【完結】ピンクの悪魔よ、この忌々しい世界に制裁を!   作:Mk-5

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今回を含め、以降の話には完全オリジナルな感じの内容が大幅増量するでしょう。
何せ小説読んでないので…。
でもその方がオリジナリティ出てて良いんじゃないか、と思うのは私だけ?
※あとがきにアンケートを載せてます。
引き続き以下の注意事項があります。
①オリジナルキャラ多数追加
②キャラ崩壊
③設定ブレイカー
④パクリ要素
等といった可能性を大いに秘めています。それでも大丈夫という方のみ
ゆっくり読んでいってね~( -∀-)”ノ


第11話 冬将軍と妖精の危機

「『ファイヤーボール』!」

 

アクセルの平原にて、こめっこが火属性中級魔法を放つ。

ターゲットは勿論、ジャイアントトードだ。

その様子をボクとゆんゆんが見守る。

めぐみんは勿論館で留守番。

今時分はミュイが買い出しに行ってる時間だし、この件に口出しされたらどうなるか分かったもんじゃないからね。

まぁその代わりと言ってはアレだけど、暫く爆裂魔法を自由に使えるようにしといた。

というかそれ以前に、こめっこ自身が同行を断ったんだから。

こめっこはまだ5歳と言っても、めぐみん同様に優れた魔法の才能を持ってる。

それに初期ポイントのおかげで、初級魔法に加えて中級魔法も幾つか習得できてる。

とはいえ、流石に中級魔法ともなるとすぐには使いこなせないわけで。

その点で言えば、ジャイアントトードが住む平原は練習の場としてもってこいなんだよね。

 

「カービィさ~ん、こめっこ~!こっちのも何とかしてええええぇぇぇぇ!!」

 

泣き叫ぶ声の主は、ジャイアントトードに追い回されるアクアのもの。

蛙にモテるだけあって結構効率よく引き付けてくれるんだよね。

普通なら爆笑されてもおかしくはないんだろうけど、早く一人前になりたいからか、こめっこは終始真面目に練習に取り組む。

結局こめっこは、この日だけで9匹もの蛙を討伐した。

討伐依頼を請けたわけじゃないけど、ギルドに持っていけばお金になるから余すことなく運ぶことに。

といっても、まだ5歳であるこめっこの力では運べる量なんてたかが知れてるわけで。

運びのメインは勿論「ファイター」だ。

それでも、自分より遥かに大きな残骸を汗だくになりながら必死に運ぶこめっこ。

最早並みの大人顔負けのたくましさだなこりゃ。

で、冒険者ギルドに到着したわけだけど…今までと違う点がある。

それは……小料理屋の棚にビン詰めが置かれてること。

港町ドックでボクが教えたビン詰め技術があっという間に他の街へ浸透。

今ではそれを知らない人はいない。

勿論ボクが伝えたってことも。

ついでに記念の石像の件も伝わってるらしく、いつの間にかアクセルにも石像が3つ設置されてたんだよね。

それぞれソード・コック・エンジェル。

因みにエンジェルの場合は、エリス様と一緒になってて“女神エリス降臨の地”の記念碑を兼ねてるらしい。

まぁそれはともかく、引き取り料から昼食代を捻出してステーキを注文。

運び疲れたのか、夢中でかぶりつくこめっこ。

 

「おいし――♡」

「よかった。口に合ったみたいで」

「それもそうですけど、こめっこの腕も大したものですね。いくら中級魔法と言えど、5歳でここまで扱えた例って聞いたことがありませんよ」

「ふ~ん、そうなんだ…ところでゆんゆん、こめっこが学校に行き始めるのって何時頃になるのか分かる?」

「え?え~と、多分再来年の春頃になると思いますけど…何故ですか?」

「再来年か……そうだ!ねえ、こめっこ」

「ん?」

「どうせだからさ、学校に通うようになる前に、上級魔法1つくらい習得してみない?」

「じょうふーまふぉー?」

「そう。せっかく中級魔法幾らか覚えたわけだし、どうせだから思い切って1つ上にも挑戦してみようよ」

「確かに、可能ならそうした方が良いですね」

「そうした方が良いって?」

「あ、そう言えばまだ話してませんでしたね。紅魔族の学校では卒業条件の1つとして“上級魔法を習得する”というものがあるんです。今まで入学前に上級魔法を習得していたのは、めぐみんくらいしか知りませんね」

「へ~。なら習得する価値は十分あるってことか。と言っても、習得するなら失敗した時の被害が少ないやつからだね。となると~……まぁ差し詰め『カースド・ライトニング』にしようか」

「ゴクン、ライトニングってことは、雷属性の上級魔法なの?」

「そうだよ、こめっこ。炎や氷は複数の敵を倒すための範囲攻撃だし、『トルネード』は周りの物を吹き飛ばしちゃうからね」

「へ~そうなんだ~」

「でもカービィさん、習得するにしてもスキルポイントが足りませんよ?」

「ゆんゆん、そんなのスキルポーションで何とでもなるじゃんか」

「あっ、そういえばそうでしたね!」

「シルビアの討伐報酬だって出たんだし、ちょっくら王都で買ってくるよ」

「わ、分かりました」

「『エスパーカービィ』!」

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ということで、王都にてポーションを取り扱う魔道具店探し。

…ガンバさんの武器屋に比べると見劣りするけど、それなりに立派なお店だね。

早速入店してスキルポーションを探す。

以前ボクが飲んだことのある「レジェンドスキルポーション」とは違い、普通のスキルポーションは白い液体だった。

少しばかり光ってて、何となく幻想的。

でも1本50万エリスで尚且つ、スキルポイントは1本につき1しか上がらない。

よっぽど成功を収めた冒険者じゃない限り手が出せないねこりゃ。

取り敢えず30本購入し、ついでにこのポーションに関する詳細を店主さんから聞き出すことにした。

それによると、スキルポーションを作ってるのは紅魔族であり、里の学校にて成績優秀者へのご褒美として配られることもあるらしい。

それ以上のことは聞けなかったけど……ひょっとしたら紅魔の里で買った方が安いのかな?

今度確認してみようっと。

買ったポーションは口の中に収めて持ち帰る。

こめっこは丁度、最後の1切を食べ終わったみたい。

 

「すげー、ポーションいっぱいだ~!」

「あ、あの~カービィさん…言いづらいんですけど、ちょっと買いすぎでは?」

「知ってるよそれくらい。今後、緊急で何かしらのスキルや魔法を習得しなきゃいけないってケースが無いとも限らないでしょ?その為の備えだよ」

 

ゆんゆんの言う通り、上級魔法を習得するのにスキルポイントが30必要なのは、ボクが就いてる職の下位互換とも言える「冒険者」の場合。

本職であるアークウィザードの場合は20で済むけど、やっぱりポイントは無いより有った方が良いからね。

ポーションを1本残らず飲み干したこめっこは、早速冒険者カードをいじくって「カースド・ライトニング」を習得。

食後の腹ごなしを兼ねて、今度は正式に討伐依頼を請けてから平原へ。

まずはゆんゆんが手本として1発。

その後こめっこは、1番近くにいたジャイアントトードに狙いを定めた。

 

「『カースド・ライトニング』!」

『ズバババババババババ……!!』

「うわああああああ!!?」

 

