超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第2話 歓迎の剣舞(ソードダンス)

 

 

 

 

紫苑がプラネテューヌの教会に来てから数日後。

今日、プラネタワーでプラネテューヌの…………

いや、ゲイムギョウ界の歴史を変える式典が行われていた。

街中に空間モニターが投影され、その様子が放映されている。

それは、紫苑に宛がわれた部屋でも同じだ。

紫苑はソファーに腰かけてその放送を見ている。

 

『ゲイムギョウ界に遍く生を受けし皆さん。新しき時代に第一歩を記すこの日を皆さんと共に迎えられることを、喜びたいと思います。ご承知の通り近年、世界から争いが絶えることがありませんでした』

 

そう演説するのは黒いドレスを身に纏った、変身したネプテューヌこと女神パープルハート。

 

『女神ブラックハートの治める『ラステイション』』

 

その言葉と共に、長い銀髪に翡翠の瞳をもった女神が歩み出す。

 

『女神ホワイトハートの治める『ルウィー』』

 

やや短めの水色の髪とルビー色の瞳をもった女神が映る。

 

『女神グリーンハートの治める『リーンボックス』』

 

翠の髪と紫の瞳を持ち、豊満な乳房を揺らす女神が歩く。

 

『そして私、パープルハートの治める『プラネテューヌ』』

 

4人の女神が式場の四方からそれぞれ歩み寄り、中央辺りに来ると、それぞれの足元に光の足場が現れ、上昇していく。

 

『4つの国が、国力の源であるシェアエナジーを競い、時には女神同士が戦って奪い合う事さえしてきた歴史は、過去のものとなります。本日結ばれる友好条約で、武力によるシェアの奪い合いは禁じられます。これからは国をより良くすることでシェアエナジーを増加させ、世界全体の発展に繋げていくのです』

 

上昇していた足場がある一定の高さで止まり、それぞれの女神は再び前に歩き出す。

一歩歩くごとに新しい足場が現れ、それぞれの道を作っていく。

そして4人の女神が中央に集まり、手を取り合って目を閉じながら空を仰ぎ、誓いの言葉をその口から紡ぐ。

 

『『『『私達は過去を乗り越え、希望溢れる世界を作ることを、ここに誓います』』』』

 

ここに4国の友好条約が結ばれ、祝福の花火が打ち上げられた。

 

 

 

 

 

やがて夜になり、記念のパーティーがプラネタワーの展望デッキで行われていた。

展望デッキの手摺に手を掛けながら、パープルハートが夜景に目を向けながら静かに佇んでいる。

その姿は、名作の絵画の一枚にも思えるほど。

だが、パープルハートが光に包まれると、

 

「ひゃっほう! 終わった終わったぁ!」

 

ネプテューヌに戻り、先ほどのクールな雰囲気をぶち壊すような活発なノリでビシッと三本指のピースサインを決める。

その様子を呆れた様子で見ている3人の女神。

その中の一人、銀髪の女神『ブラックハート』が溜息を吐き、手に持っていたグラスをテーブルに置くと、

 

「相変わらず落差が激しいわね、ネプテューヌは」

 

そう言いながら光に包まれ、黒髪をツインテールにした女子高生ほどの年齢の少女の姿になる。

 

「それよりも如何? 如何? 如何!? ノワール! 私のスピーチ!?」

 

その少女の姿となったブラックハートを『ノワール』と呼び、勢い良く詰め寄るネプテューヌ。

その勢いにノワールは若干押され気味になりながらも、

 

「ま、まあ悪くは無かったわよ………どうせイストワールが書いたんだろうけど………」

 

「ぶう…………」

 

そう答えたノワールの言葉にネプテューヌはぶー垂れて、それを見ていたネプギアが苦笑する。

その通りであった。

 

「けどテメーだけが目立つ役だったのは納得いかねえな!」

 

ややガラの悪い口調で話すのは、水色の髪の女神ホワイトハート。

そう言いながらホワイトハートも光に包まれる。

 

「んもー! ブランったら! それは言いっこなしだよ~!」

 

ネプテューヌに『ブラン』と呼ばれたホワイトハートを包んでいた光が消えると、

 

