超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス   作:友(ユウ)

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第10話 落ちてきた女神達(ネプテューヌ)

 

 

 

突然現れたゲイムギョウ界のモンスター。

2人は少しの間驚愕していたが、すぐに気を取り直し、

 

「山田先生! 2人に落ち着くように声を掛けてください! 今現れている奴らは大したモンスターじゃない! ISでも十分に倒せる相手です!」

 

一夏は映像を確認した後にそう言う。

今現在出現しているモンスターはスライヌやシカベーダー、マタンゴ、アースゴーレムなどの雑魚モンスターだ。

 

「それと俺達に出撃許可を! 奴ら相手は俺達なら慣れてる!」

 

一夏に続いて紫苑もそう言う。

 

「えっ? えと………織斑先生!?」

 

自分で決められない真耶は千冬に指示を求める。

千冬は一夏の目をジッと見つめていた。

 

「千冬姉…………!」

 

一夏も千冬の目を真剣に見つめ返す。

 

「………………………いいだろう。許可する」

 

その言葉を聞くと、

 

「ありがとう、千冬姉! 行くぞエミリ!」

 

「俺達もだ、アリン!」

 

一夏と紫苑が同時に駆け出す。

 

「い、一夏………!」

 

「あっ、待ってよ紫苑!」

 

一拍遅れてエミリとアリンも2人の後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

アリーナでは鈴音と春万が狼狽えていた。

 

「な、何なのよコイツら!?」

 

「俺に聞くな! こんな生物は地球上にいないはず……………!」

 

2人は良い感じに混乱していたが、

 

『春万君! 凰さん! 聞こえますか!?』

 

通信で真耶から声が掛かる。

 

「せ、先生………! こいつらは!?」

 

『詳しい事は分かりません! ですが一夏君の話ではその生物達は大した相手では無いようです! 落ち着いて対処してください!』

 

そう言われた時、1匹のスライヌが鈴音に飛び掛かってきた、

 

「ぬ~ら~!」

 

「わっ!?」

 

鈴音は反射的に青龍刀を振るった。

 

「ぬ~!?」

 

その一振りでスライヌは簡単に真っ二つになり、光となって消滅する。

 

「あら………?」

 

簡単に倒してしまった事に拍子抜けする鈴音。

それを見た春万が、

 

「うおおおおおおおっ!」

 

雪片でシカベーダーに斬りかかる。

 

「……………!?」

 

シカベーダーもあっさりと真っ二つになって消滅した。

 

「なんだよ? てんで弱いじゃないか! 驚かせやがって!」

 

相手が弱いと分かり、先ほどまで狼狽えていたのが嘘のように大口を叩く春万。

続けてモンスターの大群に突っ込んでいった。

 

「ちょっと春万!? アンタシールドエネルギーがあんまり残ってないでしょ!? ここはアタシに任せて…………!」

 

「うるさい! こんな奴ら、残りのシールドエネルギーだけで十分だ!」

 

「だったらせめて『零落白夜』は解除しなさい! その分だとシールドエネルギーがすぐに尽きちゃうわよ!」

 

鈴音はそうアドバイスを言うが、

 

「黙れ! 鈴の癖に俺に指図するな!」

 

春万はそう言いながら『零落白夜』を解除せずにモンスターに斬りかかっていく」

 

「ああもう…………!」

 

鈴音は春万の態度にイラつきながらも龍砲でモンスターを吹き飛ばし、春万を援護していく。

春万の事は嫌いだが、流石に見捨てることは出来なかった鈴音は春万に殺到するモンスターをなるべく寄せ付けないように距離を取って攻撃していった。

その時、

 

「32式エクスブレイド!!」

 

エネルギーの剣が上から降ってきてモンスターの大群の中央に突き刺さり、無数のモンスターを吹き飛ばす。

 

「ゲフェーアリヒシュテルン!!」

 

無数のエネルギー弾がモンスターに炸裂し、複数のモンスターを粉砕した。

鈴音が何事かと振り返ると、

 

「鈴!」

 

一夏と紫苑が白心と紫心を纏い、ピットから飛び出してきた。

 

「一夏! 紫苑!」

 

鈴は嬉しそうな表情で2人の名を呼ぶ。

 

「チッ!」

 

一方、春万は嫌そうな顔をして舌打ちした。

2人は近くに居たモンスターを戦斧と刀剣で斬り切り裂きながら2人の近くに着地する。

 

「2人とも大丈夫だったか!?」

 

