「私はなんて答えたらいいの……」
ジェシカから告白され、私は少し時間を貰ってもいいかな?と一言だけ残し逃げるようにお屋敷へと戻り、お嬢様と付き合い出して以来久々に自分のベッドに入り、これからどうしたらいいのかを帰ったきりずっと考えていた。
「まさか私だなんて思うわけないじゃん……」
人生でお嬢様を除いて初めてされた告白。それも相手が一国のお姫様。多分香織さんも知っててお嬢様と私を離したんだと思うけど……それにただ、付き合って下さい。なら私もごめんね、今エレナとお付き合いしてるんだ。で返せるんだけど、ジェシカの口から出てきた言葉は、『このまま楓を好きな私でもいいですか?』
「なんなのそれ!かっこよすぎるでしょ!だって付き合えないって分かってるのに、私の事をその、好きなままなんでしょ?私なら絶対に耐えられないよそんなの……学校じゃそんなに付き合ってる風には見せてないけど、その後家帰ってイチャイチャしてるんだろうなぁとか考えたら胸が張り裂けそうになるに決まってるじゃん……」
私がベッドの上をゴロゴロと転げ回りながら悩んでいると、自室の扉が静かに空いた。
「それでどうするのよ、ジェシカに告白されたんでしょ?」
そこにはネグリジェ姿のお嬢様が立っていた。でもなんで知っているんだろう……私がそんな顔をしたからかは分からないが、私が口を開く前にお嬢様は、話を続けた。
「香織に自白剤飲ませて聞いたのよ。どう考えてもおかしいもの。それで帰ってきたと思ったら急に自分の部屋に閉じこもる楓がいた。あぁ告白されたのね?ってなるでしょ。それで何て言われたのよ?」
「いや……でも流石にそれはジェシカに悪い気がして……」
「もう一度言うわ。何て言われたの?」
お嬢様の性格を良く知る私はこれ以上の抵抗は無駄だと思い、言われた言葉を嘘ひとつなくお嬢様に伝えた。
「なるほどね……あの子も可愛いとこあるじゃない。それに私に気遣ったのか知らないけど付き合って下さいって言わなかったのは、ちょっとだけ見直したかしら。てっきり月村より私と付き合って下さい!とか言うと思ってたわ」
どうやらお嬢様もジェシカの告白の言葉に少し驚いたみたいだった。でも半笑いで言わないでよ……私は、笑いたくても笑える立場じゃないんだから。
「だからどう返事したらいいかわからなくて……単純に付き合って下さい。って言われたらごめんね、今お付き合いしてる人いるんだで終わったんだけど、好きなままでいいですか?はちょっと返事に困るよ……私がいいよ、って言ったらジェシカはずっと私を好きでいると思う。でもそうしたら大学生活中苦しい思いしちゃうと思うんだ……好きな人が他の子と一緒に歩いてたり、抱き合ってるとことか想像しちゃったら私なら耐えられないって思って……」
「なんだ、もう答え出てるじゃないの。それを明日言ってあげたらいいと思うわよ」
「うーん……こんなに告白される側が辛いと思わなかったよ……」
「まぁ経験って事でいいじゃない。それより」
「なに?」
「半日も楓取られて私は怒ってるのよ?彼女が他の子と一緒にいていい気はしないって楓も分かってるわよね?」
「あー、うんごめん。でもエレナだって香織さんと一緒だったじゃん」
「だからこうして謝りも兼ねて来たんじゃない」
「まぁ気にしてないけどさ。じゃあ私疲れたから寝るよ?」
「え、ちょっと待ってよ楓。この格好見て何も思わない楓じゃないでしょ?」
「まぁわかってたよ……」
お嬢様のネグリジェは、すっけすけのやつだった。部屋に入ってきた瞬間から気付いてはいたがそんな気分じゃないことぐらいわかって欲しいんだけど……
「そんな気分じゃないからやだよ」
「そんな気分だからこそじゃない?半日も楓取られた気にもなってよ」
「はぁ……私は寝るからね」
「え!?ちょっと待ってよ楓!」
「あーなんか私の彼女最近わがままなんだよなぁ……ジェシカちゃんに乗り換えようかな」
私は、わざとお嬢様に聞こえるように言った。少し口は悪いけど今日の所はほんとに帰って欲しかった。空気読めなさすぎだよほんと。KYにも程があるって……
「わかったわよ……おやすみ楓」
「うん、おやすみエレナ。ちゅ、これで勘弁してね」
「明日頑張りなさいね」
「ありがと」
私はお嬢様の頬に軽い口付けをして心身疲れていたのか、すぐに眠りについた。
◇ ◇ ◇ ◇
『えぇ!?もう告ったの!?早すぎじゃない!?』
「もー!わかってるよそのぐらい……でも気持ちを我慢出来なくて……」
『それで楓はなんて?』
「少し時間を貰ってもいいかな?って。あぁどうしようほんと。明日楓の顔見れないよ……」
『いい報告聞けるようにあーしは祈ってるよ。明日早いからそろそろ寝るね、おやすみ』
「うん、おやすみ香織」
楓に告白してから数時間後、私は自室で今日の告白を思い出して、いても立ってもいられなくなって香織に電話をかけた。少しでも気を紛らわしたかったのだ。
「もう言っちゃったもの言っちゃったものだし仕方ないよね。いつ返事貰えるかわからないけどゆっくり待てばいっか。くよくよしてるのも私らしくないしね」
私は気持ちを切り替え、明日の準備をしてベッドに入った。
天音「KYはないわKYわ……死後だよ作者」
さゆり「私も久々に聞いたよKYなんて言葉」
天音「そのうちチョベリバとか書き出しそうで心配になるわ」
さゆり「流石にそれは……」
天音「マジでエレナに迫られてチョベリバってかんじぃ」
さゆり「ほんとにやめて、別れるよ?」
天音「すみませんでした」
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