超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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最終話 ありふれた最終話(ノーマルエンド)

 

 

 

 

 

 

千冬に呼ばれ、とある大部屋に来た紫苑達。

そこには一夏達専用機持ちと箒が集められ、パソコンやモニタ―などが運び込まれて一つのブリーフィングルームのような部屋になっていた。

 

「一体何が起こったんですか、織斑先生?」

 

紫苑がそう口にすると千冬は頷き、

 

「では状況を説明する。2時間前、ハワイ沖で試験稼働だったアメリカ、イスラエルの共同開発の第三世代の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。 監視区域より離脱したとの連絡があった」

 

千冬の言葉に、一同が驚く。

 

「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2km先の空域を通過することが分かった。 時間にして50分後。 学園上層部の通達により、我々がこの事態に対処することになった。 教員は学園の訓練機を使って、空域及び海域の封鎖を行う。 よって、この作戦の要は、専用機持ちに担当してもらう」

 

「いいっ!?」

 

千冬の言葉に、一夏が驚いた声を漏らす。

 

「つまり、暴走したISを我々が止めるという事だ」

 

ラウラが淡々と補足する。

 

「マジィ!?」

 

「いちいち驚かないの」

 

驚く一夏に、鈴音が冷静に突っ込む。

 

「それでは作戦会議を始める。 意見がある者は挙手するように」

 

「はい」

 

千冬の言葉に、早速手を挙げたのはセシリア。

 

「目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

 

「うむ。 だが、決して口外するな。 情報が漏えいした場合、諸君には査問員会による裁判と最低でも2年の監視がつけられる」

 

千冬は頷き、同時に注意する。

 

「了解しました」

 

セシリアが了承すると、モニターに情報が映し出されていく。

 

「広域殲滅を目的とした、特殊射撃型………わたくしのISと同じ、オールレンジ攻撃を行えるようですわね」

 

「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。 厄介だわ」

 

「この特殊武装が曲者って感じはするね。 連続しての防御は難しい気がするよ」

 

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。 偵察は行えないのですか?」

 

それぞれが意見を述べる。

 

「無理だな。 この機体は現在も超音速飛行を続けている。 アプローチは、1回が限界だ」

 

「一回きりのチャンス………という事はやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね」

 

千冬と真耶がそう言う。

その言葉に、全員の視線が一夏に集中する。

 

「え………?」

 

一夏は、一瞬その意味が分からなかったのか、声を漏らした。

 

「一夏、アンタの零落白夜で落とすのよ」

 

「それしかありませんわね。 ただ、問題は……」

 

「どうやって一夏をそこまで運ぶか、だね。 エネルギーは全部攻撃に使わないと難しいだろうから、移動をどうするか」

 

「目標に追い付ける速度が出せるISでなければいけない。 超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

 

驚愕する一夏を余所に話し合いを進める専用機持ち達。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! お、俺が行くのか!?」

 

「「「「当然」」」」

 

セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラの声が重なる。

 

「ユニゾンで言うな!」

 

思わず突っ込む一夏。

 

「織斑、これは訓練ではない。 実戦だ。 もし覚悟が無いなら、無理強いはしない」

 

「…………………………」

 

一夏が思い悩んでいると、

 

「と、ここまでがセオリーの話なのだが、幸運にも今はイレギュラーな存在が居る」

 

千冬が紫苑達に視線を移す。

 

「つまりはその暴走したISを止めるために俺達に力を貸してほしいって事ですよね?」

 

紫苑が要点を纏める。

 

「ああ。間もなく帰るお前達には無理強いすることは出来ないが、出来ることなら力を貸してほしい」

 

千冬がそう言うと、

 

「俺は構いませんよ。いくら帰るからって、学友のピンチを放っておいてはいサヨナラなんてカッコ悪い真似は出来ません」

 

「私もいいよ~!」

 

紫苑とネプテューヌはそう言う。

 

「感謝する」

 

千冬は頭を下げる。

 

「それで、お前達には何か意見はあるか?」

 

「まあ少し…………とりあえず初撃については一夏の零落白夜が最も適していると思います。そこは皆の意見と変わりませんね。ただし、成功すればそれでいいんですけど、もし失敗した場合、その後のISの行動がどうなるかです」

 

「……………と、言うと?」

 

「つまり、攻撃が失敗した場合、そのままそのISは奇襲した一夏を放っておくかどうかと言う事です。そのまま超音速飛行を続けて戦域を離脱するのか、もしくは迎撃に移るのか…………それが問題です。そのまま戦域を離脱するなら作戦失敗で済みますが、もし迎撃行動に移った場合、一夏ともう1人だけでは戦力的に不安が残ります。先程の暴走したISのスペックを見るに、軍用ISと言うだけあってそのポテンシャルは相当な物でしょう」

 

「ふむ、それで?」

 

