それとまだかなり先の話ですが…オリジナル編もあるのでこれからもお楽しみに!
「また、俺と一緒に戦ってくれんのか…?」
夕暮れの時間。空には日が沈みかけの太陽が昇っており、そこからオレンジ色の空を映し出している。
そんな光が視界に入りながらも、巧は気にせずに相棒の機体を撫でる。
オカルト研究部室を出て行ってから、アーシアの救出に向かおうとしたが、自分一人で向かって、アーシアを取り戻せるのかは分からなかった。
そこで、僅かながらの希望を乗せながら、ファイズフォンにコードを入力し、自分の相棒を呼び出した。
オレンジ色の空から、何処からともなく現れた巧の愛棒ーーオートバジンは、その機体を銀色に光らせていた。
このバイク、オートバジンはアークオルフェノクとの最終決戦の折、ボロボロに大破した。王の手により。そんなバジンが、何故巧の呼び出しに応じたのか。何故この世界に存在しているのか。
考え始めれば、自分がここにいること自体が既に奇跡としか言えない。だから、考えることをやめた。自分をこの世界に呼んだ何かからのプレゼントとでも考えよう。
巧は、この言葉を喋らない相棒を頼る事に決めたのだ。
本来ならば、ヘルメットをつけたいところだったが、生憎今はそんな時間はない。
オートバジンに跨って、クラッチを握る。
其処から勢いよくエンジンをかけようとするが……。
「兵藤君、待って」
「……木場、搭城。 なんの真似だ」
巧は祐斗の声が聞こえ、そちらを振り向く。
そこにはこちらに向けて歩いてくる小猫と祐斗の姿が目に映った。
ここまで来て邪魔をするとは考えにくい。それにリアスや朱乃の姿も見えない事から、強い警戒心を持たなかった。
「僕らも一緒に行くよ。あの灰色の怪人相手なら悔しいけど君に任せるけど、今回はエクソシストや堕天使だ。君の力になれると思うよ」
「役に立てます」
祐斗は堕天使とエクソシストを名を言う時の声が一オクターブ低く聞こえたが、次の小猫の言葉を聞き、それを頭の奥に放置する。
二人を見て、巻き込むつもりはない巧は、何も答えずに背を向けたまま、アクセルを握りしめ、そのまま進もうとするが、何も答えない巧に反抗するように二人は巧の進路を体で塞いだ。
「お前らはいても足手まといになるだけで邪魔だ」
「うん。 あの灰色の怪人ならね。 でも、エクソシスト達ならば話は別だよ。足手まといかは、その時に判断してよ。本当に足手まといになるようならば、僕らはその場から急いで逃げるからね」
「……さぁ、行きましょう」
睨み合う男子達をすり抜けて、小猫はオートバジンに跨る。詰まる所……二人乗りをする小猫。
「なんでそこに乗る」
「いいじゃないですか。 どうせ無免許運転です」
無免許…。
確かにこの兵藤一誠の体では免許を取っておらず、またあの面倒な教習所に通わなければならない…。
そう考えると気が重くなる。
「…で、お前はいいのかよ」
「うん。僕も少しづつ休憩しながらなら、バイクにも負けないつもりだからね。それじゃ、教会で会おうね」
バイクに乗っている小猫は兎も角、目の前の祐斗は車やバイクを持ってる様子はしない。
ならば何でバイクに勝つつもりなのか…。
少し興味の湧いた巧は祐斗を見ると、祐斗がその場から駆け出し始め、少しすると自分の視界から消えていた。
「…祐斗先輩は『騎士』。その駒の特性はものすごいスピードです。
でも、本人に体力がない為、まだまだ改良の余地はあります…」
「なんかに掴まれよな」
「失礼します…」
そう言った小猫は巧の制服の裾を強烈な力で掴んだ。
小猫に制服を掴まれた時には、体が思うように動かなくなり、思わず小猫を睨んだが、彼女の細腕からこんな力が発揮させるはずが…。
すると先ほどの小猫の言葉にあった、『駒の特性』という言葉を思い出す。この白い髪を持つ小学生のような少女の馬鹿力を『駒の特性』というものであるという事を思い出して、そのままアクセルを握りしめ、クラッチを握りギアを踏み込んで、オートバジンは発進した。
巧、小猫、祐斗が駒王学園を出発する少し前ーー
「あーあ。なんで、私が教会の裏側の監視なんだろ?」
木の枝に座りながら堕天使のミッテルトはそう呟く。
その言葉から、自分の仕事に疲れと面倒さを感じていることを示していた。
彼女がここにいる理由、それは侵入者を見つけ殺す為であった。
彼女だけでなく、彼女らのリーダーであるレイナーレからの指示である為に彼女もそれを受け入れ、監視についていた。
彼女達が恐れている一人の存在。
それは巧の事だった。
レイナーレの知ってる兵藤一誠は、スケベでウブな馬鹿な人間。
そう聞かせれていた。レイナーレ以外の堕天使達は先ほど出会った兵藤一誠との違いに驚いていた。
