ハイスクールFaiz〜赤い閃光の救世主〜   作:シグナル!

48 / 53
というわけで第二話!
ちなみに修学旅行の前に原作コラボを予定してますが、シリアスにしようか迷ってます…。
決まったら予告編だします。



親子の再会

「というわけで、元気にしてたか若者達よ」

 

神々しさ…というよりも神そのものであるオーディンの声がオカルト研究部内に響く。

ディアドラとの一件の際に巧達を援護した北欧神話の神。そんな存在がまるで孫に会いにくる感覚で部室にいる状況に疑問符を浮かべる巧。

事は少し前に遡る。

 

夕暮れ時となり、そろそろ解散というタイミングで突然リアスからアザゼルに連絡が入った。

内容は生徒会メンバーも含めた全員が部室に集まる事。

どんな要件かも聞かされずに取り敢えず集められた面々を前に、転移の魔法陣を用いて現れたのがオーディンだった。

 

部室に用意された椅子に腰掛けたオーディンの後ろには当然ではあるが護衛役のロスヴァイセ、そして巧の見知らぬ大柄な男性がまるで大木の様な存在感を放っていた。どうやらこの男性も護衛役なのだろうと結論を出して、当然の訪問者に視線を向ける。

 

「お前さんら、そんなに気張るな。今日この爺さんが来たのはお前らへの挨拶だ」

 

巧やフリードを除いた緊張した面持ちの皆を安心させる様にアザゼルが声をかけるがその効果は薄い。

 

「まぁ、そうじゃ。今回のこの訪日は日本神話との会談の為。そこでお前さんらに護衛を…形だけのものだからそこまで不安になるでないぞ。ここに来るまでにその辺の不安は解消済みだからのぅ」

「全くだ。すでに北欧で暴れたロキを抑えたというのも驚きだがな。そうだろ、バラキエル」

「…あっあ、そうだな総督」

 

アザゼルに声をかけられた男性ーーバラキエルは、一瞬反応に遅れた後に短い返事をする。その挙動は別の物に集中していたかの様だ。

巧はバラキエルの視線の先に朱乃がいた事に気づいた。

そして、彼が朱乃が以前話していた父親であることを確信した。

 

「まぁ、小難しい話じゃ若者はつまらからな。今回は宜しく頼むという事じゃ!」

 

オーディンの一言で突然の訪問は終了した。

ちなみにその後アザゼルとオーディンは風俗に繰り出そうとすぐに部室を飛び出して行った。そして護衛役のロスヴァイセはそんな二人を止めようと追いかけていく。

その背中を巧達学生に冷ややかな目で見つめられながら…。

 

 

 

アザゼル達が出て行った後の部室。

すでに生徒会メンバーは退室しており、オカルト研究部メンバーとバラキエルのみが部屋に残っていた。

 

「朱乃、お前と話がある」

「私には何もないわ」

 

バラキエルの問いに考える素振りすらも見せずに切り捨てる朱乃。

普段、温厚で誰の話も丁寧に対応する朱乃とは全く異なる姿に驚きを見せるメンバーもいた。

 

「…頼む,お前のことが心配なんだ。総督殿から聞いているお前がテロリストだけでなくオルフェノクとも戦っているとだから…」

「私はこの街に住まうグレモリー眷属の『女王』(クイーン)。街を、そしてそこに住む人たちを護るのも私たちの役目」

「確かにオルフェノクは人間や我々堕天使も襲う部下からの報告もあった。しかし…一部のオルフェノクはファイズを狙っていると聞く。それに冥界での話も聞き及んでいる。それで朱乃の事が心配で」

「ならイッセー君を一人にして、彼一人で戦わせろっていうの!?」

 

父親の心配する言葉とは裏腹に、かつてないほどの激昂を見せる朱乃。

リアスが止めに入るのを躊躇ってしまう程の気迫を見せる。

 

また朱乃もバラキエルの言葉に、リアスとの会話がリフレインした。

 

『イッセーが負けてしまう夢。相手は前に裕斗とゼノヴィアからの報告にもあった、ファイズやデルタに似た兵隊達。夢の中なのに、私はあの子を助けることすら出来なかった。……それが、怖くて』

 

もし自分たちが恐怖心故に巧から距離を置いても、彼は一人でそんな自分たちを守るために戦おうとするだろう。

だからこそ怖い。彼が一人で傷ついてしまうのが。

 

ーーもういやだ、大切な人がいなくなるのは!!

