超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第36話 彼女達の英雄(ヒーロー)

 

 

 

 

簪が一夏に止めの一撃を見舞おうとした瞬間、爆発音とともにアリーナのシールドが破られ、アリーナの中に何かが侵入してきた。

 

「ッ!? 何っ!?」

 

簪は一夏への攻撃を中断し、そちらへの警戒を高める。

空中で戦っていた紫苑と楯無も即座に戦いを中断し、簪の傍へと降りてきた。

巻き上げられた砂煙が舞う中、3人は警戒を怠らない。

 

「な、何だ!?」

 

突然の事に呆然としていた一夏もようやく異変に気付き、警戒を始める。

砂煙の中に怪しい光が灯り、小さく左右に揺れる。

すると再び正面で止まり、砂煙が晴れていった。

その中から現れたのは、以前現れた無人のIS『ゴーレムⅠ』の発展機、その名を『ゴーレムⅢ』と言った。

ゴーレムⅢはバイザー型ライン・アイで紫苑達を確認すると、巨大な左腕を向けた。

その掌には4つの砲口が見える。

 

「散開!!」

 

紫苑が叫んだ瞬間、紫苑、楯無、簪はそれぞれ別方向に飛び退く。

だが、

 

「へ?」

 

一夏は咄嗟の事に動けなかった。

次の瞬間、その4門の砲口から超高密度圧縮熱線が放たれた。

一夏のすぐ横を熱線が通過する。

狙いは紫苑達が中心になっていたので、射線軸上から僅かに外れていた一夏は当たらずに済んだ。

 

「うおおっ!? あ、あぶねえ!?」

 

一瞬遅れて一夏は身の危険を感じて叫ぶ。

 

「…………………一夏、お前は避難しろ」

 

紫苑が一夏にそう告げる。

 

「な、何でだよ!? 俺も戦う!」

 

一夏はそう言うが、

 

「シールドエネルギーも無いのにか?」

 

「うっ…………」

 

紫苑の言葉に一夏は押し黙る。

一夏は先程まで『零落白夜』の使用によってギリギリまでシールドエネルギーが減っている。

まともな攻撃を一発受ければシールドエネルギーがゼロになる程だ。

 

「だ、だけど……………!」

 

「言っておくが、気合と根性論ではシールドエネルギーは回復しないぞ」

 

「ううっ…………」

 

まだ何か言おうとした一夏の反論を、紫苑が前もって釘を刺す。

 

「それでも残るというなら後は自己責任だ。お前が俺を嫌っているのと同じように、俺にとってのお前の優先順位はこの場にいるメンバーの中では一番低い。いざという時には真っ先に見捨てさせてもらう」

 

「ぐぅ………………!」

 

その言葉が意外だったのか、一夏は顔を青くさせると、渋々とピットへ向かって行く。

敵への警戒を怠らずにそれを見届けると、

 

「紫苑さん、本気で一夏君の事見捨てるつもりでした?」

 

楯無がそう聞いてくる。

 

「…………本気さ。『如何あがこうともそれしか選択肢が無くなった時には』な…………」

 

その言葉を聞いて、楯無は可笑しそうに笑みを零した。

 

「なんだかんだ言って、紫苑さんってば優しいんだから」

 

「さてな………」

 

楯無の言葉にそう返すと、気を引き締める。

 

「さて、楯無、簪、シールドエネルギーはどれだけ残ってる?」

 

「私は6割って所かしら?」

 

「私は8割………」

 

楯無と簪がそれぞれ答える。

 

「俺は5割弱って所だ。そうなると、攻撃の要は簪って事になるな」

 

「えっ? わ、私っ?」

 

紫苑の言葉に簪は僅かに動揺した。

 

「大丈夫よ簪ちゃん。あなたなら出来るわ」

 

「お姉ちゃん………?」

 

「なんて言ったって、あなたはこの私の妹なんですもの!」

 

楯無は自信を持ってそう言った。

 

「お姉ちゃん…………うん! やってみる!」

 

楯無に後押しされ、簪はハッキリと頷いた。

 

「なら…………いくぞ!!」

 

紫苑の言葉を合図に戦闘が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑先生! 襲撃です!」

 

管制室で真耶が千冬に報告する。

モニターに敵機が映し出されると、

 

「こいつは……………」

 

「以前現れた無人機と同じもの………いえ、発展機だと思われます!」

 

「………数は?」

 

「5機です! 待機していた各専用機持ちも襲われている模様! 応戦していますが、苦戦しているようです!」

 

「…………束、奴らはお前が作った物か?」

 

千冬は近くに居た束に問いかける。

 

「確かにあの子たちは私が途中まで作ってた『ゴーレムⅢ』だね。だけど、私が設計してたのより、パワー、スピード、防御力…………全てにおいて上回ってる。悔しいけど、あの紫オバサンが優秀だっていう話は本当みたい」

