ジェシカにエレナと楓は更に惑わされて今回は……
「楽しみだねぇクラス発表」
「まぁ別に私と楓は離れない事ないしあんまり気にしてないわよ、あー……でもジェシカと一緒になるのだけは勘弁して欲しいかな……」
「あーそーいえば……」
そんな話をしながら私達は大学へと向かった。大学までは徒歩で20分ほど。他のお嬢様は車で登校しているがお嬢様は別に20分ぐらい歩くわよって言うので歩いて登校する事にした。私にしてはお嬢様とこっそり手を繋ぎながら登校出来るのでとても嬉しかった。
◇ ◇ ◇ ◇
大学につくと、門の前では人だかりが出来ていた。その人だかりの中心にいたのは、なんとジェシカさんだった。
「なんでジェシカさん注目集めてるんですかね?」
大学に入った為、私は呼び方をお姉ちゃんからお嬢様に戻しメイド相応の対応に変えた。
「さぁ……ってかあんなとこに人だかり出来てるんじゃ入れないじゃない。裏から行きましょ」
「ですね……」
裏へ回ろうとしたら恐らく新入生であろう子達がジェシカさんの噂をしていた。
「あの人ってロシアのお姫様なんでしょ!私達もサイン貰いに行きましょ!昨日綺麗な青髪で可愛い子だなぁとか思ったらまさかお姫様とかやばいよね!」
「ほんとほんと!マジでやばいよね!身長ちっちゃくって可愛いし抱き枕にしたい!」
「お嬢様……もしかしてお姫様に関節決めてヘッドロックしてたんすか……」
「あはは……確かに国家反逆罪とか言われたっけ……」
「今後やめてくださいね」
「承知しました」
私達は驚愕の事実を知り、裏門からクラス発表のプリントを教師から貰い自分のクラスを探した。
「あ!楓見つけたわよ、私達はAクラスみたい」
「あ、ほんとだ!お姉ちゃんジェシカさんも一緒だよ……」
「マジで……?」
「マジです……」
「なんでこーなるのよぉ!」
お嬢様の絶叫が校舎内に響き渡った事をジェシカさんは知る由もなく……
「とにかく楓。基本的に関わらない。この作戦で行くわよ」
「わかりました、じゃあ行きますか」
「えぇ」
学校の見取り図を見るとどうやら私達の教室は本館の3階みたいだった。高校同様全校人数は少なく1クラス15人ぐらいで組まれていてそれが3クラスの4学年という感じだ。設備などはしっかりしていて本館、新館、サークル棟と3つの校舎があるみたいだった。
「あれ?お嬢様入らないんですか?」
いつもはなんの気にもせずズカズカと入っていくお嬢様だったが何故か教室の入り口で立ち止まっていた。
「いや……なんて言えばいいのかわかんないけど緊張しちゃって……あのロシアのお姫様にどんな顔して会えばいいのかわかんなくなっちゃった」
初めてお嬢様が困っている顔を見たかもしれない。子犬みたいな表情を見せるお嬢様を堪能していたかったがここはメイドとして主人を助けることにした。
「わかりました、私から入りますよ」
私はお嬢様が入りやすいようにと先に教室に入ることにした。
えっと、私とお嬢様の席は……あった!窓側の後から2番目!悪くないじゃん!
「お嬢様、こちらになります」
「ありがとう」
この時私は上下の人の名前を確認していなかった。まさかジェシカさんが私達の後ろの席だったとはこの時は知りもしないお嬢様と私だった。
入学して2日目だと皆緊張しているのか誰一人として声を発する者はいなかった。私もその1人で時計の針を見つめるばかりだった。
その時教室の扉が大きな音をたてて開いた。この緊張しきった空間でよく出来るな……と思い扉の方に目線を向けると私とお嬢様が警戒していた人物、ジェシカさんが立っていた。
「あー!月村!同じクラスだったのね!」
まぁそういう反応すると思いましたよ。よくこんな緊張感ある場所で声を荒らげられましたね……流石は一国のお姫様とでも言うのだろうか。
「ジェシカ……貴方周りを見て何も思わないの?KYよKY」
「けーわぃ?なんだそれは?日本語で頼む」
「ロシア人の貴方が日本語で頼むとか言ってんじゃないわよ。とにかく座りなさいな、周りの子が困ってるでしょ」
「あーそれはすまない。皆ごめんね」
あれ、素直に謝れる子なんだ。根は優しい子なのかな?なんて呑気なことを考えていると……
「よりによって月村の後ろか……まぁ仕方ない」
「ため息つきたいのはこっちの方よ。まぁこれから4年間一緒なんだから宜しくねジェシカ」
「お、おう、どうしたんだ昨日とは態度が全く違うじゃないか」
「うっさいわねこっちにも色々事情があんのよ。それでこっちはメイドの楓よ」
「エレナ様のメイドの橘楓と言います。これから宜しくお願いしますねジェシカさん」
私はジェシカさんに思いっきりの笑顔を見せて挨拶をした。悪い印象持たれたら最悪だしね。
「………可愛い。いやごめん何でもない!ジェシカよ!宜しくね!」
そう言ってジェシカさんは私に握手を求めてきたので私もそれに応じるように握り返した。
「柔らかい……それに何でこんなに胸がドキドキするの……」
「あのぉ……お顔が赤いようですけれども大丈夫ですか?」
「だ!大丈夫!ただちょっと熱いだけだから!そういえば私のメイドも紹介するわね、ソフィよ」
「ソフィです。お嬢様はこんな性格で迷惑をかけるかもですが宜しくお願いします」
「宜しくお願いしますソフィさん」
自己紹介が終わったところで教室にうちのクラスの担任だろうと思われる人が入ってきた。
「みんな表情が固いなー。リラックスだよリラックス!私は濱田ナツ、これから4年間皆と成長して行きたいと思うから宜しくね!じゃあ質問ある人?」
なんだか明るい先生が来たなぁ。リラックス、リラックスってそんな簡単に言ってもな……
「はい!」
私の後ろの席から手が上がった。どうやらジェシカさんみたいだ。
「はい、ジェシカさん」
「先生って何歳ですか?」
いきなり聞きづらいどこいったよジェシカさん……お嬢様より度胸あるんじゃないのかな?いや、ただのバカか……いやいや、お姫様にバカとか間違っても言っちゃいけないよね!