 

「私は、イッセー君のそばにいるわ!例え何があっても!!今更心配した様な事言わないでよ!!貴方なんか父親じゃーー」

「朱乃」

 

父親じゃない、そう言い切る寸前に巧は朱乃に声かけた。

朱乃とバラキエルとの間に立った巧は落ち着きを取り戻した朱乃を見据える。

 

「言っていいことと悪いことってのもあると思うぜ」

「ーーっ!!」

 

ぶっきらぼうな巧にしてはひどく優しい言葉で諭す様な一言。

そんな巧に見据えられた朱乃は何も言えなくなり、そのまま部室を飛び出した。

 

朱乃が飛び出した部室内。

リアス達も何も言葉が出せない中,顔を俯かせたバラキエルは沈黙を破る様に巧に対して頭を下げる。

 

「ファイズ…。すまない」

「あんたは何も間違ってない。…むしろ、あんたが朱乃の事を大切に思ってる何よりの証拠さ」

 

バラキエルの心配はごく自然の事。

ただ一人の家族が危険な境遇にいると知って、ましてや大切な一人娘であれば父親として守りたいと思うのは当たり前のことだと。

 

「少し行ってくる」

 

巧は家族の問題に口出しをする気はないし、するべきではないと考えている。けれどもこの朴訥で古風な父親を見捨てられない為、巧は朱乃を追うために部室を出た。

 

 

 

 

 

「何してるんだろう…」

 

すっかり日は暮れ,空には月が浮かぶ。

少し冷たい風が吹き抜ける中を私ーー姫島朱乃は独り言を愚痴りながら歩いていた。

 

父ーーバラキエルとの再会。

以前から心配している内容の連絡はもらっていたがその一切を無視していた。今日,部室に訪れる事も本当は知っていた。

オーディン様との面会が終わった後、あの人からかけられた言葉に自分でも驚く程に強く言葉を返していた。

 

本当は私も分かっていた。

あの人の、父のせいにして私が逃げていた事を。

お母様が亡くなったのはあの人のせいじゃないって事も。

ただそれを伝える事が出来ないままでいる。

 

「ただの子供ね、これじゃ」

 

呟いた独り言は、突然だけど誰も返事をしてくれない。

けど、こんな時にイッセー君ならなんて返してくれるのだろうか。

私が父を罵倒する一言を叫ぶ直前に私を止めた彼の表情は悲しそうで辛そうなものだった。

 

私の知ってるイッセー君は、不器用で口下手な人。いつもぶっきらぼうな癖に人を傷つけまいと気を回している。

その優しさは決してわかりやすいものではないけれども、そんな彼の優しさを眷属や共に戦う人達も分かっている。

 

その中でもリアスとアーシアちゃんは、彼に向ける視線は他の人とは違う。私と同じ、異性を見る目をしていた。

特にアーシアちゃんは、この前の体育祭で彼にキスをしていた。流石のイッセー君も私達を異性を意識しているのかこの前から私たち三人がアプローチをかけた時の反応が変わった。

 

「まぁ、そこが可愛いのだけれど」

 

呟きながら前を向いた私の視線に閃光と小さな衝突音が聞こえた。

それも何度も感じた事のある感覚ーー魔力が弾ける感覚。

 

「!!!」

 

この駒王町でそんな事が起きるのは何か危険が迫った時。

人通りの少ない道…なら!