一夏がそう聞くと、

 

「ええ、何とかね」

 

「フン! この俺がお前に心配されることなど無い!」

 

鈴音は普通に答えたが、春万の言葉は一夏への嫌悪に溢れている。

 

「あんたねぇ…………!」

 

鈴音は思わず文句を言いそうになったが、一夏が手で制する。

 

「今は問答している時じゃない。手早く言うが、あいつ等はこの世界にとっては未確認生物だが、俺や紫苑はあいつらの事は良く知っている」

 

「ホントに!? なら、あいつ等って…………?」

 

鈴音が思わずモンスターの正体について質問しようとした時、

 

「一夏も言ったが今は問答している時じゃない。必要最低限なことだけ言えば、あいつ等はISにとっては大した相手じゃない。だが、あいつ等は人を無差別に襲う習性を持っている。ここで全て討伐しなければ少なからず被害は出るからここで食い止める!」

 

紫苑が本当に必要最低限な事だけ伝えると、刀剣を構えてモンスターに向かって行く。

 

「鈴、そう言う訳だから話は後でな」

 

一夏もそう言って戦斧を振り被りながらモンスターの群れへ突撃する。

 

「ったくもう! 本当に後で説明しなさいよね!」

 

鈴音は愚痴を言いながら援護の為に龍砲を展開して空中に移動した。

春万も個人プレーだがモンスターとの戦いを再開している。

暫くの間戦っていたが、

 

「………………モンスターが減ってる気配が無い?」

 

一夏がそう呟く。

 

「お前も気付いたか、一夏」

 

一夏の背後に紫苑が降り立ち、背中合わせで一夏にそう言う。

すると、

 

「一夏! 紫苑! あれ!」

 

空中で援護していた鈴音が指を指しながら叫んだ。

2人が示された方を向くと、最初に落下してきた黒い箱状の物体があり、その周りから新たなモンスターが出現していた。

 

「単純に考えれば、あれがモンスターが現れている原因なんだろうが…………」

 

「………………迂闊に手を出すと碌なことにならないと勘が言ってるな」

 

一夏と紫苑は迂闊に手を出すと痛いしっぺ返しが来ると直感していた。

だが、

 

「フン! あれがこいつらを生み出してる元凶なら、俺がぶっ壊してやる!」

 

春万が叫びながら黒い箱状の物体に斬りかかっていく。

 

「あの馬鹿っ!?」

 

一夏が思わずそう言った。

雪片の刃が黒い物体の表面に傷を付ける。

 

「中々硬いじゃないか! なら、何度でも斬りつけるだけだ!」

 

春万はそう言って再び斬りかかろうとした。

だが、突然黒い物体からピーピーと音が鳴り、

 

『自機ニ対スル攻撃ヲ確認。 自己防衛機能ヲ作動スル』

 

そう機械音声が流れると物体の真上にモンスターが出現する兆候の光が集まる。

だが、それは今までの比ではなかった。

次の瞬間、黒い物体の真上に空中に浮遊したロボットの上半身のような姿のマシンモンスター。

右手に棍棒の先に棘付きの鉄球が付いたメイスのような武器を。

左手に戦斧を持っていた。

 

「なっ…………!? キラーマシン!?」

 

「また厄介なモンスターを…………!」

 

一夏と紫苑は思わずそう言った。

キラーマシンは弱い方とは言えボスクラスのモンスター。

変身出来るならば苦も無く倒せる相手だが、ISで勝てるかと言われれば楽観はできないと答えるだろう。

しかし、

 

「ハッ! 少しは歯応えがありそうな奴が出てきたじゃないか!」

 

春万は臆せずに剣を構える。

見る人が見れば勇猛と言えるのかもしれないが、この場では迂闊だと言わざるを得ない。

 

「はぁあああああっ!!」

 

 

春万は今までのモンスターが一撃で屠れたので、キラーマシンも多少強いだけだと思っていた。

しかし、ゲイムギョウ界では雑魚モンスターとボスモンスター及び危険種以上のモンスターの強さの差は桁違いだ。

雑魚モンスターに楽勝だからといって、ボスモンスターを簡単に倒せるかといえば、答えはNoである。

春万の一撃はガキィィィンという甲高い音と共にキラーマシンの装甲に止められる。

 

「なっ!?」

 

攻撃が通じなかった事に驚愕し、一瞬固まる春万。

その隙にキラーマシンは右腕のメイスを振り上げ、春万を殴り飛ばした。

 

