季節は進んで、少し肌寒さを感じさせる春から蒸し暑さを感じさせる夏へと変わっていった。大学生活にも慣れてきた私達は、夏季休暇の予定を私、お嬢様、詩織さん、ジェシカ、天音様、さゆり、お母さん、佳奈さん(校長先生)の8人で決めているところだった。これを提案したのは天音様で、せっかくの夏休み家に篭ってばっかじゃつまらないでしょ。とのことだった。初顔合わせのジェシカと天音様もすぐに仲良くなって、話はトントン拍子に進むかと思ったのだが……
「海行こうよ!やっぱり夏なら海でしょ!」
「嫌よ。なんでわざわざ暑いとこに出なきゃいけないの?北の方行って海鮮とか食べに行きましょ」
「はー!?これだから引きこもりはダメなんだよ」
「誰が引きこもりですって?」
「あんたにきまってるでしょ」
「あぁ!?」
「ちょっと2人ともやめましょーよ!」
この通りお嬢様と天音様とで意見が2つに割れていた。私達は、正直どこでもよかったから特に何も言わなかったんだよね……個人的には海の方がいいかな……お嬢様の水着姿なんて中々見れないし……
「月村は、相変わらずだね楓。どう?いつでも私は、楓の事待ってるわよ」
ジェシカは、私の手を取り微笑みながらそう言った。おかしいなぁ……ちゃんとお断りしたんだけど。まぁ冗談だろうけどね。
「ジェシカちゃんその冗談はちょっと……もう多数決取った方が早いかもね」
「連れないなぁ。あーそれいいかもね。ちょっと月村!天音!もう拉致あかないから多数決取るわよ!いいわね?」
ジェシカがそう言うと、お嬢様と天音様は、渋々それを了承した。
「お母さんとかもそれでいいよね?」
「いいわよ、佳奈もそれでいいよね?」
「はい、もちろんですお姉様」
佳奈さんも変わったなぁ……お母さんと付き合い出してから、私達のクールな校長先生っていうイメージはどこかに消えてしまった。今では、私のお母さんをお姉様と呼んでいて、一緒にいる時は常にくっついているぐらいだった。
「詩織さんも大丈夫です?」
「大丈夫よー。それとエレナも天音も子供じゃないんだからもう少し静かにしなさいな」
「「はい……」」
詩織さんが復帰してからもう2ヶ月がたった。今では、すっかりお屋敷のお母さんみたいになっていた。お嬢様も詩織さんの言うことには、ほとんど反論せずに、いいまとめ役となっている。
「それじゃまず、エレナの意見の方がいい人!」
………誰一人として手を上がらなかった。それを見たお嬢様は……
「ええ!?なんで!?楓も海の方がいいの?」
お嬢様は泣きそうな顔をしながら私に助けを求めてきた。
「いやぁだってせっかくの夏休みだし、エレナのお母さんが亡くなってからプライベートビーチ使ってないじゃん。もったいないよ。それに私は、エレナの水着姿とか見たいなって思ったんだけど」
それを言うと、お嬢様が照れたように、顔を赤くして顔を逸らした。ホントにちょっとこういうこと言うと照れちゃうんだから。
「わかった……じゃあ海に行きましょ。私だって、楓の水着姿見たくないわけじゃないし…」
最後の方は、ボソボソと話していた。天音様とジェシカからは、頭をはたかれて、そのぐらいで恥ずかしがんなよ!こっちが恥ずかしくなるじゃん!ってツッコミを受けていた。間違いないねほんと……
「じゃあ8月の15~18でエレナのプライベートビーチ使って旅行って事で!各自ちゃんと準備するんだよ?1ヶ月なんてすぐなんだからね!」
「なんで天音が仕切るのよ……別に用意なんて特にないし大丈夫よ。ねぇ楓?」
「それは違うよエレナ。エレナ水着って高校の時授業で着てたスクール水着しか持ってないでしょ?もしかしてそれで行く気?」
お嬢様は、水着を持ってない事を思い出したようで、めんどくさそうな表情をしていた。
「あー……まぁ適当に通販で買うわよ」
「それはダメ。ちゃんとしたの選ぼうよせっかくなんだから」
「えぇ、だって面倒じゃない。私が服とか見て歩くの嫌いだって知ってるでしょ?」
そう。お嬢様は、基本的な買い物を全てネット通販で済ませるほど、ウィンドウショッピングとかがお嫌いな人だった。私は、お嬢様とショッピングを楽しみたかったからある作戦を取った。
「いいの?通販なんかですませて?私が注文しちゃうけど」
「え?別に楓が選んでくれたのなら喜んで着るわよ」
この言葉を待っていた。優しいお嬢様ならそう言ってくれると思ってたよ。
「じゃあさ……」
私は、お嬢様の耳元で囁いた。
「紐だけの水着とかでもいいんだよね?ドMのエレナなら他の人にそういうの見られて興奮するでしょ?それが嫌なら私と一緒に水着見に行こ。どうする?」
それをお嬢様に言った瞬間顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまった。
「楓ちゃん何言ったの?エレナ急に顔真っ赤にしてるけど」
天音様が珍しいものを見るような目でお嬢様を見て、私に問いかけてきた。普通に話してたのにいきなり顔を真っ赤にしたのだからまぁ当然疑問ではあるだろう。
「ちょっと、説得しただけですよ。それでどうするのエレナ?」
「買いに行きます……」
「なーに?聞こえない」
「楓と一緒に見に行くわよ!」
お嬢様は、未だ顔を赤らめたままだった。ほんとちょっと虐めるとこうなっちゃうんだからホントに可愛い。
「そっか、残念だなぁ」
「もう!楓の馬鹿!」
天音様だけは、察したのか顔をニヤニヤとさせていた。他の皆は、ポカーンとした顔をしていた。
天音「楓ちゃんドSだなぁほんと。ほかの人達分かっちゃったらどーするつもりだったの?」
楓「それもそれでエレナにはご褒美になるので問題ないかと」
天音「あーそれもそうね。流石エレナのご主人様」
エレナ「あんた達いい加減にしてよ!」
天音「ほら、ワンチャン吠えてるよ、楓ちゃんどーするの?」
楓「もー、躾のなってないワンチャンにはお仕置きだからね」
エレナ「クーン……」
天音、楓「………それはさておき次回は、ショッピングデート回です!それではまた!」
エレナ「ちょっと!無視はないでしょ!あ、えっと……感想、評価などあったらお願いします!あんた達待ちなさい!!」