 

「ちっ…………教員は生徒達の避難を優先! 戦闘教員は全員突入用意!」

 

「了解!」

 

千冬の指示に真耶が従う。

 

「やってくれたな…………だが、甘く見るなよ………!」

 

千冬は姿を見せないマジェコンヌに向かってそう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 

「はぁああああああああああああっ!!」

 

紫苑がゴーレムⅢに向かって剣を振るうと、ゴーレムⅢは右腕のブレードでその剣を受け止める。

しかし、

 

「楯無!」

 

「ここっ!」

 

その瞬間、楯無に呼びかけ、楯無がゴーレムⅢの胴目掛け、ランスを突き立てる。

だが、

 

「くっ………! なんて硬い………!」

 

その切っ先は頑丈な装甲に阻まれて突き刺さらない。

ゴーレムⅢは左手で楯無のランスの切っ先を掴み、押し返そうとしていた。

その時、

 

「やぁあああああああああっ!!」

 

楯無の背後から簪が飛び出し、上空からゴーレムⅢに向かって『夢現・紫』で斬りかかった。

ゴーレムⅢは背中のシールドユニットを展開し、簪の一撃を防ぐ。

簪の攻撃は一瞬止められたかのように思えたが、ビームの刃はじりじりとシールドユニットの装甲に食い込んでいく。

それを危険と判断したのかゴーレムⅢはまるで暴れる様に両腕を振り回し、3人を振り払う。

その際、ゴーレムⅢのブレードが紫苑の頬を掠めた。

一旦距離を取って仕切り直す3人。

だがその時、

 

「紫苑さん!? 血が!?」

 

簪が驚いたように声を上げた。

先程攻撃を掠めた紫苑の頬から一筋の血が流れだしていた。

 

「どうして………? あの程度の攻撃ならシールドバリアで怪我なんかしない筈…………」

 

簪はおかしいと思った事を口にする。

すると、

 

「…………なる程」

 

紫苑は何かに気付いたように頬の血を拭う。

 

「どうやら奴はシールドバリア、そして絶対防御を無効化するらしい」

 

紫苑は敵機の能力をそう結論付けた。

 

「対IS用ISって事か…………厄介ね」

 

楯無も表情を険しくする。

3人が新たに警戒すべき点を確認していると、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

突然ピットの出入り口から一夏が飛び出してきて、ゴーレムⅢに斬りかかった。

しかし、ゴーレムⅢは即座に反応して急上昇し、その攻撃を躱す。

 

「一夏!? 何でお前が!?」

 

紫苑は思わず声を上げた。

 

「へへっ! 整備の人に無理言って補給をして貰ったんだ。これで俺も戦えるぜ!」

 

一夏は得意げにそう言う。

だが、

 

「ッ! って事は、その人はまだ避難しきれていないのか!?」

 

紫苑はそのことに気付く。

その時、ゴーレムⅢは一夏に向かって肩に装備されている強力な熱線を放つ体勢をとった。

その射線軸上には、先ほど一夏が飛び出してきたピットがある。

一夏は当然のように回避行動を取ろうとしていた。

 

「馬鹿! 避けるな! 防げ!」

 

紫苑は叫ぶが、一夏は見え見えだと言わんばかりに得意げに回避行動を取った。

 

「くそっ!」

 

紫苑は即座に瞬時加速(イグニッション・ブースト)を発動。

シールドを展開しながら攻撃の射線軸上に割り込む。

その瞬間放たれる熱線。

 

「ぐうっ!?」

 

その攻撃は紫苑の展開した2枚の実体シールドを見る見る熔解させていき、一瞬後に爆発を起こした。

紫苑は吹き飛ばされ、ISの各部を損傷させながらピットの出入り口付近に勢い良く墜落した。

 

「「紫苑さん!!??」」

 

楯無と簪が叫ぶ。

紫苑は頭から血を流しながら瓦礫の中に倒れていた。

 

「し、紫苑………? 何で…………?」

 

一夏は自分から攻撃に当たりに行った紫苑を不思議に思ってそう漏らす。

 

「……………分からないの?」

 

楯無の冷たい声が響いた。

 

「え………………?」

 

一夏が疑問の声を漏らすと、

 

「あのままだったら、あいつの攻撃はピットに直撃していた……………そうなれば、あなたが無理を言って引き留めた整備課の生徒達が巻き込まれて無事じゃすまない可能性が高かった……………だから紫苑さんは自分を盾にしてあの場所を護ったのよ!」

 

楯無は紫苑が傷付いた悲しみと一夏への怒りで瞳に涙を溜めながら怒りの表情を一夏へと向ける。

 