身体能力だけでドーナシークを圧倒。レイナーレを除く堕天使の攻撃をかいくぐる力を持つ男だったからだ。
そんな一誠からはスケベやウブや馬鹿なんて言葉は見当たらなかった。
むしろ歴戦の戦士…。そんな言葉が相応しい雰囲気を持つ兵藤一誠に恐怖心が僅かながらに芽生えていた。
そんなミッテルトに恐怖心を駆り立てるように見たこともない魔法陣が地面から発生し、二人の悪魔を転送させる。
そこから現れた悪魔ーー朱乃とリアスは、ミッテルトを見て不敵な笑みをこぼす。
「なぁんだ。この見張り案外、楽しくなりそう」
巧ではなく、この二人なら…。
リアスを見て安堵の息と、自分の気持ちを高ぶらせるように声を出す。
自分が登っていた木から飛び降り、地面に着地。スカートの端を少し持って、貴族がするような挨拶を交わす。
「これは、これは…どーもっ! 堕天使のミッテルトです!」
「あらあら、これはご丁寧な挨拶ありがとうございますわ」
朱乃は敵に送るには相応しくないほどにいい笑顔を浮かべ、挨拶を返す。
リアスは凛とした瞳でミッテルトに向けた声を発する。
「下僕が貴方の存在を察知したの。 私達の事を警戒はしてるようね」
「いいえ、貴方達の事なんか、どうだっていいけど、一応大切な儀式を邪魔するような奴を警戒しておくに越したことはないからね」
警戒ーーその言葉により、巧が脳裏に浮かび、思わず恐怖を顔に出しそうになったが、目の前のリアスと朱乃のそんな弱みを見せられない!
強い気持ちを持って、この警戒心と恐怖を目の前の悪魔に悟らせない為に強気に言葉を向ける。
「まあ、早い所。主人のあんたを潰せばいいわけでしょ?なら…カラワーナ、ドーナシーク!!」
ミッテルトが呼んだのは二人の堕天使の名前。
二人の名前が呼ばれた数秒後、朱乃とリアス、二人の上空の空間に歪みが生まれる。
それは、以前フリードが堕天使を呼ぶ際に作り出したものと一致いていた。
そこから出てきた二人の堕天使。
「現れたのは、あの男か?」
「ふんっ。誰が相手であろうが、殺すだけ」
ドーナシークは自分の目の前に現れたのが、巧かどうかを確認し、カラワーナーは殺意を持った目でリアスと朱乃を見据えていた。
「あらあら、こんなに出てきてしまって」
二人の悪魔と三人の堕天使が相見える時が近づいていた…
「…行くか…」
山の中にある潰れかけの廃教会の目の前に、バイクに跨った巧。
その右隣には白い髪を持つ少女ーー小猫。
左隣には、金髪でイケメンな少年ーー祐斗。
この三人がいた。
巧はオートバジンに跨り、アクセルを握りしめ、エンジンをかけて、クラッチを握り、ギアを踏み込む、教会の扉に向けてオートバジンは発進する。
扉までの距離は10メートルほどであったが、オートバジンの勢いに乗った加速により、扉などは意味を持たなかった。
なんとか、教会に侵入を果たした。
しかし、今の状況に違和感を感じずにはいられなかった。
自分の周りには人っ子一人おらず、教会にはこの場所に来る人が座り為の椅子と祭壇に一つの机が置いてあるのみでアーシアどころか、エクソシストさえも見当たらない。
オートバジンから降りて、周りを見渡す。
こうしてみると、明らかに使われなくなってから時間が経っていることが浮き彫りになっている。
「誰も居ないみたいだね…いや、一人いる」
「多分あの人です、あのエクソシスト」
巧の隣に並びながら、この教会を見渡していた祐斗と小猫から巧に向けて、警戒を持つように促す言葉が向けられた。
三人からの警戒の視線にさすがに気がついたのか、観念するように出てきた一人のエクソシスト。
白い髪、赤い目という、明らかに不思議な出で立ちのエクソシストーーフリードがそこにいた。
「これこれは、二度目ましてだねぇ。君達ぃ?俺としては、同じクソ悪魔と二度目の出会いなんてありえないと思っていたのですけど…。
まあ、所詮は堕天使も悪魔もクズってことですかい。さぁて……遊ぼうか」
フリードは明らかに先日とは違う何かを持ちながら、巧達の前に立ちふさがる。
コートからは光剣と悪魔対策の拳銃を構える。
巧もフリードがここを通す事はしないと、認識した時、巧の右側を何かが通った感覚がした。
「当たれ」
巧の隣を通った何かーーそれは、この教会に置いてある椅子であった。
それを投げたであろう人物、小猫の声も巧には聞こえ、彼女の馬鹿力がフリードにむけて先制攻撃を放った。
「おおっと! ……おチビさんには用がないんですわ。俺の相手は…イッセーくん!遊びましょ!」
小猫が投げた椅子を縦に剣を薙ぎ、真っ二つにしてみせたフリードはそのまま、銃を前に突き出して、巧に標準に絞り、その引き金を引く、と脳からの命令が伝達していくのが分かった。
しかし、それを途切らせる存在が自分の視界に入り、それは自分の手に持った剣でフリードの体を右斜め下から斬り伏せる様に振り上げる。