体が小さいが故なのか、こめっこは自分の右手から放たれた漆黒の雷の反動で大きく後ろに吹き飛ばされた。

で、肝心の雷はというと……。

スピードが遅いものの、始めのうちはジャイアントトード目掛けて真っ直ぐ飛んでたんだけど………どういう訳か途中から左右に蛇行し始め、結局ジャイアントトードから大きく離れた場所に直撃。

こめっこ本人も現状を見て唖然。

 

「えー何で!?すっごい変な飛び方したんだけど!?」

「ま、まぁ上級魔法だからね。そう簡単には制御できないってことじゃない?」

「………」

「それに学校行くようになるまでまだ時間はあるし、それまでには上手くなれるんじゃない?」

 

そうそう、時間で思い出した。

ダクネスの剣術稽古の一環として請けた薪割りクエストだけど、ダクネスが実家で稽古するようになったために残りはボクが片付けたわけで。

はっきり言って1日…いや半日あれば十分間に合うクエスト…なんだよね。

改めてダクネスの下手さ加減を知ることになった。

 

「よ~し、もっかい!『カースド・ライトニング』!!」

 

な~んて考えてる間に、こめっこが再び魔法を放つ。

今度は大きく弧を描きながらも、何とかジャイアントトードのすぐ左側に直撃。

ほぼ紙一重だったこともあり、ジャイアントトードは雷の直撃と同時に反対方向へ大きく1跳び。

すると今度はビヨンビヨン跳ねながらこっちに向かってくる。

こめっこが狙いか……と思いきや、いつも通りというか何というか、蛙にモテる邪神を追い回し始める。

 

「いやああああああぁぁぁぁぁ!!何で私なのよおおおおぉぉぉぉ!!」

 

再び逃げ惑うアクア。

するとここで、こめっこが大胆な一言を。

 

「よ~し、今度こそ!」

「ええ!?ちょっと待ってこめっこ!この状況で『カースド・ライトニング』は…」

「分かるよ!危ないことくらい!でも…今なら、今だからこそ出来るような気がする!」

 

5歳とは思えないたくましさと度胸、そして気迫を纏ったこめっこ。

…もうこうなったら彼女の意見を尊重するしかないよね。

でも念には念を入れてっと。

 

「『ミラーカービィ』!」

 

これで万が一おかしな方向に飛んだとしても、鏡で軌道修正できるぞ。

ボクの姿が変わったことに気付かないほど集中するこめっこ。

 

「『カースド・ライトニング』!!」

 

今日一番の気合が入った声と共に、漆黒の雷が放たれる。

その場に留まることはできなかったものの、全力で踏ん張った甲斐あって数センチ後退する程度で済んだ。

魔法は最初と同じ様に蛇行してるけど、こめっこの「絶対当てる!」という気合に呼応したのか、蛇行はそこまで大きくない。

その様子を、当たれ当たれと念じているかのような顔で見守るこめっこ。

その間にもジャイアントトードと雷の距離はみるみる縮まり……そして直撃。

ジャイアントトードは直後に絶命して地面を数メートル滑った。

 

「いやったああああぁぁぁぁ!!」

 

喜びの声をあげて何度も飛び跳ねるこめっこ。

ゆんゆんはこの結果に、素直に感心してるみたい。

そしてアクアは、ようやく追手から逃れたってことで一安心。

 

「やったね!凄いじゃん、こめっこ!」

「確かに凄いです。命中率に難があるとはいえ…威力は熟練者と比べても遜色ない。これなら一人前になるのもそう遠いことじゃないでしょうね」

「それホント!?」

「多分ね。取り敢えず今は上級魔法を上手に扱えるようにならなきゃ」

「よ~~し!!」

 

自分の両頬をぺしぺし叩いて気合を入れ直したこめっこは、その後も「カースド・ライトニング」を撃ちまくった。

外れは多かったものの、魔力切れになる前に何とか残りの討伐を完遂して、人生初の討伐報酬ゲット。

 

「えっと…これはどうすれはいいの?」

「そうだな~、本来討伐報酬は皆のものだけど…今回は特別に、こめっこのお小遣いってことにしよう」

「えっ、じゃあ自由に使ってイイの!?」

「うん」

「わ~い♪こめっこね、おやつ食べたい」

「そう言えばもうそんな時間か。それじゃ、お菓子屋さんに行こう!」

 

というわけで、以前飴玉を買ったお菓子屋さんに直行。

因みにミュイはここの常連らしく、定期的におやつの飴玉を補充しに来てるとのこと。

単にお菓子屋と言っても、駄菓子レベルのものからケーキに至るまで、兎に角甘いもの全般が揃ってる。

こめっこは最初から「1つだけ買う」と決め込んでたらしく、まるで骨董品鑑定でもするかのように一品一品を凝視しながら進んでいく。

そんな中、一際こめっこの目を引いたのは……プリンだった。

勿論ただのプリンじゃない。その数倍の大きさがあろうかという巨大プリンだ。

最近並び始めた新商品らしい。

味をなるべく変えないようにという配慮なのか、本来上の方にしかないはずのカラメルソースがプリン全体を覆ってる。

 

「これください!!」

 

こめっこの迷いない一言からどれだけ欲してるのかを察した店員さんは、「まいど」の一言から手早く梱包作業に入る。

氷を詰めた袋を2、3ほど保冷剤兼梱包材として箱に詰め、それが済んだら底の浅い小皿にこめっこが置いたお金を回収。

これまた手早く勘定を済ませてお釣りを小皿に置く。

そしてこめっこがお釣りを懐にしまったのを確認すると、店員さんは箱を奥に寄せる形でこめっこに差し出した。

 

「はいお待ちどう。落とさないようにね、それ1日1個限定だから」

「は~い!」

「それ、カービィさんと半分こかい?それとも」

「1人で食べるの!」

「ひ、1人で?」

「うん、そうだよ。だって、こめっこの討伐依頼達成記念だもん」

「そうなんですか。いやでも、てっきり自分も欲しいと言うのかと…」

「いやいやいや、ボクはそこまで食にこだわってないよ。不味くなくてお腹が膨れればそれでいいし。ま、機会があったらね」

「は、はあ……」

 

この時店員さんが、何かを悟ったような顔してたけど……どうしたんだろう?

まいっか、取り敢えず家に帰ろう。

家までの帰り道、ずっと囮役だったアクアが終始不満をぼやいてたみたいだけど、こめっこは討伐成功と美味しそうなスイーツゲットの喜び、ボクはこめっこの成長への喜びからほとんど耳に入らなかった。

でも流石に爆裂魔法の爆音は例外だよね。

 

「…姉ちゃんまたやってる~」

「みたいだね。ってことはミュイはもう帰ってるのかな?」

「でしょうね」

「…ま、何かのはずみで落とさないように『テレポート』で帰ろうか!」

「「「へ?」」」

 

実はこんな時のために、自宅前もテレポート欄に登録しといたんだよね。

あ、因みにミュイとこめっこの部屋はめぐみんと同じ2階。

ミュイはダイニングキッチンに近い方が良いとのことで、こめっこはめぐみんを一人ぼっちにするのは流石に可哀想だからだそうな。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ただいま~」

「あ、お帰りなさい皆さん」

 

そう言いながら、バンダナとエプロン姿で掃除中のミュイが出迎える。

 

「あ…それもしかして、こめっこのおやつ?」

「うん!」

「丁度よかったです。ダイニングキッチンの掃除は終わっているので、ここの掃除が済んだら私もおやつタイムにしようかと」

 

それを聞いて、こめっこは一目散にダイニングへ。

 