「がはぁあああああああああああっ!?」

 

春万は勢い良く吹き飛び、地面を数回バウンドしながら転がった後、アリーナの壁に激突して止まる。

 

「春万っ!」

 

一夏が思わず叫ぶ。

試合のダメージと『零落白夜』を多用した事でシールドエネルギーが枯渇寸前だった白式は当然ながら強制解除され、春万は気絶した。

 

『大丈夫。生命反応はあるから気絶しただけだよ』

 

エミリが春万の生命反応がある事を教えてくれたので一夏はホッとし、意識をキラーマシンに向ける。

しかし、キラーマシンの真下にある黒い物体の周辺では、次々とモンスターが出現していた。

 

「くそっ! キラーマシンだけで手一杯だっていうのに、これ以上雑魚モンスターが増えたら…………!」

 

「鈴だけでは手が回らないかもしれないな…………」

 

一夏は少し焦燥感を感じているが、紫苑は冷静に状況を分析する。

 

「紫苑、どうする?」

 

一夏が紫苑に聞くと、紫苑は僅かに口元を緩め、

 

「まあ、この状況を黙って見ていられるわけないか…………」

 

突然そんな事を口にする。

 

「は?」

 

一夏は何を言ってるんだと首を傾げた時、

 

「フォールスラッシュ!!」

 

巨大な斬撃が雑魚モンスターを吹き飛ばし、

 

「ええいっ!!」

 

複数の爆発が雑魚モンスターを巻き込み、

 

「わたくしを忘れてもらっては困りますわ!」

 

レーザーが雨の様に降り注いでモンスターを貫く。

一夏が振り返ると、

 

「マドカ! 翡翠! セシリア!」

 

思わず叫んだ。

 

「兄さん! こいつらは私達が!」

 

「露払いはお任せを!」

 

「デカブツは任せたよ! お兄ちゃん達!」

 

マドカ、セシリア、翡翠が頼もしい声でそう言う。

 

「皆…………ようし!」

 

一夏は感動した面持ちで戦斧を構えなおしながらキラーマシンに振り返る。

 

「行くぞ! 紫苑!」

 

「ああ」

 

紫苑も刀剣を構える。

すると、キラーマシンが左腕の戦斧を振り被る。

それと同時に一夏も戦斧を振り被った。

 

「おおおおおおっ!!」

 

キラーマシンの戦斧と一夏の戦斧が激突する。

ドゴォンと爆発音のような音を響かせて互いに弾かれあった。

 

「ッ…………! 紫苑!!」

 

一夏は手の痺れを我慢しながら紫苑に呼びかける。

その瞬間、戦斧を弾かれて隙だらけになったキラーマシンの懐に紫苑が飛び込む。

 

「クロスコンビネーション!!」

 

刀剣の乱舞を叩き込む紫苑。

一通り攻撃を叩き込んだ後、紫苑はその場を離れる。

見れば、キラーマシンの胴部には無数の切り傷は付いているが、致命的なダメージは入っていない。

 

「やはり硬いな…………」

 

紫苑はそう呟く。

 

「ああ。だけど全く効いていないわけじゃない!」

 

しっかりと付いている切り傷を見て一夏は自信を持って言う。

 

「そうだな…………とは言え、俺達はともかく翡翠達が心配だ。なるべく早く終わらせるぞ!」

 

「言われなくても!」

 

一夏が戦斧を振り被りながら突撃する。

キラーマシンも迎撃の為に両手の武器を振り上げた。

その瞬間、

 

「デルタスラッシュ!!」

 

紫苑がエネルギーの斬撃を放つ。

最初の2発が振り上げた左右の腕に当たってその動きを止め、最後の水平斬りを放った瞬間、一夏が真上に跳んでその斬撃を避けると共に斬撃がキラーマシンの胴体に当たり、斬撃が三角形を描き、エネルギーが炸裂する。

それによってキラーマシンが怯んだ瞬間、上空から一夏が勢い良く落下してきて、

 

「ゲッターラヴィーネ!!」

 

渾身の戦斧の一撃を叩き込んだ。

戦斧がキラーマシンの胴体に食い込み、目に見えてわかるダメージを与える。

一夏は一旦距離を置くと、

 

「次で止めだ!」

 

「ああ。俺が先に仕掛ける!」

 

一夏の言葉に紫苑が頷き、刀剣を振り被って突撃する。

 

「はっ! せいっ!」

 

すり抜けざまに一撃。

振り返りざまにもう一撃。

 

