超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス 作:友(ユウ)
突如として現れたゲイムギョウ界のモンスターを倒した後、突然空から落ちてきたネプテューヌ達。
咄嗟に受け止めた紫苑と一夏は、そのまま彼女達をピットまで連れてきた。
「よいしょっと!」
ネプテューヌが紫苑の背から飛び降りる。
抱えていたネプギアと、ロムとラムも床へと降ろした。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
「ありがとうシオン!」
「シオンさん、ありがとう…………」
ネプギア、ラム、ロムの順でお礼を言う。
その横では一夏もブラン達3人を床に降ろしたところだった。
その後ろから、鈴音、マドカ、翡翠、セシリアがピットに戻ってくる。
「お兄ちゃん! その人達って一体…………?」
翡翠がそう問いかけようとした時、千冬、真耶、箒が歩み寄ってきた。
「お前達、一先ずはご苦労だった。報告では他の生徒達に被害は無いそうだ。よくやった」
千冬が最初にそう言うと、
「……………で? そこのお前達は何者だ? 様子から察するに織斑兄や月影兄の知り合いの様だが?」
次いでネプテューヌ達に視線を移す。
すると、
「私はネプテューヌ! プラネテューヌの女神だよっ!」
ネプテューヌが左手を前に突き出し、三本指の独特なピースサインをしながらそう名乗る。
「…………………………」
初っ端からのハイテンションな挨拶に、千冬はとある友人の事が頭を過った。
「あ、私はネプギアといいます。お姉ちゃんの妹です」
その横で礼儀正しく挨拶するネプギア。
「……………妹?」
「いや、どう見たって逆でしょ?」
箒と鈴音が訝しむように呟く。
ネプギアはネプテューヌより背が高く、胸も大きい上に性格もしっかりしている。
そう思うのも当然だった。
「私はブラン…………ルウィーの女神よ」
大人しく落ち着いた声でそう言ったのはブラン。
「えっと…………ロムです………」
「ラムだよ!」
オドオドした雰囲気で小さく自己紹介をするロムと、反対に元気よく名前を名乗るラム。
「ブラン様と旦那様の従者、フィナンシェと申します」
フィナンシェはメイド服のスカートの両裾を摘まみながら恭しくお辞儀をする。
「ルウィーの教祖、西沢 ミナです」
ミナも礼儀正しくお辞儀をした。
「ルウィー………………」
千冬がブラン達が言った、聞き覚えのある国名に声を漏らす。
「ルウィーと言えば、確か一夏が身を寄せている……………」
千冬がそう呟くと、
「ああ、そうだよ千冬姉。ルウィーは俺が所属している国だ」
一夏が肯定する。
「そうか……………」
千冬はそう言いながらブランに視線を移す。
千冬は、一夏がブランに会ってからとても嬉しそうな表情をしていることに気付いていた。
「……………………お前が……………一夏の帰る場所という事か……………」
「「「!?」」」
その言葉に敏感に反応する箒、セシリア、鈴音。
「…………あなたが話に聞いた、イチカの姉ね…………」
「ああ……………」
「もし会ったらイチカの事をよく見ていなかった事に、文句の1つでも言ってやろうと思ってたけど…………イチカがそれを望まないみたいだからやめておくわ。理由は如何あれ、イチカはあなたに会えて嬉しかったみたいだから…………」
ブランは一夏を見ながらそう言う。
以前の一夏は、突然居なくなってしまった自分に対して罪悪感を少なからず持っていたのだ。
今ではそれが無くなっていることにブランは気付いていた。
「………………一夏の事を、よく見ているのだな」
「当然よ………………イチカの『妻』だもの」
「「「「………………………………は?」」」」
千冬、箒、セシリア、鈴音が呆けた声を漏らす。
「ブッ、ブランッ!?」
一夏は慌てた声を漏らした。
一夏はゲイムギョウ界の事を千冬達には話していても、女神と守護者の関係などは話していなかったからだ。
「妻ぁ~~~~~~~!?」
箒が何を言ってるんだと言わんばかりの表情で叫ぶ。
「な、何を言ってるんですの!? あなたは!!」
同じく叫ぶセシリア。
「出鱈目言ってるんじゃないわよ!!」
大声で否定する鈴音。
「出鱈目じゃないわ。イチカは『女神』である私の騎士であり伴侶でもある『守護者』よ。紛れもなく私はイチカの『妻』よ。ね、イチカ?」
「え、あ…………ああ。嘘じゃない」