「俺の意見は、一夏ともう1人には先制攻撃を担って貰います。それで作戦が成功すればよし、もし攻撃が失敗してもそのままそのISが戦域を離脱すればそのまま作戦失敗。そこからは国の領分です。第一軍人でも何でもない学園生徒(一部除く)にそんな危険な事やらせるんですから作戦が失敗したって文句を言われる筋合いはないでしょう」

 

「まあ、もっともな意見だな」

 

「そして、もしそこで福音が迎撃の為にその場に留まった場合です。まずそれを考慮して一夏達が発進する際、他の専用機持ち達にも通常の速度で暴走ISに向かってもらいます。距離は2km先なのですから、通常速度でも大して時間はかからないでしょう。一夏達には最初は身の安全を考えて防御に専念してもらいます。例えそこで逃げられたとしても無理には追わず、逃げるなら逃げたでそこは先程と同じように国の領分です。それで、他の専用気持ち達が到着するまで耐えたらそこからは全員での総攻撃で暴走ISを無力化します。その際には俺とネプテューヌもその中に加わります。まあ、変身時間はあまり長くは出来ませんので、俺達も運んでもらう必要はありますが…………こんな所ですかね?」

 

「なるほど、2人だけで行かせるよりかは無難か…………織斑、そう言う訳だ。先程も聞いたが、出来るか?」

 

千冬は一夏に短く聞く。

一夏は一瞬の思案の後、

 

「やります。 俺が、やってみせます!」

 

そう言い切る。

 

「よし。 それでは作戦の具体的な内容に入る。 現在、この専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」

 

千冬の言葉にセシリアの手が上がった。

 

「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが。 丁度イギリスから強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られて来ていますし、超高感度ハイパーセンサーもついています」

 

「ふむ………超音速下での戦闘訓練時間は?」

 

千冬が思案し、再び問いかける。

 

「20時間です」

 

セシリアがそう言い、

 

「ふむ、それならば適任………」

 

適任だと千冬が言おうとした瞬間、

 

「待ったま~った。 その作戦はちょっと待ったなんだよ~!」

 

いきなり天井から明るい声が聞こえた。

見れば天井裏から束が顔を出している。

 

「また出たよ……」

 

一夏が半ば呆れた声を漏らす。

すると、束は天井から飛び降り、床に着地すると、千冬に詰め寄った。

 

「ちーちゃんちーちゃん! もっといい作戦が私の頭の中にナウ・プリンティング!」

 

「出て行け」

 

詰め寄る束に、千冬は顔に手を当てつつバッサリとそう言う。

 

「………誰だ?」

 

紫苑は一夏に訊ねる。

 

「篠ノ之 束さん。箒の姉さんだ」

 

「…………って事は、ISの生みの親の?」

 

「そうなる」

 

一夏の言葉に紫苑はそうかと納得する。

すると、

 

「聞いて聞いて! ここは断・然、紅椿の出番なんだよ!」

 

「何?」

 

束の言葉に、千冬は思わず声を漏らした。

 

 

 

 

 

 

束が言うには箒が新たに受け取った専用機、『紅椿』ならパッケージ無しでも少しの調整で、音速機動が可能になるという事だ。

その為外へ移動し、束が箒の紅椿の調整を始めている。

その途中で、

 

「織斑先生! わたくしとブルー・ティアーズなら必ず成功して見せますわ! 今回の作戦、是非わたくしに!」

 

セシリアがそう発言する。

が、

 

「お前の言っていたパッケージは、量子変換してあるのか?」

 

千冬はそう聞き返す。

 

「う………そ、それはまだですが………」

 

そう気まずそうに言うセシリア。

 

「因みに紅椿の調整は、7分あれば余裕だね」

 

そう口を出す束。

すると、

 

「セシリア。単純な戦闘能力だけを考えた場合、パッケージを使った方が強くなるのか?」

 

紫苑がセシリアにそう尋ねる。

 

「そ、それは…………スピードこそ飛躍的に上がりますが、BT兵器が使えなくなるため、火力は落ちます…………高速戦闘以外ならば、通常装備の方が戦闘力は上かと………」

 

「それなら今回は箒に譲って通常装備で出た方が良い。戦闘力を落とさずに一夏を運べるのなら、それに越したことは無い。初撃が決まるかどうかは一夏の腕次第だ。運搬係には左程作戦の成否は掛かってないからな」

 

「は、はい………そうですわね………」

 

紫苑の説明にセシリアは大人しく引き下がる。

 

「なーんかごちゃごちゃ言ってるみたいだけど、作戦なんて無駄無駄! いっくんと箒ちゃんだけで決めちゃうから!」

 

束がいきなりそう言う。

 

「少しはマシになったとはいえ、まだまだ未熟な一夏と、一般生徒と何ら変わりのない箒だけで勝てるほど甘い相手ではないように思うけどな。倒したら倒したでそれは結構な事だけど」

 

紫苑は敢えて現実を語る。

 

「……………お前、生意気だね………!」

 

束が手を休めずに鋭い視線を紫苑に向ける。

 