「…そう言えば、めぐみんは大丈夫かな?迎えに行かなくて…」

「ああ、それなら大丈夫ですよ。ダクネスさんが同行していますので」

「ダクネスが!?…剣の特訓は大丈夫なのかな?」

「いいんじゃないの~?たまには休みがあったって」

「…それもそうか」

 

こうしてアクアがたまにマトモなことを口にすると、どういうわけか微妙な感じになるんだよね。

いつもこうだったらなぁ…………。

ダイニングに向かうと、こめっこは既にプリンを大皿に移し終え、大きなスプーンまで用意して食べ始めてた。

テーブルの真ん中にはミュイのおやつ用であるビン入りの飴玉が。

………いつもの飴玉とは色違いだ。しかも量が多い。

でも、そんなことは気にも留めずに巨大プリンを食べ進める。

普段は食べ物と聞くと食べたくてたまらなくなるこめっこだけど、他人のものだと分かれば決して手をつけたりしない。

疲れた時は甘いものとか言ってスキあらばつまみ食いしようとする邪神の帝王よりよっぽど教養があるんだよね。

今日も今日とでつまみ食いしようとするアクア。

ボクが気付いて振り向いたのは、今まさにビンを持とうとする瞬間。

それとほぼ同時にダイニングの扉が開く。

入ってきたのは、ミュイを先頭にダクネスとめぐみんだ。

 

「アクアさ~ん、またつまみ食いですか~?」

 

引きつった作り笑いでアクアに迫るミュイ。

 

「またって何よまたって!食べてないわよ!てゆーか口にしたこともないわよ一度も!!」

「私 が 止 め な か っ た ら 確 実 に 食 べ て ま す よ ね ?」

 

その通り、アクアが飴玉をつまみ食いしようとするのは毎度のこと。

ミュイが自分用に飴玉を買うようになってからず~っとね。

因みにそんなやり取りが行われてる一方で、めぐみんがこめっこに、プリンを1口分分けて欲しいと必死過ぎる形相で迫る。

要は疲労を理由にして、また妹にタカろうとしてるわけ。

それをゆんゆんが注意したのをきっかけに大喧嘩となり、ダクネスが必死に止めようとする。

当のこめっこは、そんなのどこ吹く風といった感じで再びプリンを食べ始めた。

それを見ていたミュイは両手で腰を掴み、大きなため息の後で口を開く。

 

「……もういいです。どうせこんなことになるだろうと思って、多めに買っておいたんですし」

「え、じゃあ食べていいのね!?」

 

ミュイはアクアの問いかけに答えず、今度はめぐみん達の方を向く。

 

「めぐみんさんも、お1ついかがです?」

 

言った途端、めぐみんはそれまでやってた喧嘩をピタリと止めてこっちに注目。

突然の喧嘩中止に対応できなかったダクネスとゆんゆんは、バランスを崩して盛大に転倒。

コントじゃないんだから!ってツッコみたいのを我慢して、ボクは手早くビンから飴玉を1つ取り出し、めぐみんに投げ渡した。

 

「ん?ブドウの匂い…。この飴、ブドウ味なの?」

「ええ、今までイチゴ味だけだったので、今回ちょっと違う味のを買ってみたんです」

 

飴玉を受け取っためぐみんは、ミュイに何度もお礼を言った。

それも大泣きしながら。

どんだけ甘いものが欲しかったの?

 

「よ~し、いっぱい取るわよ!」

 

声がした方を振り返れば、何とアクアがビンに右手を突っ込んで飴玉をつかみ取りしてる。

ただでさえ手がギリギリ入る程度の口しか開いてないビンでそんなことしたら………。

 

「ぬぬぬ………抜けなああああい!!」

 

そら見たことか。

左手で引っ張ったり、ブンブン振り回したり、足を使ってみたり……とにかく大騒ぎ。

あ、因みに足と言っても靴を履いた状態で、じゃないよ。

というのも、ボク達は冒険者として色んなところを回ってるから、靴は大抵泥だらけ。

その汚れを取るのが大変だというミュイの要望で、館内では靴を脱ぐことを皆に徹底させてるわけ。

それに際して、玄関の床をリフォーム業者に頼んで一部スロープ状に掘り下げてもらい、靴は横に設置した下駄箱に入れることとした。

だから皆、館内にいる時は靴下か裸足、もしくはスリッパだ。

かくいうボクは元からそんなの無いから、毎回下駄箱の上にあるタオルで足を拭いてるの。

 

「ちょっと、これどうすりゃいいのよ!!」

 

それに対してボクが発言しようとしたその時、

 

「…飴から手を離せば……プフッ」

 

こめっこが先に指摘した。

それも必死に笑いをこらえながら。

当然ながらプリンの方は既に食べ終えてる。

 

「あっそうか!」

 

アクアは一旦手を引き抜く。

でもこのままじゃ飴が食べられないと、腕組みして思案六法するアクア。

見れば、ゆんゆんと「2匹の迷惑者」が呆然とその様子を眺めてる。

流石は史上最低クラスの知力。

これくらいはすぐに答えを見つけてよ……。

こめっこはこめっこで、次はどんな面白いものが見られるのかと期待してるみたい。

そしてアクアは………

 

「もう一度チャレンジ!」

 

あろうことか、またビンに手を突っ込みはじめた。

逆に何でこの状況でもう一度いこうと思ったわけ?

どう考えたらそうなるの??

 

「いやああああああん!!」

 

半ベソかいて右手を振り回しながら、その辺をグルグル回るアクア。

それを見て、お腹を抱えて笑い転げるこめっこ。

呆然と立ち尽くすダクネスとゆんゆんに、飴を舐めることに集中するめぐみん。

そして右手で両目を覆って呆れ返るミュイ。

ボクは……どうしたらいいんだろう?

取り敢えず小皿を用意して、暴れるアクアを引き留めて飴から手を離すよう促す。

そして手が抜けたら、ビンを傾けて飴玉を2、3個小皿の上に出した。

それを見たアクアが「その手があったか」みたいな顔をしたけど、流石に口には出さなかった。

ふと見れば、こめっこが床に丸まって、小刻みに震えてる。

笑い転げた時にお腹を攣ったらしい。

取り敢えずこめっこを介抱して、後は何事もなく1日を終えた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