「おいおい…イケメン君。 俺、今イッセー君と戦ういいところでしょうが、邪魔すんなよ?」
フリードに攻撃を仕掛けた祐斗は、自分よりも後ろにいる巧に一瞬を見て、再びフリードに顔を向ける。
「イッセー君、僕らも少しは役に立つよ?」
「そうだな」
フリードは、自分がイッセーにむけて放とうとした攻撃を途切らせた、存在の祐斗を強く睨む。
祐斗を斬り殺すイメージができたら、そこから足に目の前の祐斗に一足飛びで近づけるほどの跳躍を命じ、膝を曲げ勢いをつける。
一瞬で力を貯めて、膝を再び伸ばして、体は前に進んで行く。
ふわりと浮遊をしている感覚をフリードは感じていた。
しかし、そんな自分に睨むかってくるエンジン音。
そのエンジン音はバイク。
フリードは祐斗の間合いに入りきる前に体を目の前にやってきたバイクーーオートバジンに激突する。
それを運転していた巧は何一つ罪悪感は感じさせない。
「おい、ぶん殴る前に聞く。 アーシアはどこだ?」
オートバジンに跨りながら、バイクに弾かれた衝撃で地面に体を倒していたフリードにアーシアの居場所を聞く。
巧もそれほどのスピードを出していないため、致命傷にはなっていない。
しかし、戦闘をするには難しいほどの傷だった。
「……そこの祭壇の机を吹き飛ばすと…地下につながる階段がある。それを使えば、あのシスターさんがいるところに行ける。早く行かないとあの子は手遅れになる。…早く行ってやれ」
まるで別人のようにしっかりとした口調でアーシアのいる場所を教えるフリード。
巧にはどれが本当のフリードなのかは分かりかねていた。
まるで人格が何人にもいるような…。そんな奇妙な考えをとりあえずは捨てた。
巧の質問に答えたフリードは自分の体から閃光弾のような物を取り出し、それを使い、閃光を発生させる。
三人はそれに視界を奪われ、視界がハッキリする時には既にフリードはその場にいなかった。
「えいっ!」
小猫がフリードの言っていた、祭壇の机を殴り飛ばす。
するとその下には地下に続く階段が存在していた。
『あの子は手遅れになる』
フリードの言葉が巧を不安にかりたてる。
オートバジンに跨り、そのまま発進させ、祐斗や小猫よりも先に巧は階段をバイクで駆け抜けた。
ーーイッセーさん。 もしも…もしも最期にあなたに会えるなら…私は貴方と友達になれて嬉しかった…。そう伝えたいです。
廃教会の地下にて、アーシア・アルジェントは奇妙な十字架を模した機械に手足を拘束されていた。
その機械から不快なものを感じ、身を捩らせてはみるものの手足の拘束により、あまり大した効果は見られない。
「あら、今更どうにかしようとしても無駄よ、アーシア」
目の前の堕天使ーーレイナーレは、体を捩らせるアーシアを見て、不快な笑みをこぼす。
ーーやっとだ、やっとこの小娘の神器を私の物にできる。
それさえあれば、私はシェムハザ様やアザゼル様の愛を…
レイナーレはようやく手に入る最高の力に今か今か待ちわびていた。
「本当にあなたには感謝してるわ。 あなたのその力のおかげで…私は、地位を手に入れる事ができる。まあ、神器を抜いたら貴方は死ぬんだけどね。まあ、いいでしょ? どうせ、こんなとこで死んでも悲しむ友達なんて誰もいないんだから!!!あはは!!!!」
レイナーレの笑みが儀式を行っているこの部屋に響く。
自らの死ーーそれを聞いたアーシアは顔をおとす。
しかし、自分に悲しんでくれる友達がいない。
いや…あの少年なら悲しんでくれるかもしれない。
「イッセーさんなら…悲しんでくれるでしょうか…?」
レイナーレに向けて、放たれた言葉。
兵藤一誠の存在だった。
あの不器用な優しさを持ち、自分と同じ猫舌であるあの少年なら…。
アーシアの話を聞いたレイナーレは再び大口を開けて笑い始める。
「あっはっはっはっ!!! 馬鹿ね、アーシア。兵藤一誠がここまで来るとでも?あのバカがここにいるエクソシスト全てを倒せるとでも?」
レイナーレが指をさしたのは、10メートル以上も離れた床にいる何十人ものはぐれエクソシストだった。はぐれエクソシスト。
教会を追われ、堕天使の下僕に身を置く者たちに向けての総称。
だが、その実力は侮ってはいけない者もいるほどだ。
1人、1人が武器を持ち、それぞれが悪魔を殺す事に長けている集団。
そう…普通なら助けなど絶対に来ないような状況だ。アーシアは神に祈る。
ーー主よ。 あの人に…イッセーさんがいつか自分の夢を見つけられますように……。
巧がいつか夢を…自分は叶えることのできなかった夢を見つけ、そして叶えられますように…。そう祈りを捧げた。
ーー来るはずがないっ!! あの悪魔がこんな小娘の為になんで命をかける必要があるっ!!