「実際に一夏と剣を交えた上での結論です。真っ向勝負なら一夏と箒、揃って完封する自信はありますよ」

 

「なっ!?」

 

「止せ箒……!」

 

紫苑の言葉に箒が声を上げそうになるが、一夏に止められる。

 

「悔しいが紫苑の言っていることは正しい。それは紫苑と戦った俺が一番良く分かってる」

 

「だ、だが、私とお前ならば…………!」

 

「紫苑の『強さ』はそんなレベルじゃない………! 第一、生身で千冬姉に食らいつくほどの技量を持っているんだぞ紫苑は! お前は現役時代の千冬姉相手に2人がかりで倒せると思うのか!?」

 

「そ、それは………流石に無理だと思うが…………」

 

「紫苑の強さは………おそらく現役時代の千冬姉と同等以上だ…………!」

 

一夏のその言葉に箒は何も言えなくなってしまう。

 

「それはまた過大評価をしてくれたもんだな?」

 

「だけど、実際そうなんだろう?」

 

「まあ、今出せる力ならいい勝負はすると思うが………」

 

紫苑の言う今出せる力とは、ネプテューヌがシェアの影響を受けていないため、紫苑のシェアのみで半分程度の力しか出せないように、紫苑もまた半分程度の力しか出せないのだ。

 

「だったらお前が行って倒せばいいじゃんか………!」

 

束が敵意むき出してそう言ってくる。

 

「生憎今は時間制限もある上に俺はスピードタイプじゃなくて攻撃重視型だから高速戦闘にはそこまで向いてないんだよ。しかも実力が未知数の相手に1人で十分だと思うほど自惚れちゃいないんでね」

 

紫苑はまるで束を挑発するような口調で言ってしまう。

紫苑は、確証は何もないが両親の死んだ『白騎士事件』は自作自演だと推測している。

ミサイルが発射され、それを白騎士が止め、世界中にISが広がるという都合の良すぎる段取りが予め出来ていたような流れに、紫苑は違和感を感じていたのだ。

そして、そんなことが出来るのはISの生みの親の『天災』篠ノ之 束ぐらいだ。

確証がないためいきなり斬りかかることはしないが、紫苑はこれでも我慢しているのだ。

 

「ふん! 言い訳がましいね!」

 

「どう受け止めるかはご勝手に………」

 

束の敵意を受け流して紫苑はそう言う。

 

「束………余り月影に食いつくな……!」

 

すると、突然千冬がそう言って束と紫苑の間に入る。

 

「別にいいじゃんそんなチビガキ…………」

 

「束…………黙れ………!」

 

千冬は怒りを露にした目で束を睨み付ける。

 

「ど、どうしたのさちーちゃん………何でそんなチビガキをそんなに庇う訳?」

 

「束………もう一度言う………黙れ………!!」

 

「あ~も~。分かったよ、ちーちゃんに免じてここは引き下がってあげる」

 

有無を言わさぬ千冬の声色の前に、束は渋々引き下がった。

 

「すまんな月影。アイツはどうにも人付き合いが苦手でな………」

 

千冬は紫苑に向き直ってそう言う。

 

「別にいいですよ。性格ぶっ飛んでる人には慣れてますんで。要は頭が良くても中身が子供のまま成長したタイプなんでしょう。なまじ頭がいいから天上天下唯我独尊なコミュ障になったと………」

 

「……………あながち間違ってないから否定できんな………」

 

紫苑の言い方に千冬は困った表情を浮かべてそう言った。

 

「はい! そうこうしているうちに紅椿の調整終了! 時間通り! さっすが束さん!」

 

今まで話している間も、束は休むことなく作業を続けており、たった今終了したのだ。

 

「よし、今は福音を止める方が先決だ。 各員、速やかに配置に着け!」

 

 

 

 

 

 

それぞれが海岸へ移動し、ISを展開する。

 

「じゃあ箒。 よろしく頼む」

 

「本来なら女の上に男が乗るなど、私のプライドが許さないが、今回だけは特別だぞ?」

 

一夏の言葉に、箒は何処か嬉しそうな表情でそう言う。

一夏が箒に近付くと、

 

「いいか箒? これは訓練じゃない、十分に注意して……」

 

「無論わかっている。 心配するな、お前はちゃんと私が運んでやる。 大船に乗ったつもりでいればいいさ」

 

言葉の中に微笑を混ぜながら、箒はそう答える。

 

「なんだか楽しそうだな? やっと専用機を持てたからか?」

 

「え? 私はいつも通りだ。 一夏こそ作戦には冷静に当たること」

 

「わかってるよ………」

 

2人がそんなやり取りをしていると、

 

『織斑、篠ノ之、聞こえるか?』

 

千冬から通信が入った。

 

「はい」

 

「よく聞こえます」

 

『お前たちの役目は、一撃必殺だ。短時間での決着を心掛けろ。ただし、初撃が失敗した場合は無理をせず後続が到着するのを待て。その間に逃げられてもお前達に責任は無い。いいな、討つべきは『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』。 以後『福音』と呼称する』

