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「デ、デルタ…?」
巧が変身するファイズに似た戦士へ変わったフリードを前に、ギャスパーは巧の呟いた言葉を反芻するように聞き返した。とはいえ、巧自身もその言葉に返す余裕は無かった。
「…逃げ…」
逃げろと言いかけるのを、無理やり押し殺す。仮に逃げろと言ったとして、どう逃げる。リアス達のいる部屋に行けば安心ではあるもののその場所が分からない。第一、目の前の敵がそれを許す訳もない。彼らの目的がギャスパーである以上。
「…さてさて、さっさとファイズに変身してよー。こちとら、他のベルト持ちとヤりたいの!!アンタ以外は、一応味方って事になるから殺さないし」
『Standying By』
「変身っ!!」
『Complete』
最早、迷う必要はなかった。
仮面越しでも分かる殺意に、巧の本能が体を反射させる様に行動させる。先ほどのフリードと同様にフォトンストリームが体を走り、巧の体を戦士へ変える。
「うんうん。君は会談に出ると予想していたけど、まさかここにいるとはねぇ〜。まぁ、そのおかげで仕掛けが役に立ちそうだよっ!」
デルタは後方に下がり、同時にローブを着た女性達が前に出る。その瞬間に、ファイズの足元に魔法陣が展開される。その光景は、ライザーとのレーティング・ゲームの一幕を想起させる。
ライザーの『女王』は魔力による爆発を用いて、ファイズの隙を突く動きを見せた。その一瞬の隙が、ライザーを勝利に導いた。
反射的に巧はギャスパーに向かって手を伸ばす。それが、今の巧にできる一番の守り方だった。あと数センチで、ギャスパーの肩に届かんとした瞬間、一発の光弾が巧のーーファイズの手の甲に被弾。その手は、ギャスパーに届く事はなく、その体を強い光が包んだ。
光に包まれ、時間の感覚が無くなりかけていた巧ではあったが、仮面ーーアルティメットファインダーに視界が広がる。そこは、見慣れた場所ではあったが、部室ではない。
校舎から、旧校舎にかけての道。木々が生い茂り、まるで森林公園の一部の様。そこにいるのは、巧だけではなかった。
「ようやくアンタと遊べるよ。ねぇ、イッセー君」
「アイツに、ギャスパーに何する気だ」
巧の前には、デルタ。そして、そのデルタの配下であろう黒スーツの男たちが計10人。
11対1。あまりに不利な状況に、普通なら腰が引けても可笑しくはない。しかし、そんな事で怖気付く様な男ではない、乾巧は。
「あのクソハーフヴァンパイアの眼を使って、パーティが始まるって手筈なんすよ。上司曰く」
「パーティ…!?」
時間が止まる感覚。何度目かの感覚だが、どういう訳か巧には通用しない。これが意味するのは、フリードの言うパーティが始まってしまった。
「…ちっ!」
舌打ちをして旧校舎へ走り出そうとする巧を遮る様に、黒スーツの男たちが動き出す。上に来ていたスーツのボタンを外し、ソレは露わになる。
「変身」
腰に巻きつけてあるベルトのバックル部分にある縦に取り付けてあるプレートを横に倒す。
まるでライダーに変身ような仕草で、男の体は変化する。一人が変身し終えると、他の男たちも同様に変身を完了させる。
その戦士の名前は、ライオトルーパー。ファイズやデルタ、そしてカイザには及ばないものの多対一の様な集団戦のために制作されたライダーズギア。その効果が最も発揮されそうな状況下で、巧に襲いかかろうとしていた。
「本当は嫌なんすよー、こういうの。でも、アンタをヤるにはこれくらいじゃないとダメって言われちまったんで…ねぇ!!」