いきなり話を振られ一夏は戸惑うが問いかけには肯定の意を示す。
「「「ッ!?」」」
その言葉にビシッと石のように固まる箒、セシリア、鈴音。
すると、
「同じく、私も旦那様の『妻』です」
「私もです」
フィナンシェに続き、ミナもそう言う。
その言葉に、
「「「「「はあっ!?」」」」」
箒、セシリア、鈴音だけでは無く、千冬と真耶も驚愕の声を漏らした。
「い、一夏君!? 3人の女の子と付き合ってるんですか!? そんなの駄目です! 浮気です! 三股なんて不純です!」
真耶がそう叫ぶ。
「い、いや、浮気とかではなくてですね…………ゲイムギョウ界では女性の方が出生率が高いので重婚が認められてるんですよ!」
一夏は慌てて弁明する。
「「「「「重婚~~!!??」」」」」
再び唱和する5人。
「おおっ! これは噂に聞く修羅場って奴ですか!?」
それを見てネプテューヌが楽しそうにそう言う。
「まあ一夏に気があるのは箒、セシリア、鈴の3人だけだがな」
紫苑がそう補足した。
「そ、それでも3人は気があるんですか…………まだ一月位しか経ってないのに…………」
ネプギアが若干表情を引きつらせる。
「箒と鈴は一夏の幼馴染で元から気があったみたいだがな。久しぶりの再会で一気に好意が、増したようだ。セシリアは…………まあ、状況的にそうなったとしか…………」
「いや~、ブランも大変ですな~♪ 一気に戦姫候補が3人も増えるなんて♪」
ネプテューヌは他人事のように楽しそうにしている。
「あ……………………」
ネプテューヌのその言葉を聞くと、紫苑は何かを思い出したようにバツの悪そうな顔して明後日の方向を向いた。
「あれ? どうしたのシオン?」
そんな紫苑の様子の変化に気付き、ネプテューヌが首を傾げながら紫苑の顔を覗き込もうとして、
「あなたが話に聞いたネプちゃんね!」
いつの間にかそこにいた楯無がそう話しかけた。
「ねぷっ!? 何者っ!?」
「わっ!? いつの間に!」
ネプテューヌとネプギアが驚く。
「初めまして! 私の名は更識 楯無。本名は刀奈。紫苑さんの戦姫候補者よ!」
ババーンと効果音が付きそうなほど堂々と名乗る楯無。
「ねぷぷっ!? シオンの戦姫候補!?」
楯無の言葉に驚くネプテューヌ。
「いきなりそんな事まで言わなくても…………」
楯無の行動の早さに若干呆れる紫苑。
「甘いわ紫苑さん! こういう事は最初のインパクトが大事なのよ!!」
「そんな子供の自己紹介じゃあるまいし……………」
紫苑はそう呟く。
「お、お兄ちゃんに戦姫候補が出来るなんて……………」
ネプギアは純粋に戦姫候補が現れた事に驚いている様だ。
すると、ネプテューヌが気を取り直し、
「むむっ! シオンの戦姫になりたいとな!?」
ややおかしな口調で楯無に問いかけるネプテューヌ。
「はい!」
ハッキリと返事をする楯無。
「よろしい! ならば
「……………なんか今、テストの言葉がとんでもないニュアンスになった気が…………」
「どんとこいです!」
ゲンナリする紫苑を他所に、楯無は自信を持って返事をする。
「ならば問おう! 貴殿はシオンの何処を好きになったのか!?」
腕を胸の前で組みながら偉そうに問いかけるネプテューヌ。
すると、
「そんなの決まっています!」
楯無は迷わずに言葉を続ける。
「紫苑さんが紫苑さんだからです!!」
ズビシッと指を前に差しながらそう答えた。
「…………………………………」
「…………………………………」
少しの間無言で見つめ合う2人。
そして、
「……………うん! ごーかく!」
にぱっと笑みを浮かべながらネプテューヌはそう言った。
「早っ!?」
紫苑は思わず叫ぶ。
「ちょっと話しただけでもこの子が本気だっていう事は伝わったからね。悪い子じゃなさそうだし、紫苑が選んだ子なら問題なし! 私は歓迎するよ!」
その言葉を聞くと、楯無は嬉しそうな顔をして、
「よろしくお願いします!」
そう言って頭を下げた。
「うん、よろしく。だけど、そんな風に畏まらなくてもいいよ。これからは家族になるんだし、普通に付き合ってくれると嬉しいな」
「…………分かったわ。じゃあ、私からはネプちゃんって呼ばせてもらって良いかしら?」
「うん! いいよ!」
「なら、私の事は本名の刀奈でお願い。家族にしか教えちゃいけない名前だけど、家族になるから問題なし!」
「おっけー! よろしくね、カタナちゃん!」