 

「「了解」」

 

2人が返事をすると、

 

「織斑先生。 私は状況に応じて、一夏のサポートをすればよろしいですか?」

 

『……そうだな。だが無理はするな。お前は、紅椿での実戦経験は皆無だ。突然何かしらの問題が出るとも限らない』

 

「分かりました。 ですが、出来る範囲で支援をします」

 

箒は、心なしか弾んだ声で返事をする。

すると、一夏にプライベート・チャネルで通信が入る。

 

『織斑』

 

「は、はい」

 

『どうも篠ノ之は浮かれているな。 あの様子では、何か仕損じるやもしれん。 もしもの時は、サポートしてやれ』

 

「分かりました。 意識しておきます」

 

『頼むぞ』

 

通信が、再びオープン・チャネルに切り替わる。

 

『では、始め!』

 

千冬が作戦開始の号令をかける。

一夏が箒の背に乗り、肩を掴む。

 

「いくぞ!」

 

「おう!」

 

箒の言葉に一夏が応え、紅椿は急上昇を始めた。

それに続いて他の専用機持ち達も発進する。

因みに紫苑はセシリアのブルー・ティアーズに。

ネプテューヌは鈴音の甲龍によって運ばれている。

 

「月影さん、お身体は大丈夫ですか?」

 

セシリアが背中に捕まりながら風圧に煽られる紫苑を心配する。

 

「大丈夫だ。シェアリンクはしてるからもっとスピードを出しても問題ない」

 

紫苑はそう言う。

 

一方、

 

「ひゃっほ~~っ!!」

 

鈴音の背に乗りながらはしゃいでいるネプテューヌ。

 

「ちょっとネプ子! しっかり掴まってなさいよ! 落ちても知らないわよ!」

 

その微笑ましい姿を見て、思わず笑顔になるシャルロットと作戦中という事で表情を引き締めているラウラ。

 

 

丁度その頃、海岸の一角では、

 

「全く……! 何なんだあのチビガキは! この天才束さんに向かって生意気な………! いっくんたちとちょっと遊ぶだけのつもりだったけど、この束さんを馬鹿にしたんだ。どうなるか思い知らせてやる…………」

 

束はそう言うと、空中ディスプレイを展開し、何かを操作し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先行する一夏と箒は、レーダーに福音を捉える。

 

「暫時衛星リンク確立。 情報照合完了。 目標の現在位置を確認。 一夏、一気に行くぞ」

 

「お、おう!」

 

箒は紅椿を加速させる。

そして、福音の姿をその目に捉えた。

 

「見えたぞ一夏」

 

「あれが『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』か」

 

「加速するぞ。 目標に接触するのは10秒後だ」

 

箒はそう言って更に加速する。

一夏は雪片弐型を展開。

零落白夜を発動させる。

 

「うおおおおおおおっ!!」

 

一夏は全力で雪片を振り下ろす。

だが、寸前で福音が回避行動を取り、切っ先が掠ったものの、直撃には至らず福音は健在。

 

「躱した!?」

 

驚愕する一夏。

だが福音はその後、予想しなかった行動を取った。

一夏達に背を向け、飛び去る。

それだけならまだ作戦の許容範囲内だったのだが、

 

「ッ………! この方角! 皆の方へ向かってる!?」

 

福音が飛び去ったのは他の専用機持ち達がいる方角だったのだ。

 

「皆! 大変だ! 福音がそっちに向かった! 注意してくれ!」

 

一夏は通信で呼びかけると、

 

「箒! 急いで追うぞ!」

 

「あ、ああ!」

 

半ば呆気に取られていた箒に声を掛け、福音の後を追った。

 

 

 

 

 

一夏達の後を追っていた専用機持ち達に突如通信が入った。

 

『皆! 大変だ! 福音がそっちに向かった! 注意してくれ!』

 

「「「「ッ!?」」」」

 

その言葉に戦慄が走る。

 

「ちょ、何で福音がこっちに来るのよ!?」

 

鈴音が慌てる。

 

「落ち着け! すぐにこっちに来る! 迎撃するぞ!」

 

紫苑はそう言うと、

 

「シェアライズ!」

 

その場でバーニングナイトに変身する。

 

「私も、変しーん!」

 

ネプテューヌも光に包まれ、パープルハートに変身した。

2人は揃って皆の前に出て剣を構える。

 

「………来るぞ!」

 

「ええ!」

 

次の瞬間、猛スピードでこちらに向かって突っ込んできた福音を剣で受け止める。

福音は左右の腕部装甲で2人の剣を鷲掴みにしていた。

 

「くっ! 思った以上のパワーとスピードだな………!」

 

「そうね…………1対1だったら少し苦しいかしら………!」

 

2人は勢いの付いた突進に若干押されるが、少し押し込まれたところで受け止め切る。

すると、

 