私は咄嗟に悪魔の羽と堕天使の羽を広げて、音の震源地へと飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

一分もしないうちに先程の衝突音がした場所へ。

そこは町外れの山の麓。かつて堕天使レイナーレが拠点にした廃教会の近く。その付近を浮遊している私と目にある光景が飛び込む。

 

「あれはっ!」

 

黒いローブ、恐らく悪魔であろう者たちが、二人の子供ーーまだ幼い少年少女を取り囲んでいた。

子供のうちの一人、少年は悪魔により痛めつけられたのか身体中に痛々しいさのある痣や傷をつけられいた。もう一人は少年よりも更に幼い少女。

その光景は、まるでーー。

 

ーーお母様!!!

 

 

「やめなさいっっ!!!」

 

頭に浮かんだ嫌な光景。

それを消す様に私は叫びながら、悪魔と子供達の間を割る様に着地。

両者の反応は互いに突然の乱入者に驚きを隠せていない。

敵の数はおよそ、三十人といったところかしら。

 

「だ、だれ…?」

「安心して。私があなた達を護るわ」

 

私は子供を安心させる為に女の子の方を向いて、優しく言葉をかける。

そう、あの日母を守れなかったあの時とは違う。

今度は守り抜いてみせる。

 

「くっ!この女グレモリー眷属の女王(クイーン)の姫島朱乃だ!」

「あら、私のことを知ってくれてるなんて光栄ですわ。それでもここで貴方達は終わりですけれど」

 

相対した悪魔が私の名前を叫ぶ。その声を聞いてローブを着ていた悪魔達が一斉にそのローブを取り外す。どうやら全員男の様ではあるが私の仲間であるイッセー君達とは違い、何処か薄汚い欲望に駆られた目つきをしている。一体何をする気かしら。

けれどそんなの関係ない!!

 

「はぁぁ!!!」

 

私は手元に魔力を集中させ、雷を形成。

そこに堕天使の力である光を織り込んだ雷光を纏った後,その魔力を敵に向けて放った。

 

数秒後、雷光を避けきれなかった男達は直撃した為全員がその場で膝をつき倒れ込む姿が広がった。

 

 

「貴方怪我は無い?」

「わたしは、だいじょうぶ!でも、お兄ちゃんが…」

 

私のすぐ近くにいた少女に声をかけてからその状態を確認。

多少の擦り傷はあったもののこの後軽い手当があれば問題はないわね。

問題は私と少女の視線の先にある少年。

即座に駆け寄り、その傷を確認した。私は医療の心得はないけれど少年の呼吸が乱れていない事、アーシアちゃんの神器(セイクリッド・ギア)があれば問題なく回復できる。

 

そもそも彼らがどうして悪魔に狙われていたのか、その原因も調べるためにも一度リアス達と合流した後転移の準備をしようとした時。

私の手を少女が震えながら握った。

 

 

「おねぇちゃん…」

「…そんな!」

 

私の雷光を受けた悪魔の男達が全員、音もなく立ち上がっていた。その目は正気を失い、操られた人形の様。

一瞬だけ気押されたけれど、ならばもう一度と魔力を練る私の目に飛び込んだのは。

 

 

「おる、ふぇのく」

 

男達全員が灰色の怪物(オルフェノク)に変身する姿。そして私の手を握った少女の呟きが私の耳を何度も反芻していた。

 

オルフェノクとなった男達。その視線には勿論私達がいる。

この状況ではこの子達が!

私は咄嗟に二人を抱えて空へ飛ぶのか、二人を逃して自分が残るかを判断しかねていた。

一瞬、少女と目が合い…私は,この子達を護る。そう決めた私がやるべき事は!と二人を抱えようとしたその時。

 

山の中から聞こえたのもはや安心すら覚えるエンジン音。

彼はいつもの様に相棒のバジン君と共に現れた。

 

 

 

 

 

「イッセー君!」

「無事、みたいだな」

 

