超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第36話 合流までの一時(インターミッション)

 

 

 

 

ラステイションの教会。

その主であるノワールはというと、

 

「まーーーーーったく! こう何度も何度も人を下敷きにするなんて非常識にも程があるわよ!」

 

えらくご立腹だった。

その顔には絆創膏が幾つも貼られている。

 

「ねぷっ!? そう怒んないでよノワール。ワザとじゃないんだからさ!」

 

「ワザとだったらもっと怒ってるわよ!!」

 

ネプテューヌの言葉に即座に言い返す。

 

「あ~………ノワール。シェアを節約するためとはいえ、定員オーバーで無理に転移しようとしたのはこちらの落ち度だ…………すまなかった」

 

紫苑がそう言いながら頭を下げた。

 

「何でネプテューヌはこうやって筋を通して謝罪するって事が出来ないのかしらね?」

 

ノワールが横眼でネプテューヌを睨み付けながらそう言う。

 

「えへへ~」

 

笑ってごまかそうとするネプテューヌ。

 

「誤魔化されないわよ!」

 

ノワールは叫ぶ。

しばらくぶりの再会だったが、この二人はいつも通りの通常運転だったようだ。

 

 

 

それから、各国にはぐれてしまったメンバーの捜索をお願いした所、刀奈達紫苑の戦姫はプラネテューヌに。

箒達一夏の戦姫はルウィーに。

そして翡翠はリーンボックスに居ることが判明した。

その事実にホッとする一同。

 

「それにしても、翡翠以外はものの見事にそれぞれの所属の国に転移したな」

 

一夏がそう言うと、

 

「ネプテューヌとお前の主人公補正が良い方向に働いたんだろ?」

 

紫苑が若干呆れた雰囲気でボソッと呟いた。

紫苑は、ネプテューヌや一夏にとって都合のいい様に世界が回っていると常々思っている。

その主人公補正はネプテューヌの方が高いようだが。

 

「とりあえず、翡翠はプラネテューヌに連れて来てもらえるようにベールに頼んで、俺達はそれぞれの国に帰るべきだと思うが?」

 

紫苑はそう提案する。

 

「あたしも~、それでいいよ~」

 

「ぴーも!」

 

プルルートとピーシェも賛成する。

 

「私もそれが妥当だと思うわ。特に新しく戦姫になったホウキ達を疑う人たちも少なからずいるでしょうから」

 

ブランも賛成に回る。

 

「私達はブラン様と旦那様のお望み通りに」

 

「はい」

 

フィナンシェとミナはブランと一夏の意志を尊重する様だ。

 

「それじゃあ、非常事態が起こるか夏休みが終わるまでは別行動だな」

 

一夏がそう言う。

 

「ああ」

 

それぞれテラスに出ると、

 

「じゃあノワール、迷惑をかけたな」

 

紫苑が一言そう言うと、

 

「全くね。少なくとも空から落ちて来て人を下敷きにすることは止めてもらいたいわ」

 

ノワールがタップリと皮肉を利かせる。

空から落ちて来た人間に下敷きにされるなど、一生のうちに一度ある事も珍しいぐらいなのだが、ノワールは既に何度も経験しており、今の言葉は冗談では済まなかった。

 

「重ねてすまん………」

 

紫苑としてはまだ一回なのだが、ネプテューヌ、プルルート、ピーシェに至っては過去に一度ノワールを下敷きにしたことがあるので、反論は出来ない。

 

「ま、まあとにかく戻ろうぜ」

 

一夏がそう言って変身すると、ブランやネプテューヌ達も変身する。

 

「じゃあ、また会いましょう。ノワール」

 

「フン、好きにしなさい」

 

ノワールはそっぽを向いてそう言う。

しかしその頬は僅かに赤い。

 

「フフッ」

 

パープルハートはそれに気付いており、小さく笑みを浮かべると背を向けて飛び立っていった。

 

 

 

 

 

 

その頃、プラネテューヌでは刀奈達がこの国の教会であるプラネタワーに案内されていた。

 

「これがこの国の教会…………」

 

「教会と言えるのかしら、これ?」

 

刀奈とマリアノがIS学園を遥かに超える高さの塔を見上げながら呟く。

 

「これって、教会っていうより、完全にシンボルタワーだよね………」

 

「いや~、本当に高いねぇ~」

 

シャルロットがその大きさに圧倒されながらも率直な感想を零し、ハーラーも楽しそうに見上げている。

 

「ここに来るまでの移動手段も驚きだが、これほどの建築物を作ることの出来るこの国の技術力はすさまじいな」

 

ラウラはこの国の技術力の高さに純粋に驚き、

 

「ここが…………プラネテューヌ…………紫苑さんの………ううん、私達の国………」

 

「楽しみですね、簪♪」

 

簪はこの国が自分達の国になることに実感が湧かない様だ。

果林はそんな簪の横でニコニコとしている。

 

「あなた達、驚くのは分かるけど、先に挨拶してほしい人が居るの。ついてきて」

 

驚いている7人にアイエフが付いて来るように促す。

その言葉に7人は気を取り直すとアイエフとコンパについていく。

プラネタワーの中に入り、通路を進んでエレベータ―に乗る。

そのエレベーターはプラネタワーの外が見えるように作られており、そこからはプラネテューヌの街並みが一望できた。

 

「改めて見ると凄いわね………」

 

「こんな景色は地球じゃ何処にも無い…………」

 

刀奈と簪がそう零す。

 

「プラネテューヌは、別名『革新する紫の大地』ってよばれてるですぅ!」

 

そう言ったコンパの言葉に、

 

「革新する…………」

 

「…………紫の大地」

 

