超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第1話 流れ着いた世界(ゲイムギョウ界)

 

 

―――ゲイムギョウ界 プラネテューヌ近郊

 

 

 

森の中を4人の少女達が歩いていた。

 

「あ~あ! いーすんってば人使い荒いんだから!」

 

やる気なさげに先頭を歩きながら愚痴を言うのは、外向きに跳ねた薄い紫の髪を持つ、一番背の低い少女。

名前をネプテューヌといい、これでもプラネテューヌを治める女神である。

 

「何言ってんのよネプ子。アンタ最近ゲームばっかやっててまともに仕事してないじゃない」

 

その愚痴に文句を言ったのは、腰上まで届く長い茶髪の髪の一部を緑のリボンでサイドテールにした少女、アイエフ。

ネプテューヌの仲の良い友人の一人である。

 

「そうですよ~、ねぷねぷ。偶には働かないと~、シェアも下がっちゃいますから~」

 

のほほんとした雰囲気を醸し出すのは、薄桃色の髪をしたコンパという名の少女。

アイエフと同じく、ネプテューヌにとって仲の良い友人だ。

 

「でもでも~! 今回の仕事って最近になって発見された遺跡に一瞬だけ現れた異常エネルギー反応の調査でしょ? 態々私が出向くことの事でもない様な気がするけどな~?」

 

そう言ったネプテューヌの言葉に対し、

 

「まあまあお姉ちゃん。もう少しで友好条約の調印式だから、いーすんさんも万が一のことを考えてお姉ちゃんを派遣したんだと思うよ?」

 

そう言ったのは、ネプテューヌと同じ薄紫の髪を腰まで伸ばし、ネプテューヌに似た顔立ちをした少女。

名をネプギアといい、ネプテューヌの妹である女神候補生だ。

ちなみにネプテューヌの妹と言ってもネプテューヌよりも背が高く、胸も大きい。

更にネプテューヌが子供っぽいところもあり、姉妹逆にみられることもしばしば。

 

「ハ~………面倒くさいなぁ~。それじゃあ、ちゃちゃっと終わらせて、早く帰ろう!」

 

早く帰りたいがためにやる気を出すネプテューヌに、3人は苦笑した。

 

 

 

 

遺跡に到着した3人は部屋を一つ一つ見回りながら異常がないか確認していた。

 

「特に何もないね、お姉ちゃん」

 

ネプギアがそう言う。

 

「ほらほら~、やっぱり何もなかったじゃん。早く帰ろうよ~?」

 

ネプテューヌがそう急かすが、

 

「駄目よ。まだ全部見回り切ったわけじゃないんだから。ちゃんと最後まで回るわよ」

 

「は~い…………」

 

アイエフの言葉にネプテューヌはがっくりと項垂れて返事をした。

その後、部屋を順番に回っていき、

 

「次が最深部ね」

 

「まあ、何も無いと思うけどね~」

 

「お姉ちゃん、それって所謂フラグじゃ………」

 

4人は、何も無い可能性が高いと思っているのか特に気負った様子も見せず最深部の部屋に入る。

部屋の中は暗闇に包まれており、物音一つしない。

ネプテューヌはくるりとその場で部屋を一回り見渡すと、

 

「ほら、やっぱり何も無かった。じゃあ帰………」

 

「待って! お姉ちゃん」

 

帰ろうと言いかけたネプテューヌの言葉をネプギアが遮る。

 

「どしたの? ネプギア」

 

ネプテューヌの言葉には答えず、ネプギアは部屋の奥の暗闇をジッと見つめている。

 

「…………何かいる!」

 

ネプギアの視界には、部屋の奥の方に何かが居ることが映っていた。

ネプギアは警戒しながら一歩一歩近づいていく。

入り口からでは暗闇に包まれて見えなかった場所が、徐々にハッキリしてきた。

 

「ッ…………!」

 

すると、突然弾かれたようにネプギアが駆けだす。

ネプギアがその『何か』の傍まで来ると、

 

「やっぱり…………男の子!」

 

ネプギアが叫ぶ。

他の3人も慌てて駆け寄る。

その倒れている少年は黒髪の少年だった。

しかも、その服は血塗れである。

 

「ねぷっ!? 何で男の子が!?」

 

「そんな事よりもこの子血塗れじゃない! コンパ!」

 

「はいです~!」

 

コンパが急いで少年に治療を施していく。

 

「コンパ、どう?」

 

「はい、大丈夫です~。多数の打撲はありますが~、裂傷は少なかったです~」

 

包帯を巻きながらコンパが答える。

 

「えっ? でも、あれだけ血塗れだったのに………」

 

ネプギアが疑問を口にするが、

 

「多分ですけど~、この血はこの子の物ではないと思います~」

 

「えっ? じゃあ返り血!?」

 

「あの、お姉ちゃん………返り血って言うのは早計じゃ………」

 