朱乃を追って,部室を出た直後。

巧はリアスから駒王町に侵入者が現れたと連絡を受けた。

しかも今回は一箇所ではなく、二箇所同時に。

巧は自身を除いたメンバーにはもう一箇所を、そして自分一人で一箇所を対応するとだけ伝えてオートバジンで侵入者の元へと向かってやって来た。

どうやらそこに朱乃が居た事は想定外だが、彼女の後ろにいた二人の子供を見てある程度は事情を察した巧は三人とオルフェノクの間に立ちふさがる。敵に対して、彼ら三人を指一本も触れさせる気は無いと言わんばかりに。

 

 

「お前ら,相手は子供に女一人だ。たく、何人がかりで相手する気だ。これ以上怖がらせるもんじゃないぜ」

 

そう言って、巧は即座に変身コードを入力。

 

『Standing By』

「変身!」

『Complete』

 

ファイズファンをドライバーに換装させて、変身を完了させる。

敵を見据えながら、警戒して少しずつ距離を縮めていく。

ファイズとオルフェノク達の距離が10メートルを切ったその時,敵のうちの一人が待っていられないと言わんばかりに肉薄。

その動きを見て、ファイズも同様に駆け出す。飛び出したファイズは相手が攻撃の動きを見せる前に足を踏み切り、空中を蹴る。

 

「らぁ!!」

 

気迫と共に放たれた空中での蹴りはオルフェノクの顔面を捉える。蹴られたオルフェノクは正面からその蹴りを受けて勢いよく地面に倒れ伏す。

着地と同時にドライバーの側面に取り付けられたファイズポインターを取り外し、足首へ。

 

『Ready』

『Complete』

 

手首のファイズアクセルからメモリーを抜き取り、ファイズフォンに換装。胸部のフルメタルラングが展開し、ファイズの体を走るフォトンストリームの色は赤から銀色に。

ファイズの姿を、アクセルフォームへと変える。

 

『Start Up』

 

ファイズアクセルの赤いボタンを押し込み、ファイズは10秒間の高速の世界へ。

 

 

 

 

その直後、朱乃の瞳には暗闇の中30ものポインティングマーカーが突き刺さり、その全てに高速の必殺技ーーアクセルクリムゾンスマッシュを放ったファイズの姿があった。

 

 

 

 

 

 

『Time Out』

『Reformetion』 

 

全ての敵を倒した直後、ファイズの姿から巧の姿へ。

変身を解除した巧は、朱乃の元へ駆け寄る。

 

「あのガキたちは?」

「あの男達に襲われていた所に偶然私が居合わせて、私もまだ詳しい事情は分かってはいなくて」

 

そうか、と言葉を返す。それでもこのままここにいるよりはと巧は朱乃に子供達に移動を促すと同時に現在の状況を伝える。

 

「ならそのまま私達もリアスの元へ行きましょう。そこならアーシアちゃんもいてあの子の治療を行えます。私は転移の準備を」

 

そう言った朱乃は即座にリアス達の魔力を感知して、転移の準備を始める。ふと巧は朱乃が助けた二人の子供に見覚えがある事に気づく。

声をかけようとした巧の足元には魔法陣が展開。転移の準備が整った事を悟り,言葉を飲み込む。

その直後、巧達を包むほどの大きな光が放たれる。

光が止んだ時、その場には誰も残っておらず後にはオルフェノクだった灰だけが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱乃が巧と合流するのと同時刻。

駒王町の廃工場の一つにリアス達は向かっていた。そこに侵入者がいると街の感知を担当する者から連絡が入ったからだ。

転移の魔法陣にて移動した先ではすでに戦闘が繰り広げられていた。

 

「これは一体?」

 

リアスの呟きに裕斗も同意の意を示す様に目を見開く。

彼らの視線の先にはーー

 

 

一人のオルフェノクが、ライオトルーパーと悪魔の合同部隊との戦闘を繰り広げられていた。

既に皆は戦闘準備は整っていたがどちらに加勢するのか、はたまた両方倒すかを判断しかねていた。

 

「ーーーくっ!」

 

