超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス 作:友(ユウ)
プールでの出来事から数日後。
「シャルロットから買い物に誘われた?」
突然のラウラからの言葉にそう返す紫苑。
「うむ、私はシャルロットと同室なのだが、私が寝る時や普段着る服が無いことを気にしているようなのでな」
「寝る時に着る服が無い………って、寝るときは何を着てたんですか?」
ネプギアがそう尋ねると、
「全裸だが?」
「「ぜ、全裸………!?」」
それを聞いたネプギアとユニの顔が引きつる。
「それで折角だから俺達も誘いに来たと?」
全く動じなかった紫苑がそう聞き返した。
「うむ、気が利くだろう?」
自信満々で胸の前で腕を組むラウラ。
紫苑は少し考えると、
「確かにネプギアやユニの日用品も買いたいしな…………よし、一緒に行くか!」
そう言ってラウラの提案を了承した。
そう言う訳でデパートに来た一行だが、女子の買い物はとにかく長い。
なので、このまま1グループで行くよりも2グループに分かれて買い物し、昼に@クルーズという喫茶店で合流することになった。
因みにグループ分けはシャルロット、ラウラ、翡翠のグループと、紫苑、プルルート、ネプギア、ユニ、ピーシェのグループだ。
少々ラウラが渋ったが、紫苑の「ラウラの可愛い姿を拝むのは後にとっておきたい」という一言で了承してもらった。
それから暫くして、シャルロット、ラウラ、翡翠の3人は午前中の買い物を終えて、@クルーズの店の前に来ていた。
ラウラの服の買い物では、シャルロット、翡翠のみならず、店の店長までが出張ってきてラウラをコーディネートしたという。
待ち合わせの場所にはまだ紫苑達はおらず、翡翠が携帯で連絡を取ってみた。
「うん………うん………わかった。じゃあ、先に入ってるからね」
そう言って翡翠が通話を終える。
すると、
「お兄ちゃん達、もう少しかかるみたいだから先に店に入ってろって」
そう2人に言う。
「そっか。じゃあ、お言葉に甘えて先に入ってよっか」
シャルロットがそう言って店に入っていき、ラウラと翡翠もそれに続いた。
3人は席について、飲み物と軽く摘まめるものを頼む。
それから3人は雑談を始める。
「月影さんはもう学校には慣れた?」
シャルロットが翡翠に問いかける。
翡翠は1年生として編入されているが、歳は一つ上なのでシャルロットはさん付けで呼んでいる。
「うん。3組の皆にも受け入れてもらってるよ」
翡翠は笑ってそう言う。
翡翠は紫苑と違って元々コミュニケーション力は高いのですんなりと皆と仲良くなっている。
「ふむ、それは良い事だ。流石は未来の義妹だな」
ラウラがそう言うと、
「アハハ…………ラウラちゃんって、もうお兄ちゃんと結婚する気満々なんだ」
翡翠が苦笑すると、
「ああ。プルルートには先を越されてしまったが、紫苑の祖国では一夫多妻が認められているからな」
「ラウラはさ、月影君が複数の女の人と関係を持ってることに、何か思うことは無いの?」
シャルロットが問いかける。
「む? 何故だ? 紫苑は良い男だし、いい男には女が沢山寄ってくるものなのだろう? 副官も言っていたぞ。『ハーレムは男の夢』だとな」
「いや、間違っていないといえば間違ってないんだけど…………」
ラウラの言葉にシャルロットと翡翠は困惑した表情を浮かべる。
すると、
「お、お待たせしました」
メイド服を着た、茶髪を首の少し上で切り揃えた幼さが残る少女が飲み物を運んできた。
その少女は慣れていないのかたどたどしい手付きで飲み物を配る。
「ありがとう!」
シャルロットが笑顔でお礼を言った。
「あ、いえ…………」
その少女は恥ずかしそうに俯く。
「まだちっちゃいのに偉いね。この店の人のご家族さんかな?」
「え、え~っと…………」
シャルロットの言葉に何処か言いにくそうな表情をする少女。
「あ、ゴメン。言いたくなかったら良いよ」
シャルロットは笑顔で断りを入れる。
その時、
「ロムちゃん! 次のテーブルお願い!」
その少女に似たもう一人の少女が呼びかけた。
その少女は目の前の少女とは違ってセミロングの髪だ。
「ラムちゃん! うん、すぐ行く!」
