超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第37話 初めてのお仕事(クエスト)

 

 

 

 

 

日が沈みかけた頃、バーニングナイト、パープルハート、ネプギア、アイリスハート、イエローハートの5人はプラネテューヌに辿り着き、プラネタワーのテラスに降り立った。

すると、

 

「「「「紫苑(さん)!!」」」」

 

バーニングナイトの戦姫である4人の少女達が駆け寄ってきた。

 

「皆!」

 

バーニングナイトは4人を出迎え、

 

「良かった…………話には聞いていたが皆が無事で嬉しいよ」

 

バーニングナイトはホッとした表情でそう言う。

 

「大丈夫です! 私達は紫苑さんの戦姫なんですよ! いつまでも紫苑さんに頼り切りという訳にはいきません!」

 

刀奈がえっへんと胸を張りながら答える。

 

「それに、プラネテューヌの人達も皆良い人だったから、特に困ることは無かったよ」

 

シャルロットも笑みを浮かべてそう言う。

 

「そうか…………」

 

バーニングナイトは小さく笑みを浮かべると光に包まれて紫苑に戻った。

 

「ふう………」

 

一息つくと、

 

「シオンさん、お帰りなさい」

 

宙に浮く本に座ったイストワールがそう言いながら近付いてきた。

 

「ただいまイストワール………直接会うのは久しぶりだな。通信で何度も顔を合わせていたからそこまで久しぶりって感じでもないが…………」

 

「そうですね」

 

イストワールは笑みを浮かべて頷く。

 

「戻ったのね、シオン」

 

「シオ君、おかえりなさいですぅ」

 

アイエフとコンパも歩み寄ってきた。

 

「アイエフ、コンパ………ああ、ただいま」

 

この二人とは本当に久しぶりなので、紫苑も久々の再会だ。

 

「それにしても、まさかアンタが戦姫を連れて戻ってくるとはね…………それも四人も」

 

「シオ君もイチ君のこと言えなくなったですぅ」

 

「うぐ…………」

 

呆れた様に言うアイエフと、何気に気にしていたことをチクリと刺してきたコンパに紫苑は声を漏らす。

 

「一夏だってまた3人戦姫を増やしてるぞ…………!」

 

紫苑はやや苦し紛れにそう言うが、

 

「プルルート含めれば人数一緒じゃない」

 

「………………」

 

アイエフの一言によって何も言えなくなってしまった。

 

「…………ま、まあとにかく、今はお兄ちゃん達が戻ってきた事を喜びましょうよ。IS学園の夏休みが終わったらまた向こうの世界に行かなきゃいけないんですし」

 

ネプギアが取りなすようにそう言う。

 

「そ、そうだな! 今日は刀奈達の歓迎の意味も含めてパーティーでもするか!」

 

紫苑がそれに便乗し、話の流れを変える。

 

「逃げたわね」

 

「逃げたですぅ」

 

尚、2人にはバレバレだった。

 

 

 

 

 

2時間後。

紫苑が手早くご馳走を作り、皆でテーブルを囲っている。

そして皆でグラスを掲げ、ネプテューヌが音頭を取る。

 

「それではっ! シオンの新しい戦姫達に! プラネテューヌの仲間に!」

 

「「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」」

 

グラスを当てる音が響き渡る。

各々が笑顔で食事を始め暫くして、

 

「そう言えば紫苑、我々は明日から何をすればいいのだ?」

 

ラウラがそう切り出した。

 

「確かに…………戦姫って守護者の剣って言ってたよね? 流石にモンスターの襲撃の時以外に仕事が無いなんて事は無いと思うけど…………」

 

シャルロットもそう呟く。

 

「ん? ああ…………書類仕事はあるっちゃあるけど、そっちは俺で回していけるから、お前達に頼みたいのは国民達からの依頼(クエスト)だな」

 

紫苑がそう答える。

因みに書類仕事をネプテューヌと、と答えない所がネプテューヌのズボラさを物語っている。

 

依頼(クエスト)?」

 

刀奈が首を傾げる。

 

「ああ。それぞれの国には国民達から解決してほしい要望………モンスターの討伐やアイテム収集などの依頼を集めているギルドという組織が存在する。そこに貼り出されている依頼(クエスト)を解決することだ」

 

紫苑がそう説明すると、

 

「ギルドとクエスト! 異世界モノの定番!」

 

簪が目をキラキラさせて興奮した声を上げる。

 