「お2人共!」

 

セシリアの声が聞こえ、福音に注意を向けながら視線を向けると、セシリアがスナイパーライフルを構えていた。

 

「ネプテューヌ!」

 

「ええ!」

 

バーニングナイトの声にパープルハートが応え、

 

「今です!」

 

セシリアの合図と共に2人同時に福音から離れる。

その瞬間にセシリアのスナイパーライフルからレーザーが放たれた。

代表候補生レベルでも直撃、国家代表でも避けるのは難しいタイミングで放たれたその一撃は、

 

『La…………!』

 

瞬時に反応した福音が強引な回避行動を取って空を切る。

 

「そんな!? あのタイミングで!?」

 

驚愕するセシリア。

すると、福音はセシリアを気にも留めず、バーニングナイトへ向かって行く。

 

「むっ……?」

 

その行動に、一瞬違和感を感じたが、襲い掛かってくる福音に意識を集中する。

伸ばしてくる腕部を剣で受け止めるバーニングナイト。

その時、

 

「無視してんじゃないわよ!」

 

鈴音が巨大な青龍刀で横から斬りかかった。

福音はそれに気付き、瞬時に離脱。

 

「逃がすかぁ!」

 

鈴音は即座に振り向いて衝撃砲を連射した。

しかし、福音はそのスピードと巧みな回避行動を組み合わせ、その全てを避けて見せた。

 

「ああもう! ちょこまかと!」

 

思わず愚痴る鈴音。

だが、

 

「これならどうかな!?」

 

福音の後ろにシャルロットが回り込んでおり、マシンガンとアサルトライフルを持って銃弾を雨の様に放つ。

流石にそれは回避しきれなかったのか、最初の何発かは受けるものの、ダメージを無視してその場を離脱する。

すると、

 

「ラウラ!」

 

シャルロットがラウラに呼びかける。

 

「任せろ!」

 

ラウラが回避先を予想してレールガンで狙っていた。

標準を合わせるラウラ。

 

「貰った!」

 

弾丸が轟音と共に放たれる。

だが、

 

『LaLaLa…………!』

 

福音は突如スピードを上げて急上昇し、その弾丸を避けた。

 

「何っ!?」

 

外したことが信じられないと声を上げるラウラ。

すると福音はある程度上昇した所で翼を広げ、無数の光弾を放ってきた。

 

「くっ! きゃあっ!?」

 

「くうっ!?」

 

広範囲に放たれたそれは、全員を攻撃範囲に収めていた。

 

「これがデータにあった特殊武装! 思った以上に厄介ですわね!」

 

無数に放たれる光弾を専用機持ち達は被弾しながらも回避行動を取る。

そんな中、パープルハートとバーニングナイトは、

 

「この程度!」

 

パープルハートは光弾を避けながらも避け切れなかったものはその剣で切り払い、

 

「甘い!」

 

バーニングナイトはシールドを張ってその攻撃を受けきる。

すると、福音はもう一度翼を広げ、光弾をバーニングナイトに向かって集中的に放ってきた。

 

「くっ! こいつ、やはり………!」

 

光弾をシールドで受けつつも回避行動を取り、負担を減らす。

その時、福音本体が後ろに回り込んできて攻撃を加えようとしていたが、

 

「させるか!」

 

振り向き様に剣を薙ぎ払って福音を吹き飛ばした。

バーニングナイトは福音の行動に気になる点があり、試しに上空に向かって上昇していくと、福音もその後を追ってきた。

 

「…………こいつはやっぱり、俺を狙っているな………!」

 

その事を確信したバーニングナイトは振り向いて福音に向かって行く。

 

「うおおおおおおおおおおっ!」

 

バーニングナイトは剣を大きく振りかぶって斬り付けるが、福音はそれを見切ってあっさりと避ける。

だが、

 

「こっちよ!」

 

回避先にパープルハートが回り込んでおり、刀剣による斬撃を喰らわせた。

片側の翼が切り落とされ、海へと落ちていく。

 

「流石だな………」

 

「当然よ」

 

短い受け答えで互いを軽く労いながらも、2人は福音に集中する。

 

「どうやらこいつは俺を執拗に狙っている様だな………」

 

「シオンを? どうして?」

 

「さあな。多分頭の良い子供の引き起こした癇癪が原因だろう」

 

「……………?」

 

バーニングナイトの言葉にパープルハートが疑問符を浮かべる。

その時、

 

「皆! 大丈夫か!?」

 

一夏と箒がようやく合流した。

 

「二人とも遅いじゃない! 何やってたのよ!?」

 

鈴音の言う通り、2人がここに到着するまでに少し時間がかかり過ぎている。

 

「すまない! 密漁船がいたから避難するよう指示していて遅くなった!」

 

「密漁船!? ったく! こんな時にはた迷惑な!」

 

一夏の言葉に鈴音はそう愚痴るが、

 

「まあ、それなら仕方ないわ。ところで箒は何でそんなに沈んでいるのよ?」

 