ネプテューヌの言葉にネプギアが突っ込む。

 

「とにかく! ここじゃ応急処置が関の山よ。プラネテューヌの病院まで運びましょう!」

 

そう言うと、アイエフはその少年を背負い、急いで帰路に着く。

少年の右手には血で染まった女物の花柄のブレスレットがしっかりと握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

少年―――紫苑が次に目覚めた時、そこは見知らぬ部屋だった。

清潔そうな部屋の内装や寝かされているベッドを鑑みれば、何処かの病室だと考えられる。

だが、今の紫苑にはそんな事はどうでもよかった。

 

「…………夢………だったらどれだけよかったか…………」

 

紫苑は身を起こし、ポツリと呟く。

彼は妹が死んだことを夢と誤魔化すつもりは無かったし、否定するつもりも無かった。

 

「……………護れなかった………! 護れなかった! 父さんや母さんに翡翠を護ると誓ったのに!!」

 

紫苑は両手を血がにじむほど握りしめる。

だが、フッと力を抜くと、

 

「………………俺には何も護れない………何も…………」

 

その眼は絶望の色に染まった。

その時、病室の扉が開き、2人の少女が入室してきた。

アイエフとコンパである。

 

「あ、気が付いたねの」

 

「良かったです~」

 

2人は声を掛けながら歩み寄るが、紫苑は2人を一瞥しただけですぐに視線を手元に戻して沈黙する。

 

「「……………」」

 

反応が少ないことに2人は困った表情を浮かべたが、

 

「えっと………私はアイエフ、こっちはコンパよ。あなたの名前を聞かせてもらって良いかしら?」

 

アイエフは自己紹介をしながら紫苑に名前を尋ねる。

 

「……………………………紫苑……………月影 紫苑」

 

長い沈黙の後にポツリと名を呟く紫苑。

 

「シオン………ね。シオン、貴方はどうして遺跡の中で倒れていたの?」

 

「……………………………」

 

再び沈黙する紫苑。

またアイエフとコンパは顔を見合わせる。

するとコンパが、

 

「あ、そうです~。これ、気を失っているあなたが大事そうに持ってたものです~。血で汚れていましたから~、洗っておいたですよ~」

 

花柄のブレスレットを紫苑の前に差し出した。

 

「ッ!?」

 

紫苑は目を見開き、少し乱暴にコンパの手からブレスレットを奪うと、

 

「翡翠…………翡翠ぃ…………!」

 

胸に抱きしめるようにブレスレットを握りしめ、泣き出した。

 

「あ……………」

 

その様子を見て、

 

「コンパ、今はそっとしておきましょう」

 

アイエフは共に外に出るように促した。

紫苑はそのまま暫く泣き続けていた。

 

 

 

 

 

2人は教会で女神であるネプテューヌと、宙に浮かぶ本に座った身長30~40㎝ほどの妖精のような姿をした教祖であるイストワールに紫苑のことを報告していた。

 

「そうですか…………そのシオンさんという方を教会まで連れてくることは出来そうですか?」

 

「正直今は難しいかと…………身体的にもそうですが、精神的にかなり参っている様子です。多分、相当ショックなことがあったのではないかと………」

 

「そうですか……………ならば、私達から出向くべきでしょうね」

 

イストワールはそう言った。

 

 

 

 

 

 

紫苑はしばらく泣いた後、再び虚空を見つめたままボーっとしていた。

すると、再び病室のドアが開き、

 

「落ち着いたかしら?」

 

再びアイエスとコンパ、更にネプテューヌとイストワールが入室してきた。

 

「……………………」

 

無言で一瞥する紫苑。

すると、イストワールが浮遊しながら紫苑の前に来て、

 

「あなたがシオンさんですね。私はイストワール。ここプラネテューヌの教会の教祖をしています」

 

紫苑が真面な思考だったならば、プラネテューヌとは何だとか、何故妖精のようなイストワールが存在するのかなど、色々な疑問が湧いてきただろう。

だが、今の紫苑にはその事を疑問に思う余裕すらなかった。

 

「それで私がネプテューヌ!! この国の女神様だよ!!」

 

ビシッと左手を前に伸ばし、親指を含めた三本指で独特なピースサインを決めるネプテューヌ。

 

「…………………………」

 

紫苑と真逆ともいえるテンションの高さだが、紫苑は特に反応しない。

 

「も~! 暗~い! ほら! 笑顔笑顔!」

 

「………………………」

 

「ねぷっ!? 完全スルー!?」

 

何も反応されなかったネプテューヌはショックを受ける。

 

「シオンさん、少々質問に答えていただけますか?」

 

イストワールがそう尋ねる。

紫苑は視線だけをイストワールに向ける。

 

「まずは………シオンさん、あなたの出身国は何処ですか?」

 

「………………日本」

 

「ニホン……………」

 

それを聞くとイストワールは考え込む。

 