「うん! よろしくね、ネプちゃん!」
「あ、だけど一つだけお願い。カタナちゃんが戦姫になることは歓迎だけど、本当の戦姫にするのはちょっと待ってもらって良いかな?」
ネプテューヌのその言葉で紫苑は察した。
「“アイツ”の事だな?」
「うん! 先に約束したのはあの子の方だからね。ちゃんと順番は守らないと」
「あ、それって前に言ってた2番目の子ですか?」
「ああ」
楯無の質問に紫苑は頷く。
「それなら仕方ありませんね。私だって後から出てきた子に先を越されるのは嫌ですから」
「理解してくれて助かる」
紫苑達がそのようなやり取りをしていると、
「…………………なんか、向こうはトントン拍子に話が進んだわね………」
鈴音が納得のいかない表情で呟く。
「まあ、ゲイムギョウ界に住む人間にとっては、一夫多妻なのは珍しくないし………」
一夏が頬を掻きながらそう言う。
「い、一夏! お前は日本男児だろう!? 向こうの世界で許されているとはいえ、不純とは思わなかったのか!?」
箒がそう捲し立てる。
すると、一夏は難しい顔をして俯き、
「思ったさ…………これでも相当悩んだんだよ…………ブランだけを愛そうと思っていた時に、フィナンシェやミナから告白されてさ…………一度は断ろうと思ったけど、ブランにちゃんと2人と向き合って欲しいと言われて……………馬鹿なりに考えたんだ。それで気付いたんだ。フィナンシェやミナもブランと同じでずっと俺を支えてくれていた存在だったんだ。そして…………これからもずっと俺を支えて欲しくて、俺が護ってやりたい女性だってな………………」
「一夏……………」
捲し立てようとしていた箒が一夏の雰囲気に押し黙る。
少しの間沈黙があったが、
「………………………ねえ?」
鈴音が口を開いた。
「鈴?」
「アンタはさ……………もしこの場にいるメンバーの中で誰か1人を選ばなきゃいけないって言われたら誰を選ぶ?」
鈴音が一夏にそう問いかけると、
「ブランだ」
一夏は迷うことなく即答した。
「そう………………躊躇すらないのね……………」
鈴音は残念そうに俯く。
すると、ガバッと顔を上げ、
「分かったわ! じゃあこのアタシもアンタの妻にしなさい!」
ビシッと一夏を指差しながらそう宣言した。
「…………はい?」
一夏は一瞬呆けて声を漏らした。
「り、鈴!? お前は何を言っている!?」
箒が思わず問いかけると、
「そうですわね。よくよく考えれば、昔の貴族たちも側室や妾を娶るのは当然でしたから別におかしくはありませんわね………………一夏さん、以前も言いましたがわたくしはあなたをお慕いしております。その気持ちは今も変わっておりません。どうかこのわたくしもあなたの妻の1人に加えていただけないでしょうか?」
セシリアも自分の胸に手を当てながらそう言った。
「セ、セシリアまで…………! そ、それでいいのかお前達は!?」
箒が狼狽えながらそう言うと、
「良いも何も、あんたも今の一夏の答えを聞いてたでしょ? 一夏は如何あがいても最終的にはそこのブランって子を選ぶって言ったのよ。残念だけど、そこに私達が入り込む隙間は無いわ。だったら、独占できなくても一夏の傍に居られる道をアタシは選ぶわ!」
鈴音は迷いなくそう言う。
「わたくしも同じ気持ちですわ。わたくしだけを見ていただけないのは不満と言えば不満かもしれませんが、かといってそこのブランさん以外をぞんざいに扱っていないことは、フィナンシェさんやミナさんを見ていれば分かりますわ」
「むぅ………………」
その言葉に箒は考え込むように俯く。
「自分の考えをアンタに押し付ける気はないけど、一夏の一番を狙うつもりなら負けることを覚悟しておくことね」
「……………………………」
鈴音の言葉に黙り込んでしまう箒。
すると、
「い、一夏……………」
箒がおずおずと口を開く。
「お、お前が選ぶのは、本当に…………そこのブランという者なのか?」
少し躊躇しながらそう問う箒。
「ああ」
それに間髪入れず頷く一夏。
「……………わ、私とその者のどちらかを選べと言われても……………」
「俺が選ぶのはブランだ」
箒の問いに残酷と言えるほど躊躇無く答える一夏。
「……………そう…………なのか………………」
明らかに気落ちした表情を見せる箒。
「そこまで…………その者が好きなのだな」
「ああ。俺はブランを愛しているし、これからもずっと護っていく」
“護っていきたい”では無く“護っていく”とハッキリ言い切った一夏。