目の前の少女は返事をすると、
「えと、それではごゆっくり」
一礼すると次のテーブルへ向かった。
3人が暫く雑談していると、1人の女性が近付いてきた。
「ねえ、あなた達…………」
そして、
「バイトしない?」
唐突にそんな事を言った。
先程の女性はこの店の店長らしく、若手が急遽止めてしまい人手が足りない状態になってしまった。
そこで偶然目についた見た目麗しい美少女3人組の翡翠、シャルロット、ラウラに臨時バイトとして働いてくれないかと頼みに来たのだ。
ラウラはともかく、シャルロットと翡翠は困っている人を見過ごせない性格なので、なんやかんやで頼み込まれてしまい、数時間だが働くことになってしまった。
そして、
「なぜ僕は執事の格好何でしょうか…………?」
執事服を身に纏ったシャルロットがややがっかりしたような表情で呟く。
「大丈夫! すっごく似合ってるから!」
店長の女性はグッとサムズアップしてみせる。
「そ、そうですか…………?」
シャルロットは愛想笑いを浮かべるが、その視線はメイド服姿のラウラと翡翠へ向けられた。
「僕もメイド服が良かったなぁ…………」
ボソッとそう呟く。
銀髪を靡かせるラウラも可愛いし、黒髪を翻し、モデル顔負けのスタイルを持つ翡翠も男性からの注目の的だ。
因みに翡翠の義手は、長袖のメイド服と、本来メイド係には無い手袋を使う事で隠している。
そんな2人を羨ましそうに見ながらも、シャルロットは自分の仕事に集中する。
執事服に身を包んだシャルロットは、男装していた経験も相まってか見事に美形執事を演じきっている。
臨時で入った美少女メイドと美形執事の噂が広まったのか、客入りはいつもの5割増しらしい。
店の外にも何人が行列ができている。
先程の双子らしき少女達もてんやわんやで走り回っていた。
それから更に暫くすると、
「全員、動くんじゃねえ!!」
ドアを破らんばかりの勢いで5人の覆面をした男たちが雪崩れ込んできて叫んだ。
銃を天井に向けて発砲し、周り人間たちを威嚇する。
悲鳴を上げる客達。
「騒ぐんじゃねえ! 静かにしろ!」
その男達は金がパンパンに詰められた鞄を持っており、一目で銀行強盗だとわかる。
すると、
『あー、犯人達に告ぐ。君達は既に包囲されている。大人しく投降しなさい。繰り返す………』
外から警察が犯人達に呼びかけてきた。
だが、犯人は窓ガラスを割ると、
「人質を安全に開放したかったら車を用意しろ!! もちろん! 追跡者や発信機なんて付けんじゃねえぞ!!」
そう叫んで別の男がパトカーに向かってマシンガンを乱射した。
集まってきた野次馬や店の中の客たちが悲鳴を上げる。
そんな野次馬たちに混じり、
「…………なんか大変な事になってるな…………」
そう呟いた者が居たことに周りの人間は気付かなかった。
店の中では犯人が外の反応に気を良くしていた。
すると、
「おい! そこのお前! 喉が渇いた、メニューを持ってこい!」
銃で1人のメイドを指しながらそう命令する。
そのメイドとは……………ラウラだった。
ラウラはフンと鼻を鳴らしながらカウンターの奥へ行くとトレーを片手に犯人達の前へ歩いていく。
そして犯人達に差し出したトレーの上に乗っていたのは、
「何だ、これは?」
「水だ」
氷が一杯に詰められた水の入ったコップだった。
「あん?」
訳の分からなかった犯人が声を漏らすと、
「黙れ、飲め…………飲めるものならな!」
ラウラは突然ニヤリと笑うとトレーを空中に放り投げた。
空中に散らばる氷。
犯人達も自然とそれに目が行く。
次の瞬間、ラウラが流れるような動きでそれらを掴み、指で弾いた。
「ぐあっ!?」
「何っ!?」
「うっ!?」
氷の指弾が犯人達の銃を持つ手や目、喉などに勢いよく当たり、犯人が怯む。
「はぁあああああああっ!!」
その隙にラウラは勢い良く蹴りを犯人の腹に叩き込み、気絶させる。
「ざけやがってこのガキ!!」
ラウラから少し離れた所に居た犯人の1人が拳銃をラウラに向けて発砲する。
しかし、ラウラは銃口の向きから射線軸を割り出し、それを躱すような動きで銃弾を避ける。
「片付けてやる!」
拳銃のスライドを引き、再びラウラに銃口を向けようとしたが、
「1人じゃないんだよね!」