「では、プラネテューヌ、ラステイション、ルウィー、リーンボックス……………これらの国名に聞き覚えはありますか?」

 

「………………」

 

紫苑は無言で首を横に振る。

 

「…………では最後に、この世界の名は分かりますか?」

 

「………………」

 

紫苑は答えない。

少なくとも惑星の名なら地球と答えただろうが、紫苑の世界に名前は無いのだ。

イストワールはしばらく考える仕草を見せた後、

 

「………………シオンさん」

 

佇まいを直して真剣な表情で口を開いた。

 

「恐らくですが、この世界は貴方のいた世界では無いと思います。この世界はゲイムギョウ界。4つの国を4人の女神が統べる世界です」

 

「……………そうか」

 

紫苑は興味なさげに呟く。

 

「…………今は方法は分かりませんが、元の世界に戻る方法もきっとあります。私達も全力で調べますのでそれまでは………」

 

「必要ない」

 

紫苑は今までで一番はっきりとした口調で言った。

 

「元の世界に戻る意味も、理由も無い」

 

「「「………………………」」」

 

その言葉に、イストワール、アイエフ、コンパの3人は何も言えなくなってしまう。

 

「でもでも~! 親御さんとか家族とか、心配してるんじゃないの~?」

 

ネプテューヌがそう言うと、

 

「…………………はっ」

 

紫苑は自嘲気味な笑いを零した。

 

「………皆、死んだ」

 

その一言でその場が静寂に包まれる。

 

「父さん母さんの死の真相は隠蔽され、唯一残った妹もここに来る直前に俺の目の前で殺された!!」

 

紫苑の言葉が荒んでくる。

 

「妹を護るために必死で鍛えた剣術も何の役にも立たなかった! 俺には何も護るものは無いし、何も護れやしない! 元の世界に戻る意味なんかない…………! 生きる意味すら…………」

 

「ダメだよ!」

 

紫苑の言葉の途中でネプテューヌが叫ぶ。

 

「生きる意味が無いなんで言っちゃダメ! 生きていれば、そりゃ辛い事や悲しい事も沢山あるよ! でも、同じぐらい嬉しい事や楽しい事も一杯あるんだから!」

 

「……………………」

 

紫苑は無言になる。

 

「今日はこの位にしておきましょう。シオンさん、今はゆっくりと体を休めてください」

 

イストワールがそう言って話を切る。

 

「それでは失礼します」

 

退出していく4人。

それを見送った紫苑は、

 

「……………俺は…………」

 

自分の手を見ながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後。

怪我がほぼ完治した紫苑は退院し、教会の保護を受けることとなった。

その右手には、翡翠の形見であるブレスレットが付けられている。

 

「さてシオンさん。あなたの身の振り方が決まるまで、あなたの身柄はこの教会で預かることとなりました」

 

「………………………」

 

イストワールの言葉にも、紫苑は返事をしない。

ただ、聞いてはいるようで視線は向けている。

食事も十分とは言えないがそれなりに取っており、今の所健康状態に問題は無い。

しかし、イストワールは心配そうな表情で紫苑を見つめる。

 

「シオンさん。今すぐに立ち直れとは言いません…………ですが、自ら死を選ぶことだけはやめてください。ご家族を亡くされたことは残念ですが、それでもあなたはまだ生きているのですから…………」

 

イストワールは紫苑を諭すようにそう言う。

 

「まずはプラネテューヌの街を見て回っては如何でしょうか? 良い気分転換になると思いますよ。ただし街の外には出ないでください。モンスターが出ることも珍しくありませんから………」

 

「……………わかった」

 

紫苑は小さく返事をすると、若干フラフラとした足取りで外へと向かった。

 

 

 

 

プラネテューヌの街は、現代日本と比べても遜色ないというか、技術はこちらの方が上だろう。

空中を自動で移動する通路や、普通に使われている空中ディスプレイ。

中には武器屋があって、光学兵器が普通に売られたりしている。

普通の日本人………というか、地球出身者であれば、この光景は目を輝かせて見入るぐらいの価値はあるだろう。

だが紫苑は、それらを見ても何の感慨も浮かばず、ただ目の前の光景が流れていく様を何も考えずにボーっと見ている。

 

「…………………………」

 

紫苑自身どれだけ歩いたのかは分かっていない。

時々移動通路に乗った気もするし、ずっと歩いていた気もする。

気が付けば、街の外れまでやって来ていた。

紫苑の目の前には街の外へと続く門がある。

 

(モンスター……………)

 

この世界にはモンスターと呼ばれる怪物が存在し、人々に害をなすものだとイストワールから聞いている。

紫苑は、モンスターに殺されればもう楽になれるのかという考えが、一瞬頭によぎる。

だが、

 

『自ら死を選ぶことだけはやめてください。ご家族を亡くされたことは残念ですが、それでもあなたはまだ生きているのですから…………』

 

イストワールの言葉が思い出され、紫苑は躊躇した。

 

(どうして…………? 俺は…………もう、生きる意味なんてないのに…………)

 

何故自ら命を絶つことが出来ないのか?