その言葉で、箒も自分が入り込む隙間は全くない事を悟った。
「……………………………な、ならば私も…………!」
沈黙の後に覚悟を決めた様に口を開く箒。
「私も…………お前の伴侶にして欲しい……………!」
箒は顔を真っ赤にしながらそう言い切った。
「い、いや、ちょっと待て! 何か話が勝手に進んでいる気がするが、俺はともかくブランは………………」
一夏がブランに視線を移すと、ブランがツカツカと前に進み出た。
「あなた達が本気だという事は伝わったわ」
ブランはそう言うと、
「だけど、私はネプテューヌみたいに即決することは出来ない。だから、あなた達を受け入れるかどうかはこれからの生活の中で決めるわ」
「………………………これから?」
ブランの言葉に引っ掛かりを覚えた一夏は声を漏らす。
「これからってどういう事だ? この後はゲイムギョウ界に帰るだけじゃないのか?」
一夏がそう尋ねると、
「今回の出来事は、そう簡単な問題じゃないみたいなのよ……………詳しい話はイストワールがしてくれるわ」
ブランはそう言いながらネプギアに視線を移す。
「あ、はい!」
その視線の意味を受け取ったネプギアはインベントリから通信機を取り出す。
そして、その通信機からイストワールの立体映像が映し出された。
イストワールは一度周りを見渡すと、
『シオンさん、イチカさん、ご無事で何よりです。無事合流できたようですね? それから初めてお目にかかる皆さん、初めまして。私はプラネテューヌの『教祖』イストワールと申します』
お辞儀をしながらそう名乗った。
「久し振りだなイストワール」
「久し振り」
『はい、お久しぶりです』
3人はそう言葉を交わすと、
「それでブランが言っていた今回の出来事は簡単な問題じゃないって言うのは如何いう事なんだ?」
一夏がそう尋ねる。
『はい。まず、最初はネプギアさんをそちらの世界に送り込み、転送装置を組み立ててもらってお2人をこちらの世界に連れ戻すという計画を立てていました』
「なるほど、転送装置さえあれば連れ戻せると前に言っていたからな」
紫苑は納得したように頷く。
『はい。ですが、ネプギアさんをそちらの世界に送り込むためにお2人が空間の穴に呑み込まれた遺跡を調査していた結果、大変なことが判明したのです』
「大変な事?」
一夏が聞き返すと、
『はい。それは、その遺跡でごく最近に幾度も次元転移が繰り返されていたという記録が見つかったのです』
「「ッ!?」」
その事に2人は驚愕する。
「まさか、さっき現れたモンスター達は…………!」
『………? なにか思い当たる事でも?』
紫苑の様子にイストワールが尋ねると、
「ああ。ネプテューヌ達が現れる直前、こっちの世界にゲイムギョウ界のモンスターが出現したんだ」
『「「「「「「!?」」」」」」』
その言葉に驚くネプテューヌ達。
「何とかこっちのISでも対処できるレベルだったから如何にかなったけど、モンスターが現れた原因がその繰り返されていた次元転移に関係するとしたら……………」
『なるほど、十分に考えられることですね』
イストワールが神妙に頷く。
『話を戻しますが、私達はその次元転移の真相を探るべく、ネプテューヌさん達をそちらの世界に派遣することを決定しました。そちらの世界に何か起きた時、すぐに対処するための措置です』
「そういうことか」
一夏も頷く。
『それから、当初の計画通り、ネプギアさんには転送装置に必要な部品を預けてあります。ネプギアさんならそう大した時間も掛けずに完成させることが出来るでしょう。しかし、次元転移にはそれなりのシェアを消費します。そう軽々しくは行き来出来ないと思ってください。ですが、物質の転移はシェアを消費しますがシェア自体の行き来は容易です。その為、転送装置が完成すれば変身は可能になるはずです』
「了解だ」
『と、ここまで勝手に話を進めてしまって申し訳ありませんが、そちらのお二方がこの場での責任者と考えて宜しいのですか?』
イストワールが千冬と真耶を見ながらそう尋ねる。
「その通りだ」
千冬は堂々と肯定する。
『もし可能であれば、ネプテューヌさん達をそちらの施設に滞在させる許可を頂きたいのですが………』
「IS学園は宿泊施設では無いのだがな…………」
『もし対価が必要であるというのなら、こちらには十分な見返りを用意する準備があります』
イストワールはそう言う。