その後も平穏は日々が流れていく。

春に続いて秋のキャベツ収穫クエストに参加したことと、こめっこが「インフェルノ」を習得した以外は、基本的にプププランドにいた時と大差ない。

というか、ボクがこうしてる間にも、プププランドでは問題が起きることもある。

その時はボクも赴くよ。時たま、友達から応援要請が来るから。

そして本格的な冬が到来。

連日の猛吹雪や突風じみた北風のせいで、街の子供達も外で遊べないので当然ボクの方にも遊びの誘いは来ない。

だからここ最近はこたつの中でのんびりしてる。

ボクの中のものを整理してたら偶然見つけたんだ。

ついでに保温性の高い絨毯と座布団も。

この館全体を温める暖房設備は勿論あるけど、こたつは寝具としても有用だからね。

あると分かれば外せないものになる。

こうなることを見越して食料をたくさん買い溜めしといたから、尚更外に出る理由が無い。

ついでに、こたつ特有の温さ加減…これもまた癖になるんだよね。

こめっこも時々、知らないうちに潜り込んでる時がある。

いくらこめっこがたくましいと言っても、流石にあの風の中で食料探しは無理だよ絶対。

ガタイのいい大人でも吹き飛ばしかねないくらい吹き荒れてるもん。

万一にも窓ガラスが割れないように雨戸は全部閉め切ってるけど、それでも窓に近付けば冷たい風が漏れてるのが分かる。

そう言えばこめっこが、自分の部屋にもこたつ欲しいとか言ってたけど、あいにく1つしかないんだよねこれ…。

とはいえ救いなのは、篭りっぱなしでもある程度思いっきり遊べるくらいの広さがある館が、ボク達の自宅だってこと。

やっぱり思うように体を動かせないってのは退屈だもんね。

そんな引き籠りの日々が何日か続いた。

ある日、今季初めての風と雪が弱い日となった昼下り、ボクは久しぶりに外に出た。

勿論、追加の食糧調達をするためにね。

そのすぐあとから、お気に入りの冬服を着たこめっこが飛び出してきた。

ゆんゆん達のも予め買っておいたから何も問題なし。

雪の上で転げまわるこめっこのお守りをゆんゆんに任せ、いざ買い物へ。

当たり前だけど、どこもかしこも雪に覆われて、何処が道なのかよく分からない。

何度も雪に埋もれる羽目になったけど、だからといって無暗に「バーニング」で溶かすと多分、水分が地面に浸み込んでぬかるんじゃうだろうから、このまま進むしかない。

何とか店に到着したものの、連日の悪天候で仕入れが滞ってたから品数は少ない。

それでも賞味期限切れとかを気にする必要はなさそうなのが、唯一の救いかな?

ボクが伝えたビン詰め技術が、ここでも役立ってる。

缶詰の方は技術的に難しいのか、未だにどの街にも出回ってない。

取り敢えず肉・魚介類・野菜のビン詰めを幾らか買って、緊急時にはこれも食料に数えられるという考えのもと、お菓子屋さんでも買い物した。

で、「ファイター」で運びながら家路を急いでいると、

 

「……助けて……」

 

微かに女の子らしき声がした。

何だろうと思って声がした方に向かうと、そこには不思議な光景が。

何か白いものが漂ってるぞ。

大福に見えなくもないけど……よく見れば小さな黒い目がある。

…そう言えば、ギルドの掲示板で見たことあるぞ。確か…「氷精」とかいったかな?

何でも冬の時期に現れる精霊なんだとか。

それにしても、何であんな所に集まってるんだろう?

少しの間観察してみた結果、どうやら氷精達は10匹いて、何かに体当たりしてるみたい。

何に体当たりしてるのか見る為に少し近付いてみたら……そこで見たのは、もの凄く小さな女の子。

いや、背中にトンボと似た羽を持ってるその子は、俗に「ウッドエルフ」と呼ばれる小さな妖精だ!

でも様子が変だ。何度体当たりされても嫌がったり抵抗したりもせず、ぐったりしてる。

これってまさか……!

 

「コラ!!何してるんだ!!」

 

ボクは思わず、以前ユメクラゲを入れるのに使ったコルク付きビンに氷精達を閉じ込めた。

そしていじめられてた妖精を見る。

すると……雪に埋もれてて分からなかったけど、もう1人いるぞ!

ボクは2人を拾い上げる。

 

「…う……うう……」

「………あ………」

 

体は氷みたいに冷たいけど、まだ息がある。

ボクは口の中から予備のマフラーを取り出して妖精達をくるみ、荷物をまとめたら大急ぎで家に戻った。

キッチンでは、今まさにミュイが台所の片付けをしてる最中。

 

「あ、カービィさん。どうしたんですか?そんなに慌てて…」

「ミュイ、悪いんだけど今すぐ金ダライいっぱいのお湯を用意してくれる?この子達が凍死しそうなんだ!」

「この子達?…って妖精さんですか!?うわ、氷みたいに冷たい…」

「そんなことより、早くお湯を!」

「は、はい!」

 

お湯を張った金ダライに妖精達を入れる。

これでよくなってくれるといいんだけど……。

すると、ダクネスを筆頭に全員がキッチンに大集合。

 

「おい、どうしたんだカービィ!?そんなに血相変えて」

「おや、この金ダライは何ですか?お湯が張られているようですが……ってちょっと待ってくださいよ!中に何かいるんですが!?」

「見たところ、妖精らしいわね…」

「わ~凄く小っちゃ~い」

「まさか……こんな小さな妖精がいるなんて!絵本の中の存在かと思ってたのに…」

「え、ちょっと待って。ってことは何?キミ達は『ウッドエルフ』を知らないの?」

「「「「「「ウッドエルフ?」」」」」」

「はぁ……。いいかい?少なくともボクの世界においては、一口にエルフと言っても3つに分類されるんだ。この辺りじゃどうだか分からないけど…。まず、王都とか大きな街の出店で時々見かけるエルフは正式には『ハイエルフ』と呼ばれて、そこらの大人とほぼ同じ、ないしそれよりちょっとだけ低身長な姿で、優秀な魔法戦士として存在してるみたいなもの。2つ目は彼女達『ウッドエルフ』、見ての通り手の平に乗るぐらい小さくて、森や花畑とかいう自然豊かなところでひっそりと暮らしてるんだ。そして3つ目は『ダークエルフ』、悪魔を崇拝し悪魔のために働く存在で、小悪魔とも呼ばれることがある」

「なるほど、そうなのか…それでカービィ、この子達は何処で見つけたんだ?」

「買い物帰りに、コイツ等にイジメられてたのを見たんだ!」

 

ボクは例のビンを見せた。

 

「っ、こ、これって……まさか氷精!?それも10匹!」

「こいつ等があの2人をイジメていたのか?」

「そうだよ!おかげで凍死寸前だったんだから!」

「「……う………う~~ん…」」

 

ここでようやく、ウッドエルフ達が持ち直したらしい。

 

「う……あ、あれ?ここは?」

「ん…何かあったかいと思ったら、お湯?」

「よかった。気が付いたんだね!」

「い、うえええええええ!?」

「はわわわ、だ、誰!?誰!?」

 

ウッドエルフ達はお湯をバシャバシャしながら後退り。

ここでボクが口を開く前に、ゆんゆんがフォローに入った。

 

「ちょっと落ち着いてくださいよ!彼が凍えていた貴女達を助けたんだから!」

「「へ?」」

「そうだよ。ボクはカービィ、よろしくね!」

「あ、ど、どうも。助けてくれてありがとう……。私はベル、隣にいるのが妹のミルよ」

「へ~、見た感じ……双子…でいいのかな?」

「「勿論」」

 

そう言ってベルとミルは、身震いで水滴を落としながら宙に舞い上がる。

羽を羽ばたかせる度、微かに独特な音…そう、宝石の輝きを擬音化したような音がする。

ホントに見た目はそっくりだ。

身長やシルエットは勿論、短髪で髪色は水色とエメラルドグリーンを混ぜたような色、目は黒で、オフショルダーに若干ハイレグ気味なレオタード(?)を着てる。

とは言えその衣装(?)の色は姉妹で違い、ベルのは紫色、ミルは光沢のあるピンクだ。

 

「あ、そうそう。キミ達をイジメてた奴らは全員捕まえといたよ」

 

と言ってボクは2人に氷精入りのビンを見せた。

2人は暫くビンの中の氷精を睨みつけてたけど、やがて落ち着きを取り戻して、テーブルの端に2人揃ってチョコンと座る。

あの時は気にしなかったけど、氷精は常に弱い冷気を発してるらしく、アクアはその利用法を検討してるみたい。

それはともかく、ボクが彼女達に関して気になってるのが……

 