「そして、それは本来あなたがやらなければいけなかった事……………さっき、二次移行(セカンドシフト)したときに追加されたあなたの武装には『零落白夜』のシールドが追加されてたはず……………それを使えば何の問題もなく防げた…………あなたが自分の我儘で補給させたのなら、その人たちが避難するまでの間はあなたがあの場所を護らなければいけなかった…………! なのに、あなたはその人たちの事を考えずに得意げに攻撃を避けてた…………あなたは『自分勝手』すぎる…………!」

 

「お、俺が『自分勝手』…………?」

 

静かに…………それでいて確かな怒りの籠った簪の言葉に、一夏は動揺する。

 

「否定したければすればいい……………だけど、私はあなたを信用しない」

 

「私も同じ意見よ」

 

簪の言葉に楯無も同意する。

すると、2人はゴーレムⅢに向き直った。

 

「戦いたければ好きにすればいい…………私達にあなたを気遣う余裕は無い」

 

「邪魔をしなければそれでいいわ。期待はしていないから」

 

簪と楯無はそう言う。

すると、

 

「お姉ちゃん、これ使って」

 

簪が自分の『夢現・紫』を楯無へ差し出す。

 

「『夢現・紫』なら相手の装甲を突破できる。悔しいけど、近接格闘能力は、お姉ちゃんの方が高いから…………」

 

「簪ちゃん…………オッケー! お姉ちゃんに任せなさい!」

 

楯無はランスを収納して簪から『夢現・紫』を受け取ると、それを構えてビームの刃を発生させる。

 

「あと、当然だけどエネルギー消費が激しいから注意して」

 

「ええ、分かってるわ」

 

「私は援護を………!」

 

簪はそう言いながら『春雷・黒』を呼び出す。

更に冷凍ホーミングレーザー『山嵐・白』を展開し、

 

「私が隙を作る。お姉ちゃんは突っ込んで!」

 

「分かったわ!」

 

簪の言葉に楯無は頷き、

 

「いっけぇーーーーーっ!!」

 

48発の白い閃光が放たれた。

 

 

 

 

 

 

同じ頃、プルルート、ピーシェ、ネプギア、ユニ、ロム、ラムの6人はアリーナの内部通路を走っていた。

ゴーレムⅢが襲撃した時、当たり前のようにシェルターが閉じてしまい、すぐに紫苑達の応援に行けなくなってしまったのだ。

シェルターを壊すという案も無くは無かったが、生徒達の危険度が跳ね上がってしまうため、流石にそれは自重した。

とはいえ、アリーナも狭くはない。

まるで迷路のように入り組んだ通路を時折道順を間違えながらピットへと向かっていた。

 

「ったく! まるでダンジョンじゃない! もうちょっと分かり易い作りにしときなさいよね!」

 

走りながらユニが愚痴る。

 

「そんな事言っても仕方ないよ。今は早くお兄ちゃん達の応援に行かないと………!」

 

ネプギアがそう言いかけた時、突如として目の前の壁が爆発。

6人は思わず立ち止まる。

黙々と煙が立ち込める中、その煙の中に巨大な影が浮かび上がった。

通路にギリギリ収まるほどの巨体。

時折煙の切れ目から見える茶色の鱗。

 

「グルルルルルル……………!」

 

そして聞こえる唸り声。

それは、

 

「嘘っ!? エンシェントドラゴン!?」

 

ラムが驚愕の声を上げた。

 

「ど、どうしてエンシェントドラゴンがここに…………!?」

 

ロムも、この世界にいるはずの無いゲイムギョウ界のモンスターに動揺を隠せない。

 

「グルァアアアッ!!」

 

エンシェントドラゴンはそんな彼女達に向かってその剛腕を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

襲い来る無数のレーザーを、ゴーレムⅢは信じられない動きで回避していく。

いや、無人機だからこそできる操縦者に気を使わない機動。

いくらISとは言え、操縦者への保護には限界がある。

しかし、無人機にはそれが無いので、無茶な機動も可能なのだ。

追尾してくるレーザーを、地表やアリーナのシールドの表面ギリギリで回避し、弾数を減らしていく。

とは言え、楯無も簪もこれだけで敵を倒せるとは思っていない。

 

「そこっ!」

 

簪が回避先を読んでビームを放つ。

ゴーレムⅢはシールドを展開して防ぐがその背後から冷凍ホーミングレーザーが迫る。

ゴーレムⅢは咄嗟に上に回避行動を取ったが一発が足に掠め、右足が凍り付いた。

更に、

 

「ここよっ!」

 

真上から楯無が『夢現・紫』を構えて急降下してきた。

その刃は胴の中心を捉え、そのままゴーレムⅢを地面へと叩きつける。

楯無はそのまま装甲を突き破ろうと力を籠めるが、ビームの出力でも少しずつしか食い込んでいかない。

すると、ゴーレムⅢは両肩の砲口にエネルギーをチャージし始めた。

 

「お姉ちゃん!」

 

簪が呼びかけた瞬間、

 

「ッ!」

 