「じゃんけんで決めたのは後悔してる…………」

 

物静かな雰囲気の茶髪の少女が現れた。

 

「まあいいじゃありませんか」

 

そう言うのは翠の髪の一番大人びた女神グリーンハート。

グリーンハートも光に包まれる。

そして光が消えると、

 

「いまさら言っても大人げないですし」

 

やや高圧的だった雰囲気が鳴りを潜め、包容感に溢れた長い金髪の女性に変わる。

その大きな胸だけは変わりなかったが。

 

「そうそう。ベールの言う通り、私達、今は敵じゃなくて仲間なんだから!」

 

ネプテューヌはそう言いながらそれぞれにカクテルの入ったグラスを手渡し、

 

「…………ねっ?」

 

最後にグラスを掲げる。

3人の女神もそれに応えるようにグラスを掲げ、カチンと4つのグラスが当たる音が鳴り響いた。

そんな感動的な場面の中、ネプテューヌは何かに気付いたようにデッキの出入り口に振り向き、

 

「あっ、シオーン! こっちこっち!」

 

大きく手を振った。

出入り口の前には紫苑が居たのだ。

紫苑はネプテューヌに気付くと、少々居心地悪そうな表情をしながらネプテューヌの方に歩いてくる。

紫苑が居心地悪そうにしているのは、パーティー参加者の全員が正装しているのに対して紫苑が私服だと言う事も理由の一つなのだが、

 

「なあネプテューヌ…………パーティーに招待してくれるのは嬉しいんだが、やっぱり俺みたいな新参者が大事な記念式典のパーティーに参加するのは気が引けるんだが…………」

 

こういう事である。

それに対しネプテューヌは、

 

「もう! またシオンはそんなこと言う! シオンはもう立派なプラネテューヌの一員なんだからね!」

 

「そうは言ってもな…………」

 

「私が良いって言ってるんだから良いの! それに、パーティーって言ってももう終わりかけてるし、こっからはシオンの歓迎会っていう意味もあるんだよ!」

 

そこまで言われてしまえば紫苑はもう頷くしかなかった。

 

「はあ、分かったよ…………ありがとう」

 

「それでよし!」

 

ネプテューヌは満足そうに笑う。

すると、

 

「ネプテューヌ………誰よその子?」

 

ノワールが代表して質問する。

 

「あっ、紹介するね! こっちはシオン。ちょっと前からプラネテューヌの一員になったんだ」

 

ネプテューヌにそう紹介され、紫苑は身なりを正し、

 

「月影 紫苑です。お見知りおきを」

 

礼儀正しくそう挨拶した。

ネプテューヌ達にはフランクに接するよう言われているので普段通りにしているが、ノワール達は他国の女神なので、一応の礼儀は通していた。

 

「シオンってば、かったーい! 私達と同じように喋ればいいよ~!」

 

「いや、そういう訳にもいかんだろ?」

 

ネプテューヌに突っ込まれ、紫苑はそう言う。

 

「まあ、私達もそこまで礼儀にとやかく言う事は無いわ。あなたの思うようにすればいいわ。私はノワール。ラステイションの女神よ」

 

「私はブラン…………ルウィーの女神よ…………喋り方は好きにすればいいわ…………」

 

「わたくしはリーンボックスの女神、ベールと言います。同じく気軽に話しかけてくださいな」

 

3人の女神がそう言う。

 

「は、はあ…………よろしく…………」

 

かなり緊張していた紫苑だが、年頃の少女のにしか見えない反応に、若干脱力する。

 

「それでね、シオンはゲイムギョウ界とは違う世界から来たんだよ!」

 

ネプテューヌはいきなり暴露する。

 

「違う世界?」

 

「そう、チキュウっていう所のニホンって国から来たんだって」

 

「俄かには信じられない…………」

 

「え~? 本当だよ~」

 

「まあ、何方でもいいじゃありませんか。シオンさんはゲイムギョウ界の新しい仲間。それでいいじゃありませんか」

 

それぞれは違った反応を示す。

 

「でねでね! シオンってば剣技も凄いんだよ!」

 

ネプテューヌが喋り出した。

 