「あのさ、2人とも大丈夫なの?裸足のままで…」

「「え?」」

「いや、そんなこと言われても…ねぇ?」

「うん。靴履くのなんて、よっぽどの物好きだけだもん」

「へ~基本は年中裸足なんだ。それで、キミ達は何で街の中にいたの?」

「「…いや~、それが……」」

 

彼女達曰く、ウッドエルフは木のうろ等といった小さな穴や隙間等に身を潜めて冬をやり過ごすらしい。

で、2人は運悪く適当な隠れ場所が見つからず、それでも必死で森の中を彷徨ってた時、猛吹雪に耐え切れず吹き飛ばされた影響で体が冷え、体力も大幅に削られて弱ってたところを例の氷精達に襲われたんだって。

 

「なるほど、それは災難だったね」

「「全くもって」」

「それで、迷惑ついでみたいな感じになるかもだけど…」

「?」

「…暫くここに住まわせてもらえないかしら?」

「…ああ、別にいいよ。部屋数にはまだ余裕あるし」

「ん…結構あっさり了承してくれるのね」

「その代わり、やることはキチンとやってもらうから」

「それって~、俗に言う“家事手伝い”ってやつのこと?」

「そう、なるべく可能な範囲でね。詳しいことはミュイに聞いて。教えてくれるから」

「あ、はい」

「いやいやいやいや、ちょっと待てカービィ!」

「どうしたの、ダクネス?」

「あのな、ここまで普通に話が進んでるわけだが、彼女達と私達とでは体格差がありすぎるじゃないか!であるからして……え~その、あまりに重い物を運ばせたりするのは少しばかり酷だと思うんだ。例えば…あそこの花瓶とかな。中身が空とは言えあの大きさだ、重さも相当な…」

「「馬鹿にしないでよ!!」」

 

意外とプライドが高いのか、それとも特別扱いされるのが嫌いなのか…どちらにせよダクネスの物言いにカチンときた2人は同時に怒鳴った。

ついでにボクのお腹が鳴る。

 

「ん?」

「…あっ、そろそろ夕食の時間ですね」

「ええっ、もうそんな時間!?…あそっか、雪が深く積もってて思ったより時間がかかってたのか…」

 

とここでボクの耳に、何やらネズミの鳴き声みたいな音が入る。

 

『キュウ~~……』

「「あっ………」」

 

そう、今の音の主はベルとミルの腹の虫。

ウッドエルフの食事は、最低でも週に1食、多くても“一日一善”で済むらしい。

すると突然、ベルとミルは鼻をスンスンさせて匂いを嗅ぎ始める。

そして匂いを辿った先にあったのは……ミュイのおやつ用であるビン入りの飴玉。

飴玉を見るなり、2人はまるでタックルするかのようにビンに取り付き、顔を押し付けるように飴玉を凝視する。

当のミュイは複雑な顔をしてる。

気持ちは分かるよ。今まで散々、アクアにつまみ食いされそうになったんだから…。

 

「別にあげたっていいじゃん、ミュイ。同じ甘党同士じゃないか。きっと会話も弾むと思うよ?」

 

と言っては見たものの、ミュイの顔は変わらない。

でも2人の必死な顔を見てるうちに気が変わったようで、溜息まじりに口を開く。

 

「……仕方ないですね。但し、食べる時はちゃんと事前申告をしてくださいね」

「「わ~~い!!」」

 

許可が下りたことでベルとミルは大喜び。

早速蓋を開けると、ビンの中に入って飴玉を1つ取り出す。

背中の羽がネックとはいえ、小さい体はこういう時便利だよね。

で、飴を舐め始めた2人だけど……何というかその~……舐め方がね…その~、個性的と言うかエロチックと言うか…何かそんな感じなんだよね。

2人で1つの飴玉を手に持って舐めてる……ここまで聞けば仲睦まじいと言えるかもしれない。

けど問題はここから、何しろ2人ともが頭を低くして、尚且つ下半身は直立状態………要するにお尻を高く突き上げてるような状態で…まるでアルファベットのMを体で表現してるような状態なんだよね。

しかも2人とも目を閉じて…。

本人達からすれば単によく味わってるだけなのかもしれないけど、余計にエロチックな雰囲気を出してるんだなこれが。

すると、不意にこめっこが飴玉を舐める2人に近付き、手にしていた竹串の平らな面でベルの太ももをくすぐり始めた。

 

「んっ……!」

 

くすぐりに反応はするものの、ベルは飴を舐め続ける。

その後も平らな面を太ももに当ててグリグリされたり、足の裏をくすぐられたり、挙句の果てにはカンチョーされたりと、こめっこの悪戯にされるがままのベル。

けどそれは妹のミルも同じだった。

どんなに悪戯されても、ただそれに反応するだけで、怒るどころか振り向きもせずひたすら飴を舐め続ける。

それは現状を見かねためぐみんがこめっこを制止するという、珍しく姉らしい行動に出た後でも変わらなかった。

どんだけ甘いもの好きなの……?

とか考えてた矢先、飴を舐め終わったベルとミルは振り向きざまに予想外のことを口にする。

 

「ったく、一体誰よ!?私達のお尻やももをくすぐったのは!」

「わ た し だ」

「こめっこ!何を偉そうにしてるんですか!?」

「………………」

「お、おいカービィ…どうしたんだ一体!?」

「へ!?いや…今のこめっこの物言いが、“ボクのイメージする神様”の物言いと似てたからつい…あはは」

「貴方の中の神様って一体どんななのよ……」

「まぁそれはともかく、2人は何で今頃になってくすぐられたことを抗議したの?くすぐられた時に言えばいいじゃん」

「そんな一度に沢山のことはできないわよ!」

「そうよ!お腹空いてたんだから食べることを最優先するに決まってるじゃない!」

「……なるほどね、要するにウッドエルフは『自分にとって大事なことを最後まで終えてからじゃないと次の行動に移れない』っていう習性がある…ってことで良いわけ?」

 

ボクの発言に一瞬固まったベルとミル。

けど直ぐにお互いの顔を見て、察したような感じで深く頷く。

ホントに分かってくれたのかな…?

と思ったら、2人は急にハッとなり辺りを見回し始める。

すると今度はミュイのもとに向かい、裁縫箱の在処を教えて欲しいと言い出した。

何でも、お手伝いするからにはそれなりの衣装が必要とのことで、しかも捨てられた道具を使って経験を積んでるらしい。

ミュイが裁縫箱と、たまたまあった白い布切れを渡すと、ベルとミルは慣れた手つきで布を裁断して繕いの準備に入る。

体が小さい事は、針に糸を通す際にも結構大きな利点になるね。

…そう言えば、メイドさんの被り物と腰で巻くタイプのエプロン……正式には何て言うんだっけ?

まいっか、兎に角それらをチャチャッと制作して即装着。

その後はミュイの指示通りに掃除や整理整頓をする。

流石に大きなもの…例えば箒とか、そう言った物の扱いには苦戦してたけど、埃取りや物品の移動には対応できるみたい。

体格の割りに力持ちだから、大抵のものは1人でも運べる。

例え重い物でも、2人で力を合わせれば結構何とかなるんだよね。

お茶や氷水の入ったポットは、姉のベルが持ち手を、妹のミルが注ぎ口をそれぞれ持って、上手に注いでくれる。

体格差という障害をものともせず、仕事に精を出す双子のウッドエルフ。

そしてそんな2人に負けてることにも気付かない邪神の帝王が1人。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ここ最近、強風を伴う日が減ってきて、街には雪かきをする人や世間話に花を咲かせる人がいる等、少しずつ活気が戻ってきた。

ただそれでも、相変わらず氷精がそこかしこにいる。

しかも、何かおかしい。

街の皆は明らかに氷精達を避けて通ってる。

そんなに強いモンスターじゃないのに、どうしてだろう?