何故生にしがみ付いているのか?

紫苑は自分の行動に疑問を感じる。

 

『生きる意味が無いなんて言っちゃダメ! 生きていれば、そりゃ辛い事や悲しい事も沢山あるよ! でも、同じぐらい嬉しい事や楽しい事も一杯あるんだから!』

 

ネプテューヌの言葉を思い出す。

 

(あの子の言葉に…………影響されているのか………?)

 

いくら考えても理由は分からない。

それでも街の外へ出ていく気にはなれなかった。

 

(……………戻ろう)

 

紫苑がそう思って踵を返した。

その瞬間、

 

「モンスターだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

突然そんな叫びが響いた。

紫苑が思わず振り返った。

門の外一杯に広がるモンスターの群れ。

数にして50体ほどだろうか?

悲鳴が辺り一帯に響き、人々が我先にと逃げ出していく。

そんな中、兵士と思わしき者達は、剣や槍、銃などの武器を構え、モンスターに立ち向かっていく。

 

「くっ、数が多い!」

 

「教会へ連絡を! 女神様が来るまで持ちこたえるんだ!」

 

「民間人の避難を優先させろ! 絶対に犠牲者を出すな!」

 

元々待機していた兵士は10人前後。

対してモンスターは人の膝程度しかない大きさのものが殆どだが、全長が3mを超す大型のモンスターもいる。

しかも、その膝までしかないモンスターですら、兵士の腹に体当たりして軽く吹き飛ばす程の力を持っている。

兵士たちは必死に戦っているようだが徐々に押し込まれていき、更には大型モンスターまで襲い掛かってきたため防衛線が突破され、街の中にモンスターが雪崩れ込んできた。

殆どの民間人は避難していたが、紫苑はその場を動かなかった。

四足歩行の大型のモンスターが足音を響かせながら紫苑に近付いてくる。

 

「そこの君! 早く逃げるんだ!!」

 

兵士の一人が叫ぶ。

紫苑の所へ駆け付けようとしているようだが、小型のモンスターに阻まれ、足止めを喰らっている。

紫苑は特に恐怖を感じること無く大型のモンスターを見上げた。

 

(こいつが…………俺の“死”か………………)

 

紫苑は抗うつもりもなくその場に立ち続ける。

モンスターは敵意の籠った眼で紫苑を見下ろす。

 

(さあ…………早く俺を翡翠の所へ…………父さんや母さんと同じ所へ送ってくれ…………)

 

紫苑は心の中でそう呟き、目を瞑った。

モンスターの前足が振り上げられる。

その前足が薙ぎ払われれば、紫苑の身体など紙のごとく吹き飛び、即死することだろう。

そして、紫苑も自分の死を受け入れてしまっている。

数瞬後には、紫苑の命は容易く刈り取られるだろう。

その光景を見ていた誰もがそう思った。

だが、

 

「………………たす…………けて……………」

 

今にも消え入りそうな声が紫苑の耳に届いた。

紫苑は反射的に目を開いて視線をその方向へと向けた。

そこには、逃げる時に転んでしまったのか、地面に倒れている幼い少女の姿。

そして、その少女に襲い掛からんとする小型モンスター達だった。

 

「ッ………!」

 

次の瞬間、紫苑の目の前にいた大型モンスターの前足が横殴りに薙ぎ払われた。

しかし、その前足が紫苑を捉えることは無かった。

紫苑はギリギリまで身を低くし、紙一重で前足の攻撃を躱していた。

 

「う………っおぉおおおおおおおおおおっ!!」

 

紫苑は弾かれるように叫びながら駆け出し、少女へと向かっていく。

 

「間にっ………合えぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

大きな兎のようなモンスターが少女に飛び掛かった瞬間、紫苑は少女の横から飛びつくように抱きしめ、そのまま地面に押し倒す。

 

「きゃっ!?」

 

少女は驚いたようだが、紫苑のお陰でモンスターからの攻撃は避けられた。

紫苑はすぐに起き上がり、少女を背に庇う。

そして、

 

「大丈夫だ…………!」

 

(何故俺は…………)

 

紫苑は背中越しに呟く。

 

「えっ………?」

 

道端に落ちていたモンスターが暴れた際に壊れた物の一部であろう鉄パイプを拾い上げ、剣のように構える。

 

「絶対に………護ってやる………!」

 

(この子を護ろうとしているんだ…………?)

