超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第54話 決戦の開始(ゴング)

 

 

 

その日、プラネテューヌではIS学園の生徒達の帰還のための準備が進められていた。

イストワールを中心に、転送装置の準備が進められる。

多くの生徒達が帰還に期待を馳せる中、千冬だけは一夏が居ないことにやや暗い表情をしていた。

 

「織斑先生…………」

 

「………山田先生か………帰還の準備はどうなっている?」

 

真耶が千冬に声を掛けると、千冬はまるで話を逸らすかのように自分からそう聞いた。

 

「………準備は予定通り進んでいるそうです………イストワールさんの話ではあと3時間程で準備が完了するそうです」

 

「そうか…………」

 

「…………あの、織斑先せ…………」

 

「話は変わるが………」

 

真耶が何か問いかけようとするが、やはり千冬は言葉に被せる様に話し出し、真耶の問いかけを許さない。

 

「ラウラと更識姉妹………そして月影兄妹だが、こちらの世界に残るそうだな?」

 

「え? あ、はい…………」

 

「親族が居ない月影兄妹はまだいいが、ラウラと更識姉妹に関しては手紙を預かっている。ラウラは軍の部隊員達へ。更識姉妹は家族宛の手紙だ」

 

千冬はそう言いながら手紙を取り出し、真耶へと差し出す。

 

「私はまだ戻れん。頼む」

 

聞きたいことを先に言われてしまった真耶は、何とも言えない気持ちになる。

 

「織斑先生…………」

 

真耶がその手紙を受取ろうとした時だった。

 

「た、大変です!!」

 

1人のプラネテューヌ衛兵が駆けて来てイストワールに報告を始める。

 

「街の外に、接触禁止種の群れが! 超接触禁止種も何体か確認されています!」

 

焦った表情を隠しきれずに報告する衛兵。

 

「ッ!? ネプテューヌさんや他の女神様達に報告は!?」

 

イストワールは即座に聞き返す。

 

「別の者が報告に向かっている筈です!」

 

「分かりました。モンスター達の対処は女神様達に任せ、あなた達は民間人の避難を優先させてください」

 

「了解しました!」

 

イストワールの言葉に衛兵は敬礼で答えた。

 

 

 

 

 

 

 

プラネテューヌの街の外には、超接触禁止種を含む接触禁止種の群れが今にも突撃しそうな雰囲気でその場に佇んでいた。

そしてそのモンスター達を率いるように空中に浮かんでいるのは変身したマジェコンヌ。

 

「ククク…………今日が女神共達の命日だ!」

 

マジェコンヌが率いるモンスターの数は19体。

それら全てにISのコアを融合させた特殊個体だ。

 

「やれやれ、やっとかよ」

 

「………………………」

 

「出番の様ね………」

 

待ちくたびれたと言わんばかりのオータム。

終始無言のエム。

契約として割り切っている様子のスコール。

そして、

 

「紫苑………………しぃぃぃぃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!!」

 

呪詛の様な声で叫ぶ、更に姿を醜悪にさせたイービルナイトの一夏。

その様子を眺めていたマジェコンヌだったが、プラネテューヌの方角から近付いてくる存在に気付き、ニヤリと口元を吊り上げながら向き直った。

それはパープルハートを先頭に、バーストフォームのバーニングナイト、ネプギア、アイリスハート、イエローハート、ブラックハート、ユニ、ホワイトハート、ロム、ラム、グリーンシスター、ヒスイといった女神達と、箒、セシリア、鈴音、シャルロットのIS勢。

 

「待っていたぞ! 女神共!」

 

腕を組んだ状態で堂々と言い放つマジェコンヌ。

 

「わざわざ正面から出向いてくるなんて潔いのね? あなたとの因縁も今日で終わりにしてあげる!」

 

パープルハートが刀剣を構えながらそう言い放った。

 

「フン! これだけの接触禁止種の群れを見てそれだけの大口が叩けるのならば大したものだ! その言葉、そっくりそのまま貴様たちに返してやる!」

 

