超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第40話 波乱の修学旅行(ディメンショントリッパ―)

 

 

 

 

 

マジェコンヌと亡国機業(ファントム・タスク)の襲撃から暫くの時が経ち、季節は秋に入ってきた所だ。

しかし、紅葉で色付き、華やかな景色を見せる風景とは裏腹に、現在、世界では激震が走っていた。

千冬と真耶が地下のオペレーションルームで世界の情報を集めていた。

真耶がパネルを操作し、モニターに情報を映し出していく。

 

「ここ1ヶ月で、またISの強奪事件が6件新たに起きています。これで奪われたISは合計で20機を超えました」

 

「亡国機業か…………」

 

千冬はモニターを睨むように呟く。

 

「はい、驚くべきことに、それらの強奪事件は全て1機のISの襲撃によるものだという事です」

 

真耶はパネルを操作して、襲撃者と思われるISの画像を複数モニターに出す。

それらは、以前IS学園を襲撃した、アラクネ、サイレント・ゼフィルス、ゴールデン・ドーンの3機だ。

その内の1機がそれぞれの強奪事件に関わっている。

 

「以前の襲撃の時にも思ったが、あの3機は相当な強化が施されている様だ…………それを1人で相手取る女神の強さが規格外だっただけだ」

 

「情報は公にされてはいませんが、これ以上強奪事件が続くとなると、一般のメディアに情報が流れるのも時間の問題かと…………」

 

「「…………………………」」

 

その言葉で2人は黙り込む。

すると、

 

「…………………やはり、修学旅行にはあいつらも連れて行くべきだな」

 

「そうですね…………」

 

2人はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

紫苑、プルルート、ピーシェ、ネプギア、ユニ、ロム、ラムは千冬に呼び出された。

 

「織斑先生、話とは………?」

 

紫苑がそう尋ねる。

 

「うむ。もう間もなく修学旅行がある事は知っているな?」

 

「ええ」

 

「その修学旅行だが、特別にプルルート達も行けるように許可を取った」

 

「えっ?」

 

思いがけない言葉に紫苑は声を漏らし、

 

「ホント!?」

 

ラムが嬉しそうな声を上げる。

 

「でも、どうして………?」

 

紫苑が疑問を口にすると、

 

「彼女達には、何度もこの学園を護って貰っている。そんな彼女達への恩返し…………というのが建前」

 

「建前…………というなら本音は?」

 

「ああ…………一般には公になってはいないが、最近、亡国機業の活動が活発になってきている。今日までに多くのIS研究所や所有する施設が襲撃され、ISが強奪されているのだ。この分だと、IS学園………特に専用機持ちが襲われる可能性が高い」

 

「それは確かに…………」

 

「よって、お前達…………特に変身できる4人には旅行中の護衛をお願いしたい。より厳密にいえば、クラスごとに1人ずつ行動を共にしてもらいたい。その為に、移動は本来は新幹線の予定だったが、移動中の襲撃も踏まえバスによる移動に変更した。後は極力自由行動は少なくして集団での移動を多くしてある。他の3人にもサポートをお願いしたい」

 

「……………まあ、妥当な所か。お前達も構わないか?」

 

紫苑がプルルート達に問いかける。

 

「いいよ~!」

 

「うん!」

 

「了解です!」

 

「ま、仕方ないわね」

 

「修学旅行だって、楽しみだねラムちゃん」

 

「そうだねロムちゃん!」

 

それぞれはやる気のある返事をする。

 

「……………ありがとう。そして、何度も巻き込んですまない」

 

千冬は礼を言ってから頭を下げる。

 

「や、やめてくださいオリムラ先生! 私達は自分の意思で協力してるんです!」

 

ネプギアが慌てながらそう言う。

 

「それに、あっちにはマジェコンヌも居ますから、全くの無関係って訳じゃ………!」

 

ユニも少し狼狽している。

千冬は頭を上げると、

 

「改めて、よろしく頼む………!」

 

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

その言葉に全員は返事を返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、修学旅行当日。

何も知らない一般生徒達は、皆が笑顔で修学旅行の行き先について盛り上がっている。

行き先は京都。

バスでの移動になるので、1日目はほぼ移動で潰れることになるだろうが、それも旅行の醍醐味として気にしている生徒はあまりいない。

そして、肝心の女神の力を持つ者達の配置は、1組が乗る1号車には、同じクラスという事で紫苑が担当する。

因みに束とクロエも、狙われる可能性がゼロでは無いので一緒に修学旅行に行くことになり、1号車に搭乗している。

鈴音が所属する2組の2号車にはピーシェが担当し、女神候補生の中でもしっかり者のユニがサポートにつく。

翡翠の居る3組の3号車にはネプギアが。

簪の所属する4組の4号車にはプルルート。

更にはロムとラムが同乗する。

そして、その4号車の荷物入れには秘密裏に忍び込んだ楯無の姿が…………

純粋に旅行を楽しむ者。

生徒達を護るために神経を尖らせる者。

それぞれの思惑を胸に、バスの発車と共に、修学旅行は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスが発車してから暫く。