デルタが駆け出すのを見て、ライオトルーパー達が追うように巧、ファイズに突貫。
待つ形のファイズは、いつものように右手をスナップ。カシャっという金属音が響いたーー。
今、僕ーー木場裕斗は、止まった世界の中にいる。より正確に言えば、ギャスパー君の持つ神器の力により生まれた停止世界の中。数秒前つまり、この場所に停止の力が及んだ瞬間に僕は聖魔剣を創造。停止の力を跳ね除けた。
僕の隣にいたゼノヴィアも見たところは同じ様な事をして、停止されなかったんだろう。その証拠に、彼女の手にはデュランダルが握られていた。その刀身からは悪魔からは毒にも等しい聖なるオーラを漂わせる。
「木場…いまのは」
「うん。間違いない、ギャスパー君の眼の力だ」
僕は隣にいたはずの部長、朱乃さん、アーシアさんの様子を見て確信していた。3人とも停止の力を受けてしまい、まるで石化しているように見える。これは僕が停止の世界の外側にいるからこその見え方ではあるけど。
「俺たち上位の力を持った者は、別にして…ここまで残るか」
堕天使勢力のトップーーアザゼルは、停止されなかった僕やゼノヴィア、そしてミカエルの部下である天使の女性を見ながら呟く。その表情からは何故か焦りを感じはしなかった。むしろ、この状況を予想していたように見える。
「あれは、…ま、魔法使い!!ムムム、魔女っ子の私を差し置いてあんなに目立つなんて!!」
子供っぽい言動のレヴィアタン様に苦笑したくなるが、それよりも気になる発言に、僕は窓から空を見つめる。
「…これは」
僕の知る駒王町の空ではなく、巨大な魔法陣が空に広がる。そこからローブを纏う存在、魔法使いが次から次へと出現していく。
ここで絶望的なことに、この会場の介護を担っていた堕天使や悪魔などは停止の力により攻撃を受けるのみの形に。
ふと、ここである事を思い出す。会談が始まる前に、ギャスパー君の側にはイッセー君が居たはずだ。この反乱には、ギャスパー君の力が利用されている。つまり、もう既にイッセー君は倒されてしまった可能性も十分にあった。
「……っ!」
「落ち着け、木場」
旧校舎に向かおうとする僕を、ゼノヴィアは肩を掴んで止めた。ここで、頭に登っていた血液が引いていくのを感じる。
「無策に飛び出しても、無駄に命を落とす可能性が高い。ここは、作戦を練るべきだ」
あまりにも真っ当な正論に、僕も頷くしかない。振り返ると既に、サーゼクス様は作戦思案のためにグレイフィアさんと言葉を交わしていた。
「この停止の力は、ほぼ間違いなくギャスパー君のものだ。ならば、最初にギャスパー君を敵の手から取り戻す必要がある」
「しかし、今はこの場所を含めて、転送が儘なりません。恐らくは敵の妨害によるものですが…」
あの敵の数をうまく掻い潜り、ギャスパーとイッセー君の元に行く必要がある。…僕は、咄嗟に手を挙げた。
「僕が、行きます。僕が二人を助けに行きます」
「…木場。そこは「僕が」ではなく「僕達が」ではないか?」
僕の隣に立つ形で、ゼノヴィアも二人の救出に名乗りを挙げた。サーゼクス様は、一瞬の思考を見せた所で、答えを出したのか目を軽く細める。
「この役目は、危険が高い。それでもいいのかね」
「はい。仲間が、捕まっているのならばそれを助ける為に僕はこの聖魔剣を振るいます」
「私も同感だ。短い付き合いとはいえ、あの泣き虫を放っておけない。それにイッセーにも返さなければならない借りがある」
僕達の言葉を受けて、サーゼクス様は軽く微笑んでありがとう、と返してくれた。
「いい度胸だな、お前ら。…おいヴァーリ、お前も力を貸してやれ」
「了解…。まぁ、肩慣らしにはなるだろうな」