「お、おう…………それと似たようなモノだ。勿論普通の人間でも腕に覚えのあるものはギルドに登録してるから、全部を俺達が受け持つ必要は無い。まあ、接触禁止種なんかのランクの高い依頼は俺達女神の力を持った者にしか無理だが…………」

 

「じゃあ、僕達はそういう難易度の高い依頼を解決すればいいんだね?」

 

シャルロットがそう言うが、

 

「とはいえ、ギルドにも決まりがあるからいきなり難易度の高い依頼を受けることは出来ないぞ。多少はランクを早く上げることは可能かもしれないが」

 

紫苑がそれに補足説明を付ける。

 

「えっ? でも戦姫なんだしいきなり難易度の高い依頼を受けても…………」

 

「決まり事を上が破ればそれだけ疑心暗鬼になる者も出てくる。国民の人気が女神の力に直接影響するんだ。そういう細かい所にも気を配らないといけない」

 

「そっか………」

 

刀奈は頷いて納得する。

 

「まあ、細かい事は明日俺も同行して説明するよ」

 

紫苑はがそう言って話を一旦終わらせた。

 

 

 

 

 

 

翌日。

紫苑は刀奈、簪、シャルロット、ラウラの4人を連れてギルドに向かっていた。

ネプテューヌ達はいつもの如く部屋でダラダラとしている。

紫苑達が街を歩いていると、

 

「きしさまーーーーっ!」

 

幼い少女が紫苑に向かって手を振っていた。

紫苑は小さく笑みを浮かべて手を振り返す。

すると、

 

「騎士様…………?」

 

「見て! 騎士様よ!」

 

「騎士様―――っ!!」

 

「バーニングナイト様!」

 

「シオン様―――っ!」

 

まるで水面に波紋が広がるようにどよめきが広がっていく。

 

「す、凄い人気だね………紫苑」

 

シャルロットが紫苑の人気に驚きながらそう呟く。

 

「まあ、信仰心を集めるのも仕事の内だからな……………それより、お前達も他人事じゃないぞ」

 

「「「「えっ?」」」」

 

紫苑の言葉に声を漏らした時、

 

「ねえ、騎士様のお傍に居るお嬢様達って……………」

 

「あっ! 昨日からニュースになってる騎士様の戦姫様!」

 

「戦姫様――――っ!」

 

「ご尊顔を!」

 

突如として自分達に向けられる眼差しに刀奈達は動揺した。

 

「し、紫苑さん………? どうすれば……………」

 

「普通に笑って手を振り返せばいいよ」

 

紫苑にそう言われ、4人は少しぎこちなく笑いながら手を振り返した。

すると、

 

「きゃっ! 戦姫様がお手をお振りくださったわ!」

 

「こっちもだ! 騎士様が選んだ御方たちだけあって気さくな方々だ!」

 

紫苑の時とはまた違うどよめきが広がっていく。

 

「街に出ると大概こうやって騒がれるから、ちゃんと応えてあげるように。こういう事も案外バカに出来ないぐらいシェアに影響してくるから」

 

「う、うん………頑張る………!」

 

こういう事が不得意だろう簪が気合を入れるように拳を握る。

騒がれながらもギルドに到着すると、

 

「さて、まずはお前達の登録からだな」

 

紫苑が受付に向かい、

 

「すいません」

 

空いている受付嬢に声を掛けた。

 

「はい………あっ、バーニングナイト様! お久しぶりです!」

 

紫苑もこのギルドを利用しているので顔見知りが多い。

 

「依頼をお探しですか?」

 

受付嬢がそう聞いてくる。

 

「それもあるんだが、その前にあそこの4人の登録を頼みたい」

 

紫苑が後ろの4人を指差しながらそういう。

 

「そちらのお嬢様方の…………あっ、もしかして戦姫様達ですか!?」

 

「そういう事だ」

 

「分かりました。皆様、こちらへ」

 

受付嬢が刀奈達を招くとそれぞれに端末を渡して必要事項を入力させていく。

5分ほどして全員が入力を終えると、受付嬢が内容を確認してデータを転送する。

そして、

 

「お待たせしました。こちらがカタナ様、カンザシ様、シャルロット様、ラウラ様のギルドカードになります」

 

それぞれに差し出される4枚のカード。

 

「当然ながらランクは最下級となります。こればかりは戦姫様でも特別扱いをすることが出来ませんのでご了承ください。そこのバーニングナイト様も、こつこつとランクを上げていきましたしね」

 