レイナーレは、アーシアの一誠が来てくれるという希望を必死で打ち消した。
アーシアの事を嘲笑いたいのではない。レイナーレ自身が巧に対して感じた事のない何かを感じ取ったからだ。
でも、今の自分ならば負けない。
アーシアの力を奪い、とある女から力を受け取った今の自分ならばあんな下級悪魔に恐れることはなくなる。
心の中でそんな葛藤をしているレイナーレ。
そして、その恐怖を抱いたその対象は…目の前に現れた。
「なっ!? なぜ、この鎖が!!」
突如、アーシアの手足を拘束していた枷が外れたのだ。
一秒後には、アーシアの神器を取り出すために必要な機械さえも火花を散らした。
この部屋の扉から聞こえるエンジン音。
視線を扉に向ける。
そこには…バイクに跨りながら、右手でバーストモードにしたファイズフォンでアーシアを拘束する鎖を破壊した巧の姿が映る。
「来なさい! アーシア!」
レイナーレは、巧の登場に体を震え上がらせるが、アーシアを連れてこの場を退ければどうにでもなる。
この場からアーシアを連れて逃げ出そうと、アーシアの体に触れようと手を伸ばす。
ファイズフォンから放たれたフォトンブラッドで作られた光弾が、自分の腕を貫きアーシアに触れることを許さない。
腕からは自分の血が溢れるようにして出てくる。
ーー下級悪魔如きがぁぁ!!!
怒りを込めて、オートバジンに跨る巧を睨む。
そんな怒りの視線を、巧は全く気負いすることもなく、アーシアを見つめる。
「イッセー…さん」
自分の目の映る少年の名前を呟く。
なんで、どうして、そんな疑問は頭から消えており、一番に浮かんできた物、それはーー
ーーまた会えてよかったです…イッセーさん。
アーシアは体を起こして、巧の顔を見つめる。
巧の腰に見たことのない物を見つける。
腰にはベルトのようなものを巻きつけていた。
「待たせたな…アーシア。 こんなところでお前を死なせやしない!」
巧はそう言うと、ファイズフォンに変身コードを入力。
最後にEnterキーを押す。
ファイズフォンを空高く掲げ、叫ぶ。
『Standying By』
「変身!!!!」
『Complete』
友達と平和で普通の毎日を送る、そんな『夢』をもった少女の前に赤き閃光は舞い降りた。
「全く、バイクで先に行くなんてね。 エクソシスト達は僕らに任せて、君は早く彼女を」
「……早く」
変身を完了させたファイズの元に、少し遅れて祐斗と小猫がたどり着く。
先に階段をバイクで降りていったので、自分の方が速いのは当然。
それでも数秒違いで現れた二人に驚きつつも、視線は前に向け続ける。
「…ああ」
言葉短く、二人の言葉を受け取り、オートバジンのアクセルを握りしめ、再び前に進む。
目の前にいる何人ものはぐれエクソシスト達が、道を塞ごうとしているが…。
「邪魔だぁ!!!」
「…邪魔」
小猫と祐斗により、半ば無理やりながら道を作り出し、ファイズはその道をオートバジンのスピードを上げつつ通り抜ける。
バイクで階段を登りながら、十数秒掛けてなんとか祭壇の一番上までたどり着く。
そこには、ファイズフォンにより撃ち抜かれた手から溢れ出る血を押さえつけるレイナーレと、拘束から解かれ、ぐったりと地面に横たわるアーシアがいた。
『Batlle Mode』
アーシアの元に寄る為にオートバジンを降りる際に、ファイズはオートバジンのハンドル手前に付いてあるファイズの顔を模したスイッチを押すと、音声が鳴り響く。
すると、オートバジンの機体に変化が起きる。
バイクだったはずのオートバジンが、二メートルを超える大きな人型の戦闘ロボットに変形したのだ。
いきなりの変形バイクにぐったりしてたアーシアや怪我をしていたはずのレイナーレも目が点になったようだ。
「あいつらのサポートをしてやれ」
ファイズの声に反応し、顔となったヘッドライトが点滅して、了解と言っているように見えた。
後輪のスクランブルローターにより、飛行可能であるオートバジンは祭壇から飛行を開始する。
「攻撃するのは、白い髪のチビと金髪以外だ!!」
以前、スカラベオルフェノクとの戦闘最中に、自分共々攻撃されたことを思い出して、オートバジンに指示を出しておく。これで誤射される事はないが……。
「痛っ!」
ファイズの頭部に何やら石が飛んできていた。