刃を引き抜くと同時に右手をゴーレムⅢの胴に叩きつけ、その反動で楯無は空中に飛び上がる。

その瞬間、楯無の背後から白い閃光が楯無の周りを通り過ぎ、ゴーレムⅢに殺到した。

それでもゴーレムⅢは強引に急上昇し、その攻撃を避けようとするが、背部のシールドユニットと左腕が凍り付いた。

更に時間差で残った5発の冷凍ホーミングレーザーが迫る。

その時、

 

「うおおおおおおっ!!」

 

凍り付いたゴーレムⅢを見てチャンスと判断したのか一夏が瞬時加速(イグニッション・ブースト)でゴーレムⅢに向かって斬りかかった。

とは言え、ゴーレムⅢの動きを見てから斬りかかったのでは遅すぎる。

各部が凍り付いたとはいえ、体勢を完全に立て直していたゴーレムⅢにとって一夏への対処は簡単だった。

凍り付いた左腕を裏拳を放つように振るう。

 

「がっ!?」

 

一直線にゴーレムⅢに向かって行った一夏は、まるでボールが斜めの壁に当たったかのように跳ね返る。

そして、あろうことかその跳ね返った方向は冷凍ホーミングレーザーが迫ってきている方向だった。

ゴーレムⅢは、斬りかかってきた一夏を冷凍ホーミングレーザーの方へ殴り飛ばしたのだ。

 

「~~~~~~~~~~!?」

 

一夏は声を上げる間もなく氷漬けになる。

まあ、ISがあるので死にはしないだろうが。

氷漬けとなった一夏は地面へ落下する。

が、ゴーレムⅢは元より、楯無と簪もそんな一夏へは一瞥もくれず、空中で睨み合う。

 

「仕切り直し…………?」

 

簪が呟く。

すると、楯無がニヤリと笑い、

 

「いいえ、これで終わりよ」

 

楯無は右手をフィンガースナップを鳴らす状態を作る。

その視線の先は、先ほど傷付けた胴部。

そこには僅かだが内部構造が覗いており、更にその傷には水色の宝石のようなモノ…………ミステリアス・レイディのアクア・クリスタルがはめ込まれていた。

先程楯無が離脱する際、右手を叩きつけた時に押し込んでおいたものだ。

そして次の瞬間、楯無はフィンガースナップを打ち鳴らした。

同時にアクア・クリスタルが爆発を起こし、内部から破壊されれば頑丈なゴーレムⅢも成す術もなかった。

爆発と共に各部がバラバラになり、残骸が落下していく。

 

「イエーイ!」

 

楯無は簪にサムズアップをした。

簪もそれに笑顔で応える。

 

「………っと、そうだ。紫苑さん!」

 

そこで2人は紫苑の事を思い出し、そちらへ向かおうとする。

その時だった。

原型を留めていたゴーレムⅢのいくつかのパーツが、突然黒いオーラのようなものに包まれる。

そして、それを合図に別の場所で専用機持ち達と戦っていた他の4機のゴーレムⅢの行動に変化が起きた。

それぞれは、有利に戦闘を進めていたにも関わらず、突如として一斉に戦闘を中断し、まるで何かに呼ばれたかのように楯無達が戦っていた方向へ振り向くと、今まで戦っていた専用機持ち達を無視してその方向へ飛んでいった。

 

 

 

 

「織斑先生! 各専用機持ち達を襲っていた無人機が更識さん達が居る場所へ向かっています!」

 

「なんだと!? 束、どういう事か分かるか!?」

 

真耶から報告を受けた千冬は束へ問いかける。

 

「そんなプログラムは束さんは組んでないから分かんないけど、もしかしたら、ゴーレムⅢを倒せる奴が居たら、そいつを集中的に狙うように設定されてるのかもね。たった1機相手にあそこまで苦戦したんだ。4機相手じゃひとたまりも無いよ」

 

「ぐっ………! 山田先生、更識達の応援に行けるものは?」

 

「ダメです! 専用機持ちのほぼ全員が損傷率が危険域に達しています! これ以上の戦闘行動は命の危険が…………!」

 

「チィッ! あと頼れるのはプルルート達だけだが…………」

 

「先程未確認生物との遭遇を最後に周辺の監視カメラが使用不能になっています。今はどうなっているのか…………」

 

「くそっ! 更識………何とか持ちこたえてくれよ…………!」

 

千冬は悔しそうにそう吐き捨てながらモニターを見ることしか出来なかった。

 

 

 

 

楯無達が居るアリーナのシールドを突き破りながら、4機のゴーレムⅢが集まっていく。

 

「なっ!? 援軍!?」

 

「ッ………!?」

 

楯無は驚愕し、簪も戦慄を覚える。

すると、集まってきたゴーレムⅢは楯無達の方ではなく、先ほど破壊されたゴーレムⅢの残骸の方に集まっている。

 