そんな疑問をよそに……

 

「くそっ、このぉ!あの時はよくも!!」

「1対1なら負けないんだから!!」

 

多分この冬一番の被害者と言っていいと思う2人のウッドエルフは、そこらの氷精に片っ端から喧嘩を売っている。

そしてその様子を、心配そうな顔で見つめる通行人。

…これは間違いなく、何かあるな。

そう思ったボクは、取り敢えずギルドで情報を集めることに。

すると、凄いことが分かった。

この世界には『冬将軍』と呼ばれるモンスターがいるらしい。

何でも精霊達の王であり、氷精達の親玉でもあるんだとか。

でしかも、氷精達にある程度害が及ぶと姿を現すらしい。

とはいえ、あの2人がやってることは害に含まれるんだろうか?

手持ちの情報からでは判断できないや。

取り敢えず余りの空きビンに20匹ほど氷精を捕まえてから買い物をして今日のところは帰宅した。

勿論ベルとミルは引っ張って帰った。だって何時まで経っても止めようとしないんだもん。

そして自宅にて

 

「いや~、まさか冬将軍なんてのがいるなんて」

「私としたことがうっかりしてました。氷精は奴の配下なのでした!」

「でさ~、その冬将軍って…氷精にどの程度被害が及ぶと現れるわけ?」

「どの程度被害と言われても…私達も知りませんよ」

「そっか…ところでアクア、氷精の活用方法は見つかった?」

「う~ん、それがなかなか難しくてね~…夏場だったらいくらでも思いつくんだけど…」

「…ならほぼ食糧庫一択じゃん」

「は?食糧庫?」

「そうだよ。1匹ずつ小瓶に入れて、腐りやすそうなものの上に置いとくとかさ。これなら氷精が逃げることもないし、買い溜めした食料が無駄になるリスクを減らすこともできる。まさに“一石二鳥”だ!」

 

てな感じで今日の話し合いは終了。

にしても冬将軍……一体どんな格好してるんだろう?

ひょっとして鎧兜とか着込んでたりして…ってのは無いか流石に。

だって明らかに周りから浮いちゃうもん。

その後もベルとミルは、外出する度に近くの氷精を殴る蹴るして追っ払う。

まぁ殺してはいないし、ましてや近付いてきた奴以外は狙ってないわけだし、冬将軍に敵対されるとは思えないけど……。

な~んて考えは通用しなかった。

ある日の昼下がり、突然空が曇って吹雪き始める。

それだけなら単なる天候の急変と思うけど……これは違う。

何だか分からないけど…何となく、誰かに呼ばれてる気がする。

こめっこを含めた、パーティメンバーも全員それを感じ取ってるらしい。

何となく感じたままに歩を進める。

すると、その行く手に現れたのは……白を基調とした鎧兜を着込んだ巨大な人影。

あれひょっとして…いや、ひょっとしなくても……

 

「…キミはまさか、冬将軍!?」

「……如何にも…」

「え、あれが冬しょーぐん?」

 

無警戒に近寄ろうとするこめっこに下がるよう促した後、再度向き直る。

と突然

 

「「「「ええええええええええええ!!??」」」」

 

こめっこと2人のウッドエルフを除くメンバー全員が驚きの声をあげる。

何がそんなにビックリすることなの?

 

「ちょ、ちょっと待ってください!今…冬将軍が喋りましたよね?気のせいじゃないですよね!?」

「ああ、私も聞いたぞ…!」

「何なのよホントに!カービィと一緒だと訳分かんないことばかり起きてるような気がするんですけど?」

「アクアはさておき…喋ったってどういうこと?てことは何?冬将軍って基本は無口なの?」

「そうです。というより、喋った例なんて一度として聞いたことありませんもん!」

「そうなんだ……それで、何でボク達を呼んだの?」

「…我がしもべ、氷精共の様子が異常だ…これまでとは、違う」

「??どう違うのさ?」

「…生かさず殺さず、といった様な目に…遭っておるらしい」

「生かさず殺さずって言われても……具体的にどんなこと?」

「…死なない程度の危害、だ」

「あ~、要するに暴力を振るわれてるってこと?」

「む……早く言えばそういうことになる…か」

「なら多分、原因はボクの上にいる双子のウッドエルフだと思う。でも断っとくけど、彼女達だって好きでやったわけじゃないからね」

「「そうよ!!!」」

 

ここでベルとミルが前に出て怒鳴る。

 

「私達はね、アンタのしもべ共に仕返ししただけよ!!」

「そうよ!あいつ等のせいで危うく死ぬところだったのよ!?」

 

完全に喧嘩腰の2人をなだめてから、彼女達の代わりにボクが事の次第を説明した。

その間、冬将軍は身動き一つせずに聞き入ってた……のかな?

 

「え~と、話はこれで終わりだけど…分かった?」

「……事情は相分かった」

「そう、ならよかった…」

「だが、このまま引き下がるわけにもゆかぬ…」

「へ?」

「事情はどうあれ、こちらもしもべ達が被害を被っておる…精霊の長として、しかるべく対処せねば……」

 

そう言って、冬将軍が腰の大太刀を引き抜く。

 

「ちょっと待ってよ、何なのさその“しかるべく対処”って!?それどう考えても逆恨みじゃないか!そもそも先に手を出したのは氷精の方なんだよ!?それなのに何で一言の謝罪もな…」

 

『ガキイイイイィィィィンン………!!』

 

何の前触れもなく、突如として響き渡った鈍い音。

ボク目掛けて振るわれた冬将軍の大太刀を見て、ゆんゆん達に戦慄が走る。

 

『か、カービィ(さん)!!!』

「た、大変!カービィが大変なことに!!」

「「うわわわわわわわわ!!」」

「だ、だだ、大丈夫よ!こういう時のための蘇生魔法で…」

「ちょっと待てアクア!まだ冬将軍がいるというのに危険すぎる!え~と、こう言う時は~……くそっ!度忘れしてしまった!」

「皆ちょっと落ち着いて!あの状況はどう見てもおかしいじゃない!」

「おかしい?一体何がおかしいと言う気だ、ゆんゆん?」

「だって冬将軍の斬撃は確か、目にも止まらない一瞬の間になされるじゃない。なのに私達の目に剣が見えてるのはおかしいでしょ?」

「あ、そういえば…!」

「それにさっき、『ガキーン』とかいう音が聞こえた…てことはさ、カービィさんはアレを受け止めたってことじゃない?」

「た、確かにそうかもしれませんけど、あの一瞬で受け止めるって…!」

「そうよ!それに大体、カービィが剣を抜く動作なんてしてなかったじゃない!!」

「アクアの言う通りだ。確かにカービィは剣を………ん?ちょっと待った。カービィの背中から剣が消えているぞ!鞘すら見当たらない…」

「あ、確かに!」

「てことは、何らかのコピー能力で!?」

 

皆がようやく正解を出してくれたので、ボクは冬将軍の大太刀を少しだけ押し返した。

 

「ぬうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…!!」

『ギリリリリリリリリリリリ……』

「あ、カービィさん、やっぱり切られてなかったよ!」

「それはいいですけど…一体何ですか、あの金色の剣は!?見たことありませんよ!」

「……なるほど、アレなら或いは……」

「へ?ダクネス、あんたあの剣のこと知ってるの!?」

「ああ、あれこそが『グランドスラム・コロッセオ』でカービィ自身が存在を臭わせた、ソードマスタークラスのコピー能力……その名も…『マスターカービィ』!!」

『マスターカービィ!?』

 

ダクネスの口から正解が出たので、少しばかり皆の方を向いてたボクは再度、冬将軍の方を向く。

 

「こっちが喋ってたのに、問答無用って感じで切り付けてくるなんて………ならコッチも、本気でいかせてもらうよ…!!」

 

ボクが大太刀を弾き返すと、冬将軍は再び切り付けてきた。

でも今のボクには、その動きが全部見える。

次々やってくる斬撃を軽く受け流しながら、ボクは冬将軍をどうやって倒すか知恵を絞る。

とはいえ、手持ちの情報は明らかに少ない。

炎属性の攻撃が弱点なんだろうけど、逆に言えばそれ以外にまともな案が出ない。

このまま切り込むのは割と簡単だろうけど、それが通じるかどうかはやってみないと分からないわけで。

な~んて考えてる間にも、ボクは冬将軍との距離を少しずつ詰めていってる状況。

何故そんなことをするかと言えば、あくまで考える時間を稼ぎたいだけなんだよね。

でも能力発動時から常に出てる(んだろうと思う)威圧感のおかげで、思ったより時間が稼げてる。

それは、背後から聞こえてくるゆんゆん達の会話に耳を傾けても分かること。

 

「ホントに冗談抜きで何者なのよ、カービィって!?あんな凄まじく速い斬撃を全部見切って、しかも間合いを詰める余裕まであるなんて!!」

「いや…それ以上かも」

「それ以上?」

「ほら見てアクア、冬将軍の肩の辺り。あそこでも刃が交わってるような感じになってる……ひょっとしてカービィさん、範囲外の斬撃を『斬撃飛ばし』で先に弾いてるんじゃ……?」

「な、何ですって!?ちょっと待ちなさいよ、ということは…」

「ああ、剣戟は…明らかにカービィの方が速い。そして恐らく…カービィはまだ、全速力じゃない」

「ええ!?でもダクネス、カービィはあの時『本気でいかせてもらう』とか言ってませんでしたっけ!?」

「確かにそうだが、あの様子じゃ本気を出すまでもなかったのだろう。もし本気なら、奴は歩いて間合いを詰めるどころか、最低1撃は食らわせてるはずだ!」

「そうなんですか!?と言うか、何故ダクネスはそこまで能力に詳しいんですか?」

「見たからだよ、めぐみん。アクアがアクセルの壁を修理していた時、1度だけだが、自宅で剣の修業をしていた私のもとにやって来て、その際に披露したんだ。あの能力を…」

「そうだったんですか…」

「ああ、それは凄まじかったぞ。今以上の威圧感を周囲にばらまいていたもんで、父も私も…まともに動けなかった。私に剣術を教えていた者が相手をしたんだが、彼も腰が引けていたな…ほんの僅かだったが。でもそれ以上に凄まじかったのは、カービィの剣捌きだ。何しろ間合いを詰め、相手の剣をはたき落とし、その腕を伝って相手の喉元ギリギリに剣を突き立てる…この一連の流れを、開始の合図とほぼ同時に、一瞬で済ましたんだからな」

「い、一瞬でそこまで……!?」

「ちょっと待って、だとしたら何でカービィは歩いてるのよ!?一瞬で詰められるなら詰めりゃ良いじゃない!」

「恐らく、それ自体がカービィの狙いなのかもしれないぞ。氷精が先に手を出したことなのに、冬将軍は自分の部下が傷つけられたという、一方的な理由で有無を言わさず勝負を挑んできた…。その身勝手さに、カービィは怒っているんだ……精神的にも追い詰めないと気が済まないほどに…!」

 

確かに状況的には一理あるね。

でもボクの場合は、あくまで結果的にそんな感じの雰囲気が出来上がったってだけで、実際はただの時間稼ぎなんだよね。

ま、未だに炎責め以上のアイディアが思いつかないし、大分距離が縮まっちゃったし、取り敢えずここらで何かしら口実を付けて、試し切りするか距離を開けるかしようっと。

あ、それとさっきゆんゆんが言ってた「斬撃飛ばし」の件だけど、正確には斬撃飛ばしを加えた「波動斬り」なんだよね。

 

「おんのれえええええええええええええ!!!!」

 

ここで冬将軍が突如、口から吹雪を吐き出した。

ボクは一瞬避けようかとも思ったけど、思い切ってすれ違いざまに一撃入れてみることに。

 

「『スパイラルソード』!!」

 

ボクは駆け出し、念のため吹雪を避けつつ間合いを詰め、ジャンプ後に放ったボクの攻撃は冬将軍の右脇腹を大きく抉る。

それはいいんだけど……思ったより手応えが無いんだなこれが。

 

「ぐうう…………!!」

 

ほらね、あんまりダメージを負ってる感じがしない。

となるとやっぱり、炎で対抗するしかないか…。

今のうちに能力変更をば。

 

「ふんぬうううううああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

冬将軍の斬撃。

だけど……間に合う!

 

「『バーニング・バーニング』!!」

 

一瞬早く発動に成功したまではいいんだけど、冬将軍の斬撃は周囲のエネルギーだけじゃ完全に防ぐことができず、ボクは衝撃で弾き飛ばされる。

でも冬将軍の方にも衝撃が伝わったらしく、バランスを崩して盛大に転倒。

 

「遂に出たわ!カービィお得意のフェニックスが!相手は死ぬ!!」

 

ボクが着地した時、こんな声が聞こえたんだけど……気のせいだよね?

ボクが纏った炎を切ろうとしたせいか、冬将軍の大太刀からは白煙が立ち上ってる。

よし、「バーニング」の時みたいに、炎属性魔法で能力強化だ!

どうせだから試しにっと……

 

「『インフェルノ・イグニッション』!!」

 

早くかけたい一心で「インフェルノ」と「エナジー・イグニッション」を混ぜてみたんだけど……意外にも上手くいったみたいで、ボクを取り巻く炎が一回り大きくなり、「エナジー・イグニッション」の青白い炎が混ざったために、纏った炎は明るい紫色に。

 

「おお、カービィを取り巻く炎がより一層強力になったぞ!しかも紫色の炎…!」

「多分『インフェルノ』と『エナジー・イグニッション』を掛け合わせたせいね、あの紫色は」

「もう何か言葉が出ませんけど、カービィの勝利が決まった気がします!」

「以下同文!!」

「「カービィさ~ん、ガンバって~~!!」」

 

皆が口々に何か言ってる中、ふと目をやると…そこには現状に目もくれず、何かを思案六法するこめっこの姿があった。

一体何を考えてるんだろう……?

おっと、それより今は冬将軍との決着をつけるのが先だった!

