超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第25話 再会の夏休み(サマータイム)

 

 

 

 

臨海学校から暫くして…………

 

「う~~………あ~つ~い~~~~~!」

 

プルルートが暑さから部屋の中でダレていた。

8月に入り、IS学園も夏休みとなった今日だが、紫苑や翡翠、ゲイムギョウ界組は当然ながら帰郷する所が無く、IS学園の寮に留まっている。

しかも間の悪い事に紫苑達の部屋のエアコンが故障し、修理してもらえるよう業者に頼んだのだが、来れるのが本日の夕方という事で、今日1日はエアコン無しで生活しなければならなかった。

因みに同室である楯無は、オーバーホールしていた専用機が間もなくロールアウトするという事で国家代表の国であるロシアに行っている。

 

「う~~~~……………」

 

ピーシェも暑さに参っているのか、いつもの元気さが無い。

紫苑はベッドに腰かけて団扇で自分を仰いでおり、ネプギアはずっと机に向かって何かをカチャカチャと弄っている。

 

「むう………………」

 

何故か居るラウラは平然としている様だがその頬には汗が流れている。

すると、

 

「出来たっ!」

 

机からネプギアが立ち上がった。

 

「ん? 最近ずっと机に向かってたけど、何やってたんだ?」

 

紫苑が尋ねる。

 

「それはね………」

 

ネプギアが言いかけた時、部屋の扉がトントンとノックされ、

 

「お兄ちゃん、入るよ?」

 

返事も待たずに部屋に入ってきたのは紫苑の妹の翡翠。

すると、

 

「あ、翡翠ちゃん。丁度良かった!」

 

ネプギアは先程まで弄っていた物を抱えて翡翠に駆け寄る。

 

「はいこれ! 義手の改良が終わったよ!」

 

そう言って差し出したのは、翡翠の義手だ。

よく見れば、翡翠の右腕には今は何も付いていない。

ネプギアはすぐに翡翠の右腕に義手を取り付ける。

その行動の早さに翡翠は若干引き気味になるが、確かめる様に義手の掌を数回握ったり開いたりした。

 

「あっ! 凄い! 今まであった微妙な反応のロスが無くなってる! まるで本当の手を動かしてるみたい!」

 

翡翠が驚きながらそう言う。

 

「予備のビームソードの小型ジェネレーターを流用して、更に制御回路にも改良を加えて反応速度を限界まで引き上げてみたんだ。それにいろんな機能を追加してみたよ」

 

「機能?」

 

「うん、ここをこう開くと…………」

 

ネプギアがそう言いながら義手の手首と肘の間を触ると、パカっと蓋のように開き、電卓のようなキーボードと画面が現れる。

 

「1のキーを押して決定キーを押してみて」

 

「こう?」

 

翡翠が言われた通り1のキーを押した後に決定キーを押す。

すると、手の甲からビームソードが発生する。

 

「わっ!? 何これ!?」

 

翡翠は思わず驚いて問いかけた。

 

「特殊機能その1、ビームソードだよ! 2番にはビームガン、3番にはシールド、4番には…………」

 

「ちょ、ちょっと待って! 一体幾つの機能を付けたの!?」

 

一気に捲し立てようとするネプギアの言葉を遮って、翡翠がそう問いかける。

 

「特殊機能は全部で108個まであるんだよ! 完全防水機能やスタンガン、ロケットパンチとかも…………!」

 

熱く語るネプギアの眼は、キラキラと輝いている。

 

「ほう…………その義手にそれだけの機能を付けるとは………軍の装備に欲しいぐらいだ」

 

何故か感心するラウラ。

 

「ひゃ、ひゃくはち…………」

 

翡翠は唖然とし視線を紫苑へ向ける。

 

「メカオタの本領発揮だな、ネプギア………」

 

紫苑は呆れた様に呟く。

紫苑はこのままだとネプギアが止まりそうにないので口を開いた。

 

「ところで翡翠、何か用があったんじゃないのか?」

 

紫苑の言葉で翡翠はハッとして、

 

「あ、そうだった。ねえ、お兄ちゃん達って今日暇だよね?」

 

「ああ、特に予定はないけど…………」

 

「じゃあさ、ここに行かない?」

 

そう言って翡翠が取り出したのは5枚のチケット。

紫苑はその内の1枚をとると、

 

「ウォーターワールド?」

 

「そう、今月出来たばかりのレジャー施設なんだって。その名の通りプールが中心になってる施設らしいよ」

 