マジェコンヌもそう言い返した。

その瞬間、

 

「しぃぃぃぃぃおぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」

 

叫びながら一夏が飛び出し、他の女神達には目もくれず、バーニングナイトに斬りかかった。

 

「一夏っ……………!」

 

バーニングナイトは一瞬驚くが、即座に対応し、剣で一夏の剣を受け止める。

だが、一夏は以前よりも力を増しており、バーニングナイトは他の女神達から引き離されるかのように一夏に押され、孤立する。

 

「シオン!」

 

「お兄ちゃん!?」

 

パープルハートやヒスイは心配そうな声を上げるが、

 

「一夏は俺が抑える! お前達はマジェコンヌ達を頼む!」

 

バーニングナイトは、自分が一夏の相手をするのが最善だと判断してそう叫んだ。

 

「ッ…………!?」

 

パープルハートは一瞬躊躇したが、

 

「頼んだわ、シオン!」

 

すぐにマジェコンヌに向き直り、刀剣を構え直した。

 

「やれやれ、堪え性の無い奴だ」

 

マジェコンヌは一夏を眺めながら呆れた声を漏らす。

 

「あなたがそれを言うの? イチカを騙して利用しているあなたが………!」

 

パープルハートはマジェコンヌを睨み付ける。

 

「騙す? 騙した覚えなど無いがな」

 

悪びれも無くそういうマジェコンヌに対してパープルハートはキッと睨み付ける。

 

「皆、マザコングは私が相手をするわ。皆はモンスターをお願い!」

 

パープルハートはそう言うと刀剣を振りかぶってマジェコンヌに斬りかかっていく。

 

「はぁああああああっ!!」

 

マジェコンヌはひらりと上昇してその攻撃を躱すと、

 

「いいだろう。相手をしてやる!」

 

そう言って翼の非固定部位を射出した。

 

「こんなもの!」

 

パープルハートは非固定部位から放たれる光線を斬り払いながらマジェコンヌへと接近していった。

 

 

 

 

 

 

「さあ、私達はモンスターの相手をするわよ。行くわよユニ!」

 

「うん、お姉ちゃん!」

 

ブラックハートとユニがモンスターへと向かって行く。

以前現れたシュジンコウキの強化モンスター、ライバルキやコウケイキ、巨大なマシンモンスターであるデウス・エクス・マキナなど、強力なモンスター達がひしめき合う。

 

「まずは先制攻撃!」

 

ユニがビームランチャーを構え、引き金を引く。

砲口からビームが放たれ、一直線にモンスターへと向かって行く。

女神候補生とは言え、その力は四女神に勝るとも劣らない。

普通のモンスターなら接触禁止種とは言えダメージは与えられるはずだった。

だが、

 

「ッ!?」

 

ユニは目を見開く。

モンスターはビームの着弾寸前にシールドバリアを張ってユニのビームを弾く。

少し後退ったようだが、その身体にダメージは通っていない。

 

「これが話に聞いてたISのシールドバリアを持つモンスター………!」

 

本気では無かったとはいえ、ノーダメージで耐えられるとは予想外だったユニが声を漏らす。

 

「ハンッ! 手応えありそうじゃない!」

 

だが、ブラックハートはそれには臆せず、強気で敵に向かって行く。

 

「レイシーズダンス!!」

 

必殺技を使い、回転しながら斬りかかるブラックハート。

その攻撃はシールドバリアを貫き、モンスター本体へ攻撃が届いた。

だが、シールドで威力がかなり削られたため、ダメージは低い。

 

「思った以上にやるようね……………だったら、何度でも叩き込むだけよ!! ヴォルカニックレイジ!!」

 

ブラックハートはそう叫びながら再びモンスターへと向かって行った。

 

 

 

 

「おらぁああああああっ!! テンツェリントロンベ!!」

 

ホワイトハートの大斧の一撃が敵モンスターを怯ませ、押し倒す。

四女神の中でも一撃の攻撃力で勝るホワイトハートの一撃は、シールドバリアを持つモンスターでもかなり効果的にダメージを与えることが出来ていた。

 