 

その状況は、奇しくも翡翠を護れなかった状況に酷似していた。

すると、兎のようなモンスターが2匹同時に飛び掛かってくる。

だが、

 

「ふっ!」

 

(俺には…………)

 

紫苑は瞬時に鉄パイプを袈裟、逆袈裟と2回振り、兎のようなモンスターのそれぞれの頭部を捉えて地面に叩き落とした。

これが普通の動物であれば即死級のダメージの筈だが、そのモンスター達はダメージを受けた様子はあっても、よろよろと立ち上がってくる。

 

「くっ、思ったよりもしぶとい………!」

 

(誰も護れる筈がないのに…………)

 

ダメージを受けても相変わらず敵意を見せてくるモンスターに、紫苑は歯噛みする。

1体倒すのに一撃で決めることが出来る場合と、数発かかる場合とでは、対象を護る難易度は桁違いだ。

こんな兎のようなモンスターでも大の大人を吹っ飛ばすほどの力を持っているのだ。

幼い少女では、1発受けるだけでも致命的だろう。

 

「でも………! それでも!」

 

(何故俺は戦っているんだ………!?)

 

心の内の想いとは裏腹に、紫苑は襲い来るモンスターに対し、鉄パイプを振るう。

何度か突っ込んできたモンスターは力尽き、光の粒子となって消えるが、倒されるモンスターに対し、紫苑に迫ってくるモンスターが増えるスピードの方が上だ。

このままでは、いずれ耐えきれなくなることが紫苑にも分かっていた。

 

「ちぃ! せめて一撃で倒すことが出来れば………!」

 

紫苑の口から思わず愚痴が漏れる。

その時、

 

「おい! 坊主!」

 

後ろから野太い男性の声が聞こえた。

紫苑は一旦鉄パイプを大きく横に薙ぎ払い、モンスターを吹き飛ばすと後ろに飛び退いて後方に振り向く。

そこには武器の店と思われるカウンターの影から、坊主頭の店主らしき男性が声を掛けてきていた。

 

「坊主! 得意な武器は何だ!?」

 

その言葉に、紫苑は反射的に答えた。

 

「刀を! 無ければ片手剣でもいい!」

 

「刀か! ちょっと待ってろ!」

 

男性はそう言い残すと店の奥に引っ込む。

紫苑は再び襲い来るモンスターに鉄パイプを振るう。

少しすると、

 

「坊主! 受け取れ!」

 

再びカウンターから顔を出した店主が、鞘に入った刀を紫苑に向けて投げ渡した。

 

「ッ!」

 

紫苑はそれに気付くと、即座に鉄パイプから手を離し、宙を舞う刀に手を伸ばした。

回転しながら飛んでくるそれを、紫苑は難無く左手でダイレクトでキャッチし、右手で柄を掴む。

その時、

 

「危ねえ坊主!? 後ろだ!」

 

店主の男性が叫ぶ。

地鶏のように二息歩行で走ってくる鳥型のモンスターが紫苑の背後から襲い掛かる。

店主の男性は並の使い手ではどうにも出来ないタイミングだと悟った。

だが、

 

「はっ!!」

 

紫苑は並の使い手では無かった。

瞬時に銀閃が煌めく。

 

「ピッ!?」

 

鳥型モンスターは何が起こったのか理解できないまま粒子になって消滅する。

紫苑は一瞬の内に刀を鞘から抜刀。

振り向きざまに居合いの要領で鳥型モンスターを切り裂いたのだ。

 

「うおっ!? すっげぇ………!」

 

店主が感心した声を漏らす。

紫苑は刀を構えなおし、モンスター達に向かって半身を向け、柄が顔のすぐ横にあり、切っ先を相手に向ける構え、所謂『霞の構え』を取る。

本来は相手の目を狙う構えだが、紫苑はこの構えを好んで普段から使っていた。

 

「………………………」

 

紫苑は無言で集中し、その場を動かない。

それをチャンスと見たのか、小型モンスター達が次々と襲い掛かってくる。

だが、

 

「……………フッ!!」

 

一瞬にして無数の銀閃が走る。

紫苑とすれ違ったモンスター達は次々と粒子となって消滅した。

これには他のモンスターも危機感を覚えたのか、動きが慎重になっている。

その時、

 

「グォオオオオオオオッ!!」

 

先程の大型モンスターが紫苑に迫ってくる。

 

「ッ!」

 

大型モンスターは前足を振り上げ、紫苑を踏みつけようとしてきた。

紫苑は瞬時に飛び退き、その踏み付けを躱す。

そして、踏みつけの反動で体勢が低くなった大型モンスターの頭部に向かって飛び掛かり、その刀で斬り付けた。

しかし、甲高い金属音を響かせて、その一撃はモンスターの甲殻によって阻まれてしまう。

 

「ぐっ、硬い!」

 

大型モンスターは頭を勢い良く振り上げ、紫苑を弾き飛ばす。

紫苑はその勢いに逆らわずに後ろへと飛び、殆どダメージを受けることなく着地した。

 

「頭を含めた背面部は硬い甲殻に覆われているのか………」

 

紫苑は冷静に大型モンスターを観察する。

 