投げたであろう人物、小猫は若干眉を上にあげ、はぐれエクソシストに怒りをぶつけ戦っていた。
すると、小猫と祐斗ははぐれエクソシスト達から距離を取る。
それから数秒経つと、はぐれエクソシスト達は空からの攻撃により多くの負傷者が現れる。
攻撃を行っているのは空中にいるオートバジンだ。
オートバジンの前輪、バスターホイールからは12mm弾を1秒間に96発も連射可能である。
そんなバスターホイールからの攻撃を受けたはぐれエクソシスト達の大半は戦闘不能にされていた。
「くそっ! 使えない奴らめ!!」
レイナーレは、オートバジンにより戦闘不能にされた者たちを見て、吐き捨てるように言葉を発する。
巧は相変わらずの威力を持つバスターホイールに感心しつつ、アーシアに声をかける。
「アーシア。 ……起きろ」
「イッセーさん…。 これは夢でしょうか?」
「さぁな。 取り敢えず、此処を出るぞ」
何処か疲れた顔をしているアーシアの体を起こし、その場から退避しようと、彼女の手を握る。
背後にいる祐斗からの声がファイズに聞こえた。
「イッセー君! 堕天使が来てるよ!!」
祐斗の声に反応し、ファイズは正面を向くと光の槍を携えて、こちらに向けてそれを放とうとしているレイナーレが目に入った。
「きゃぁぁ!!!」
ファイズはそれを見ると、アーシアをお姫様だっこの形で抱きかかえて、祭壇から飛び降りる。
その際にアーシアの悲鳴が聞こえるが、わざわざ階段を降りる時間ももったい無いため、それらを無視した。
巧はこの状態で戦おうとは思わなかった。
アーシアという非戦闘員を守りながら、自分たちよりも多い数の相手との戦闘は分が悪いと判断し、この部屋からの退却を狙った。
「木場! 搭城! お前らも行くぞ! 後はあいつに任せろ!」
小猫や祐斗にもすでに大半を戦闘不能にしてあるはぐれエクソシストとの戦闘よりもここから離れる事を促す。
仮に動ける者がいるとしても、それはオートバジンに任せればいい。
巧の真意を受け取った二人は、その言葉にうなづいてその場からの退却を行う。
「ふザゲルナァァァァァァ!!!!」
アーシアを奪われ、戦力の殆どをオートバジンと祐斗と小猫に削られたレイナーレは、怒りの狂気を込め叫びだす。
左手で魔法陣を創り出し、小瓶を取り出して、自らの手で握りしめていた。
「なんとか無事に助け出せたね」
地下から抜け出した巧たちは安堵の声を漏らす。
アーシアは長時間の拘束による為、今は椅子を布団代わりに眠りについていた。
小猫も眠りについているアーシアを見て、嬉しそうな微笑を浮かべていた。
助け出せてよかった…。
微笑を浮かべる小猫からはそんな気持ちが伝わっていた。
「兵藤君、どうして変身を解かないんだい?」
「……」
一応は、アーシアを取り戻せたが、巧は未だに変身を解除しようとはしない。
まだ、敵が残っている。
そんな気持ちがファイズの中では生まれている。
ファイズはじっと自分たちが出てきた地下への入り口を睨みつけていた。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
男の悲鳴が耳に入る。
音源は地下からだった。
それはつまり、巧の危惧する敵が地下にいるということ。
身構えてる三人の前に、階段を駆け下りてきたであろう男が数名現れる。
息を途絶えさせながら、こちらに向けて歩いてくる男たち。
その中の一人の男の手が灰になって地に落ちた。
次の瞬間には、手だけでなく体さえも灰となり、その場には男の着ていた服だけが残る。
それをきっかけに、他の残った男たちも同様に体が灰となって地面に伏していく。
その場には大量の灰と着用していた服だけが残る。
「オルフェノク…」
巧のぼそりと呟いた言葉に祐斗と小猫は反応を見せる。
人の身体が灰となる現象。
巧はこれを嫌という程見てきた。
オルフェノクに殺された者の末路。
オルフェノクに殺され、使徒再生出来ずにオルフェノクになることの出来なかった人間は、数秒間だけ復活をしてすぐにまた灰となり、今度こそこの世を去る。
この現象が、目の前のはぐれエクソシスト達にも起きたということは、あの地下にいた者たちの中の誰かがオルフェノクという事になる。それか、元々オルフェノクだったの二つの可能性がある。
自然と硬直する身体。