「「ええぇーいっ!!」」

 

ロムとラムも氷塊を生み出して攻撃し、うまい具合にホワイトハートを援護している。

 

「よし! この調子でいくぞ! ロム! ラム!」

 

「「うん!」」

 

ホワイトハートの言葉にロムとラムは元気よく返事を返した。

 

 

 

 

 

 

 

「遅いですわよ!」

 

グリーンハートがそのスピードを活かしてモンスターの攻撃を避ける。

 

「こっちですわ!」

 

即座にモンスターの後ろに回り込み、その槍で攻撃を加える。

しかし、グリーンハートの攻撃の強みはスピードを活かした連続攻撃。

一撃の威力は女神の中でも一番弱い。

その槍はシールドバリアによって止められ、モンスターには届かない。

モンスターは反撃の為にグリーンハートに振り向こうとして、

 

「どっせぇぇぇぇぇぇいっ!!」

 

その反対方向から巨大な拳が炸裂し、モンスターは大きく吹き飛ばされた。

それは、

 

「ナイスですわ! ヒスイちゃん!」

 

グリーンシスターのヒスイだ。

 

「はい! ベール姉さん!」

 

グリーンシスターの言葉にヒスイも笑顔で応える。

すると、

 

「ああん! これこそ夢に見た『妹』ととの共同作業! 堪りませんわ!」

 

頬を赤らめ、悶えるようにくねくねと体を捩らせるグリーンハート。

 

「…………ベール姉さん……」

 

その姿を見たヒスイは少し引いた。

すると、モンスターが起き上がる。

グリーンハートは気を取り直し、

 

「さあ、行きますわよ! ヒスイちゃん!」

 

「了解です!」

 

再びモンスターに立ち向かった。

 

 

 

 

 

「アハハハハハハ!! 叩き甲斐のある子ねぇ!!」

 

嬉しそうな高笑いをしながら攻撃を加えるアイリスハート。

まるで弄ぶように次々と攻撃を加えていく。

勿論モンスターはシールドバリアを展開し、攻撃を防いで入るが、アイリスハートの攻撃も重いために気軽に反撃は出来ない。

アイリスハートは何度も踏みつけるように頭上から攻撃を繰り返し、モンスター数匹を翻弄している。

モンスターは何とか隙を突いてアイリスハートを攻撃しようとしていたが、

 

「ウフフ…………アタシに熱中してくれるのは嬉しいんだけど、アタシばかり見てると危ないわよ♪」

 

アイリスハートがそう言った瞬間、

 

「とおぉぉぉぉぉっ!!」

 

イエローハートが一気にモンスターの懐に飛び込む。

 

「ヴァルキリーファーーーーング!!」

 

右腕の光のクローの一撃を叩き込み、モンスターを吹き飛ばした。

吹き飛ばされたモンスターは周りにいた数体を巻き込んで地面に倒れる。

 

「あらぁ………だから言ったのに」

 

そうは言うがアイリスハートは妖艶な笑みを崩さない。

 

「さあ、もっと楽しませて!!」

 

アイリスハートは高らかに叫んだ。

 

 

 

 

 

「ええぇいっ!」

 

ネプギアが銃剣からビームを放つ。

それをオータム、エム、スコールの3人は散開して避けながらネプギアに接近してくる。

 

「やらせませんわ!」

 

セシリアが一斉射撃でオータムを狙う。

 

「しゃらくせえっ!」

 

オータムはそれを避けようともせずに突っ込んできた。

 

「させん!」

 

箒が両手に剣を構え、オータムに突撃する。

 

「はぁあああああっ!!」

 

振るわれる2本の剣をオータムは装甲脚一本で防ぎ切った。

そのままオータムは残りの装甲脚を展開する。

 

「くたばれ!」

 

残り7本の装甲脚の先にビーム刃を発生させたオータムはそれを箒に突き刺そうとして、

 