鈴音は、出撃した時よりも明らかに表情が暗い箒にそう尋ねる。

 

「わ、私は……」

 

箒が何か言おうとした時、砲撃音で我に返る。

 

「今は戦闘中だぞ! そんな事を話している場合ではない!」

 

ラウラが叱るように叫んだ。

 

「箒………さっきの事は気にしなくてもいい。早めに間違いに気付けたんだ………良かったじゃないか」

 

一夏はそう言うと福音に向かって飛び出していく。

 

「一夏…………ッ!」

 

箒は一瞬躊躇していたが、表情を引き締め一夏の後を追って飛翔する。

すると、

 

「全員聞いてくれ! こいつは何故か分からないが俺を狙っている! だから俺が囮になるから隙を見て攻撃してくれ!」

 

バーニングナイトがそう叫ぶと福音へ向かって行く。

福音はそれを確認すると片翼を広げて光弾を放ってきた。

 

「シールド!」

 

バーニングナイトは左手を前に突き出してシールドを張りながら突進する。

光弾の嵐の中を突破する様にバーニングナイトは福音に向かって行くと、再び福音は翼を広げ、

 

「それを待っていた!」

 

ラウラが砲撃を放つ。

ラウラは福音が攻撃する瞬間、動きが止まることに気付いていたのだ。

ラウラの放ったレールガンの弾丸が福音に直撃。

福音は大きく吹き飛ぶ。

 

「この隙、逃さん!」

 

箒が紅椿の機動性を発揮して吹き飛ぶ福音に追撃。

斬撃を与えて叩き落す。

 

「くらいなさい!」

 

セシリアの操るビットがレーザーを放ち、福音の動きを止める。

 

「はぁあああああああああああっ!!」

 

鈴音が二本の青龍刀を振りかぶり、下から上空へと叩き上げた。

 

「今よ一夏!」

 

鈴音の掛け声に、上空から一夏が零落白夜を発動して斬りかかった。

だが、その瞬間体勢を立て直す福音。

片翼を広げて無数の光弾を一夏に向けて放った。

 

「一夏っ!?」

 

箒が叫ぶ。

しかし、

 

「雪羅! シールドモード!」

 

一夏が左腕を構えると、左腕の雪羅が変形。

その腕から光の膜が広がる。

エネルギーシールドのようだが、福音の光弾がその膜に触れると、光弾が四散していく。

 

「………あれは、『零落白夜』のシールド?」

 

福音の光弾を避けつつ、箒はそう推測する。

一夏は速度を落とすことなく福音へ接近し、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

雪片を振るった。

その一撃は残された片翼を斬り落とす。

両翼を斬り落とされて動きが鈍った福音は、

 

「クロスコンビネーション!!」

 

更に上空から奇襲したパープルハートの一撃によって海へと叩き落された。

 

「やったか!?」

 

一夏がそれを見てそう叫ぶ。

すると、パープルハートは微妙な表情をして、

 

「イチカ、それって所謂フラグなんだけど………」

 

そう呟いた。

その瞬間、海面が爆発したように吹き上がり、その水しぶきの中から光の玉が現れた。

 

「なっ!?」

 

「拙い! 二次移行(セカンド・シフト)だ!!」

 

ラウラが叫ぶ。

その瞬間、光の玉の中心にうっすらと見える福音の頭部から光の翼が広がり、その光の玉が弾け飛んだ。

 

「来るわよ!」

 

パープルハートが叫んだ瞬間、福音が光の翼を広げ、頭上にエネルギーを集中する。

そして特大の砲撃として解き放った。

 

「くっ!」

 

砲撃は当然のようにバーニングナイトに向かいバーニングナイトは、シールドで咄嗟に防ぐが、

 

「ぐうぅ………!」

 

その砲撃の威力に押され始める。

 

「シオン!?」

 

パープルハートが叫ぶ。

 

「くうっ!」

 

バーニングナイトは何とか防ぎ切ったが、その顔には消耗した色が見える。

 

「はぁ………はぁ………!」

 

バーニングナイトは息を吐くが、福音は更に光の翼を大きく広げ、先ほどと同じように無数の光弾として放ち、全員を攻撃してきた。

しかも、その攻撃密度は先程よりも倍近い。

 

「ぐっ!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「うわあっ!?」

 

それぞれが悲鳴を上げる。

 

「一度やられてからパワーアップなんて、ラスボスに相応しいじゃない」

 

「あまり嬉しくはないがな………」

 

バーニングナイトとパープルハートは気を取り直して剣を構える。

だが、

 

「えっ………?」

 

「くっ………?」

 

突然体に力が入らなくなる。

 

「紫苑!? ネプ子!?」

 

2人の様子がおかしい事に鈴音が気付いた。

 

「これは…………」

 

「まさか時間切れ!? こんな時に………!」

 