「27よー、まだまだ若いんだからねこう見えても」
いやぁこう見えてもって言うより身長はつかさちゃんと変わらない上に童顔だから同年代に見えますよ……
「まぁいいや、とにかく今は皆の緊張解くために自己紹介からやろうか!」
濱田先生の提案で今日の授業はコミュニケーションを中心としたものをやった。何故か2人ペアを作る授業ではジェシカさんからの熱いアプローチのせいでジェシカさんとやることになったけどお嬢様怒ってないかな……いきなり私楓とやる!なんて言われたからびっくりしちゃったよ……ソフィさんも申し訳なさそうにお嬢様と組んでたし、ジェシカさんは本当に何を考えているのかわからないな……
午前中みっちりと、コミュニケーションの授業をやり終え今日は解散となった。
「あの、楓、ちょっといいかな……?」
「なんですかジェシカさん?」
「よかったらアドレス教えてもらえないかなって……楓、月村と違って優しいし友達になってくれると嬉しいなって……それに私の事はジェシカでいいよ!それに敬語もいらない!仲良い子は皆そう!」
「え、えぇと……ソフィさん大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ、お嬢様は気に入った人には逆に敬語で呼ばれたくないタイプなんですよ」
「そういうことなら……分かった、じゃあジェシカ宜しくね!これ私のアドレス」
そう言って身近にあった紙にアドレスを書いてジェシカに渡した。
「ありがと!家帰ったらメールするね!」
それだけ言うとトコトコとジェシカはソフィと一緒に教室を出た。黙っていたら本当に可愛い子なんだけどな。青髪のショートカットで天真爛漫。それに童顔で小柄だから大学生と言うより中学生に見えるぐらいだよ。
「楓、行くわよ」
「あ!はい!今行きます」
今、なんかお嬢様の言葉に棘があったのは気のせいだろうか……いや、気のせいだよね。別に怒らせるようなことしてないし。
「ちょっとお姉ちゃん歩くの早いよ!どうしちゃったの?」
「別に、お屋敷戻ったら着替えて私の部屋に来てちょうだい」
「え、うん……」
何かおかしい。流石に長い時間お嬢様と一緒にいるからわかる。これじゃまるで前のお嬢様だ。こんなに冷たく突き放されたのはいつ以来だろうか……
その後お屋敷まで一言も喋らず私とお嬢様は帰宅した。私は言われた通り部屋着にサクッと着替えるとお嬢様の部屋へ向かった。
「お姉ちゃん?私だけど」
中から返事は無かったが私はノックをして部屋に入る事にした。
「どうしたの?おねぇちゃ!?んー!!けほっけほ!ちょっとお姉ちゃん!?痛いって!」
「うるさい」
私はいきなりキスをされ抵抗出来ないままベッドに押し倒されてしまった。ほんとにどうしちゃったの???
「ちょっと痛いよお姉ちゃん……んぐ……もー!ダメだって!」
まだ秘部が濡れてもいないのにお嬢様の指は先を求め続けてきたのでこのままでは行けないと思いお嬢様を突き飛ばした。
「なんなの!?言いたいことがあるならちゃんと言ってよ!分かんないよ!」
初めてのお嬢様に対しての本気の怒り。本当にわけがわからなかった。いきなり私の事を求めてくることはあっても、こんな風に強引にしてくることは、今までに1度もなかった。
「だって……だって!ジェシカに取られちゃうかと思ったのよ!ずっとジェシカと楽しそうに話してるし、最後はアドレスまで楽しそうに交換してるし!こんな気持ち私だって、初めてでどうしていいかわからないのよ!!」
お嬢様は目尻に涙をためて反論してきた。そういうことだったんだ……ヤキモチかな。独占欲は元から強かったもんね。ゴメンね気付いてあげられなくて。
「もう……大丈夫だよお姉ちゃん。私はこれからもずっとお姉ちゃんのものだって。ジェシカとはただの友達だからこれ以上は何もないって」
「本当?」
「本当。そんな泣きそうな顔しないでよ、ほんとに嫌われたかと思ったんだから」
私はそう言うと泣きそうになっているお嬢様を抱きしめた。カリスマ性に溢れた人でもこういうことには物凄く脆いんだな……
「ごめんね楓……痛かったよね。私何も考えずにただしようとして……ほんとにごめ、ん……」
「もう謝らないで。お姉ちゃんの気持ちわかったから。だからさっきの続きしよ?」
「楓……大好き」
「私もだよお姉ちゃん……」
私達は長いキスをした。今までにしたキスでそれは1番長かったかもしれない。お嬢様が不安定になった時は私が支えてあげよう。私はこの時強く思った。
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