別方向からシャルロットが駆けて来て回し蹴りを繰り出す。
その蹴りは拳銃を持っていた手ごと犯人の首に決まり、犯人を吹き飛ばした。
「残念ながら!」
吹き飛んだ犯人が気絶したのを確認し、
「目標2、制圧完了! ラウラ、そっちは?」
「問題ない。目標3制圧完了」
シャルロットがラウラの方を確認した時には、ラウラも犯人の1人を無力化していた。
すると、その時、
「な、何なんだてめえら!?」
4人目の犯人がショットガンを構えていた。
シャルロットとラウラが回避行動を取ろうとした時、
「おごっ!?」
ゴッ、という鈍い音と共に犯人の頬が横殴りにされたようによろける。
その犯人の頬には鉄の拳がめり込んでいた。
しかし、そこにあったのは鉄の拳だけであり、その拳から細いワイヤーのような物が繋がっている。
それを辿ると、
「あはは…………当たっちゃった」
右腕を前に突き出した翡翠の姿。
その右手には本来あるべき義手が半分ぐらい無くなっており、その先から出ているワイヤーが犯人の頬にめり込んでいる拳に繋がっていた。
すると、翡翠の右腕からモーター音がしてシュルシュルとワイヤーを巻き取っていく。
そして犯人の頬にめり込んでいた拳を引っ張り、元の位置に装着された。
バッタリと倒れる犯人。
完全に眼を回していた。
翡翠としては、初めて使ったロケットパンだったので当たるとは思ってはおらず、精々威嚇になるかと思っていただけだった。
しかし、ネプギアの改造したそれは、目標補足機能も付いていたので命中率は高く、自動で微調整が行われたのだ。
だが、翡翠は予想外の事に気を抜いてしまったため、
「くそっ! どいつもこいつも!」
もう1人の犯人に対する反応が遅れてしまった。
その犯人が持つのはマシンガン。
「ッ!?」
その銃口が翡翠へと向けられる。
(シールドを………間に合わないっ!)
翡翠がそう悟ってしまった時、引き金が引かれる。
銃口から放たれる無数の弾丸。
一瞬後には翡翠の命を奪う凶弾。
翡翠は走馬燈を見る暇もなく銃弾に撃ち抜かれるかと思われた。
その瞬間、
「えい!」
先程の幼い少女…………首の上で髪が切り揃えられた方が翡翠の前に飛び出して手を前に突き出す。
するとその少女の前に円陣が発生し、銃弾を全て防いだ。
「えっ!? 今の…………」
今の光景に見覚えのあった翡翠は声を漏らす。
すると、
「ええーーい!!」
「ぐはあっ!?」
もう1人のセミロングの少女が何処からともなく大きな杖を取り出して犯人を殴り飛ばした。
小さな少女が大柄の男を吹き飛ばすのは信じられない光景ではあったが、翡翠の中でその2人の少女に対するある仮説が立った。
その時、
「月影さん! 大丈夫だった!?」
シャルロットがやや慌てた表情で駆け寄ってくる。
「うん………この子達のお陰で助かっちゃった」
翡翠はそう言って怪我が無いことをアピールする。
「もう、正直ダメかと思ったよ………」
シャルロットは心底ほっとした表情でそう呟く。
まあ、普通にあの状況ならそう思っても仕方ないだろう。
すると翡翠は、2人の少女達に向き直ると、
「ねえあなた達…………あなた達ってもしかしてゲイム…………」
少女達にそう話しかけようとした所で、
「………捕まってムショ暮らしになるぐらいなら……………」
完全には気絶しなかった犯人のリーダーが起き上がり、ジャケットを広げる。
「いっそ全部ふきとばしてやらぁっ!!」
その身体にはプラスチック爆弾が巻き付けられており、店ごと吹き飛ばせそうな量だった。
手には起爆スイッチ。
手作りなのか掌に収まるようなものでは無く、手の大きさの倍ほどもある大きな起爆スイッチだった。
今にもそのスイッチが押されようとした時、外から飛来した閃光がそのスイッチを貫いた。
「なっ!?」
突然スイッチを撃ち抜かれた犯人は驚愕する。
犯人は気付かなかったが、店の向かい側にある建物の屋上で、ユニがライフルを構えていた。
そして次の瞬間、窓ガラスを突き破って赤い影が飛び込んできた。
その影は犯人の頭を掴むと、その勢いのまま床に叩きつける。
声を上げる間もなく気絶する犯人。
それを確認して立ち上がったその影は、紫苑が変身したバーニングナイトだった。
「少し遅かったか?」