「な、何…………?」

 

集まってきた割には残骸を囲うように立っているだけで動きを見せないゴーレムⅢ達に、楯無は嵐の前の静けさの様な不気味さを感じる。

すると、残骸を覆っていた黒いオーラの様なものが広がり、4機すべてを包み込んだ。

そのオーラは更にどす黒く色を変色させると、まるで炎が大きくなるようにその範囲を広げていく。

その大きさが10mほどになると、その黒いオーラが形を取り始めた。

 

「何………これ…………?」

 

簪が怯えを隠せない表情で呟く。

黒いオーラが人型の形をとると、そのオーラが薄まっていく。

そして、そのオーラが消えてその場に現れたのは、

 

「う、嘘……………」

 

全高が10mほどとなったゴーレムⅢだった。

 

「…………ぶ、物理法則も何もあったものじゃないわね…………」

 

明らかに5機合わせたよりも体積の大きくなっているゴーレムⅢを見て、楯無はそんな言葉が出てしまう。

その時、巨大化したゴーレムⅢはゆったりとした動作で空中にいる2人を見上げた。

そして、肩の砲口にエネルギーをチャージし、

 

「ッ!? 簪ちゃん!!」

 

咄嗟に我に返った楯無が、未だ呆けている簪を抱き着くように抱えながらその場を離脱する。

その一瞬後に極太の熱線が放たれた。

 

「あ゛ゔっ!?」

 

その攻撃は楯無の背中を掠め、アリーナのシールドを紙の如く突き破って空へと消える。

掠めただけでも絶対防御を突破し、楯無の背中を焼いた。

 

「お姉ちゃん!?」

 

激痛に崩れ落ちそうになる楯無を、我に返った簪が抱き留める。

 

「お姉ちゃん! お姉ちゃん!!」

 

必死に呼びかける簪。

すると、2人を巨大な影が覆う。

目の前にはゴーレムⅢの巨体。

 

「あ……………」

 

簪は恐怖に駆られて動けなかった。

右腕に巨大なブレードが展開される。

空気を切り裂く………いや、空気を巻き込みながら巨大なブレードが振るわれた。

 

「ひっ…………!」

 

簪は恐怖心から無意識に回避行動を取り、ブレードの直撃を避けた。

だが、

 

「きゃぁああああああああっ!?」

 

その際に巻き起こった暴風に簪は巻き込まれ、地面に向かって落ちていく。

そのまま地面に激突し、何度か転がりながらアリーナの壁に当たって止まる。

そこは丁度ピットの出入り口の真下だった。

 

「ううっ…………!」

 

暴風に振り回された簪は、一瞬朦朧となった意識を首を振ってハッキリとさせる。

それでも楯無を離さなかったのは、姉妹の絆故だろう。

楯無は簪の腕の中でぐったりとしている。

すると、ズズンと重い地鳴りの音がした。

簪が顔を上げると、自分と楯無を見下ろす巨大なゴーレムⅢ。

 

「あ………あ……………」

 

簪は恐怖からカチカチと歯を鳴らす。

簪の脳裏には、アニメや漫画でよく見るヒロインのピンチにヒーローが颯爽と現れ、救い出すシーンが過った。

だが、それが現実逃避である事も簪には分かっていた。

 

(ヒーローなんて……………居ない……………現実には、変身するヒーローも居なければ………私のピンチに駆け付けてくれるヒーローも居ない……………)

 

簪の瞳から涙が零れる。

恐怖だけではない。

ヒーローが居ないことを認めてしまった、寂しさからの涙。

巨大なゴーレムⅢが右腕のブレードを振り上げた。

 

「…………ヒーローなんて………………居ないっ……………!」

 

簪は目を瞑って楯無を強く抱きしめた。

せめて最期は、大好きな姉と一緒に。

それが簪の思いだった。

だがその時、簪の頬に温かい感触がした。

 

「ッ………?」

 

簪が目を開けると、楯無が弱々しくも右手を伸ばし、簪の頬に添えていた。

 

「大丈夫よ…………簪ちゃん…………」

 

「お姉ちゃん…………?」

 

弱々しい楯無の言葉に、簪は声を漏らす。

 

「ヒーローは………ちゃんといるから…………」

 

楯無はそう言って笑みを浮かべる。

その時、ゴーレムⅢがブレードを振り下ろし始めた。

 

「私の…………ううん………『私達のヒーロー』なら…………!」

 

楯無がそう言った瞬間、ピットの出入り口から影が飛び出した。

 

「はぁあああああああああああああああああああああっ!!!」

 

気合の入った叫びと共に、振り下ろされたブレードの横腹を打ち付け、剣の軌跡を僅かにズラす。

 

「きゃっ……!?」

 

