超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス 作:友(ユウ)
「「「「「「「「ええ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!??」」」」」」」
女神化を解いたプルルートとピーシェの姿に、地球組の面々は驚愕の声を上げる。
「ほえ~?」
「うゆ?」
プルルートとピーシェは何故驚かれているのか理解してないようで首を傾げている。
「こ、これは………ネプテューヌと同じぐらいの性格の落差だね………」
シャルロットは引き攣った笑みを浮かべる。
「衝撃はこっちの方が上かも………」
簪も呆然と呟く。
「それにしてもピーシェちゃんってこんなに小さかったんだね」
翡翠がピーシェを見下ろしながらそう言うと、
「まあな。ピーシェは元々迷子としてプラネテューヌの教会で保護したんだ。その時に色々と世話を焼いていたからいつの間にか懐かれて『パパ』って呼ばれる様になったんだよ」
紫苑は先程の誤解を解くことも含めてそう説明する。
「にひっ! ぱぱ~!」
呼ばれた事が嬉しかったのか、ピーシェは笑みを浮かべて紫苑に抱き着く。
「おっと………」
その抱き着く威力は常人であれば悶絶する程であったのだが、紫苑は上手く衝撃を流してピーシェを受け止める。
「相変わらず元気だな、お前は」
そのままピーシェを抱き上げて抱っこする紫苑。
「きゃっきゃっ!」
それが嬉しかったのかピーシェは紫苑の頬に頬擦りした。
「……………何と言うか………本当の親子に見えてきましたわ………」
セシリアが2人の様子を見てそう零す。
「全然似てないのにね?」
鈴音も同意する様にそう呟いた。
すると、
「あの、お取込み中の所申し訳ありませんが…………」
ミナが遠慮がちに発言する。
「福音の操縦者の方が目を覚ましました」
ミナの言葉に全員がそちらを向くと、先ほどまで気を失っていた金髪の女性が頭を押さえながら上半身を起こしていた。
「………うっ……あれ………? 私は……………」
すると千冬が歩み寄り、
「目が覚めたか………?」
そう声を掛ける。
「あなたは……………ッ!? もしかしてブリュンヒルデ!?」
朦朧としていた意識が途中からハッキリしたのか千冬の顔を見てハッとする女性。
「その呼ばれ方は好きでは無いがな………自分の名前は言えるか?」
「え、ええ…………私はナターシャ・ファイルス。アメリカのテストパイロットよ」
「ふむ…………何が起きたのか理解しているか?」
「…………確か私は『あの子』のテスト中にいきなり暴走して……………それから…………」
「どうした?」
途中で言葉を詰まらせたナターシャを怪訝に思った千冬が尋ねると、
「え、ええ……………信じられないと思うけど、いきなり目の前に2人の女性が現れて、金髪………いえ、明るい黄色の髪の女性が拳を振り被ってからの記憶が無いの………」
ナターシャの言葉に、ゲイムギョウ界組は思わず紫苑に抱かれているピーシェを見た。
「………………まあ、ピーシェなら可能だろうな………」
紫苑が呟く。
「一撃の攻撃力なら女神の中でブランと1位2位を争う位だからな………」
一夏が頭を掻きながらそう評した。
「……………どうしたの?」
ナターシャが彼らの反応に首を傾げていると、
「信じられんが、どうやらお前は一撃で昏倒させられたらしい」
「は…………? ちょ、そんな筈ないわよね!? 暴走中とはいえ、軍用ISを纏ってたのよ! それが一撃で昏倒させられるなんてあるわけが…………!」
「それがあり得るのだから頭が痛い…………」
千冬が片手で頭を抱える。
この後の説明が面倒だと思っているのだろう。
その時、
「うぐぐ…………」
もう1人気絶していた者、春万が目を覚ました。
「気が付いたか?」
千冬が腕を組みながら春万を見下ろす。
「ち、千冬姉さん…………?」
春万はダメージで重くなった体を何とか起こす。
「ッ! そうだ! あの女は!?」
その瞬間、気を失う前の事を思い出し、声を上げる春万。
「その事なら問題ない」
千冬の言葉に春万はまさかと思って一夏を見る。
「くっ、またお前が手柄をかすめ取っていったのか!?」