登録した時は守護者になる前だったが、と紫苑は内心思いながら口を開く。

 

「さて、それじゃあ早速依頼(クエスト)を受けてみるか。適当なのを見繕ってくれ」

 

「わかりました」

 

受付嬢が答えると、端末にデータを呼び出し、

 

「この辺りでどうでしょうか?」

 

「ふむ、スライヌ10匹の討伐か…………初心者には妥当な依頼(クエスト)だな」

 

紫苑は頷く。

 

「じゃ、それで頼む」

 

「承知しました」

 

受付嬢が端末を操作して依頼(クエスト)を受注する。

 

依頼(クエスト)の受注が完了しました。それではお気をつけて」

 

「こんな感じで依頼を受ける。後は指定されたモンスターを倒したりアイテムを集めたりしてギルドに報告するだけ」

 

「モンスターの討伐証明は如何するんですか? ゲイムギョウ界のモンスターは倒すと消えちゃいますけど…………」

 

簪がそう聞くと、

 

「そこがこのギルドカードの便利な所でな。依頼を受けたモンスターを倒すとカードに記録されるんだよ。原理は聞くなよ。俺も理解して無いから」

 

紫苑が自分のギルドカードを見せながらそういう。

因みに紫苑のギルドカードは最高のSランクを示す金色のカードだった。

 

「ほう、便利なものだな」

 

ラウラが感心したように呟く。

 

「あと、言ってなかったが変身にはシェアを少なからず消費する。頻繁に変身すると増えるシェアより減るシェアの方が多くなるから、なるべく変身はせずに、いざという時の為に取っておけよ」

 

紫苑はそう言うと、

 

「じゃ、依頼(クエスト)に行くか」

 

そう言って4人を連れて移動を始めた。

 

 

 

 

 

5人が平原に辿り着くと、チラホラとスライヌや他のモンスターが徘徊しているのが見えた。

 

「さて、他にもモンスターが見えるが、今回はスライヌだけでいい。勿論倒しても良いがな。さっきも言った通り変身はしないようにな。安心しろ、スライヌ相手なら変身所かシェアリンクしなくても十分倒せる」

 

紫苑の言葉にそれぞれが戦姫の武具を具現させると、

 

「はっ!」

 

刀奈が素早い動きで突進しながらその手に持った槍で突きを繰り出す。

その一撃でスライヌは貫かれ消滅する。

 

「そこっ!」

 

簪が弓矢を構えて魔力の矢を放つ。

その矢はスライヌの眉間………と言えるのかは分からないが目と目の間に突き刺さってスライヌが消える。

 

「やあっ!」

 

「遅いっ!」

 

シャルロットとラウラが銃でスライヌを撃ち抜き、ほぼ同時に消滅させた。

あっという間に規定討伐数に達する。

 

「ま、当然だな」

 

変身しないとはいえ、シェアリンクによって身体能力が強化されている彼女達にはスライヌ程度は弱すぎた。

 

「こんなものでいいの?」

 

あっさりと終った討伐に刀奈が少し困惑しながらそう聞くと、

 

「最低ランクの依頼だからこんなもんだ。ランクが上がれば難易度も上がるよ。とにかく報告に戻るぞ」

 

依頼を熟したという実感が湧かない4人は少し困惑しつつも紫苑の後を追った。

 

 

 

 

再びギルドに来ると、

 

「はい、依頼(クエスト)の完了を確認しました。報酬は教会へ振り込んでおきますね」

 

刀奈達のギルドカードを確認した受付嬢がそう言う。

 

「ああ」

 

紫苑は頷くと、

 

「これで依頼(クエスト)の一連の流れだ。ま、チュートリアルはこんな感じだな。後はお前達で依頼(クエスト)を熟していけばいい。どのタイミングで依頼を受けるかは個人の采配に任せる。ただし、これだけは忘れないでくれ」

 

真剣な表情の紫苑に4人は気を引き締める。

 

「俺達の力はプラネテューヌの国民達の為にある。どんな時でも国民を護ることを優先してくれ」

 

その言葉に大きな重みを感じた4人はしっかりと頷く。

 

「それと……………怪我はしないでくれよ」

 

小さく付け足された紫苑の言葉に、4人は思わず嬉しさから笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 






第37話です。
なんか日に日に短くなってくる気がする。
モチベーションが落ちて来てるのが原因だけど…………
気分転換に更新止まってた小説を再開させるべきか…………?
まあ、とにかく次も頑張ります。
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