「ふーん…………ん? でもここには6人いるからチケットが1枚足りなくないか? それとも当日券が買えるのか?」

 

「当日券は開場2時間前までに並ばないと買えないらしいよ。でも大丈夫。今は開店サービス期間で幼稚園児以下は無料だから!」

 

「……………なるほど」

 

紫苑はそう言いながらピーシェに視線を向ける。

 

「ピーシェちゃんなら幼稚園児で十分に通用するでしょ?」

 

「確かに…………」

 

ピーシェは女神になっているので見た目よりも実年齢は上だが、外見、性格ともに5歳児と変わりないので問題ないだろう。

 

「それじゃあ、せっかくだし行くか!」

 

こうして一行のウォーターワールド行きが決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウォーターワールドに到着し、男女分かれて着替えた一行は、プールエリアの入り口付近で待ち合わせしていた。

唯一の男である紫苑は集合場所に最初に来て、他の5人を待っている。

すると、

 

「ちょっとそこのアンタ達! 危ない真似しちゃダメじゃない!」

 

監視員らしき女性の声が館内に響く。

どうやら客の誰かが危険行為をした様だ。

 

「……………なんか今の声、ユニの声に似てたな」

 

紫苑はふとそう思う。

 

「ま、こんな所にユニが居るわけないか…………」

 

紫苑はまさかと首を振り、プルルート達を待つ。

暫くして、

 

「お待たせ~」

 

プルルート、ピーシェ、ネプギア、翡翠、ラウラが水着に着替えてやってきた。

 

「おう。皆似合ってるぞ」

 

そう返す紫苑。

 

「えへへ~」

 

その言葉にプルルートは嬉しそうに笑みを零した。

6人はそのままプールに行くために歩いていく。

その際、周りの男達から4人の美少女+幼女1人を侍らせているように見える紫苑に殺気が飛ばされてきたが、その程度の殺気は紫苑にとって温い以外の何物でも無かったので余裕でスルーしていた。

 

 

6人がその場を離れた後、監視係のジャケットを羽織った水着姿の黒髪の少女がその場に現れた。

 

「はあ…………」

 

その少女はいきなり溜息を吐く。

 

「ここに来て暫く経つけど、帰る手掛かりが一向に掴めないなんて…………」

 

そう呟き、項垂れる少女。

 

「うまい事住み込みのバイトにありつけたのはラッキーだったけど…………これも何時まで続けられるか…………」

 

その少女は暫く俯いていたが、

 

「よし! 先の事を気にしててもしょうがない! 今は目の前の事を頑張ろう!」

 

顔を上げて気合を入れ直すようにそう言うと、少女は仕事に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

紫苑達6人の中で、一番はしゃいでいたのは当然ながらピーシェであった。

形は小さいながらも、女神に違いは無いのでその性格も相まってパワフルにはしゃいでいる。

ぶっちゃけ紫苑が常にシェアリンクしていなければ抑えられないほどに。

とりあえず周りに被害が及ばないように注意しながらピーシェの面倒を見ている紫苑。

その様子を水に浸かりながら微笑みながら見ているプルルート。

ネプギアと翡翠はラウラを巻き込む形で一緒に色々なアトラクションを回っていた。

そんな時、

 

『では! 本日のメインイベント! 水上ペア障害物レースは午後1時より開始いたします! 参加希望の方は12時までにフロントへとお届けください! 優勝賞品はなんと沖縄5泊6日の旅をペアでご招待!』

 

という放送が流れた。

紫苑はそれほど興味は無かったのだが、

 

「ねえねえお兄ちゃん。私とギアちゃんで出場してきていい?」

 

と翡翠が立候補したため、紫苑は了承した。

 

 

 

 

 

「さあ! 第1回ウォーターワールド水上ペア障害物レース、開催です!」

 

司会役の女性が大きくジャンプし、大胆なビキニから豊満な胸が溢れそうになる。

観客の男性陣からは大きな歓声が上がっている。

だが、紫苑は顔を逸らしている。

何故なら、紫苑の後ろではプルルートが異様なプレッシャーを放ちながら紫苑をニコニコと見つめていたからだ。

 

「さあ皆さん! 参加者の女性陣に今一度大きな拍手を!」

 

巻き起こる拍手の嵐。

 

「ねぷぎあ! ひすい! がんばれー!!」

 