「だけど………そういう生き物の多くはっ!」

 

紫苑は一気に駆け出し、体勢を低くしながら大型モンスターへ向かう。

大型モンスターは片方の前足を振り上げ、紫苑に向かって叩きつける。

瞬間、紫苑は思い切り前方へ飛び込み、モンスターの腹の下へ潜り込んだ。

そして、

 

「はぁああああああああああああっ!!」

 

柔らかい腹部に向かって思い切り刀を突き刺した。

 

「ギャォオオオオオオオオオッ!?」

 

モンスターは悲鳴を上げて消滅する。

 

「…………思った通り、腹部は柔らかかったな」

 

紫苑はそう言って一旦呼吸を落ち着けるが、すぐに前を向く。

視線の先には、複数の大型モンスターを含め、20匹ほどのモンスターの群れが一斉に紫苑に迫って来ていた。

 

「数が多い………護り切れるか………?」

 

単純に考えて、紫苑は圧倒的不利を悟っていた。

自分一人だけなら生き残ることもそう難しい事ではない。

だが、今は後ろに少女(護る者)がいる。

 

「やるしかない………!」

 

退くことの出来ない紫苑は無謀な戦いに身を投じる覚悟を決める。

モンスターの大群がどんどん近付いてきて、紫苑は刀を構え、駆け出そうとした。

その時、

 

「32式エクスブレイド!!」

 

そんな声が聞こえた瞬間、巨大な剣がモンスターの群れの中央に突き刺さり、衝撃が走った。

 

「なっ!?」

 

紫苑は思わず声を上げ、続けてきた衝撃波から腕で目を庇う。

紫苑が目を開けると、そこには先程まで迫って来ていたモンスターの大半が消し飛んだ光景があった。

 

「一体…………何が…………?」

 

紫苑は何が起こったのか理解できなかった。

だが、

 

「…………女神様………」

 

後ろにいた少女が呟いた。

紫苑が振り返ると、少女が空を見上げている。

紫苑がその視線を追い空を見上げると、長い紫の髪を二股の三つ編みにして、黒いボディースーツに身を包み、光の翼で空に佇む美しい女性がそこにいた。

 

「………女………神…………?」

 

紫苑は呆然と呟く。

紫苑は一瞬その女神に見惚れていた。

 

「女神様…………女神様だ!」

 

「女神様ぁ~!」

 

「パープルハート様!」

 

兵士や民間人が嬉しそうな声を上げる。

女神はゆっくりと地上に降りてきて紫苑の前に着地する。

その女神は視線を紫苑に向けると、

 

「よく頑張ったわ、シオン…………後は私に任せて………!」

 

そう声を掛けて残ったモンスター達を見据える。

右手を前に翳すとその手に剣が現れ、その柄を握った。

そして次の瞬間、女神は猛スピードでモンスターにむかって飛ぶ。

 

「はぁあああああああああああっ!!」

 

剣の一振り。

その一撃で複数のモンスターが一気に切り裂かれ、消滅する。

更に背面部が硬い筈の大型モンスターでさえ、

 

「クロスコンビネーション!!」

 

弱点である腹部を狙うことなく容易く切り裂き、消滅させた。

 

「あ……………」

 

紫苑はその凄まじくも美しい光景に見入っていた。

女神が現れてから、1分が経ったかどうかも分からない短い時間でモンスター達は全滅する。

女神は兵士たちに声を掛け、状況を聞いている様だ。

すると、彼女は紫苑に歩み寄り、

 

「私が来るまで貴方がモンスターと戦ってくれていたわね……………ありがとう。この国の女神としてお礼を言うわ。犠牲者が出なかったのは貴方のお陰よ」

 

そうお礼を言った。

しかし、

 

「俺は何も…………あなたが来なければ、きっと今頃……………」

 

紫苑はそう言って俯いてしまう。

彼女が来なければ、きっと紫苑も女の子も危なかったかもしれない。

それが紫苑には分かっていた。

だが、

 

「いいえ、それは違うわ」

 

彼女はハッキリと否定した。

その言葉に、紫苑は思わず顔を上げる。

 

「あなたがモンスターを食い止めていてくれたから、私は間に合った。あなたが居なかったら、もっと多くの犠牲者が出ていたかもしれないわ」

 

「そ、そんなことは……………」

 

紫苑はそれでも自分のしたことを認められなかったが、

 

「その証拠に、後ろを見てみなさい」

 

「えっ?」

 

紫苑はその言葉に振り返る。

するとそこには、先ほどの女の子がいた。

そして、

 

「お兄ちゃん、助けてくれてありがとう!」

 

笑顔を浮かべてそう言った。

 

「少なくともその子は間違いなく、あなたが護ったのよ」

 

「あ………………」

 

女神は優しい笑みを浮かべる。

 

「…………………………護れた………のか?」

 

「ええ」

 

「俺は………護ることが出来たのか?」

 

