長先生がお母さんを好きになるとは思えなかった。
「あのねお姉ちゃん、確かに私たちはレズだよ。それはわかる。でも世間一般からしたら大分人工少ないんだよ?まさか有り得ないでしょあの校長先生が」
「じゃあ確かめてやろうじゃない、ほらファミレス入るわよ。メガネは持ってきてるわよね?隣の席から話聞きましょ」
「お母さんごめんなさい。でもやっぱり私気になる。ちょっとだけ盗み聞きさせてもらうね」
私はお嬢様と一緒にお母さんと校長先生が座るテーブルの真後ろの席へと座った。
◇ ◇ ◇ ◇
「えぇ!?紅葉さんって今年で34なんですか!?全然見えませんよ!私と同い年ぐらいかと思ってました」
「ふふ、そんな褒めても何も出ませんよ、佳奈さんはお幾つなんですか?」
「私は今年で29です、でも恋人もいないし趣味も無いわで悲しい限りですよ」
苦笑いで言う佳奈さん。そっかぁ29かぁ……その頃は私も楓と会って話して和解出来るなんて思わなかったなぁ。
「お若くて羨ましいです、いえいえまだこれからですよ、佳奈さんお綺麗ですし学校の男性教師がほっとかないんじゃないですか?」
「お、お綺麗なんてそんなことないですよ!紅葉さんの方が綺麗です、私なんか到底及ばないですよ。いえいえ、全然ですよ。前に合コン行ったとこはあるんですけれどどうも男性の前だと緊張してしまって……」
やっぱり佳奈さんって照れ屋だ。表情コロコロ変わって可愛いなぁ。恥ずかしがり屋なのかな。
もう話をしていて楓から聞いていた冷徹っていう印象は全くなくなった。
「私なんてもうおばさんですよ、貰い手がないですよ」
「いやいやそんな事ないですって!ほんとお綺麗ですしスタイルもいいですし」
「なら佳奈さんが貰い手になってくれますか?ふふ、なーんてね」
あれ、ちょっとした冗談を言ったつもりだったのに何故か佳奈さんは顔を真っ赤にしてフリーズしてしまった。
「あのぉ。佳奈さん?」
「ひゃい!えっとその……紅葉さんさえよければ全然!」
「え?」
あらあら本気で捉えちゃったのね佳奈さん。でも嬉しいかも、こんな綺麗な人に貰い手になってもらったら本望だわ。あれ、もしかして私も男性じゃなくて女性の方が恋愛対象なのかしら。
「はぁ!?」
「ちょっと楓!声が大きい!」
「「え?」」
「「あ」」
「なんで貴方達がここにいるのよぉ!!」
店内に校長先生の絶叫が叫び渡った。
次回、紅葉さんと佳奈さんはどうなるのか?次回が終わり次第大学へという流れになります。鈍行ですみませんw