 

「いっくぞ~~!!!」

 

ボクはパワー全開で冬将軍に突撃する。

 

「ううっ…………負けてたまるものか!!」

 

冬将軍も、負けじと刀身に冷気を帯びさせて迎え撃つ。

 

『ドシュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…………!!!』

 

ボクの熱気と冬将軍の冷気がぶつかり合い、辺り一帯は濃い蒸気が、まるで生き物みたいに動き回ってる。

 

「ぬおおおおおおおおお!!!」

「んぎぃ~~~~~~~……!!」

 

力は完全に拮抗しちゃって、いくら歯を食いしばって踏ん張っても一向に状況は良くならない。

……こうなったら、隙を見て能力を「ドラゴストーム」に変更するしかない!

そう考えた矢先、間近で1つの声が。

 

「カービィ兄ちゃん!!」

 

その声に振り向いてみれば、そこには立ち尽くすこめっこと、それを引き留めようとするめぐみん。

声の主は勿論こめっこ。

めぐみんの手で引き戻されそうになる寸前、こめっこは予想外の言葉を口にした。

 

「受け取って!!『インフェルノ』!!」

 

何とボク目掛けて、覚えたての炎属性上級魔法を放った。

受け取ってって…なるほどね、自分の魔法を纏えるなら、もしかすると外部からの魔法でもいけるんじゃないかって考えたんだな。

と言うわけでボクの方は、魔法を巻き込むイメージを頭に描きつつ、適当にそれっぽい動作を入れてみた。

するとどうだろう、割とすんなり纏えちゃったよ。

するとここで、ゆんゆんも動き出す。

 

「よーし、それなら私も!『エナジー・イグニッション』!!」

 

こめっことゆんゆんの魔法が全身を駆け巡ってる。

そのせいか、ボクを取り巻く炎は紫色の宝石みたいに煌めいてる。

そう言えば、そんな感じの宝石があったと思うんだけど……何だったっけ?

まぁいいや、これなら……十分やれる!!

 

「こめっこ!ゆんゆん!ありがとね!うおお~~~~~~~~!!!!」

「!?どわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………!!!」

 

新たに纏った魔法の力を一気に開放。

その衝撃で冬将軍を大きく後ろに吹っ飛ばすことに成功。

 

「よし、もういっちょ行ってみよ~!!」

 

間髪入れずに再度突撃し、冬将軍の周りを高速回転する。

冬将軍が立ち上がった時には既に、周りを炎の渦に囲まれて何処にも行けない。

斬撃や体当たりで無理矢理突破しようと試みるけど、逆にダメージを負うばかり。

ボクはトドメを刺すべく、冬将軍の頭上に陣取った。

 

「ボクはここだよ~」

「!!??」

 

そのまま垂直に突撃しつつ、放つのはあのスーパーコピー。

 

「『ドラゴストーム』!!」

 

同じく紫色に輝く、巨大な火炎龍が大口を開けて冬将軍にい襲い掛かる。

 

「ぐわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………………………!!!!」

 

その断末魔の叫び声を最後に、冬将軍は溶けるように消滅した。

その後ボクは、念のために冒険者カードを確認してから、ゆんゆん達に討伐完了を伝えた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

労力の割に報酬が2億エリスと少なめだったけど、そんなことはどうでもいい。

今は皆と楽しい時間を過ごそう。

 

「いや~めでたいぜ!冬将軍がいなくなったぞ!」

「これも伝説の戦士のおかげだ!これからは、こんなひどい大雪に見舞われることも無いだろうよ!」

『伝説の戦士の、何にも代え難い勝利に、かんぱ~~~い!!』

 

と、皆が盛り上がる中、ボクはこめっこのもとへ向かう。

まさかコッソリお酒を飲んでたり…とか考えたけど、よかった。

こめっこが飲んでたのは、ただのジュース。

 

「ありがとう、こめっこ!キミの上級魔法のおかげで、ボクは勝機を見いだせたよ!」

「えっ…あ、うん。どうも…」

 

初めての扱いに戸惑ってるらしいけど、直ぐに慣れたのか、良い気でジュースを一気飲み。

それを見て、傍にいたゆんゆんにも、半ば強引に引き寄せて声をかける。

 

「ゆんゆんも、ありがとね!あの時の『エナジー・イグニッション』、凄くよかったよ!!」

 

あえて皆に聞こえるくらいの声でそう言うと、その場にいた冒険者達が一斉にこっちを向く。

 

「今回の冬将軍討伐は、ゆんゆんとこめっこの上級魔法が助けになったよ!だからこの場を借りて、改めてお礼を言いたいんだ。2人とも、本当にありがとう!!」

『ワアアアアアアアアア!!!!』

 

冒険者達の熱狂は最高潮になり、ボクとゆんゆん、そしてこめっこを皆で盛大に胴上げし始める。

今までにないほどの優遇を受けた2人は、満面の笑顔だった。

アクアもダクネスも、思い思いに盛り上げてくれた。

でも、この時ボクは気付くことができなかった……1人無言で項垂れるめぐみんの姿に。




次回予告
春になって早々、魔王軍の襲撃を退けたカービィ。
アイリスから、許婚である隣国の王子のもとに向かうと聞かされる。
だがその隣国にて、“2つの”陰謀が動いていた!
2つの国の未来やいかに!?
次回「魔王軍スパイと王子の秘密」

突然ですが、アンケートにご協力いただきたい。
このシリーズが完結後、このすば関係でまた作品を書きたいと思っています。
それに際して、皆さんがどの作品を一番見たいのか、感想文に記載して頂きたい。
執筆予定の作品は以下の7つです。

「このすばクエスト マァムの大冒険」
DQのスキルを極めた男勝りで姉御肌のマァムが、攻撃的前衛なのに何故かリーダーに!?
エッチ要素あり(R-15?R-18?)

「ハリーポッターと異世界の魔王」
移動魔法の暴走でやって来た稲妻の傷を持つ青年
半ば強引にゆんゆんが弟子入りします

「ホコタテ×このすば お宝珍道中」
このすばの世界とピクミン達の世界が融合

「この素晴らしき異世界の神々に祝福を!Ver.マガツキ」
ちびキャラ+Bカップ+黒髪+ツインテールなアマテラスが自身の神器「草薙の剣」をカズマに手渡したのを皮切りに、多くの神々や悪魔達がこのすば世界になだれ込みます

「魔王様の優雅な生活」
魔王が「殺せんせーQ!」のアイツであり、カズマを「程よい敵となりうる人物」として、色々手入れを施します

「怪獣娘の魔王ごっこ」
擬人化されたウルトラ怪獣ないしゴジラ怪獣が登場
魔王役は、ウルトラ怪獣よりゴモラとガタノゾーア
ゴジラ怪獣からは勿論ゴジラを

「この心優しき怪獣王に祝福を」
ゴジラジュニアが転生時の手違いで、歴代ゴジラ達の能力が受け継がれた状態に

「the MATRIX wonderful world -Purge this world-」
救世主ネオが、マトリックス内のまんまの姿で異世界へ

「東方3大魔女による異世界生活」
例の3人がこのすばの世界でやりたい放題するだけの話

あと、このすばとは関係ありませんが、こういう話も考えてます。

「CR海物語 3人の日常」
とある常夏の島に住む3人の美少女、マリン・ワリン・ウリンの日常生活と、様々な海の不思議事件や海の悪者達に立ち向かう姿を執筆予定(多分R-18)

「スーパークッパ フロンティア-悪役の舞台裏-」
本来語られることのない大魔王クッパの普段の姿に密着。
本当の悪は別にいた!?
※中盤以降はブンブンとプンプンがメインを張ります。

「東方魔法学習帖」
例の東方3大魔女が、ホグワーツで楽しい(?)学校生活
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