祐斗と小猫はそれを実感していた。
以前の巨大なエレファントオルフェノクとの交戦の際には自分を含めたグレモリー眷属の攻撃、自分たちの剣技と拳、そしてリアスと朱乃の消滅の魔力攻撃と雷の魔力攻撃を合わせても倒すことが出来なかった。
その事実は忘れられない。
どれだけ自分が敵を倒しても、オルフェノクには勝てない。そんなトラウマじみた物が、頭の中にこびりついていた。
「お前ら、アーシア連れて逃げろ。 逃げられないなら、ここから離れるなよ…」
目の前のファイズは違う。
自分たちの勝てなかった相手をあっさりと打ち倒してみせた。この希望が祐斗と小猫の体を動かす原動力となる。
「イッセー君、必ず勝ってよ…」
「待ってます。それと頑張ってください…イッセー先輩」
二人は戦えない自分の力を不甲斐ないと思いつつ、巧をイッセーと呼び、アーシアと共にその場から離れた。
教会を出ていく三人を確認し、地下に向かおうと床にある隠し通路に顔を覗き込むと、いきなり光の槍が下から上に向かってきた。
その槍を反射的に顔を仰け反して躱し、後ろに後退する。
「へぇ…今の避けるんだ。 やるねぇイッセー君」
地下の入り口付近から聞こえる声。
それは堕天使、レイナーレの声だった。
しかし、そこからは先ほどの狂気や怒りを交えて叫んでいた声とは違い、どこか冷静さを持ち合わせた声だった。
巧は地下の入り口から出てきたレイナーレを見て、言葉を失った。
「良かったわ、驚いてくれて。 貴方のような、厄介なネズミが現れた時のためにこれを受け取っておいて良かった。すごいでしょ、これ?」
その姿は、堕天使をイメージさせるーーダウンフォールオルフェノクと化していた。
「オルフェノクになったのか」
ファイズは、オルフェノクと化したレイナーレに見て、質問の意味を混ぜながら、聞いてみた。
「よく知ってるわね。 まあ、あの女のお陰というのも気にくわないけど、この力に加えアーシアの聖母の微笑みまで加われば私はきっと…アザゼル様やシェムハザ様の寵愛を受けられるわ」
アーシアの力を欲する理由。
それは自分の地位を上げる為。
そんな理由でアーシアを傷つけていいのか?
いや、巧には許せるはずがないなかった。
正義のヒーローなんてものを名乗るつもりはない。
けれど、巧はあの少女を守ると決めている。
ここでこの堕天使を倒さなければならない。
例えそれが、罪であろうとも…。
「…そんな理由でアイツは死なせない」
レイナーレにも聞こえない声でファイズはぼそりとつぶやき、右手首をスナップさせるとカシャという音が響いた。
「はぁぁぁ!!」
レイナーレの声が、響き渡る。
手に持った槍を横薙ぎに振るい、その軌道上にファイズを捉える。
足を一歩前に進め、自分の左腕を顔を守るように上げる。
槍と左腕がぶつかり合い、槍に篭った勢いは殺されファイズは右腕でダウンフォールオルフェノクの腹部にボディブローを決める。その一撃は体の内部にまで届き、体が地を離れ、足元が数センチほど浮かび上がる。
それを見逃さず、二度、三度と拳を腹部に打ち込む。
最後に、顎を向けての拳が決まり、ファイズの打ち込んだ拳の勢いによりその場から右に吹き飛ぶ。
「…なにっ!? 貴様……っっ!!」
この力を持ってしても目の前の下級悪魔は余裕を持って自分を圧倒し、なおかつ余裕を見せている。
許せない。
殺す! 殺す!! 殺す!!! コロス!!!!
突如、自分の脳から目の前のファイズを過剰なまでに殺すような指令が送られてくる。
体は言うことを聞かないかのように、ファイズに向かって行く。
両手を振り上げ、ファイズの肩を掴み、そのまま地面に倒そうとするが、肩に力を入れる前に腹部に蹴りを打ち込まれ、後退させられる。
肉弾戦ではファイズに分がある。
ならば…!!!
ダウンフォールオルフェノクは、右手に再び槍を創生し、今度はファイズの左半身を狙うように攻撃を放つ。
ファイズもそれに反応し、左手で槍を弾こうと手を振り上げた瞬間、左手に二本目の槍を創生し、そのまま刺突を繰り出す。
二本目の槍の創生に流石に予想をしていなかったファイズは胸部に槍での刺突を直撃する。
ファイズの胸部アーマ、フルメタルラングからは火花が散り、そしてその刺突により凹みが生まれていた。
「あははははっっ!!!これよ、これを待ってたのよ!