既に無力化されている他の犯人達を確認してそう呟くバーニングナイト。
「お兄………」
翡翠がそう言いかけた所で、
「シオン!!」
「シオンさん!」
2人の少女が声を上げた。
バーニングナイトがその2人を確認すると、軽く驚いた表情をして、
「ロム、ラム!? お前達もこっちの世界に来てたのか………!?」
まさかと思っていたことが本当に起こっていたので驚愕するバーニングナイト。
2人はバーニングナイトに駆け寄るとそのまま抱きつき、
「シオンさぁぁぁぁん!」
「やっと知ってる人に会えたぁぁっ!」
泣き出してしまう2人。
女神候補生の中でも幼い性格の2人は見知らぬ世界に飛ばされてさぞ寂しかったことだろう。
バーニングナイトはしゃがんで2人の目線に合わせると、安心させるように軽く抱きしめる。
「もう大丈夫だ……………頑張ったな、2人共」
そう声を掛けると、
「「わぁああああああああああんっ!!」」
安堵からか更に泣いてしまった。
すると、状況の変化に気付いたのか外に居た警察が突入準備を始めている。
「っと、これ以上いるのは拙いな。ロム、ラム、とりあえずはそこの3人と一緒に行動してくれ。その3人は俺の仲間だ」
バーニングナイトは2人にそう言い、翡翠、ラウラ、シャルロットの方を向くと、
「3人とも、とりあえず夕方に公園で合流しよう。それまでロムとラムを頼む!」
「分かったよ、お兄ちゃん!」
「了解した」
バーニングナイトの言葉に翡翠とラウラが返事をする。
「シオンさん!」
「シオン!」
離れたバーニングナイトにロムとラムが声を上げるが、
「2人とも、また後でな!」
バーニングナイトは再び窓から飛び去る。
因みにバーニングナイトが一緒に2人を連れて行かなかった理由として、幼女誘拐犯と間違われては敵わないという理由である。
バーニングナイトが飛び去ったあと、シャルロットが口を開く。
「皆、僕とラウラも代表候補生ってバレると面倒だからこの辺で………」
「そうだな、失敬するとしよう」
そう言って彼女達も警察に見つからないように店を出る。
その際に店長には断りを入れ、ロムとラムも、今まで面倒を見てくれた店長にお礼を言っていた。
夕方、海沿いにある公園で、ラウラ、シャルロット、翡翠は、ロムとラムと一緒にベンチに座って紫苑達を待っていた。
ロムとラムは落ち着かずにソワソワしていると、
「ロムちゃーーーーん! ラムちゃーーーーん!」
「ロム! ラム!」
公園の入り口の方からネプギアとユニが走ってくる。
「ネプギアちゃん!?」
「ユニちゃんも!?」
2人に気付いたロムとラムがベンチから飛び降りると2人に駆け寄っていく。
「良かった! 無事に会えたね!」
「2人共、大丈夫だった?」
そう言うネプギアとユニの後ろからは、プルルートとピーシェを伴った紫苑が歩いてきた。
「やっほ~! ロムちゃん、ラムちゃん」
「ろむ! らむ!」
「プルルートさん!?」
「ピーシェも!?」
2人もロムとラムに駆け寄って再会を喜ぶ。
そんな再会を微笑ましく見守る紫苑、翡翠、ラウラ、シャルロット。
すると、シャルロットが口を開いた。
「ねえ皆、せっかくだからあそこのクレープ屋さんでクレープ買わない? お店の人に聞いたんだけど、ここの公園のクレープ屋さんでミックスベリーを食べると幸せになれるっておまじないがあるんだって」
そう言う話が女の子の大好物という事は次元が違おうとも共通なのは変わりなく、皆でクレープを買う事になった。
だが、
「あぁー、ごめんなさい。今日はミックスベリー終わっちゃったんですよ」
お店の店主の男性がそう言って頭を下げる。
「あ、そうなんですか………残念、別のにする?」
すると、ラウラが何かに気付いたようにハッとして、
「じゃあイチゴとブルーベリーをくれ。それぞれ5個ずつだ」
ラウラがそう言うと店主が含み笑いを見せた。
「はい、ありがとうございます」
料金は紫苑が全て払い、クレープを受け取る。
因みにブルーベリーがラウラ、プルルート、ユニ、ロム、ピーシェ。
イチゴが紫苑、シャルロット、翡翠、ネプギア、ラムである。
それぞれがベンチに座ってクレープを食べ始める。
「ん~~! これ美味しいね!」