歓声に混じってピーシェが出場している2人に声援を送る。

それが聞こえたのか翡翠とネプギアはこちらに向かって手を振った。

と、その時紫苑は見覚えのある金髪縦ロールと、茶髪のツインテールを見つけた。

 

「………あれ? あいつ等ってセシリアと鈴か? あいつらも来てたのか………それにしても、あいつ等2人で来るとは………あいつ等なら一夏を誘ってきそうなんだが…………」

 

「一夏なら、臨海学校の時の無断出撃の首謀者という事で他の専用機持ち4人より重い懲罰トレーニングを受けている筈だぞ」

 

紫苑の疑問にラウラが答える。

ラウラの言う通り、鈴音の手に入れたチケットの日時と一夏の都合が合わず、鈴音は仕方なくセシリアと来たのだった。

 

「なるほど…………」

 

紫苑達を他所に、司会の女性がルール説明を始める。

簡単に言えば、何でもいいのでプール中央のワイヤーで空中に吊り下げられている浮島に辿り着き、フラッグを取ったペアが優勝との事だ。

ただ、コースはショートカットが出来ないように工夫されており、プールを泳いでゴールにたどり着くことは出来ない。

いや、プールを泳げても、スタート地点以外では、島に上がることが出来ないのだ。

更に、障害物はペアでなければ抜けられないという面倒なものだ。

ついでに、このレースは妨害OKで、怪我をさせなければ基本何やっても良いらしい。

 

「明らかにアクシデント狙いな悪意がプンプンするな………」

 

ルール説明を聞いて紫苑は呆れた様にそう漏らす。

 

「さあ! いよいよレース開始です! 位置について、よーい………!」

 

司会の女性の声に合わせて出場者の全員がスタート体勢に入る。

そして、パァンッ! と競技用のピストルが鳴り響き、一斉に駆け出した。

スタートした瞬間、一番目立ったのはセシリアと鈴音だった。

 

「セシリア!」

 

「分かっていますわ!」

 

足を引っかけようとした相手をジャンプで躱し、1番目の島に着地すると、更に向かってきた相手を躱す序に逆に足を掛けて水面へと落とす。

しかし、それがきっかけとなり、妨害組の目標は全てセシリアと鈴音に向かって行った。

軍隊と同レベルの訓練を受けている代表候補生とは言え、これだけの大人数に向かってこられればどうしても足は止まる。

その隙に先行逃げ切りの真面目組はどんどんと先に進んでいく。

ネプギアと翡翠も楽しみながら2人で障害物をクリアしている。

このままでは置いて行かれると判断した2人はとんでもない暴挙に出た。

それは、妨害組の水着を奪い取るというとんでもない方法で、妨害の追跡を振り切り、代表候補生としての身体能力をいかんなく発揮して2人でクリアしなければならない障害をそれぞれ単独でクリアし始め、彼女達の独壇場が始まった。

 

 

 

 

 

 

イベント会場とは別のプールエリアの監視台の上に、先ほどの監視員のジャケットを羽織った黒髪の少女が座っていた。

わぁぁぁっ、と突然聞こえてきた歓声に彼女は何事かと振り返った。

 

「ああ、そっか………確か今日はイベントがあるって言ってたっけ…………」

 

彼女がそう呟いた時、別の監視員のジャケットを羽織った女性が近付いてきた。

 

「お疲れ様、交代の時間だよ!」

 

「あ、はい! よろしくお願いします!」

 

彼女はそう言いながら監視台から降りる。

すると、

 

「知ってると思うけど、今は向こうのプールエリアでイベントの障害物競走をやってるの。興味があるなら見てきたら? もうスタートしてると思うけど、ゴールするまでには間に合うかもしれないわよ」

 

「………そうですね、ちょっと覗いてみます」

 

彼女は少し考えた後、そう答えてイベント会場へ向かって行った。

 

 

 

 

 

イベント会場ではセシリアと鈴音が凄まじい勢いで次々と障害物をクリアしていき、最後の第5の島へたどり着いたところだった。

ネプギアと翡翠は2番手で第4の島をクリアしたのだが、第5の島へたどり着く前にセシリアと鈴音に抜かれてしまった。

たが、セシリアと鈴音が第5の島へ辿り着いた時、トップのコンビが反転し、2人に向かってきたのだ。

2人は全力疾走で疲労したのだが、ただの一般人に負けるわけはないとタカを括っていたのだが、

 

「ふたりは先のオリンピックでレスリング金メダル、柔道銀メダルの武闘派ペアです! 仲が良いのは聞いていましたが、競技が違えど息はピッタリですね!」

 