ライオトルーパーと悪魔達の魔力攻撃で思わず膝をつくのは虎を想起させるタイガーオルフェノク。

その体はすでに魔力や斬撃でボロボロとなっている。そんなオルフェノクの姿にフリードは思わず前に出た。

 

「そんじゃあ、ここは負けそうな方を援護っで事はどうっすか部長さん?」

「えぇ、そうね。…みんな,あのオルフェノクを援護するわ!」

 

リアスの指示で文字通り戦闘態勢に入るグレモリー眷属とフリードとイリナ。

 

「フリード,裕斗は前衛。イリナさんは私は遠距離での攻撃、ギャスパーも後方からの支援、小猫はあのオルフェノクを連れてアーシアの元へ。ゼノヴィアはアーシアと小猫の盾役とデュランダルの力が溜まったら彼らにそれをぶつけて!」

『はい!!』

 

皆の気合のこもった返事が廃工場に響いた。

それぞれが役割を果たすために動き出す。まずは裕斗、フリード、小猫。

 

「イケメン君、おチビちゃん!行っくよ〜」

「あぁ!」

「チビはやめて下さい」

 

聖魔剣を顕現させた裕斗、猫又状態の小猫、そしてデルタドライバーを巻きつけたフリードが集団から勢いよく飛び出した。

駆け抜けるフリードはデルタファンを耳元へと寄せて宣言する。

 

「変身!」

『Standying ByーーーComplete』

 

闇夜の中を白いフォトンストリームがフリードの体を走り、変身を完了させる。デルタを中央に三角形になった三人はその敵の元へと突っ込む。

 

 

「どけどけどけっ!!」

「いまだ,小猫ちゃん!」

 

タイガーオルフェノクへ追撃の一撃を加えようとしたライオトルーパーをデルタが、遠距離からの魔力攻撃を加えようとした悪魔達を裕斗が。

それぞれが攻撃を加えて、タイガーオルフェノクを運ぶ道を作り出す。わずかに生まれた道を小猫が俊敏な動きで駆け抜ける。

 

 

「失礼します…えいっ!」

「なにしてんのぉぉぉぉ!」

 

タイガーオルフェノクの元まで着いた小猫はすぐに周囲を囲まれると察知。この場から彼を抱えることが難しいと判断すると仙術と戦車(ルーク)の駒により高められた膂力を持って彼の体を野球ボールの様にぶん投げた。ちなみに投げられたタイガーオルフェノクはまるで二刀流の侍が投げたボールの様に真っ直ぐとリアス達の元へ。

その体をゼノヴィアがキャッチしてアーシアの元へ。

 

「小猫ちゃん、うしろ!」

 

見事とは言えないが救出に成功したのを安堵するのも彼女の背後からライオトルーパーの一体が、アクセレイガンの刃を小猫の体を振りかぶる。

ギャスパーが小猫に危険を伝えるべく声を上げる。サポート役のイリナも天使の矢を射出して攻撃を防ごうとすると距離があった為か間に合いそうにない。仲間の声で咄嗟に感知した小猫が振り返り防御の態勢をとる。

 

 

「させるかよっと!」

 

その刃をデルタの飛び蹴りが攻撃を放ったライオトルーパーごと吹き飛ばす。綺麗に着地したフリードは自慢げな様子で小猫の頭を撫でる。

 

「怪我はないかい、おチビさん…ぐふっ!」

 

小馬鹿にしたデルタの鳩尾にこれ以上にないほど綺麗なストレートを打ち込む。突然のカウンターに悶えるデルタを他所に小猫は戦闘に戻る。

戦闘に戻る着前、小猫はすれ違い様にいつもよりも更に小さい声でありがとうございます、と感謝を伝えた。

 

「全くもう…!」

 

全線にいる三人の戦闘中とは思えないほどの様子に呆れた様な声を漏らすリアスはその他に滅びの魔力を練り上げてから敵の悪魔達に放つ。

その隣では白い天使の花を広げたイリナも同様に後方からの支援も兼ねて悪魔やライオトルーパー達への射撃を行う。

 