「そうだな。クレープの実物を食べるのは初めてだが旨いと思うぞ」
シャルロットとラウラが感想を言う。
他のメンバーも美味しそうにクレープを食べている。
ただ、シャルロットはお目当てのミックスベリーを食べられなかったのが少し残念だった。
すると、
「そう言えば先程のクレープ屋だがな、ミックスベリーはそもそも無いぞ」
「えっ?」
ラウラの言葉にシャルロットが声を漏らす。
「メニューに無かっただろう。それに厨房にもそれらしい色のソースは無かった」
「そ、そうなの? よく見てるね」
「だがな……………」
ラウラはそう言って紫苑に視線を向けると、
「紫苑、私のブルーベリーを一口やる。代わりにお前のイチゴを一口くれ」
自分のクレープを差し出しながら紫苑にそう言った。
「ん? 別に構わないが…………」
紫苑は差し出されたクレープを一口かじると、代わりに自分の食べていたクレープを差し出す。
ラウラはそれを躊躇なく一口かじると、
「フフッ、確かにミックスベリーを食べたら幸せになったな」
満面の笑みを浮かべてそう言った。
「えっ……………?」
シャルロットは一瞬意味が分からなかったが、
「あ~~! そういうこと~~~!」
プルルートがなるほどといった表情で頷いた。
「……………なるほど」
紫苑もプルルートの反応で気付いたらしく、クレープをプルルートに差し出す。
プルルートは嬉しそうに紫苑のイチゴのクレープに噛り付くと、代わりに自分のブルーベリーを差し出し、紫苑もそれを一口食べた。
「えへへ~!」
プルルートも満面の笑みを浮かべる。
「あー! ストロベリーとブルーベリー!!」
そこでシャルロットが気付いたのか声を上げる。
「ご名答」
ラウラが正解とばかりにそう言う。
それを聞いた他のメンバーも、ネプギアとユニ、ロムとラム、翡翠とピーシェが食べさせ合っている。
「そっかぁ、何時も売り切れのミックスベリーって、そう言うおまじないだったんだ」
すると、ラウラがシャルロットに自分のクレープを差し出す。
「今日の礼だ。お前もミックスベリーを食べるが良い」
シャルロットは一瞬その行動に呆けるが、
「ありがとう、ラウラ」
そのお言葉に甘えてブルーベリーを一口齧った。
それをよく味わって食べると、
「確かに、彼氏とミックスベリーを食べたら、幸せだよねぇ…………」
思わずそんな呟きが出る。
「まあ、お前の男の趣味だけは私も理解できんがな」
「むう、あんまり一夏の悪口を言わないでよ」
少し剥れるシャルロット。
「悪口を言っているつもりは無い。事実を言っているだけだ」
ラウラは真剣な表情でそう言う。
「シャルロット、お前には感謝している。この私を友として扱ってくれることにも、こうやって色々な事を教えてくれることにも……………」
「ラウラ…………」
「故に私も友としてお前に忠告したい。今のままだと一夏の奴は取り返しのつかないことを仕出かす可能性が高い。その前に奴の性格を矯正するなり、奴から離れるなりしないと、不幸になるのはお前だぞ。私はお前に不幸になって欲しくはない」
ラウラはそう言ってクレープを齧る。
「ラウラ………………」
シャルロットの心は揺れる。
初恋の相手である一夏を信じたい気持ち。
そして、自分を友と言ってくれたラウラを信じたい気持ち。
その狭間でシャルロットの心は揺れる。
このシャルロットの心に投じられた一石がどのような波紋を産むのかは、まだ誰にも分からない。
第26話です。
ロムとラムの登場です。
2人が働いてるのは不自然か?
まあ、気にしないで下さい。
リクエストでは今の所2(一夏のアンチ・ヘイト続行。一夏のヒロインは一夏のまま。簪は紫苑or無し)と3(一夏のアンチ・ヘイト続行。一夏のヒロインは一夏から離れる。簪は紫苑or無し)が有力。
2の中の意見としてこの作中のヒロインたちが一夏から離れるのが想像できないという意見があったのですが、確かにそんな感じもしますが今回の話の中で、シャルロットだけは普通に離れても違和感ないんじゃと思って居たり。
2と3混ぜてシャルロットだけ離れるってのもありかな?と今回の話を書いてそんな事を思ってみたり。
一応、まだリクエストは継続中なのでご意見あれば活動報告の方にお願いします。
では、次も頑張ります。