という司会者の言葉と、実際に見た彼女達の『マッチョ・ウーマン』と呼ぶべき鍛え抜かれた体を見てその余裕は吹っ飛んだ。

流石にこの2人と格闘戦は不利と判断し、セシリアと鈴音は後ろに跳ぶが浮島なのでその後ろに逃げ道は無い。

更にネプギアと翡翠も第5の島へ辿り着いたところだった。

 

「こうなったら…………! セシリア!」

 

鈴音がセシリアに呼びかける。

 

「な、なんですの!?」

 

「アタシに策がある! 突っ込んで!」

 

「は!? わたくしが前衛!?」

 

「そうよ! 迷ってる暇はないから!」

 

「ああもう!」

 

何も策が無いセシリアは鈴音を信じて2人に向かって行く。

すると、

 

「セシリア、そこで反転!」

 

「え?」

 

大声にセシリアが振り返った瞬間、鈴音がセシリアの顔を踏んづけて更に跳躍した。

鈴音はそのままゴールにあるフラッグを手に取る。

この瞬間セシリアと鈴音のチームの勝利が決まったのだが、踏み台にされたセシリアはそのままマッチョペアのタックルを諸に受けて浮島から落下。

数メートル下の水面へと落ちていった。

どっぼーんと高い水柱を築いたセシリアに鈴音は言った。

 

「ありがとうセシリア。アンタのお陰よ」

 

良い話で終わらせようとしている鈴音だがやったことはセシリアを犠牲にしただけだ。

しかし、犠牲にされた方は堪ったものでは無い。

更にその本人はプライドが高いため、そのような扱いを受けて黙っていられるわけは無かった。

 

「ふ、ふ、ふ…………」

 

凄まじく重い笑い声が響く。

次の瞬間、先ほどの倍ぐらいの水柱が立ち、

 

「今日という今日は許しませんわ! わ、わたくしの顔を! 足で! ――鈴さん!!」

 

ブルー・ティアーズを展開したセシリアが水柱の中から現れた。

 

「はっ、やろうっての? ―――甲龍!」

 

対する鈴音も即座に甲龍を展開する。

 

「な、なっ、なぁっ!? ふ、2人はまさか――IS学園の生徒なのでしょうか!? この大会でまさか2機のISを見られるとは思いませんでした! え、でも、あれ? ルール的にどうなるんでしょう………?」

 

司会の女性が困惑と興奮が入り混じった声を上げる。

 

「アイツらまさか………!」

 

紫苑が2人の様子を見て危機感を覚える。

 

「こんな所で戦う気か!? 観客に被害が出るぞ!」

 

ラウラも2人の軽率な行動にそう叫ぶ。

 

「ぜらぁぁぁぁっ!!」

 

「はあぁぁぁぁっ!!」

 

2つの刃がぶつかり合う。

 

「ティアーズ!」

 

すぐさまビットを射出するセシリア。

だが、

 

「甘いっての!」

 

鈴は、足のスラスターを巧みに使って、距離を離しては寄せ、近付いては下がるを繰り返す、所謂対狙撃制動でセシリアの狙いを絞らせない。

 

「くっ! 対狙撃制動とは……………相変わらずやりますわね!」

 

「衝撃砲はあんたのと違って早いのよ! ほらほらぁっ!」

 

逆さまの体勢から衝撃砲の3連射。

1発はセシリアに当たるがもう2発は外れ、プールに直撃。

一部が爆散する。

 

「馬鹿かあいつらは!? やり過ぎだ!」

 

「愚か者共が! 自分の立場というものを理解しているのか!?」

 

単純に頭に血が上っただけでISを展開し、いきなり戦いを始めた2人に紫苑とラウラは悪態を吐く。

 

「ええい! 規則違反だが仕方ない! ラウラ、2人を止めるぞ!」

 

「了解した!」

 

2人はピーシェをプルルートに任せ、ISを展開し、セシリアと鈴音を止めるために飛び立つ。

だが、鈴が青龍刀で斬りかかり、セシリアはあえてライフルでその刃を受ける。

 

「動きが止まれば、こちらのテリトリーですわ!」

 

セシリアは、残り2つのビットを射出した。

 

「この距離なら衝撃砲の方が早い!」

 

鈴も負けじと衝撃砲を最大出力でチャージする。

 

「やばい………!」

 

「間に合わん……!」

 