「何日か前にモンスターの群れの襲撃を受けたんだけど、シオンのお陰で犠牲者が出なかったんだから!」

 

「へぇ~、やるじゃない」

 

ノワールが感心した声を漏らす。

 

「いや、それは…………」

 

「そうだよ~! 多分、女神化する前なら私より強いんじゃないかな?」

 

紫苑が口を開こうとした所でネプテューヌが更に言葉を被せ、シオンを持ち上げる言動をする。

すると、ノワールが鋭い視線を紫苑に向ける。

 

「ネプテューヌがそこまで言うなんて相当の使い手なのね。同じ剣を扱う者としては興味あるわ」

 

「ま、まあそこそこ……………?」

 

ノワールの鋭い視線に紫苑は少し引く。

すると、

 

「ねえ、私と勝負してみない?」

 

「へっ?」

 

「だから勝負よ勝負! 剣の試合をしてみない? って言ってるの。 ああ、もちろん変身はしないわ」

 

突然言われたことに紫苑は戸惑う。

 

「え………いや、でも…………友好条約の記念パーティーの場でそんなことするのは色々と問題じゃ?」

 

「お互いが合意の上なら問題ないでしょ? パーティーの丁度いい余興にもなるし、これも一つの友好の証よ!」

 

「え~っと…………?」

 

紫苑は自分では決められない為ネプテューヌを見る。

 

「頑張れ~シオン! ノワールなんてやっつけっちゃえ!」

 

「いや、友好国の女神様相手にそんな事言っていいのかよ!?」

 

ネプテューヌは既にノリノリだ。

 

「ネプテューヌの言い方に少し気になるところがあるけど、それは置いておくわ。とりあえず、許可が出たってことでいいのよね?」

 

ノワールも既にやる気満々である。

 

「はぁ…………」

 

紫苑は一度溜息を吐くと、真剣な目付きでノワールを見た。

 

「勝負と言うからには、俺も手加減はしません。構いませんか?」

 

「望むところよ」

 

紫苑の言葉に、ノワールは歓迎だと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 

「では、わたくしが立会人を務めましょう」

 

そう言ってベールが立候補する。

 

「ええ、頼むわ」

 

ノワールがそう言うと、2人はスペースが空いたところに移動する。

2人は5mほど離れた位置で向き合い、紫苑は刀を呼び出し鞘から抜くと、鞘を収納して霞の構えを取る。

一方、ノワールは片手直剣を呼び出してそれを構える。

 

「始める前に言いますが、これはあくまで試合です。お互いに怪我をさせないよう、また、どちらが勝利しても、どちらが敗北しても、遺恨を残さぬようにお願いいたしますわ」

 

「ええ」

 

「はい」

 

ベールの言葉に2人は頷く。

 

「それでは……………」

 

ベールが右手を上げる。

そして振り下ろすと同時に、

 

「始め!」

 

開始の合図が出された。

その瞬間、

 

「やぁあああああああああっ!!」

 

「はぁあああああああああっ!!」

 

2人は同時に地面を蹴り、相手に向かって飛び掛かる。

紫苑の刀が両手で袈裟懸けに振るわれ、ノワールの剣が片手で横薙ぎに振るわれる。

互いの剣筋がぶつかり合い、火花を散らしたかと思うと、

 

「くぅっ!?」

 

紫苑が呻き声を上げて、弾かれるように後退した。

ノワールは片手で、紫苑のそれなりに本気で振るった一撃を容易く弾き返したのだ。

 

「片手なのになんつー威力だ………!」

 

ビリビリと両手が痺れるほどの衝撃に紫苑は声を漏らす。

ノワールは余裕の表情で、

 

「いくら変身してないとは言っても、女神の身体能力は並じゃないのよ!」

 

得意げにそう言う。

 

「そのようで…………」

 

紫苑は気を取り直して前を向く。

再びノワールが剣を構え、

 

「さあ! どんどん行くわよ!」

 

紫苑に斬りかかってきた。

対して紫苑は受け止めるのは悪手と判断し、身体を沈み込ませることで横薙ぎに振るわれたノワールの剣を躱す。

そのまま懐へ飛び込み、切り上げを放つ。

だが、ノワールは即座に剣を引き戻し、防御したためにその一撃は受け止められた。

 