アザゼルの言葉を聞き、ヴァーリは背中から翼を生やす。…いや、あれは神器だ。
「
その言葉と共に、青い光に包まれたヴァーリは、白い鎧に纏っていた。翼を軽く翻して、飛び出していった。
あれが、白い龍の力。伝説のドラゴンの一角。知識としては知っていた物が、目の前に現れるどう言葉にするか迷う。神々しさすら感じられる鎧を着た戦士は、空に浮かぶ魔法陣に向かっていく。
「…君が、彼を危険と判断したのは間違いない。私も同じだ。彼の、あの力は…危険な匂いがする」
いつかの僕の判断を肯定するが、今の彼は頼れる存在だ。彼が、暴れればそれだけそこに目が向かう。僕らも行動がしやすくなる。
彼が暴れてる内に僕らも動くべきだ。そう判断を出し、魔王様達やグレイフィアさんに外へ出ることを伝えようと声を掛ける寸前、床に魔法陣が二つ出現。
「これは、レヴィアタン…の」
魔法陣の紋章を見て、グレイフィアさんはすぐに答えを出し、隣のサーゼクス様やレヴィアタン様は顔色が一変。特に、レヴィアタン様は明らかな動揺が見られる。
それに、グレイフィア様の言葉の意味はーー。
「御機嫌よう、三大勢力のトップ達」
魔法陣と共に現れたのは、二人の女性。僕らーーいや、サーゼクス様達に声を掛けた褐色の肌をしたドレスの様な服を着た女性。もう一人も女性ではあるものの、まるで街中に居るような女の人。黒いズボンに白いワイシャツといった格好。二人は正に対照的という言葉が合う。
「私は【真】の魔王を血を引く者、カテレカ・レヴィアタン。今日、この場で貴方方の首を取るために馳せ参じました」
「カテレアちゃん…!」
「そしてーー」
彼女の言葉に嘘はない。元々、魔王は血筋による世襲制だ。しかし、三大勢力の終結後に冥界は二つに分かれた。他の勢力を倒す事を目的とした派閥と、悪魔という種を守る事を目的とした派閥に。当然、相反する勢力はぶつかり合い、後者が勝利を掴んだ。その際のリーダー格にサーゼクス様やレヴィアタン様がいた。
そして、負けた勢力ーー旧魔王派は、冥界の僻地に身を置いた。同時に、旧魔王派の指導者達は歴代魔王達の血縁者。彼女がレヴィアタンの椅子に座っていた可能性も否めない。
「ーーこれで、終わりですっ!」
彼女、カテレアは手に持っていた杖を振り上げた。その時、杖の先端から光が発生。それから漏れ出す魔力は、明らかな殺意が込められていて。
強い爆発が、僕達を襲った。
「あら、これで終わりなの?呆気ないのね」
「…貴方は目的の人物に会えたのですか?」
爆発の中心からゆっくりと地面に降り立ったカテレアは隣にいた女性と牽制するような言葉を交わす。常に笑顔を絶やさない女性の態度はどこか不気味であり、妖艶な魅力を纏う。
「残念だけど、フラれてしまったようね。フリード君の方が当たりだったわ」
「そうですか。……やはり、あれだけでは無理ですか」
会話に一区切りつけて、爆発と煙の中心地から魔力によるシールドに似た物を発見。カテレアは攻撃の失敗を把握。
その事に不満げはなく、むしろ当然とさえ思っていた。
一度は、自分を退けた者達が、呆気なく破れるはずもない。
「三大勢力のトップが、防御結界ですか…。その悪足掻きが、どこまで持つのですかね…」
カテレアの目に移るのは、魔王や天使の長、そして堕天使総督のみ。そう、そのメンバーにばかり目が向いていて、他のメンバーには目がいってなかった。そこから消えた二人の若い悪魔のことなど、頭の片隅にも無かった。敵意と、復讐心に満ち満ちたカテレアの隣で、女性は静かに嗤う。それは、美しさも同居してはいたが見た者に恐怖を抱かせる類の物。どこか獣めいた瞳で、カテレアの姿を逸らすことなく見定め続けていた。