「…………………やれやれ、上の説得に苦労しそうだ」
千冬は溜息を吐きながらそう言った。
『では?』
「彼女達の滞在許可は私が取ろう。それなりに口を出せる権利も持っているからな」
『ありがとうございます。このお礼は必ず………』
イストワールがそう言いかけると、
「礼は要らん。むしろ私個人としてはそちらに礼が言いたいぐらいだ」
『? それは如何いう?』
千冬の言葉の意味が分からなかったイストワールは首を傾げる。
「私の名は織斑 千冬。一夏の姉だ」
『まあ! あなたがイチカさんの…………!』
「そういう事だ。一夏が無事であったことが私にとって何より重要な事だ。そして、一夏を保護してくれていたそちらには感謝してもしきれん」
『そういう事ですか…………ですが、イチカさんを実際に保護し、生活を支えていたのはそちらにいるブランさん達です。感謝の言葉は彼女達に………』
「そうか…………」
『何か判明したことがあれば、こちらから追って連絡いたします。それでは、今回はこの辺りで失礼します』
イストワールがペコリと頭を下げるとイストワールの立体映像が消えて通信が途切れる。
千冬は一夏達の方に向き直ると、
「さて、その者達の滞在許可は私が取るが、部屋を割り当てるのに数日は掛かるだろう。その間は……………」
「もちろん! シオンと同じ部屋で大丈夫だよ!」
再びピースサインをしながらそう言うネプテューヌ。
「…………………まあ、それが妥当か…………」
千冬がやれやれと肩を竦める。
「とりあえずお前達は学園内を案内してやれ」
「分かったよ、千冬姉」
一夏が頷く。
「では山田先生、行くか」
「たはは…………また睡眠時間削られるんですね…………」
真耶がガックリと肩を落とした。
「なんかすみません…………」
そんな2人に紫苑は謝罪の言葉を贈るのだった。
因みに春万は教師部隊によって回収されていた。
紫苑達が学園内を案内している道中、
「じぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
「ね、ねぷっ…………! 何だか私、すっごく睨まれてるんですけど……………」
先程からずっと受けている翡翠の視線に耐えきれずにネプテューヌは冷や汗を掻きながらそう言う。
因みにネプテューヌは紫苑の右腕に抱き着いている状態である。
ついでに左腕は楯無が抱き着いていたりする。
「その場所は私の場所だったのに…………………!」
翡翠はネプテューヌを仇を見るような眼で見ている。
「翡翠、落ち着け。そんなに睨むな」
「む~~~~、だって…………!」
「てゆーか、紫苑。その子って誰なの?」
「ああ、そう言えば紹介がまだだったな。こいつは翡翠。俺の妹だ」
「ねぷっ!? 妹!?」
「えっ? でも、お兄ちゃんの実の妹は確か…………」
死んだと聞かされていた紫苑の妹が生きていることに驚愕する2人。
「まあ、お互いのすれ違いと言うか何と言うか……………お互いが生きていることを知らずに俺がゲイムギョウ界に飛ばされたからな…………互いに死んでいたと勘違いしたんだ」
「そうなんだ……………ねえシオン」
「ん?」
「…………よかったね!」
ネプテューヌが満面の笑みでそう言う。
「………ああ!」
それにつられる様に紫苑も笑みを浮かべて頷いた。
すると、ネプテューヌは翡翠に向き直り、
「ヒスイちゃんだったよね? シオンの妹って事は私の義妹でもあるって事だし、これからよろしくね!」
笑みを浮かべながらそう言った。
「私の事はお義姉ちゃんと呼んでもいいよ?」
ネプテューヌがそう言うと、翡翠は少し考え込む様な仕草をして、
「やっぱり私も刀奈ちゃんと一緒でネプちゃんって事で」
「え~~~? なんで~~~~?」
「ん~~~~~なんて言うか………ネプちゃんってお義姉ちゃんって感じがしないんですよね。私の勝手な想像ですけど、お兄ちゃんが好きになった人だから、もっとクールでカッコいい人だと思ってたんですけど…………ああ、だからって反対する気は無いから安心して!」
翡翠は慌てる様に弁明する。
「流石は妹、兄の好みを良く分かってるな…………」
「そうね………………」
その横で一夏とブランがそう呟いたのだった。
第11話です。
とりあえずネプテューヌ達がこちらに来た経緯意を説明しました。
まあ、それよりもツッコミどころ満載の話でしたけどね…………
さて、次回は初っ端から春万がやらかすかも…………
お楽しみに。