「やるじゃない!」

 

「そうそう簡単には負けられませんよ!」

 

互いに弾き合い、間合いが開く。

だが、間髪入れずにノワールが飛び込み、連続で剣を振るう。

 

「ふっ! はっ!」

 

対して、紫苑はその剣を直接受け止めるのではなく、受け流すことによって後退しながら上手く捌いていく。

 

(………ッ! なんて技量してるのよこの子………! 身体能力は圧倒的に私の方が上の筈なのに、苦も無く受け流される………!)

 

ノワールは内心驚愕していた。

並の使い手なら一撃で剣を弾き飛ばしてもおかしくない自分の剣が、何度振るっても決定打を生み出すことが出来ないことに。

そして、それは観戦していた他の女神達も同様だった。

 

「やりますわね、あの子…………」

 

「ええ………身体能力で勝るノワールの剣を易々と捌いている…………並の使い手なら初手で勝負が決まっていてもおかしくないわ………」

 

「ネプテューヌが言うだけの事はありますわね…………」

 

ベールとブランが紫苑をそう評すると、

 

「どーだ! シオンは凄いんだぞー!」

 

ネプテューヌはえっへんと胸を張る。

 

「何でネプ子が誇らしげなのよ…………」

 

アイエフが突っ込む。

 

「でもでも~、ねぷねぷがそう言いたくなる気持ちもわかるですよね~。私から見ても~、シオ君が凄いのは分かりますから~」

 

「まあ、悔しいけど私じゃ勝てないのは確かね」

 

コンパの言葉にアイエフも溜息を吐きながら同意する。

 

「で、でも、お姉ちゃんの方が押してるわよね!」

 

若干焦った雰囲気でそう言ったのは、ノワールと同じ黒髪で、顔立ちもノワールによく似たノワールの妹の女神候補生ユニ。

姉を尊敬している彼女にとって、普通の人間のシオンがノワールと互角に戦っているのが信じられないのだろう。

 

「でも、攻め切れていないのは確かだよ」

 

ネプギアも若干驚いた表情でそう言う。

 

「あの男の子………凄い………」

 

「うん………本当に凄い………」

 

そう言うのはブランの妹で双子の女神候補生ロムとラム。

それぞれが紫苑の評価を上方修正する中、紫苑はノワールの剣を捌き続けていた。

 

(……………大体呼吸はつかめてきた…………なら!)

 

紫苑は心の中でそう思うと、

 

「………えっ!?」

 

ノワールが声を漏らす。

何故なら、一瞬たりとも気を抜かずに紫苑を注視し続けていたノワールの視界から、紫苑が突然消えたのだ。

 

「……………ッ!?」

 

その瞬間、背後に悪寒を感じ、ノワールは振り返ると同時に直感のまま剣を縦に構えて防御姿勢を取った。

その刹那、甲高い金属音が響き渡り、いつの間にか背後に移動した紫苑が刀を振るっていた。

 

「くっ………!?」

 

ノワールは冷や汗が流れるのを感じた。

 

(何…………今の………?)

 

何とか防げたが、ノワールは内心驚愕していた。

しかし、今度は見逃さないと言わんばかりに集中力を高める。

だが、

 

(…………ッ!? また!)

 

再びノワールの視界から紫苑が消える。

 

「………ッ! 右っ!」

 

ノワールは咄嗟に悪寒を感じた右側を防御し、一瞬後に紫苑の剣がノワールの剣にぶつかる。

 

「ッ…………!?」

 

ノワールの表情から余裕が消える。

 

(まただ………! 決して目で追えない速さじゃない…………なのに、見失う!?)