2人はしまったと思ったが、どうすることも出来ない。

間もなく変身も解除されてしまうだろう。

だが、その隙を福音が逃すはずが無かった。

翼を広げて再び収束砲撃を放つ準備に入る。

 

「拙い! 2人共逃げろ!?」

 

箒が叫ぶ。

 

「紫苑!」

 

「ネプテューヌ!」

 

一夏とシャルロットも2人の名を叫んだ。

だが、今の2人には空中で動く事も困難だった。

何もできないまま福音のエネルギーが最大限に高まり、それが放たれる。

その瞬間、別方向からピンク色のビームが放たれ、福音を大きく吹き飛ばした。

 

「えっ?」

 

「何? 今の攻撃………?」

 

一夏達が突然の攻撃に困惑する。

すると、さらに2発3発とビームが撃ち込まれ、福音は慌てたように回避行動を取った。

だが、

 

「逃がさないわ!」

 

突如福音の背後に人影が現れ、福音を叩き落す。

すると、

 

「何この程度の相手に手古摺ってるのよ? ネプテューヌ」

 

そう言いながらパープルハート達に振り返ったのは、銀色の髪に翡翠色の瞳を持った女神。

ノワールが変身したブラックハートだった。

 

「ノワール!?」

 

パープルハートが驚いた声を上げる。

 

「なら、今の攻撃は………」

 

パープルハートがそう言いながら先程のビームが放たれたであろう方向を見ると、

 

「お姉ちゃーーーーん! お兄ちゃーーーーん!」

 

薄紫の髪を靡かせて飛んでくる、白いボディスーツと蝶のような光の翼をもった少女。

 

「「ネプギア!!」」

 

パープルハートとバーニングナイトは揃って声を上げる。

 

「お姉ちゃん!」

 

ネプギアはそのままパープルハートに抱き着く。

 

「ネプギア………」

 

パープルハートも優しくネプギアを抱きしめた。

 

「情けないですわよ、ネプテューヌ」

 

「シオンもな。そんなんじゃ『守護者』の名折れだぜ!」

 

更に2人の女性の声が聞こえ、2人が見上げると、そこにはベールとブランが女神化したグリーンハートとホワイトハートが佇んでいた。

 

「ベール! ブラン!」

 

バーニングナイトが思わず声を上げる。

 

「どうして………あなた達………まさか!」

 

パープルハートは思わず空を見上げた。

視線の先には空が歪み、空間に穴が開いている光景だった。

 

「次元ゲート………」

 

バーニングナイトが呟いた。

いつの間にか時間が経っていたらしい。

 

「えっと…………何者なんだ彼女たちは………?」

 

状況についていけなかった一夏達が、やや遠慮がちにバーニングナイトに訊ねる。

 

「ネプテューヌの妹のネプギアと、ネプテューヌ以外の女神達だ」

 

「め、女神………!? あの人たちが!?」

 

バーニングナイトの言葉に一夏が驚愕する。

 

「それにしても、何やってるのよアンタたちは?」

 

ブラックハートが呆れた様に言う。

 

「し、仕方ないじゃない! 今はシオンのシェアしか使えないから半分も力が出せないのよ!」

 

「ふーん…………そういうこと…………それなら…………」

 

パープルハートの言葉にブラックハートは意味ありげに呟くと、

 

「えっ!?」

 

パープルハートに突如力が流れ込む感覚がした。

 

「このシェアは………プラネテューヌの………!」

 

パープルハートが力を取り戻したことで、同時にバーニングナイトにも力が戻る。

 

「これは………次元ゲートを通じてプラネテューヌのシェアがこちらの世界にも流れ込んでいるのか!」

 

バーニングナイトは次元ゲートを見上げながら思わずそう言った。

 

「これでもう言い訳は出来ないわよ?」

 

ブラックハートはニヤリと笑う。

 

「そうね………プラネテューヌの皆のシェアがある以上、もう負けないわ!」

 

パープルハートは刀剣を構えなおす。

バーニングナイトもその横に並んだ。

 

「皆、帰る前にやり残したことがあるの………少しでも早く終わらせるために協力してくれないかしら?」

 

パープルハートの言葉に、

 

「仕方ないわね………!」

 

ブラックハートが直剣を構え、

 

「速攻で決めてやる!」

 

ホワイトハートがアクスを担ぎ、

 

「女神の力、思い知らせてあげますわ!」

 

グリーンハートが槍を振り回す。

 

「私もやります!」

 

銃剣を構えるネプギア。

先程ブラックハートに吹き飛ばされた福音が高速機動で接近してくる。

一夏達はその動きに翻弄され、まともに対処することが出来ない。

だが、

 

「見え見えですわよ!」

 

グリーンハートが一瞬にして福音の背後に回り込んでいた。

 

「狂瀾怒濤の槍! 受けてみなさい! レイニーラトナピュラ!!」

 

目にも止まらぬ槍の連撃が福音へと叩き込まれる。

福音は装甲の破片を撒き散らせながら大きく吹き飛ぶ。

 