ブレードは楯無と簪のすぐ横に外れ、簪は衝撃波から楯無を護る様に抱きしめる。

衝撃波が収まった後、簪はゆっくりと前を向くと、

 

「大丈夫か!? 2人共!」

 

機械を組み合わせたような意匠を持つ剣を片手に、2人を護る様に立ちはだかる紫苑の姿があった。

 

「し、紫苑さん…………?」

 

簪は思わず呟く。

 

「遅くなってすまなかった。もう大丈夫だ」

 

そう言う紫苑の背中を見た簪は不思議と安心感を覚えた。

紫苑の背は簪よりも小さい。

だが、今の紫苑の背中は簪にはとても大きく見えた。

 

「………………ヒーロー…………」

 

自然とその言葉は簪の口から零れた。

 

「そうよ、簪ちゃん………最後の手段で巨大化した悪役は、ヒーローに倒されるのが世の常よ…………」

 

楯無の口からそんな軽口が出てくる。

 

「もう、遅いですよ紫苑さん。どれだけ待たせるんですか?」

 

そう言葉を投げかける楯無。

 

「そりゃ悪かったな………お前風に言うなら、ヒーローは出番待ちが長いんでね」

 

紫苑も軽口で返す。

楯無はその言葉を聞いて笑みを零した。

だが、紫苑はそのやり取りに懐かしさを感じていた。

 

(……………やっとわかった…………何故俺が早いうちから楯無に………刀奈にこんなにも惹かれていたのか……………刀奈はあいつ(ネプテューヌ)に似てるんだ…………性格もそうだが、髪型や顔の作りもあいつに通じるところがある…………)

 

楯無の顔を見て、自然と笑みを浮かべる紫苑。

 

(でも…………刀奈は刀奈だ。あいつ(ネプテューヌ)じゃない。俺が刀奈に惹かれたのは俺自身の想いだ……………やれやれ、自分がこんなにも複数の女に好意を持つなんて、若干自己嫌悪だな…………)

 

紫苑は気を取り直して巨大なゴーレムⅢを見上げる。

紫苑は剣を肩に担ぎ直すと、

 

「何だ? 少し目を離した隙に、随分とでっかくなってるじゃねえか?」

 

そんな事を口にした。

ゴーレムⅢは振り下ろしたブレードを引き抜くと、紫苑を見下ろす。

 

「し、紫苑さん………!」

 

簪は心配そうな声を上げるが、

 

「心配するな。ここは『ヒーロー』に任せておけ」

 

紫苑はそう言って笑って見せる。

 

「ッ………!」

 

簪はその笑みを見ると顔が熱くなるのを感じた。

紫苑は再びゴーレムⅢに向き直ると、剣を振りかぶり、

 

「シェアライズ!!」

 

剣を空高く放り投げ放った。

簪と楯無は自然とその剣を目で追う。

回転しながら宙を舞っていた剣が一定の高さまで到達すると、突然剣の向きが変わり、一直線に紫苑へと向かって行く。

そしてそのまま紫苑を剣が貫いた。

 

「「ッ!?」」

 

楯無と簪はその光景に思わず目を見開くが、次の瞬間紫苑が炎に包まれ、炎の柱が生まれた。

少しすると、その炎の柱は四散する様に消え去り、

 

「『騎士』バーニングナイト…………推参…………!」

 

その中から、赤いプロテクターを身に纏い、顔にヘッドギアを付けた青年の姿があった。

楯無と簪はその姿を呆然と見ていたが、

 

「あれが………紫苑さんの『変身』………」

 

以前プロテクターを付けていない状態を見たことがある楯無がそう呟いた。

 

「『変身』…………?」

 

簪が尋ねると、

 

「そうよ………紫苑さんは『変身』出来るの…………『ヒーロー』だからね」

 

楯無はクスッと笑って見せる。

その時、ゴーレムⅢが紫苑に向かって剣を振り上げた。

 

「あっ、危ない!」

 

簪が思わず声を上げる。

だが、バーニングナイトはその場を動こうとはしない。

次の瞬間、巨大なブレードが振り下ろされた。

けたたましい音が鳴り響く。

すると、

 

「…………なるほど…………その巨体に恥じない中々のパワーだ」

 

バーニングナイトがそう呟いた。

簪はその様子を目を見開いて見入っていた。

バーニングナイトは振り下ろされた巨大なブレードを、手に持った片手剣で受け止めていたのだ。

更に、バーニングナイトの剣には目立った損傷が無いにも関わらず、ゴーレムⅢの巨大なブレードには大きな罅が入っていた。

 

「だが…………俺を倒すにはまだ甘い!」

 

バーニングナイトが受け止めた状態から剣を振り切り、ゴーレムⅢのブレードを跳ね上げる。

 

「弾き返したっ………!?」

 