貴方を殺す力が私にはあるの!!何がこんなところで死なせやしないよ!あなたもアーシアもここで死ぬのよ!!」
僅かながらにも自分の攻撃で傷つくファイズを見て嬉しそうに声を上げるダウンフォールオルフェノク。
その陰からはレイナーレの姿が見える。
ダウンフォールオルフェノク…堕天使が扱える基本的な能力は変わりはしない。けれどそのスペックの差は歴然。例えば下級、中級の悪魔でも一気に上級クラスの力を手にすることのできる物となる。
槍の威力や基本的な戦闘能力の向上。
これがオルフェノクと堕天使の力の融合だ。
「これさえあれば、私は!! …ふふ、あの女はもっと利用価値があるのね…これからも利用させてももらいたいわ」
ファイズは、一人で何かを呟くレイナーレを見て、その隙にファイズドライバーからファイズフォンを抜き取り、「106」とコードを入力。
『Burst Mode』
銃の形に変形させたファイズフォンで、ダウンフォールオルフェノクに狙いを定め、フォトンブラッドで出来た光弾を放つ。
「くっ!!」
突然のファイズの銃での攻撃。それを考えていなかった、ダウンフォールオルフェノクは腕を前に突き出した形でその光弾を受け止めた。
痛みは感じたが、それでも腕の貫通よりは優しいだろう。
レイナーレは、貫かれていない自分の腕を見て喜びに打ち震える。
ーー勝った!! あの男にあの銃以上に強い武器はない!
丸腰のファイズにはもう武器はない。
つまりは最大の武器の銃で通じなければ、この槍がファイズを貫き、殺せる。
そう結論付け、オルフェノクになったせいで黒い翼から灰色の翼に変化し、その羽を大きく広げ、羽ばたかせて空に浮かぶ。
ファイズはその様子をだらんとした姿勢で捉えた、黄色に光るアルティメットファインダーはしっかりと目の前の敵を捉えていた。
「いくら貴方が強くても、その銃以上の武器を持っていないあなたには私は倒せないわ!」
そう叫んだレイナーレは、両手に槍を創生し、左手に持つ槍をファイズ目掛けて投げつける。
地面との接触を果たすもそれは大きく爆発した。
オルフェノクになった影響は槍の爆発力にもつながる。
そのことに歓喜したレイナーレは、ファイズの姿を捉えていなくとも、只々力を振るいたいが為に両手で何度も槍を投げつけて、爆発を起こしてゆく。
この爆発により地面がえぐれ、地下に部屋がある為にそろそろ地面に亀裂が入り始める。
レイナーレは、土煙が酷い中で、ファイズの姿を見つけようとしていた。
ーーあのムカつく下級悪魔の死ぬところをこの目で見てやるわ。
どこかウキウキした気分のままで、ファイズを探すが、どこにも見つからない。
「うらっっ!!」
自分の背中を誰かに殴られる。
しかも、空を飛んでいるために広げている羽を掴まれ、バランスを失い、空中から落下する。
それなりの高さからの落下と自分を殴った者の重さまでもがダウンフォールオルフェノクに向かう。
「汚れた手で私に触れるなぁ!!!」
体を大きく捩らせて、自分の体を掴む存在を振りほどく。
自分の体を殴った存在ーーファイズは、何も無かったような状態だった。
「何故だ! あの光の槍が当たれば、悪魔のあなたには多少は効くはず! いくらその奇妙な鎧に覆われてるからって」
そこでダウンフォールオルフェノクは言葉を中断した。
彼女の視線には、空中を浮遊する状態のオートバジンが映ったからだ。
ファイズは、あの槍の雨をオートバジンを呼び出して、かい潜り、彼女が槍を打つのに夢中になり、投げ終えた後の無防備なその背後から攻撃を仕掛けた。
そういう事だった。
この勝負に終わりが見え始める。
ファイズは腰に付けてある、デジタルカメラを取り出し、ファイズフォンに付けてあるミッションメモリーを差し込む。
『Ready』
デシタルカメラだった物から、グリップ…ブラストナックルが展開される。
それを右手に装着させる。
横になっているファイズフォンを開き、Enterキーを押す。
『Exceed Charge』
体のラインを通って、フォトンブラッドがデジタルカメラ型の器具ーーファイズショットに伝わる。
ファイズは右手に伝わる力を感じ、そのまま前に駆け抜ける。
ーーなんなのアレ!? 怖い…怖いっっ!!