今にも一斉射撃を行おうとする2人に紫苑とラウラが声を上げる。

紫苑は今から射撃武器を展開しても間に合わず、ラウラのレール砲は万一外してしまえば大惨事だ。

全力で飛翔するが、おそらく2人が引き金を引く方が早いだろう。

2人が冷や汗を流した瞬間、バシュ、バシュ、バシュ、バシュンと実弾とは違う4発の銃声が響いた。

4発の閃光が紫苑とラウラを追い越し、2発がセシリアのブルーティアーズをそれぞれ2機ずつ撃ち落とし、残り2発が鈴音の両肩の衝撃砲を貫く。

 

「きゃぁっ!?」

 

「な、何事ですの!?」

 

突然の出来事に2人は軽い悲鳴を上げる。

すると、

 

「アンタ達! 何やってんの!?」

 

突然少女の声がその場に響いた。

思わずそちらを振り向く紫苑、ラウラ、セシリア、鈴音の4人。

そこには、監視員のジャケットを羽織った黒髪の少女が、自分の3分の2ほどもある長大なライフルをドンと床に突き立てた状態で仁王立ちしていた。

 

「こんな場所でいきなり戦い始めるなんて馬鹿じゃないの!? お客さんが怪我でもしたらどうすんの…………!」

 

少女がセシリアと鈴音に捲し立てようとした時、少女の視線が紫苑を捉え、呆然としたように語尾が小さくなっていった。

紫苑も同じくその少女を呆然と見ていた。

 

 

「……………………ユニ?」

 

「嘘っ…………ユニちゃん…………!?」

 

紫苑が呟き、ネプギアが浮島から見下ろすようにその姿を確認する。

 

「…………………シオン…………? ネプギア!?」

 

その少女も驚いたように2人の名を呼んだ。

何故ならそこに居た少女は、プラネテューヌの隣国であるラステイションの女神ノワールの妹、女神候補生のユニだったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

その後、セシリアと鈴音は司会者の女性にこってりと怒られた。

幸い怪我人はおらず、物損被害もプールの一部が壊れるだけで済んだのだが、当然ながら大会は中止。

優勝景品もおじゃんになった。

2人が説教を受けている間に紫苑達もユニから事情を聞いていた。

ユニもどうやらネプギアが行方不明になった直後辺りに同じように黒い空間の穴に呑み込まれ、こちらの世界へ来てしまったというのだ。

そして途方に暮れていた所、先ほどの司会者の女性と出会い、その女性の紹介で何とかこのウォーターワールドのアルバイトとして雇ってもらうことが出来て今日まで何とか生活して来たとのこと。

 

「は~。まさかシオンやネプギアだけじゃなく、プルルートさんやピーシェまでこっちの世界にいたなんて……………しかも、シオンの妹が生きてたとはね…………」

 

ユニは呆れたような感心したような声を漏らす。

 

「まあ、そのことについては俺もビックリしたよ。っていうか、この分だとロムやラムもこっちの世界に来てないだろうな?」

 

「あはは…………それは考え過ぎだと思うけど………」

 

紫苑の言葉にネプギアが苦笑する。

 

「とにかく、私はそのIS学園ってところで厄介になれるのね?」

 

ユニがそう言うと、

 

「まあ、今の所は。また織斑先生達に迷惑かけちまうな………」

 

「唯の居候って言うのもなんだか気が引けるから、何か働けることがあれば紹介してって言っておいて」

 

「………了解」

 

姉に似て何処までも真面目なユニに紫苑は苦笑しながら答える。

やがてセシリアと鈴音が説教から解放され、一応学園の方にも連絡が行ったが、迎えの人員が居ないため、丁度この場に居る紫苑達が身柄の引き取り人代わりに2人を学園まで連れて行くこととなった。

 

 

 

 

 

 

当然ながら、一緒に連れて帰ったユニの存在に千冬が頭を抱えたのは余談である。

 

 

 

 

 





第25話です。
はい、今回は初っ端から翡翠の義手の魔改造から始まりました。
そんでもって皆でプールですが、この辺は特に特筆することはありませんが最後に登場したのは皆も予想してたユニちゃんです。
さて、ユニも変身させるべきか…………
でも女神メモリーって貴重なものだから2つ見つけるだけでも珍しいんですよね………
あと3つもプルルートが持ってるのは不自然な気がしてならないのですが……………
それはともかく、活動報告で一夏の扱いについて相談と言うかリクエストをしています。
皆さんのご意見をお聞かせください。
お願いします。
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