簪は驚愕の声を漏らす。

バーニングナイトは背後に円陣を発生させると、それを足場に一気に飛び出した。

ゴーレムⅢの腹部をすれ違いざまに一閃する。

合体し、更に強固になったであろう装甲に、内部構造が見える程にくっきりとした傷を残す。

更にバーニングナイトは進行方向に円陣を発生させると、体勢を変えてその円陣を蹴り、跳ね返る様に再びすれ違い様に一閃する。

それを何度も繰り返し、縦横無尽に飛び回るバーニングナイトをゴーレムⅢは捉えることが出来ず、ダメージを蓄積させていく。

 

「す、凄い………!」

 

簪は、自分が敵わないと思っていた相手を一方的に追い詰めていくバーニングナイトの強さに釘付けになった。

やがてバーニングナイトがその攻撃を止めた時には、ゴーレムⅢは身体の各部から放電し、満身創痍と言える状況だった。

すると、

 

「やれやれ、やっと来たか」

 

バーニングナイトが突然呟く。

 

「えっ?」

 

簪が声を漏らすと、再びピットの出入り口から3つの影が飛び出してきた。

その影が紫苑の周り着地する。

 

「お待たせ~、シオンくぅん」

 

菫色の髪を靡かせたアイリスハート。

 

「遅れてごめん、お兄ちゃん!」

 

薄紫の髪を靡かせるパープルシスターのネプギア。

 

「ぴー! 参上!」

 

黄色の髪を靡かせるイエローハート。

 

 

 

 

同じ頃、エンシェントドラゴンが現れた場所では、エンシェントドラゴンが光となって消えた所だった。

 

「いえーい!」

 

ラムがピースサインを決め、ユニもサムズアップで返し、ロムは笑みを浮かべる。

3年前は、変身前では(シュミレーターで)エンシェントドラゴン相手に女神候補生4人がかりでやっと勝てたぐらいだったが、彼女達とて日々進歩している。

現在では変身前の3人でも、さほど苦戦せずにエンシェントドラゴンを倒せるほどになっていたのだ。

 

 

 

 

 

「さて、来て早々で悪いが、一気に決めるぞ!」

 

バーニングナイトが3人に呼びかける。

 

「いつでもいいわよぉ~!」

 

「はい!」

 

「いいよ~!」

 

3人が返事をすると、ゴーレムⅢは右腕を振りかぶった。

その瞬間、ネプギアが飛び出す。

 

「ミラージュダンス!!」

 

ネプギアの剣が振り上げた右腕を斬り落とす。

ゴーレムⅢは今度は左腕の砲門を向けようとしたが、

 

「ヴァルキリーファーーーーング!!」

 

正面から叩き込まれたイエローハートの一撃が左腕を粉砕する。

更に続けてアイリスハートが飛び出し、

 

「くらいなさい! ファイティングヴァイパー!!」

 

瞬時に振るった2回の斬撃でシールドユニットを斬り落とした。

両腕とシールドユニットを失ったゴーレムⅢの頭上にバーニングナイトが降り立つ。

手に持つ剣が変形し、バーニングナイトの両拳に大型のナックルグローブとして装着される。

そのまま両腕を振りかぶり、

 

「ギガンティックブロウ!!」

 

両拳をゴーレムⅢの頭部に叩きつけた。

本来は地面に打ち込んで巨大な火炎弾を発生させ、地面伝いに敵にぶつける技だが、今回はゴーレムⅢに直接炎エネルギーを叩き込んだのだ。

莫大なエネルギーを送り込まれたゴーレムⅢは耐えきれるはずもなく、大爆発を起こして木っ端微塵になった。

バーニングナイトは簪の前に降り立ち、ゴーレムⅢが完全に沈黙したことを確認する。

 

「ヒーロー………本当に居た……………」

 

その光景を、簪は熱の籠った視線で見つめていた。

 

 

 

 

 

 

少し離れた校舎の屋上から、その光景を眺める人物が居た。

 

「フン、この私が手を加えたとはいえ、所詮は玩具。女神や守護者共には手も足も出んか………」

 

その人物、マジェコンヌがつまらなそうにそう吐き捨てる。

すると、

 

「ふー、やっと終わったっチュ」

 

そう言いながらワレチューが校舎の中から出てきた。

 

「ネズミ、首尾の方は如何だ?」

 

「言われた通りコンピューターに時限式のトラップを仕掛けてきたっチュ。全く、ネズミ使いの荒いオバハンっチュ。けどよかったんチュか? 折角現れたエンシェントドラゴンをこんな所で使い捨てて………」

 

「フン、所詮は実験の途中で現れた消耗品だ。惜しくもない」

 

「とか言いチュチュ、実験の中で偶然に出来たゲイムギョウ界への一回しか使えないゲートを通ろうとした時に向こうから偶々落ちてきて帰れなくなった腹いせじゃないんでチュか?」

 

「黙れネズミ!」

 

その言葉にワレチューは図星だったことを悟った。

 