「ネプギア! 合わせなさい!」

 

「はい! ノワールさん!」

 

ブラックハートとネプギアが吹き飛ばされた福音を挟み込む様な動きで接近し、

 

「レイシーズ………!」

 

「ミラージュ………!」

 

「「………ダンス!!」」

 

互いの必殺技を同時に叩き込んだ。

真上に弾き出される福音。

そこへ上から、大きくアクスを振りかぶったホワイトハートが接近し、

 

「オラァ! かっ飛びやがれ! テンツェリントロンべ!!」

 

強烈な斧による一撃で真下に向かって叩き落される福音。

更に吹き飛ばされた先ではパープルハートが向かってくる。

 

「私の本当の力、見せてあげるわ!」

 

そのまま福音へと接近し、

 

「ヴィクトリースラッシュ!!」

 

V字に刀剣を振り、福音の攻防の要であるエネルギーの翼を消し飛ばした。

動きが止まる福音。

 

「今よ、シオン! 決めなさい!」

 

「おお!」

 

パープルハートの呼びかけに応え、バーニングナイトが剣に炎を宿らせる。

猛スピードで福音に接近し、

 

「でやぁあああああああああああああああっ!!」

 

炎の剣による乱撃を叩き込む。

そして剣を左手に持ち替えると右の拳を握りしめ、その拳に炎エネルギーを集中させた。

 

「バーニング……………!」

 

そしてそのまま拳を振りかぶり、福音に向かって叩き込んだ。

 

「…………ストライク!!」

 

その瞬間、圧縮された炎エネルギーを開放。

福音は成す術無く爆発に飲み込まれた。

爆煙の中から落下していく福音。

その途中で福音が強制解除され、操縦者が無防備に落下していく。

 

「拙い!」

 

バーニングナイトが慌てて向かおうとした所で、

 

「おっと………!」

 

先に回り込んでいた一夏が福音の操縦者を受け止めた。

 

「一夏!」

 

「ははっ! 少し位役に立たないとな?」

 

一夏は笑ってそう言う。

 

「フッ………ああ、助かったよ。一夏」

 

紫苑も小さく微笑んだ。

 

 

 

旅館に残っていたアイエフ達を迎えに来たバーニングナイト達は、一夏達に最後の別れを告げていた。

 

「じゃあな一夏。もう会う事は無いと思うが………元気でな」

 

「ああ………お前こそ。ネプテューヌさん達と仲良くな」

 

「言われるまでも無い」

 

一夏とバーニングナイトはそう笑みを交わして拳をぶつけ合う。

 

「それにしても、シオンの妹がまさか生きていたとはね………驚きだわ」

 

翡翠を見つめながらそう言ったのはブラックハート。

 

「えと………月影 翡翠です。以後お見知りおきを…………」

 

そう言って頭を下げる翡翠。

相手が女神だと教えてもらい、緊張しているらしい。

 

「うん! よろしくねヒスイちゃん! 私はお姉ちゃんの妹のネプギア。こちらこそよろしくね!」

 

義姉妹に当たる2人は見た目が近い事もあってかすぐに仲良くなる。

すると、

 

「おい! そろそろ時間だぞ! 早く戻らねーと!」

 

ホワイトハートが時間を見て帰還を促す。

それに伴って、グリーンハートがアイエフを、ブラックハートがコンパを、ネプギアが翡翠を抱き上げ、空へと飛翔する。

すこし遅れてバーニングナイトとパープルハートも空へと飛び立ち、最後に一夏達に振り返る。

見れば、一夏達は手を振っていた。

バーニングナイトもそれに答えるように軽く手を挙げ、それから振り返って次元ゲートへと向かい始める。

ホワイトハート、グリーンハート、ブラックハート、ネプギアの順で次元ゲートを潜っていく。

バーニングナイトより先に先行していたパープルハートは次元ゲートの前で止まるとバーニングナイトの方へ振り返って右手を伸ばす。

そして、

「……………お帰り、シオン!」

 

微笑みを浮かべてそう言った。

それを見たバーニングナイトも笑みを浮かべ、

 

「ああ…………ただいま、ネプテューヌ…………」

 

その言葉と共に左手をその右手に重ねると、手を繋ぎながら共に次元ゲートを潜っていく。

やがて次元ゲートが閉じて青空が広がった。

 

 

 

 

 

 

これは一つの物語。

彼らの先にはまだ無数の物語が待ち構えているだろう。

しかし、それを語るのはまたいずれ………

それではまた別の機会に…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ノーマルEND】

 

 

 

 

 





はい、Aルート最終話です。
題名通り有り触れたテンプレ最終話でした。
福音は四女神+ネプギア、紫苑でフルボッコ。
と言うか、1人でオーバーキルだったと思わないでもない。
まあ、最後ぐらいはド派手に行きたかったので………
さて、Aルートが終わったことで次は選択肢まで戻ってBルートが始まります。
どんな物語になるかお楽しみに。
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