 

 

「アーシア、彼の様子は?」

「もう十分回復したと思います。あとは時間が経てば体力も戻ってくるかと…」

 

盾役となったゼノヴィアは背後で治療を行うアーシアの様子を確認。

傷だらけだったオルフェノクの体は元通りとなっていて復調は時間の問題と判断する。それと同時に構えたデュランダルの聖剣の力が最大級に高まった事を事を皮切りに前線へ飛び出す。

 

「みんな,離れろぉぉぉぉ!」

 

猛々しい声で突貫するぜノヴィア。その両手で握られたデュランダルはこれ以上にないほどの聖なる力を纏う。

悪魔であれば文字通り塵となる程の威力を持ったデュランダルを振り上げてゼノヴィアは地面を蹴った。

 

 

「フリード,小猫ちゃん!下がって!!」

 

浮遊するゼノヴィアとその愛刀を見た裕斗は敵と共にいればひとたまりもないと感じ、仲間へ距離を置く事を伝える。

ライオトルーパーや悪魔に向き合っていたデルタは即座に駆け出し、複数の悪魔に蹴り技を見舞う小猫を抱えて後方へ。

その二人を確認した裕斗は自身の最速を持ってリアスやイリナが待機する場所まで駆ける。

 

 

「これで終わりだぁぁぁぁ!!!」

 

叫びと共に振り下ろされたデュランダルはその力を刀身よりも大きくした巨大な斬撃としてライオトルーパーと悪魔達を屠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったの…?」

「部長さん,それフラグ!」

 

光と斬撃が止んだ頃,土煙が上がり視界が遮られる中リアスは敵の姿を確認。思わず出た一言にデルタがツッコミを入れる。

少しすると煙が止み、その先にはデュランダルを構えたゼノヴィアがいただけだった。

 

「すまない…。どうやら敵に逃げられた様だ」

 

攻撃な張本人のゼノヴィアは攻撃の手応えが無かった事から直前もしくは全滅の前に敵が退いたと判断。

リアスや裕斗が周囲を確認するもそれらしい気配は無かった為、本当に敵が退いたと確信。

全員が取り敢えずは戦闘が終わったと判断して、肩の荷を下ろす。

 

 

「それにしてもどうしてあの人が襲われてたんだろう」

 

ギャスパーの呟きは事の発端でもあるタイガーオルフェノクへと。

皆の視線がアーシアの治療を受けたタイガーオルフェノクに向けられる中、静かに立ち上がると突如人間の姿へと戻った。

 

「危険な所を助けてくれてありがとう。恩にきる」

 

そう言って頭を下げた青年の姿に、何かを思い出した裕斗は反射的に前に飛び出る。そのまま青年に斬りかからんとする為かデルタがその肩を掴む。

 

「おいイケメン君、なにしてんだよ!」

「離すんだ!彼は…サイガの仲間だ!もしかしたらイッセー君が危ない!!」

 

裕斗の叫びに全員が驚きの表情を見せる。

リアスは一瞬の思考の後に、青年の姿を思い出した。

 

ソーナ達のレーティングゲームでの最中に乱入したサイガ、天城奏の仲間でもあり虎と呼ばれていた青年である事を。

 

「その通り、俺は禍の団(カオス・ブリゲード)の者でアンタらの敵だった。…厳密に言えば元がつくがな」

 

その言葉の後、青年…虎徹広明(こてつひろあき)は膝をつき、地面を頭に擦り付ける様にしてリアス達に乞う。

 

「頼む,俺達を助けてくれ!!」

 

元テロリストとは思えないほどに普通の若者の様な嘆願が廃工場に響く。

リアスはまた一つ途轍もない騒動になる。そんな嫌な予感を感じながら彼への返事を考え始める。




というわけでロキさんは退場のため、だいぶオリジナルになります。
宜しくお願いします!

感想や評価宜しくお願いします!
かなり励みになります!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。