「つぎははお前が…………!」

 

その言葉と共に切り上げを放ち、キラーマシンを宙に浮かせる。

 

「タイミングばっちりだぜ!!」

 

その瞬間、そこには一夏がいた。

一夏は戦斧を持たずに拳を振り被り、

 

「おらぁっ!!」

 

気合を込めてキラーマシンを殴り落とした。

その落下先には黒い物体があり、キラーマシンはその物体に直撃。

爆発と共に両方共消え去った。

 

「……………ふう」

 

地上に降りてきて一息吐く一夏。

周りを見れば、マドカ達が最後のモンスターを倒し終えた所だった。

 

「フン、他愛ない」

 

マドカが剣を血振りする様に降ると剣を収納する。

紫苑と一夏も武器を収納し、続けてISも解除しようとした時、

 

「……………ねぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ………………!」

 

「「……………………ん?」」

 

何か聞き覚えのある声が聞こえた気がして互いに顔を見合わせる紫苑と一夏。

 

「あぶなーーーーーい! どいてどいて~~~~~~~!」

 

今度はもっとはっきりと聞こえ、2人は上を向いた。

するとそこには、

 

「どいて~~~~~! どいてどいて~~~~~~~~~!! ぶつかる~~~~~~~~~~!!!」

 

空から舞い降りる女神………………もとい落ちてくる女神(ネプテューヌ)

 

「ネプテューヌ!?」

 

紫苑が驚愕の声を上げる。

だが、落ちてくるのはネプテューヌ1人だけでは無かった。

 

「ネプギアも!?」

 

「ブラン! ロム、ラム! それに…………フィナンシェとミナまで!?」

 

続けて声を上げる紫苑と一夏。

それを確認した2人の行動は早かった。

 

「紫苑! ロムとラムを頼む!!」

 

「4人はキツイがなんとか行けるか!?」

 

2人はほぼ同時に飛び立つ。

 

「ネプテューヌ!」

 

紫苑が間近に迫っていたネプテューヌを受け止める。

 

「ッ……………!? シオン!!」

 

受け止められたネプテューヌは一瞬驚くが受け止めてくれたのが紫苑だと気付くと嬉しそうな顔をして、

 

「すまんが後で………! 今は…………!」

 

ネプテューヌをやや乱暴に背中に背負う形になる。

その際、ネプテューヌは振り回される形になり、

 

「ねぷっ!?」

 

思わず声を上げた。

 

「ロム、ラム!」

 

紫苑は続けてロムとラムを受け止めると纏めて左脇に抱える。

小柄な2人は何とか片腕に収まった。

 

「最後にネプギア!」

 

ネプギアも同じように右脇に抱えた。

それと同時に一夏も、

 

「ブラン!」

 

最初にブランを受け止め、

 

「フィナンシェ! ミナ!」

 

フィナンシェを片手で、ミナを背中で受け止めた。

 

「ふう…………」

 

無事全員を受け止めた一夏はホッと息を吐く。

すると、

 

「イチカ………」

 

腕の中のブランが一夏を見つめる。

 

「ブラン…………会いたかった…………」

 

一夏もブランを見つめ、自然と本心を口に出した。

 

「私もよ…………」

 

見つめ合う2人。

その時、

 

「旦那様!」

 

腕に抱えられていたフィナンシェが首に抱き着き、

 

「イチカさん!」

 

背中のミナも背に縋り付く様な仕草をする。

 

「フィナンシェもミナも会いたかったよ」

 

「無事で何よりです、旦那様」

 

「もう居なくならないでください、イチカさん…………」

 

泣きそうな声でそう言う2人に、一夏はごめんなと呟く。

一方、

 

「こら~~~~! シオン! 私の助け方がぞんざいだぞ~! やり直しを要求する!」

 

ネプテューヌが文句を言う。

 

「無茶言わんでくれ。俺の手は2本しかないんだ。4人まとめて助けるのは流石にキャパオーバーだ」

 

再会早々にそんな事を言われ、ゲンナリする紫苑。

だが、この感じこそネプテューヌだとも思っていた。

 

「だけどまあ、とりあえず……………」

 

「とりあえず?」

 

紫苑はニッと笑って、

 

「ようこそ地球へ」

 

ネプテューヌに向かってそう言った。

 

 

 

 





第10話です。
今週も時間が無くて短い上に中途半端で終わりました。
何故かネプテューヌ達が落ちてきました。
その理由は次回に……………
今日の返信もお休みします。
申し訳ない。
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