 

そう思った瞬間、再び紫苑の姿が消えた。

 

「くっ!」

 

何故か見失ってしまう紫苑を相手に、ノワールは徐々に防戦一方となっていく。

 

「お、お姉ちゃん!? どうしちゃったの!?」

 

その様子を見ていたユニが思わず叫ぶ。

先程まで攻めていたノワールが突然防戦一方になった事を怪訝に感じていた。

他の女神候補生たちも食い入るようにその光景を見つめていた。

防戦一方となっていたノワールだが、

 

「こん………のっ!」

 

やや強引に防御状態から剣を振り上げ、紫苑の剣をはじき返した。

 

「ッ!?」

 

紫苑は驚いた表情になり、剣を持っていた右手が大きく跳ね上げられ、決定的な隙を晒してしまう。

 

「貰ったわ!」

 

ノワールは勝利を確信し、振り上げた剣を切り返して振り下ろす。

そして次の瞬間、

 

「なっ!?」

 

甲高い音が鳴り響き、ノワールの手から剣が弾き飛ばされた。

ノワールの剣がクルクルと回転しながら宙を舞い、ノワールの後方の地面に刺さった。

呆然とするノワールの眼前に、紫苑の刀の剣先が突きつけられる。

 

「ッ…………!?」

 

「油断大敵…………ですね?」

 

そう言う紫苑の左手には、刀の鞘があった。

先程は鞘による打撃でノワールの剣を弾き飛ばしたのだ。

 

「そこまで!」

 

ベールが決着を宣言する。

すると紫苑は刀を引いて鞘に納めて一礼する。

 

「ありがとうございました」

 

紫苑がそう言ったとき、

 

「ひ、卑怯よ! そんな騙し打ちみたいな真似………!」

 

ユニが紫苑を指さして叫ぼうとするが、

 

「やめなさい、ユニ」

 

ノワールの静かだが強い口調の声に止められた。

 

「お、お姉ちゃん……………」

 

「戦いに鞘を使っちゃいけないなんてルールは無いし、今のはどちらにしても私の負けよ」

 

「えっ?」

 

「今の不意打ちも、私が負けた言い訳にできるようにその方法を選んだだけよ。違うかしら?」

 

ノワールはそう言いながら紫苑を見る。

 

「そ、そんな事は…………」

 

紫苑は否定しようとしたが、

 

「あまり見くびらないで欲しいわね。これでも相手との力量差ぐらいわかるつもりよ。第一、あれだけ余裕で受け流されてるのに、反撃が少なかったのはおかし過ぎるわ」

 

「………………」

 

紫苑は黙り込んでしまう。

 

「それで? あなたから見て私の剣技はどうだったかしら? 正直な評価をお願いするわ」

 

ノワールの言葉に、紫苑は溜息を吐く。

 

「…………あなたの剣からは長い期間努力を続けてきた痕跡が伺えました。きっと、女神になっても努力を怠らなかったのだろうと思います。ですが、女神の身体能力の高さゆえに、細かな技術が疎かになり、力尽くになる印象を多々受けました。並の相手やモンスターなら問題ないのでしょうが、剣技を極めた相手には致命的となりうる隙です」

 

「なるほど…………」

 

ノワールは腕を胸の前で組んで頷く。

そして紫苑に向き直ると、

 

「ありがとう、参考になったわ。私もまだまだね」

 

そう言って踵を返すと、地面に刺さっていた自分の剣を抜いてストレージに収納する。

紫苑も刀を収納すると、

 

「やったねシオン!」

 

「おわっ!?」

 

突然ネプテューヌに抱き着かれた。

紫苑は思わず顔を赤くする。

 

「あれ? どうかした?」

 

ネプテューヌは無自覚なのか首を傾ける。

 

「な、何でもない………!」

 

紫苑は慌てて顔を逸らす。

 

「そ、それよりも近いんだけど…………」

 

紫苑が現在の状況を簡単に説明すると、

 

「あ、ごめん」

 

ネプテューヌは特に何も意識していないのか、目立った反応は見せずに普通に離れる。

そんな一人で慌てる紫苑を見て、

 

「シオ君、ねぷねぷの事意識してますね~」

 

「まあ、14歳って言ってたし、年相応の反応だと思うわよ」

 

コンパとアイエフが微笑ましそうに見つめる。

 

「最初の頃に比べれば、シオンさんも大分馴染めてきてますね。この様子ならこれからも大丈夫でしょう」

 

イストワールがそう言いながら微笑み、これからの未来に思いを馳せた。

 

 

 

 

 

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