「間違いないわ。この国の女神である私が認めてあげる」

 

呆然と呟く紫苑に、女神はハッキリと頷いて見せる。

 

「…………………あ」

 

紫苑の瞳から涙が流れる。

 

「護れた…………護れたんだ…………!」

 

その涙は、護る者を護れなかった紫苑が、護り切ることが出来たことに対する喜びの涙と、同時に翡翠を失ったことを改めて認識した悲しみの涙だった。

女神はそんな紫苑を優しい表情で見守る。

 

「今は存分に泣きなさい。その後であなたはきっと、立ち上がることが出来るから………」

 

そのまま暫く紫苑は泣き続けた。

 

 

 

 

暫くして、

 

「落ち着いた?」

 

漸く泣き止んだ紫苑に女神が声を掛ける。

紫苑は服の袖でゴシゴシと涙を拭うと、

 

「はい。恥ずかしいところをお見せしました」

 

今までとは違う、どこかスッキリとした表情で顔を上げた。

 

「フフッ、その様子なら大丈夫そうね」

 

「ッ………!?」

 

紫苑に向けたその微笑みに、一瞬ドキリと心臓が高鳴る紫苑。

 

「…………? どうかした?」

 

「あ、いえ、何でも………」

 

流石に見惚れていたなどとは言えず、しどろもどろに取り繕う。

そこでふと紫苑は手に持っていた刀の存在を思い出し、ハッとした。

後ろを振り向いて先程刀を渡してくれた店主に駆け寄る。

 

「武器屋のおじさん! 先ほどはありがとうございました! これ、お返しします!」

 

紫苑は刀を鞘に納め、店主に返そうとする。

しかし、店主の男性は首を横に振り、

 

「いや、そいつはお前さんが貰ってくれ」

 

「えっ?」

 

「なんつーかな………お前さんの剣技に惚れちまったんだよ。あんな見事な剣筋見たことねえ」

 

「いや………でも………」

 

「俺だってお前さんに助けられた一人なんだぜ! お礼と思って貰ってくれや!」

 

右手の親指で自分を指しながらニッと笑う店主。

そこまで言われてしまっては、紫苑としては引き下がるほかなかった。

 

「………分かりました。大事に使わせてもらいます」

 

そう言いながら差し出していた刀を引いた。

そうやって手に持っていると、

 

「あら? その剣、仕舞わないの?」

 

「え?」

 

女神が紫苑の持つ刀を見ながらそう言う。

紫苑は何のことか分からず首を傾げていると、女神は思い出したように、

 

「ああ。そう言えばあなたは別の世界から来たんだったわね。その剣に意識を集中して、収納すると念じてみなさい」

 

紫苑は、何故その事を知っているのかと疑問に思ったが、言われた通りに念じてみると、光に包まれるように消える。

 

「き、消えた!?」

 

驚いた声を上げる紫苑。

 

「今度は、その剣を取り出すように念じてみなさい」

 

言われた通りに念じると、今度は光と共に一瞬でその手に刀が現れる。

目を見開いて驚愕する紫苑。

 

「私達は、インベントリって呼んでるわ。この世界にとっては当たり前のことだから、覚えておくと便利よ」

 

女神の言葉に紫苑は呆然とし、

 

「インベントリって…………まるでゲームの世界だな…………」

 

そう呟いた。

 

「それじゃあ、そろそろ教会に戻りましょうか。掴まりなさい、連れてってあげるわ」

 

そう言って手を差し出してくる女神。

 

「えっ?」

 

突然言われた言葉に困惑するが、紫苑は流れ的に差し出された手を取った。

 

「行くわよ?」

 

女神は一言そう言うと背中に再び光の翼を発生させ、空へと舞い上がった。

 

「うわっ!?」

 

思わず声を上げる紫苑。

ぐんぐんと眼下の景色が広がっていき、この街を一面見渡せるほどの高さまで到達した。

 

「どう? これが私の治める国、『プラネテューヌ』よ」

 

女神の言葉に辺りを見渡す。

紫苑からすれば、このプラネテューヌは近未来的な街並みと言っていい。

 

「…………凄い」

 

その一言が全てだった。

 

「フフッ…………」

 

女神は嬉しそうに微笑む。

すると、女神は街の中央にある大きな建物へ向かっていく。

 

「あれがこの街のシンボルであり教会でもある『プラネタワー』よ」

 

「……………あんな形してたんだな」

 

女神の言葉に、紫苑は改めてプラネタワーを見る。

半日ほど前に中には入ったが、その時は景観を気にする余裕などなかった紫苑は、その光景を見てそう零す。

女神は高度を落としていくと、タワーの中腹部分にある展望デッキと思われる大きめの広場に降り立った。

 

「…………ありがとうございました。女神様」

 

紫苑は女神に向かって頭を下げる。

 

