超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス 作:友(ユウ)
IS学園の学園祭。
第四アリーナを貸し切り、そこで生徒会主催の演劇が始まろうとしていた。
観客席はほぼ満席。
そしてお題は『シンデレラ』。
『さあ、幕開けよ!』
ナレーションである刀奈の声が響く。
アリーナ一杯に作られたセットの幕が上がっていき、アリーナのライトが点灯する。
『むかしむかし、ある所にシンデレラという少女が居ました』
すると、舞台の上にバケツを持った1人の少女が歩いてくる。
そしてせっせと掃除を始めた。
『シンデレラは、継母とその連れ子である姉達に日々虐められ、仕事を押し付けられていました』
すると、新たに継母役と姉役の3名が舞台に出てくると、
「あらぁ? まだそんな所を掃除してるのぉ? シンデレラちゃぁ~ん?」
継母役らしき菫色の髪を靡かせた女性がカツカツと足音を響かせるとバケツを蹴っ飛ばした。
「ねぷっ!?」
シンデレラ役の少女は驚いたのか変な声を上げる。
「ほ、本当ですね、お母様………! シ、シンデレラってば本当に愚図なんですから………! ごめんね、お姉ちゃん」
たどたどしい口調で姉役を演じる薄紫の髪を腰まで伸ばした少女。
「ほらここ! まだ埃が残っていますわよ、シンデレラ!」
逆にノリノリで芝居をしている黒髪の少女。
「ご、ごめん…………なさい…………!」
一瞬地が出掛かったシンデレラ役の少女が謝る。
因みに配役だが、シンデレラ=ネプテューヌ。
継母=アイリスハート。
姉1=ネプギア。
姉2=翡翠。
である。
『そんなある日の事、この国のお城で舞踏会が開かれることになり、継母や姉達はそれに参加するために煌びやかなドレスを着て出かけていきました。しかし、シンデレラには舞踏会で着るようなドレスは無く、家で仕事を押し付けられてしまいました』
「あ~あ、私も舞踏会行きたかったな~」
シンデレラ役のネプテューヌは家のセットの中でそう零しながらせっせと掃除をしている。
すると、
「まあ、可愛そうなシンデレラ」
そこに声が響いた。
セットの影からトンガリ帽子にローブを着た魔法使いが現れる。
「ねぷっ!? 何者っ!?」
「警戒しなくていいわ。私は魔法使いよ。私があなたを舞踏会に参加させてあげる」
因みに魔法使いの配役はブランである。
ネプテューヌは胡散臭そうな眼をして、
「新手の詐欺?」
「詐欺じゃないわ、失礼ね。折角あなたが可哀そうと思って素敵なプレゼントを上げようと思ってきたのに………」
「え~? でも、見ず知らずの人の言う事を信じちゃいけないっていうのは、子供でも知ってることだよ?」
大概の童話を根本から打ち崩しかねないことを言うネプテューヌ。
「…………まあ、信じる信じないはあなたに任せるわ。とりあえず私はあなたを舞踏会に出れる様にドレスと、ついでにその貧相な体も如何にかしてあげる」
「え~? うさんくさ~い。私の体を如何にかできるなら、何でそっちは貧相なまんまなのさ?」
「うるせぇっ! ほっとけ!!」
思わず地が出る魔法使い役のブラン。
「そこまで言うなら証拠を見せてやる」
そう言うと杖を振り上げ、
「そりゃ!」
ネプテューヌに向かって振り下ろすとネプテューヌが光に包まれた。
そして、
「…………これが…………私…………?」
ドレスを纏い、成長した姿のネプテューヌがいた。
「「「「「「「「「「ええぇ~~~~~~~~~~~~~~っ!!??」」」」」」」」」」
観客達から驚きの声が上がる。
まあ、杖を振り下ろすタイミングで女神化しただけの話だが。
因みにドレスはゲイムギョウ界の式典で使っているイブニングドレスである。
「どう? 信じた?」
ブランが口調を戻してそう聞くと、
「ええ、失礼な事を言ってごめんなさい」
シンデレラ役のネプテューヌもといパープルハートがそう言うと、
「後は馬車ね。えい!」
魔法使い役のブランが杖を振ると、舞台の隅から馬と馬車の張りぼてが出てくる。
因みにそれを動かしているのは、ロムとラム、フィナンシェ、ミナだったりする。
「ネズミを変身させた馬と、カボチャの馬車よ」
流石にそれはリアルで表現できなかったらしい。
「さあ、これであなたもお城の舞踏会に参加できるわ」
「ありがとう魔法使いさん。行ってきます」
シンデレラ役のパープルハートが馬車に乗り込むと馬車が舞台の隅に移動し、一旦幕が降ろされて別のセットに変わる。
『こうしてシンデレラは、魔法使いのお陰で舞踏会へ参加できるようになりました』
次に幕が上がると、そこは城のセットになっていた。