「貴方達は、ここで終わる。そして、私達がこの世界を再び構築する!」
「…貴方は、この世界が目的ですか?」
防御結界を解いたミカエルは、落ち着いた声で言葉を返す。当然、相手はそれを望んでいる訳もないが。
「えぇ。この腐敗した世界を…私達が、変革する」
高尚な言葉を述べてるつもりのカテレアの後ろで、共にある女性は、くすくすと笑いを浮かべる。アザゼルだけは、それを見逃す事をしなかった。
仲間への行為としては、違和感がありすぎる。アザゼルは、決してそれを飲み込む事はせずに確かめる。
「高尚な言葉を言ってるつもりでも、後ろのお仲間は笑ってるみたいだが?」
「…っっ!?」
「失礼な、そんなことする訳ないでしょ?」
女性は、戯けた態度と言葉を見せるが、それが嘘であることなどこの場にいる全員が見抜いていた。
「…まぁ、なんであれアイツが敵である事に異存はねぇな?」
「カテレア、降る気はないのか?」
「貴方は、真の魔王ではない!そんな貴方の言葉に縛れる物など有りはしない!」
最早、衝突は不可避。アザゼルは前に出て臨戦態勢を取る。相手が相手なだけにカテレアを気を引き締める。
魔王の血を引く者と、堕天使総督は互いの最速を持って相手に突貫していったーー。
「木場…こっちだ!」
「分かった」
テロリストと思われる女性の襲撃の最中、僕とゼノヴィアの二人は旧校舎の近くにまで辿り着いた。
あの爆発の後、アザゼルの指示で僕ら二人は建物に身を隠し、戦闘を回避しつうここまで来た。
「そう言えば、それはなんだ?」
「あぁ、これは…」
僕の手にある腕輪を見て、ゼノヴィアは僕に尋ねた。これを手渡したのはアザゼル、その効果は。
「ギャスパー君の力を抑えるための物らしい。堕天使は特に神器の研究に力を注いでいるらしいからね。こういった物を作れても不思議じゃないんじゃないかな」
「…そうか。言われてみれば、ギャスパーを助けたとしても、暴発した力の止め方までは考えていなかった」
そんな会話を繰り広げていくうちに僕達の目の前に見えたのは、変わり果てた旧校舎の姿だ。爆発と敵の襲撃により、壊された壁や外に露わとなる部屋。
僕達の大切な場所をこんな風にした敵に、怒りをぶつける気持ちが高まる中で、見慣れたバイクが倒れてるのを発見。
「…それは、イッセーのバイクか。壊れてるのか?」
「いや、完全には壊れては無いと思うけど」
地面に倒れたバジン君を立て直す。車体に傷はついてるものの大きな破損は見られなかった。素人目だから、確信は持てないけど。
「確かここを…」
『Battle Mode』
「へ、変化した!」
僕は、バジン君の座席より少し手前に付いたボタンを軽く押す。聞いたことのある音声が鳴って、バジン君の体は変化していく。バイクだったはずの車体は、人型の大きなマシンへ。初めて見たゼノヴィアは、開いた口が塞がらないと言った様子だ。
「バジン君、力を貸してくれないかな?」
バジン君は力強く頷く。そして、その体は旧校舎へ向かおうとする。
僕もゼノヴィアと顔を見合わせて、互いに前に進む。その手には、愛刀を携えて。
階段を登り、部室の前に立つ。
この部屋の向こうには、複数の敵の気配が感じられる。そして、ギャスパー君の魔力も。けれど、イッセー君の魔力は感じられない。
「この程度の敵に…イッセーが負けたのか?」
「…先ずは、ギャスパー君を助けよう」
そうだな、そう言葉を切って会話が終わる。ドアに対して正面に向かって立つバジン君が勢いよく拳を振り抜き、砲弾ともいえよう威力で拳を叩きつける!!