「吹っ飛べ!」

 

「うおっ!?」

 

横殴りの衝撃に吹き飛ばされた。

 

「鈴、助かった!」

 

箒が鈴音に礼を言う。

 

「礼は後よ。それにしても、とんでもない強化が施されてるわね、あいつ等の機体」

 

鈴音は吹き飛ばされたオータムを見据える。

オータムは体勢を立て直したところだった。

 

「チッ! 弱っちいくせに鬱陶しいんだよ! カトンボ共が!」

 

オータムはそう罵声を浴びせるが、

 

「あら? それほど高性能な機体を用いても未だカトンボ一匹墜とせないあなたは何なんでしょうね?」

 

「ホントよね…………! 完璧に機体に振り回されてるじゃない!」

 

「どれほど強い武器を得ようとそれを使いこなせないければ宝の持ち腐れだ」

 

三者三様でそう返す。

 

「このガキどもがぁ!!」

 

オータムは怒りの籠った声で叫びながら襲い掛かった。

一方、エムが大剣でネプギアに斬りかかる。

ネプギアもビームソードでその一撃を防ぐ。

 

「クッ………!」

 

エムの一撃は女神であるネプギアにとって耐えきれない一撃では無かったが、スピードの乗った一撃は簡単には押し返せない。

 

「そこよ!」

 

そこに背後からスコールのゴールデン・ドーンのテールがネプギアを捕えんと迫った。

 

「させないよ!!」

 

だが、シャルロットがグレネードを放ってその狙いを逸らす。

その隙にネプギアはエムの大剣を押し返し、その場を離脱する。

 

「シャルロットさん、助かりました!」

 

「どういたしまして! また来るよ!」

 

「はい!」

 

ネプギアとシャルロットは武器を構えなおす。

その2人にエムとスコールが再び襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、プラネタワーの一角にある一部屋。

その部屋は、現在束が許可を受けて自分用の研究室として使わせてもらっていた。

その理由は、

 

「……………よしっと、これでISの強化は完了だよ」

 

ラウラ、刀奈、簪の3人のISを束がプラネテューヌの技術を使い、強化していたからだ。

 

「ありがとうございます、束博士」

 

刀奈が代表してそう言う。

 

「うん、この子達でいっくんと、あの馬鹿な組織の3人を止めて」

 

「当然だ」

 

ラウラが頷く。

そして、何故この3人のISのみを強化していたかといえば、

 

「それから、あの3人が使っているISは必ず破壊して。君らはこの世界に残るつもりだから問題ないけど、あれが地球に持ち込まれたら、ISが世に出た時以上の技術革新の前倒しが起こって、下手をすれば世界大戦の引き金になりかねないから」

 

そのような理由である。

 

「はい」

 

簪も頷く。

そしてそれぞれがISを纏う。

 

「行くわよ!」

 

刀奈を先頭に新しい力を得たミステリアス・レイディ、打鉄弐式・改、シュヴァルツェア・レーゲンの3機が空へと飛び立っていた。

 

 

 

 

 

 







第54話です。
まだ少し短いです。
でも、キリが良かったので………
恐らく次回がBルート最終話になりそうな感じです。
もしかしたらその次かもしれませんが………
では次もお楽しみに。









久々のNGシーン





「……………よしっと、これでISの強化は完了だよ」

ラウラ、刀奈、簪の3人のISを束がプラネテューヌの技術を使い、強化していたからだ。

「ありがとうございます、束博士」

刀奈が代表してそう言う。

「うん、この子達でいっくんと、あの馬鹿な組織の3人を止めて」

「当然だ」

ラウラが頷く。
そして、何故この3人のISのみを強化していたかといえば、

「それから、あの3人が使っているISは必ず破壊して。そうしないと……………」

束が俯く。

「「「…………………」」」

3人は真剣に次の言葉を待つ。
そして、

「そうしないと、束さんの地球面白大改造計画が台無しになっちゃう!!」

「「「待てコラ!!」」」

3人は思わずツッコミを入れた。
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