『その頃、お城では王子が多くの女性に囲まれていました。何故なら、この舞踏会は王子の結婚相手を探すためでもあったからです。ですが、王子はそれに乗り気ではありませんでした』
そこにはきらびやかな衣装に身を包んだ貴族の令嬢役達が王子役を取り囲んでいた。
因みに王子役はバーニングナイトに変身した紫苑であり、エキストラの令嬢たちはシャルロット、ラウラ、簪である。
王子役のバーニングナイトは玉座に乗り気そうでない表情で腰かけている。
それは演技であると同時に見世物にされている憂鬱が顔に出ているのだ。
すると、そこに姉役のネプギアと翡翠が加わり、更に大勢の女性に囲まれる。
「わたくしと踊って頂けませんか?」
「いいえ、わたくしと!」
女性達から次々とダンスの誘いを申し込まれ、ますます億劫になる王子。
「ふう…………やはり私にはまだ…………」
そう言いながら立ち上がろうとする王子役のバーニングナイト。
すると、
「なりません王子………!」
宰相に止められる。
尚、宰相役は変身した一夏ことシャドウナイトである。
因みに生徒会の出し物の筈だが、生徒会役員がナレーションの刀奈以外出ていないのはご愛敬である。
「だが、私はまだ結婚などしたくは無いのだ………」
「ですが、王様とお妃さまのご命令です。せめて席にだけはお着きください」
「はぁ………分かったよ」
渋々席に着く王子。
「王子様―!」
「わたくしと踊ってくださいー!」
それでも次々とダンスを申し込まれる。
「はぁ……………」
思わず溜息を漏らす王子。
すると、その時ダンスホールの入り口に目が行くと、1人の女性が目に入った。
紫の髪を二股の三つ編みにした女性に、王子は目を奪われた。
「あの女性は…………」
王子が立ち上がり、前に歩き出す。
令嬢たちは一瞬騒めくが、王子の視線が自分達に向いて無い事に気付くと、自然と道を開けた。
王子は他の令嬢など眼中に無いようにそのまま歩き続け、その女性の前で立ち止まった。
そして恭しく一礼し、
「私と踊ってくださいませんか? レディ」
そう手を差し出した。
シンデレラは笑みを浮かべ、
「喜んで」
その手を取った。
それと共に曲が流れだし、二人のダンスが始まる。
いつの間にかエキストラの令嬢たちの姿は無く、お城のセットが箱が開くように分解され、広いダンスステージとなった。
アリーナのライトが落ちて一瞬真っ暗になるが、スポットライトがシンデレラ役のパープルハートと王子役のバーニングナイトを照らす。
それはまさに幻想的な光景。
舞台の上で踊る2人は観客達の視線を釘付けにする。
2人は正に本物の王子と姫。
まあ、実際は女神とその伴侶であるが。
2人はゲイムギョウ界でも式典のダンスパーティーで踊ることが何度もあり、その息はピッタリだ。
目と目を合わせるだけでステップを踏み、僅かな乱れも見せずターンを決め、見ている者すべてを魅了する。
時間にして数分。
しかし、観客からしてみればもっと長く感じた時間が終わりを告げ、2人がフィニッシュを決める。
その瞬間、観客達は沈黙した。
学園の物とはいえ、千人分を超える観客席があるアリーナ。
そのほぼ満席状態のアリーナが静寂に包まれた。
その時、ある1人の観客がが放心状態で立ち上がるとパチパチと手を叩き始めた。
それにつられる様にその周りの客も立ち上がり、手を叩き始める。
それが徐々に広がっていき、やがて観客全員総立ちのスタンディングオベーションとなった。
その拍手に応えるようにパープルハートとバーニングナイトは2人そろってお辞儀をする。
フィギュアスケートの選手のように四方向すべてに対してお辞儀をすると、ますます拍手と歓声が沸き起こった。
それを見ていて逆に困った人物が居た。
それは、ナレーション役の刀奈。
「ちょっと2人とも凄すぎでしょ? これじゃあ劇の続きをやったら逆に萎えちゃうじゃない…………」
そう、既に観客の殆どはこれが演劇の最中だという事は頭に無かった。
刀奈は悩んだ結果、もう強引に終わらせようと思い、マイクに向かってしゃべろうとした。
その瞬間、
ドゴォン、と爆発音が響いた。
第45話です。
ぶっちゃけダメダメでした。
最近モチベーションが落ちまくって仕方がない。
理由として、違うものを書きたいという衝動が沸き上がっていたり。
最近特にありふれた職業で世界最強の二次小説にハマってしまって、自分でも書きたいという欲求が沸き上がってきてます。
脳内でも楽しく妄想してたり…………
デジモンとのクロスオーバーですけどね。
始めた限りは完結させたいと思ってるんですけど…………
既に3本凍結状態だし…………
とりあえず学園祭のシンデレラをある程度真面目にやってみた。
だって王冠奪い合う理由が無いですから。
まあ、ともかく次も頑張ります。