3回ほど休憩を挟み、道程の半分を超えた辺りだった。

発射当時ははしゃいでいた生徒達も、徐々に疲れてきたのか眠る生徒もチラホラと出てきた。

そんな中、紫苑は窓際の席で外を眺めつつ、車内の様子を伺う。

隣の席にはラウラ。

後ろの席には一夏が居り、緊張感の無い寝息を立てている。

その隣にはセシリア。

少し離れた席にシャルロットと箒が居る。

個人差はあるが、それぞれのメンバーもこの修学旅行を楽しみにしているらしい。

期待感に溢れている。

 

(何事も無ければいいんだけどな……………)

 

心の中でそう願うが、紫苑は何かが起こる予感がしていた。

しかし、胸騒ぎや虫の知らせと言った悪い予感ではない。

何か分からないが、純粋に何かが起こる。

紫苑はそう感じていた。

紫苑の心情を他所に、バスは進む。

そして、1号車から4号車まで順番に並んでトンネルへと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

数分前、そのトンネルがある山中。

 

「さて………いよいよゲイムギョウ界に戻る時が来た!」

 

そこには含み笑いをしながら言い放つマジェコンヌの姿が。

 

「おい! 本当にそのゲイムだがゲームだか知らねえが、その世界に行けば、私らのISをもっと強化出来るんだな!?」

 

そしてその近くにはオータム、エム、スコールの3人の姿が。

 

「ああ、それは約束しよう。ただし、こちらの世界に戻る時は、この私との契約内容を果たしてからだ」

 

マジェコンヌはそう言い切る。

 

「契約内容…………あなたの世界にいる4人の女神を始末するのに協力すればいいのね?」

 

スコールが確認を含めてそう呟く。

 

「その通り。私と女神1人の力はほぼ五分と五分…………今まではそこに女神の妹やいまいましい守護者までもが加わっていたため、容易に手が出せなかったが、幸運にもそいつらはこの世界にいる。奴らをこの世界に置き去りにし、私達だけがゲイムギョウ界に行けば、奴らが手を出すことなど不可能だ。そこにお前達も加われば女神1人相手ならば必ず勝てる!」

 

マジェコンヌは自信満々にそう言う。

 

「ところで、守護者たちの行動はちゃんと確認してるっチュか? オバハンの見つけた次元ゲートの開き方は、この場所の空間以外にも多大な影響を与えるっチュ。それに巻き込まれてゲイムギョウ界に来てしまう可能性もあるっチュ」

 

マジェコンヌの足元でワレチューがそう言う。

 

「フン! 何のために態々奴らの拠点からこんな遠く離れた山中まで来たと思っている? 奴らがこの近くに現れることなど万に一つもあり得ん!」

 

マジェコンヌは馬鹿にしたような言葉を放つ。

ワレチューは明後日の方向を向いて、やれやれと溜息を吐き、

 

「チュ~~~……………要は確認してないっチュね。この後の展開が見えた気がしたっチュ。まあ、オイラとしてはゲイムギョウ界に帰ることが出来れば文句はないっチュ」

 

呆れた表情でそう呟いた。

 

「何をブツブツ言っている!? さあ! 早く準備をしろ!」

 

「分かってるっチュ」

 

ワレチューが小型の機械を4つ正方形に並べる。

 

「準備オッケーっチュ」

 

ワレチューがそう言うと、

 

「さあ、今度こそこの私がゲイムギョウ界を支配するときだ!」

 

マジェコンヌが笑いながら装置を作動させた。

ワレチューが設置した機械の中央に黒い空間の穴が発生する。

マジェコンヌは一度亡国機業の3人に振り返り、

 

「では、行くぞ…………!」

 

マジェコンヌは迷いなくその空間に足を踏み入れ、それを追ってワレチューも飛び込む。

亡国機業の3人も、警戒する素振りを見せながらも、慎重にその空間の穴に足を踏み入れた。

そして、暫くしてから空間の穴は消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1号車のバスの運転手は違和感を感じていた。

あるトンネルを潜った途端、窓の外が真っ暗になってしまったのだ。

最初はトンネルの照明が故障でもしたのかと思っていたが、徐々にその違和感は強くなっていく。

彼は、50代のベテラン運転手であり、当然だが今は知っている道も何度も通ったことがある。

故に、

 

(……………………このトンネル、こんなに長かったかなぁ?)

 

内心そう思っていた。

違和感が不安に変わりそうになっていた時、暗闇の向こうに光が見えた。

運転手は出口だとホッと安堵の息を吐き、その光へ向かってアクセルを踏む。

そしてその光を潜った瞬間……………

運転手は思わずブレーキを踏んでしまった。

突然のブレーキに、車内は生徒達の悲鳴が響き渡り、寝ていた生徒達も何事かと目を覚ます。

しかし、運転手はその悲鳴が聞こえていないかのように前を向いて固まっていた。

何故なら、バスのフロントガラスの向こう側の光景は、一面に広がる緑の草原。

そして、その草原の背景には、日本では………いや、地球では見た事の無い未来的な大都市が広がっていた。

 

 

 

 

 

 





第40話です。
キリ良く新章突入です。
まあ、今回は新章のプロローグ的な物なので短いです。
その分早く投稿出来ましたが……………
さて、修学旅行の行き先はまさかまさかのゲイムギョウ界。
これを予想できた人は何人いるでしょうか?
さて、1号車が現れた場所は…………
因みにあの場所には1号車しかいません。





ネタが思いつかなかったので今日のNGシーンはお休み。
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