「いいわよ、お礼なんて。それよりもシオンが元気になったようで何よりだわ」

 

そう微笑む女神。

 

「ッ………! そ、そう言えば………!」

 

微笑みに一瞬ドキリとするが、すぐに表面上を取り繕う。

 

「あら? 何かしら?」

 

「め、女神様はどうして俺の名前を知ってるんですか…………?」

 

紫苑の言葉に、女神は一瞬何の事かと呆気にとられたような表情をしたが、

 

「ああ! そう言えばこの姿を見せるのは初めてだったわね」

 

「えっ?」

 

女神がそう言うと、目を瞑った。

すると、光が女神の姿を覆い隠し、再びその光が消えると、

 

「私だよっ! 元気になってよかったね、シオン!」

 

そこには紫苑の見舞いに何度か来ていたネプテューヌの姿があった。

 

「え…………? ええええええええええええええっ!!??」

 

大声を上げて盛大に驚く紫苑。

 

「おお! いい反応! ちょっと前のシオンじゃこうはいかなかったからね!」

 

その反応に腰に手を当て満足げな笑みを浮かべるネプテューヌ。

 

「ど、どういうこと………!?」

 

頭が混乱して思わず問いかける紫苑。

 

「さっきの姿は、私が女神化した姿だよ。 女神パープルハート! それが女神としての私だよ!」

 

「い、今思い出したけど、自己紹介の時に女神って言ってたな…………あれ本当だったんだ………」

 

「ブー! 信じてなかったの?」

 

「信じる要素がどこにある? あ、いや、さっきの姿だったら、無条件で信じただろうけど………俺のいた世界じゃ女神とかそういうのは神話とか空想の産物なんだよ」

 

そう言う事を話していると、

 

「ネプテューヌさん! シオンさん!」

 

「お姉ちゃ~ん!」

 

イストワールとネプギアが駆け寄ってくる。

その後ろにアイエフとコンパも続く。

 

「お二人とも、ご無事で何よりです」

 

「へっへ~ん! 当然だよ!」

 

ドヤ顔で胸を張るネプテューヌ。

 

「俺はネプテューヌに………いえ、ネプテューヌ様に助けられました」

 

ネプテューヌが本当の女神と知り、言葉遣いを直す紫苑。

だが、

 

「シオン、そんな喋り方しなくても普段通りでいいよ。名前も呼び捨てでOK!」

 

ネプテューヌはサムズアップをしながらそう言う。

 

「いや、でも…………」

 

「も~! 私が良いって言ってるんだから良いの!」

 

駄々を捏ねる様な言い方で叫ぶネプテューヌ。

 

「はぁ…………わかった。そう言うなら普通にさせてもらうよ」

 

「それでよし!」

 

やや呆れながら言われた紫苑の言葉に笑顔で頷く。

すると、

 

「……………あれ? シオ君、雰囲気変わったです?」

 

コンパが首を傾げながらそう口にする。

 

「確かにそれは私も思ったわ。なんて言うか、危なげが無くなったって言うのかしら? 口数も多くなってるし、感情もハッキリしてるわ」

 

アイエフも同意する。

 

「何か、立ち直る切っ掛けでもあったんでしょうか?」

 

ネプギアも首を傾げる。

そんな3人の言葉に、

 

「………まだ完全に吹っ切れたわけじゃないけど………妹の分まで生きるって決めたから………」

 

紫苑は少し寂しそうな笑みを浮かべながらそう言った。

その言葉にイストワールが頷き、

 

「はい、それが宜しいかと存じます。ではシオンさん、改めてお聞きします。元の世界に戻る気はありますか?」

 

そう問いかけた。

その問いに紫苑は軽く俯きながら目を瞑り、少し考える。

そして、目を開けながら顔を上げると、

 

「いいえ、やっぱり戻る気はありません。元の世界に戻ったとしても、俺は天涯孤独です。人間関係も、剣術の稽古と妹にばかりかまけていた所為で、親しい友人もいませんでしたから………それなら俺はこの世界で、自分の出来ることを見つけたいと思います」

 

「そうですか……………それも良いでしょう。それでは当初の予定通り、シオンさんの生活基盤が安定するまでは、教会の保護下に置くと言う事で………」

 

「お願いします」

 

紫苑はイストワールに頭を下げる。

 

「はい、承りました。シオンさん、我々はあなたを歓迎します」

 

イストワールの言葉に、紫苑はネプテューヌ達を見回す。

そして、

 

「改めて………月影 紫苑です。これからよろしく」

 

全員に向かって頭を下げた。

 

「もう! そんな固い事言いっこなし! …………シオン!」

 

ネプテューヌに突然名を呼ばれたため、頭を上げる紫苑。

するとネプテューヌは展望デッキから見える景色を背景に両手を横に広げ、言った。

 

 

 

 

 

 

「ようこそ! ゲイムギョウ界へ!!」

 

 

 

 

 

 

 

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