その言葉をしっかりと刻み込むように2人は呟く。

すると、

 

「そう言えばアイエフさん。私達に会わせたい人って誰ですか?」

 

シャルロットがアイエフに問いかける。

 

「ああ。そう言えば言って無かったわね。あなた達に会って欲しいのはこの国の『教祖』よ」

 

「教祖………? あっ、そう言えば一夏の戦姫のミナさんは…………」

 

「ええ、ミナ様はルウィーの教祖よ。これから会う方はここプラネテューヌの教祖。立場的にはミナ様と同格ね」

 

「つまり我々の上司に当たる者という事か?」

 

ラウラがそう聞くと、

 

「まあ、あなた達は『戦姫』だし、そこまで畏まる必要は無いけど、実質この国を支えている方だから、あなた達にはこれから長い付き合いになると思うわ」

 

「そうか」

 

やがてエレベーターが目的の階層に到着する。

扉が開いて全員がそこへ出ると、そこには一般的な家庭の室内とあまり変わらない光景が広がっていた。

 

「「「「………………?」」」」

 

4人は思わず首を傾げた。

アイエフはそれに気付いて笑いを零すと、

 

「言ってなかったわね。ここはネプ子や紫苑が普段暮らしてる場所よ。女神と言っても普段のネプ子はアレだから、普段の暮らしは見た目相応………というより毎日遊んでダラダラと暮らしてるわね。傍から見れば、紫苑は働き者の夫で、ネプ子は自堕落な嫁ね」

 

「あっはっは! その様子が簡単に想像できるよ!」

 

ハーラーが楽しそうにそう言う。

 

「ま、あなた達にはネプ子みたいにならないことを祈るわ」

 

アイエフは冗談交じりにそう言う。

その時、

 

「アイエフさん、コンパさん? もう着いたのですか?」

 

部屋の奥から声が聞こえてきた。

声から察するに、かなり礼儀正しい女性の様だ。

戦姫達は背筋を伸ばしてその声の主を迎え、

 

「あっ、初めまして。通信で会った方もいらっしゃいますが改めて自己紹介を。私はプラネテューヌの『教祖』イストワールと言います。お見知りおきを」

 

「「「「「「「…………………………………」」」」」」」

 

宙に浮く本に座る、身長約30cmほどのイストワールの姿に押し黙ってしまった。

 

「? どうかされましたか?」

 

イストワールが首を傾げると、

 

「ち、ちっちゃい…………」

 

シャルロットが呟く。

刀奈も通信でイストワールの姿を見た事はあったが、大きさまでは知らなかったので驚いたのだった。

 

 

 

 

 

 

一方、ルウィーでは箒達がトナカイのような動物に引かれた馬車に乗ってルウィーの教会へ向かっていた。

 

「何か街に入ったら一気に寒くなくなったわね………」

 

鈴音がそう零す。

 

「この国はホワイトハート様の守護があります。寒さもホワイトハート様のお力で和らいでいるのですよ」

 

一緒に居る衛兵がそう説明した。

 

「守護女神にはそのような力もあるのですね」

 

セシリアが感心したように呟く。

 

「こうしてみると、科学技術は余り使われていないのだな………」

 

箒が街並みを見てそう呟くと、

 

「確かに科学技術という点ではルウィーは他の三国に劣ります。ですが、その代わりに魔法技術は一番進んでいます」

 

「そう言えばロム様とラム様も魔法を得意とされていましたね」

 

ソウジがそう言うと、

 

「それにホワイトハート様の意向でこの国は余り科学技術には頼らないことにしているのです。勿論禁止はしていませんが…………この国は、別名『夢見る白の大地』と呼ばれています。その名の通り、子供はもちろんの事、大人も夢見ることを忘れない国にするため、メルヘンチックな国を目指しておられるのです」

 

「まあ~、素敵ね~」

 

マリサが楽しそうに相槌を打つ。

すると、丘の頂上に城のような建物が見えてきた。

 

「まあ、立派なお城…………!」

 

ティアラがその外観に見惚れる。

 

「あれが我が国の教会です」

 

衛兵にそう説明されると、

 

「教会っていうか………ティアラの言う通り最早お城ね…………」

 

鈴音がそう漏らす。

因みにゲイムギョウ界の教会の中ではルウィーが一番地球の教会に近い風貌をしている。(プラネテューヌ・超高層タワー、ラステイション・タワー、リーンボックス・貴族屋敷)

 

「人の上に立つ者は、威厳を保つためにも立派な場所に住むことは重要ですよ、鈴さん」

 

セシリアにそう言われ、

 

「そういうもん? 庶民のアタシには分からない感覚ね」

 

「ですが、これからは鈴もそのような生活に慣れていかなければいけません」

 

「うげっ、そうだったわね…………まあ、アタシはアタシらしくやるつもりだし!」

 

即座に気持ちを切り替える鈴音。

 

「まあ、あの一夏も暮らしていたのだ。あまり深く考える必要はあるまい」

 

箒がそう言う。

彼女達は全く知らぬ世界に僅かな不安と大きな希望を胸に教会の門を潜るのだった。

 

 

 

 

因みにリーンボックスでは、

 

「さあ、参りましょうヒスイちゃん?」

 

「はい、ベール姉さん!」

 

「ね・え・さ・ん! これも『お姉ちゃん』とは違った甘美な響きですわぁ~!!」

 

「むぎゅっ………!?」

 

ベールを姉と呼ぶたびに窒息するまで抱きしめられる翡翠の姿があった。

 

 

 

 

 





はい、36話です。
2週間ほど空いてすみませんでした。
更新再開です。
とは言ってもあまり話は進まなかった。
次回は戦姫達の初めてのクエストの予定。
それでは。
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