「ま、とにかく一刻も早くゲイムギョウ界に帰れることを期待してるっチュ」

 

「フン、言われるまでもない。だがその前に、1人だけでも始末しておきたいところだな」

 

マジェコンヌはニヤリと笑うと後ろを振り向く。

 

「次はお前にも協力してもらうからな」

 

クククと笑うマジェコンヌの視線の先には銀髪の少女の姿があった。

 

 

 

 

尚、一夏だが氷漬けになって行動不能になっていたが、運よく戦闘には巻き込まれず、すぐに救助されたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

そして背中を負傷した楯無だが、命に別状は無く、数日の治療で医療室から出られるという。

紫苑が自室で寝転がっていると、ドアがノックされた。

紫苑が扉を開けるとそこにいたのは、

 

「…………簪?」

 

紙袋を両手で抱えた簪が立っていた。

簪は少しモジモジしていたが、意を決したように紙袋を紫苑に差し出してきた。

 

「あ、あの…………」

 

紫苑は差し出された紙袋を受け取る。

中を覗くと、

 

「………アニメ?」

 

中に入っていたのはアニメのディスク。

 

「も、もしよかったら…………」

 

簪はお勧めのアニメを紫苑に紹介したのだ。

 

「ん、サンキュ。ピーシェ達と一緒に見てみるよ」

 

その言葉を聞いて簪は表情を明るくする。

 

「アニメ、好きなんだな」

 

その表情を見て、紫苑はそう判断する。

 

「……………うん、好き……………」

 

すると、簪は一呼吸おいて、顔を更に赤くすると、

 

「だっ、大好きっ………!」

 

それだけ言うと走り去ってしまった。

 

「あっ、おい………!」

 

紫苑は呼び止めようとしたが、簪はそのまま行ってしまう。

紫苑は後頭部を掻き、

 

「……………まいったな…………」

 

少し困惑気味に呟く。

どこぞの朴念仁なら今のはアニメが大好きと判断しそうなものだが、紫苑は簪の気持ちを正確に汲み取っていた。

紫苑が部屋の中に戻ると、プルルートがニコニコしていて、

 

「あはは~、シオン君~、モテるねぇ~」

 

笑いながらそう言った。

とは言え、その言葉に影が無いことを悟った紫苑は、

 

「お前は反対しないのか?」

 

プルルートにそう尋ねると、

 

「カンザシちゃんは良い子みたいだし~、本気で紫苑君の事好きみたいだから~、反対はしないかな~」

 

「そうか……………」

 

紫苑は、自分に好意を寄せてくれる楯無やラウラの事も含め、近々話そうと思っていたことを改めて決意する。

 

「………………楯無が戻ってきたら、ちゃんと話すか…………」

 

まだ楯無達には話していなかった自分の秘密を………………

 

 

 

 

 

 









第36話の完成。
えらく長くなった。
いつもは戦闘シーンはあまり長くないのに今回は長くなった。
一夏君、最早噛ませ犬扱い。
まあ、原作でも手も足も出てなかったんだから、それよりパワーアップしたゴーレムⅢ相手ならこうなるのは当然かと。
そしてヒーローを願う簪ちゃんの前にあらわた変身ヒーローの紫苑君。
一目惚れです。
さて次はワールド・パージ編ですが、こちらも原作とは大きくかけ離れる予定。
お楽しみに。



では今日のNGシーンです。





同じ頃、プルルート、ピーシェ、ネプギア、ユニ、ロム、ラムの6人はアリーナの内部通路を走っていた。
ゴーレムⅢが襲撃した時、当たり前のようにシェルターが閉じてしまい、すぐに紫苑達の応援に行けなくなってしまったのだ。
シェルターを壊すという案も無くは無かったが、生徒達の危険度が跳ね上がってしまうため、流石にそれは自重した。
とはいえ、アリーナも狭くはない。
まるで迷路のように入り組んだ通路を時折道順を間違えながらピットへと向かっていた。

「ったく! まるでダンジョンじゃない! もうちょっと分かり易い作りにしときなさいよね!」

走りながらユニが愚痴る。

「そんな事言っても仕方ないよ。今は早くお兄ちゃん達の応援に行かないと………!」

ネプギアがそう言いかけた時、突如として目の前の壁が爆発。
6人は思わず立ち止まる。
黙々と煙が立ち込める中、その煙の中に人型の影が浮かび上がった。
肉まんの形の様な頭部。
時折煙の切れ目から見える青色の無駄に鍛え抜かれた肉体。
黒のパンツ一丁の姿。

「たとえ相手が女神だろうと、この大胸筋で受け止めてやるさ!」

その名は『スライヌマン』!!

「「「「「「……………えぇええええええええええええええええええええええええええっ!!??」」」」」」

余りの予想外の敵に、全員は目を点にして驚愕の叫びを上げた。

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