ドアが吹き飛ぶ風圧を感じながら、僕とゼノヴィアは部屋に突入。奇襲により動揺を見せる敵ーー魔法使い。敵の数は、10人。ギャスパー君の位置は、部長の机がある辺り。速度に長けた僕は、敵への攻撃よりもギャスパーへの接近を図る。
攻撃役としては、破壊力に長けたゼノヴィアと馬力の高いバジン君が。
「おのれっ!」
ギャスパー君を拘束、そしてその力を増大させる魔法陣を発動させていた魔法使いを攻撃魔法を唱える前に一閃。聖魔剣で切り裂き、その体は倒れこむ。
「木場、こちらも片付いた。…それより、彼はすごいな。私が二人を片付けた間に残りを倒していたぞ」
ゼノヴィアの視線はバジン君に向いていた。文字通り、その身一つで魔法使い達を屠っていた。彼が居なければ、この奇襲も難しかった筈だ。
「あっ…」
ようやく魔法陣が消えて、体を拘束する物が無くなったギャスパー君が僕に向かって倒れこむ。その体を受け止めて、腕にアザゼルから貰った腕輪を取り付ける。何秒か掛けて、息を与えようと深呼吸を行うギャスパー君。ようやく落ち着いたのか、いきなり僕の服の掴む。
「いっ、イッセー先輩がっ!!敵に、連れてかれてしまって!ぼ、僕を助けようとして」
その時、轟音が響いた。音の方向は、僕達が通ってきた道とはまた違う方角。けれど、距離はそう遠くはない。
間違いない、彼が戦っているんだ。
「ギャスパー君、立てるかい?」
「は、はい!」
「バジン!君のご主人を助けにいくぞ!」
僕達は、音のする方ーーイッセー君が居る場所へ向かった。
「らぁっ!」
ファイズの拳が、デルタの装甲を捉え、そこからの乱撃。アッパーやフックを織り交ぜて逃さない。ライダースーツを身に纏っていたとしても、人体急所は変わらない。その筈なのに、デルタは、倒れなかった。
「ヒャハッハッ!!まだまだ足りませんなぁ!!」
フックによる一撃を膝を立てて受け止める。カウンターの一撃を、腹部と顎に一発。それ以上の追い討ちをせずに距離を置く。同時に、三人のライオトルーパがファイズに接近。銃と剣を兼ねた武器ーーアクセレイガンを振るう。体勢を崩したはずのファイズは、それらの三つの斬撃を受ける事なくスウェーのみで避ける。避けると同時に、三人全員にカウンターをお見舞い。
「…っち、ウゼェな」
何秒かの間を開けるとデルタとライオトルーパは、ファイズを覆うように輪を囲む。これは圧倒的な実力差を覆す為の戦術だ。
デルターーフリードとて、本来の戦い方は剣や銃を使った機動力のある戦い方だ。肉弾戦では巧に大きく劣る。そして、このライオトルーパ達に変身した者達はもっとそうだ。
一年間、多くのオルフェノクとの戦いを切り抜けてきた巧にしてみれば、問題なく対処できる。
事実、戦い始めた時は十人いたライオトルーパ達は、五人にまで減っていた。
そろそろ決着をつけなければ…。敵に捕まってしまったギャスパーの事を考えればここでの時間の浪費は無駄でしかない。ファイズは、パンチングユニットーーファイズショットを取り出す。
『Ready』
『Exceed Charge』
ミッションメモリーを換装、Enterキーを押して必殺技を発動。フォトンブラッドがファイズの体を走る。
「はっ!」
ファイズは、強く地面を蹴って飛び出す。その先に、デルタが。同時に邪魔するように残りのライオトルーパ達がファイズの前に立ちはだかろうとするも、二つの影と地面から出現した剣により阻まれる。
「行け、イッセー!」
「今だ、イッセー君!」
「がはっ!」
地面に体が叩きつけられ、ベルトは衝撃で外れてしまう。デルタはその姿を維持出来ずにフリードへ。
ファイズに似たベルトの戦士の正体が、自身の幼馴染だと気づいたゼノヴィア。
「アレンっ!!」
「ダメよ、お嬢ちゃん」
「ゼノヴィア先輩!!」
「ゼノヴィア!」
堪らず駆け寄ろうとする彼女の前に、一人の女性が。ゼノヴィアに迫る危機に、裕斗とギャスパーはゼノヴィアの名を叫ぶも遅かった。
ただ、巧にだけは違う反応を見せていた。
女性は、巧にとって初対面ではなかった。
裕斗やゼノヴィアにとっては、カテレア・レヴィアタンと共に会談の場に現れた女性であったが。
何度も、何度も死闘を繰り広げて来た。
巧が、乾巧の時からーー
「ーー影山、冴子…」
巧の記憶と変わらない恐怖を抱かせる笑顔を、女性ーー影山冴子は、見せていた。
「…ようやく会えたわね、ファイズ」
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