レイナーレは、ファイズの右手に集中している何かに恐れを抱いていた。
フォトンブラッド…それはファイズだけでなく、すべてのライダーズギアが必殺技の際に集約するエネルギー。
それはオルフェノクにとっては毒も同然。
よって、今はオルフェノクとなっているレイナーレが恐れを感じるのは当然と言える。
「消えろぉぉぉぉぉ!!!」
今までで一番大きい光の槍を両手で作り出す。
両手を前に突き出して、真っ直ぐ確実にファイズに向かってゆく光の槍。
ーー光が毒ってのは本当みたいだな…。
ファイズは自分の眼前に迫る槍を見て、そんな感想を抱いていた。
ファイズの変身スーツ越しにも少しだけ体がこの光を拒絶しているのが分かったからだ。
もしもこれが直撃すれば、多少のダメージを負うことを考えていたが、爆殺の際にベルトが外れれば、悪魔の存在が希薄である自分でも確実に致命傷になりうる。
そんな予想を考えていた。
けれど…この一撃で決めるつもりのファイズは、その槍が自分の間合いに入った瞬間、それを飛び超えた。
空中で、足を伸ばして光の槍を踏み、それを足場にして更に加速をつけてレイナーレ…ダウンフォールオルフェノクに近づいていく。
ーーこれで…終わりだっっ!!
「わ、私は…至高の堕天使だぁぁぁ!!!」
「うらぁぁぁぁぁ!!!!!」.
ダウンフォールオルフェノクの腹部にファイズ渾身のグランインパクトが命中し、φを模した赤い光が現れ、堕天使レイナーレの体を灰に還した。
「ふぅ…」
変身を解除した巧は、一息をついて、一番近くにあった椅子に腰掛ける。
ファイズフォンを開き、リアスに全てが片付いた事を連絡せねば…。
そんな思いでファイズフォンにコードを入力していく。
「あら…あの子負けちゃったのね。 本当、あれだけネズミには気をつけろって言ってたのに。馬鹿な娘。 でも…これで確定してわ。
まさか、貴方がこの世界にいるなんて…兵藤一誠、いや乾巧。
貴方には見てもらいたいわ。 今度こそ、王が…オルフェノクが世界を手にする所を」
「おい…どういう事だよ」
激闘から二日経った月曜日の朝、巧は目の前にいる人物に疑問を持たざる得なかった。
「えへへへ。おはようございます、イッセーさん!」
そこには駒王学園の制服を着ているアーシアがいた。
その制服姿はとても似合っており、可愛らしいものだったが、巧が睨んでいるのはアーシア…ではなく、その背後で優雅に紅茶を飲んでいるリアスだ。
「だから、アーシアは私の眷属になったのよ。だから、この駒王学園に通う事になったの。何かおかしな所があるのかしら?」
それをさも当然のように伝えるリアス。
巧が聞きたいのはそこだった。
ーーなんで、アーシアを悪魔にしてんだよ!
レイナーレとの戦闘を終えた後、アーシアときちんとした再会を果たした巧だったが、自らが悪魔である以上、彼女と共に行動はできない。
それをすれば困るのも傷つくのも彼女だとわかっていたからだ。
そこでリアスがアーシアを引き取ってくれる、きちんとした教会もしくは施設を探すと巧と約束したのだ。それがこの結果…。
「アーシアは、きちんとした所に身を預けるって言ったのお前だろ!」
「だから、アーシアはここにいるのよ。どこも、信用できるような者がいなかったのだから。それに悪魔に…眷属になることはちゃんと了承済みよ」
巧は、リアスが兵藤一誠の親を誤魔化した際に見せた交渉術で人の良いアーシアを騙したのでは?と考えたが、目の前の少女はそんな事をするとは思えない為に、あーでもない、こーでもないと考えていると…渦中の人物から声をかけられる。
「私は…ここにいたらダメですか?」
「あら、ひどいじゃないイッセー。 ここに好きなだけいろってと言ったのは貴方なんでしょ?」
ーーこの女っっ!!!
巧は確かにそういったが、意味合いが違う。
が、目の前の少女の言葉を否定する事も出来ない。
……考えて出した答えは……。
「なら、……ここにいろ。 お前の好きにすればいい…」
「はいっ!これからもよろしくお願いします、イッセーさん!」
アーシアは花が咲いたかのように綺麗な笑みを浮かべる。 そんか笑みを見て巧も自然と笑みを浮かべていた。
「あら、アーシアには素直なのね、イッセー」
「ああもう! 止めろ! 頭を撫でるな!!」
巧はリアスに頭を撫でられ、自分の頭を撫でている手を解いて、オカルト研究部室を飛び出す。
そのまま旧校舎をでて、自分の教室に向かう。
少し歩いてから、旧校舎のある方角を向く。
ーーアーシア。 お前の夢、叶うといいな。
巧はアーシアの夢が叶うようにこの大きな蒼い空に…そして世界中の誰かの夢が叶うように願った。
とりあえず第1巻が終わりました。
書き溜めは3巻の途中までなので。
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