忌々しそうにそう吐き捨てる春万。
その瞬間、春万の脳天に拳骨が振り下ろされた。
「あぐっ!?」
それは当然千冬。
「馬鹿者! 命令を無視して単独で行動した挙句、敵か味方かも分からない相手に一方的に斬りかかり、その上返り討ちになったお前が言える言葉か!」
春万を叱る千冬の言葉に、
「だ、だけど千冬姉さん…………あんな悪の女幹部みたいな恰好をした女が味方の筈無いよ…………」
春万はそう言い訳する。
「ほう? お前は敵か味方かを見た目で判断するのか?」
「ち、千冬姉さんもあれを見れば絶対そう思うって………!」
尚も言い訳を続ける春万。
「ふむ、私も実際に見たが?」
「えっ?」
春万は千冬の言葉に意味が分からないといった表情を浮かべる。
「意味が分からないと言った表情をしているな。ならば教えてやろう。お前が斬りかかった2人は味方だ」
「え……………?」
「より正確に言うなら、ネプテューヌやブランと同じ『女神』だ。一夏達がその場に到着したら、すぐに指示に従ってくれたぞ」
「嘘……………?」
「嘘ではない。そこにいるプルルートと、月影兄に抱かれているピーシェがその『女神』だ」
春馬は思わず振り返る。
相変わらずのほほんとした雰囲気を振りまくプルルートと、どう見てもただの子供にしか見えないピーシェを見て、
「な、何言ってるんだよ姉さん? こんなボーっとした子と、こんなチビガキが『女神』だなんて…………」
「『女神』に年齢は有って無いようなモノ。一夏にそう説明されただろう?」
「だからって! こんなオムツも取れてない様な子供に………!」
春万は認めたくないのかピーシェを指差しながら反論する。
そんな姿にピーシェはムッと眉を顰めた。
「いじっぱり!」
ピーシェが春万を指差して叫んだ。
「何ぃっ!?」
春万はその言葉にピーシェを睨み付けながら怒鳴る。
「かっこわるい!」
再びストレートに言い放つピーシェ。
言葉使いは拙いが、その分ピーシェは言いたいことをストレートに言い表すため、春万の心に突き刺さる。
春万の額に青筋が浮かんだ。
「このクソガキ………!」
春万は衝動的に拳を振り被った。
しかし、ピーシェを抱いているのは紫苑だ。
春万の拳を最小限の動きで躱して見せる。
すると、拳を繰り出したことで前のめりになった春万の顎が丁度ピーシェの頭上に来たので、ピーシェはグッと拳を握りしめ、
「ぴーぱーんち!!」
強烈なアッパーカットを繰り出した。
「ぐふぉぁっ…………!?(ぐふぉぁっ…………!?)(ぐふぉぁっ…………!?)(ぐふぉぁっ…………!?)」
何故かその瞬間、春万の絵柄が格闘マンガっぽくなり、春万の声にエコーが掛かる。
そして春万の足が地上から1mほどの高さまで浮き上がり、綺麗な放物線を描いて再び地上に落下した。
「ぐえっ!?」
強烈な一撃に、春万は当然ながら気絶した。
その瞬間、何処からともなくカンカンカーンというゴングの音の幻聴をその場の全員が聞いた気がした。
「な、何という威力だ………」
「い、今吹っ飛んだわよね………?」
「生きていらっしゃるかしら………?」
ピーシェの拳の威力に驚愕する面々。
「さっきも言ったがピーシェはこれでも女神だ。その身体能力は並じゃない」
紫苑はそう言うものの、ピーシェは女神になる前からネプテューヌを吹っ飛ばすほどの拳の威力を持っていたりする。
その光景に、千冬は思わず頭を抱えて溜息を零した。
「一先ず旅館に戻るぞ。一応福音を止めるという目的は達成できた」
千冬にそう言われたので、一同は旅館へ移動を始めた。
旅館に戻った一同は、とりあえず情報を整理するためにブリーフィングルームに集まっていた。
「それでぷるるん。ぷるるんとピー子はどうしてこの世界に来たの?」
ネプテューヌがそう尋ねると、
「え~っとね~。前から~、あたし達の世界の~、守護者の成り方が分かったら~、シオン君を~、守護者にしていいって言ってたよね~?」
「うん」
「だから~、守護者にする方法が分かったから~、シオン君達に会いに~、次元ゲートを潜ったの~。そしたら~、いきなり目の前が真っ暗になって~、気が付いたら~、空の上に出てたんだ~」
「…………ゲイムギョウ界同士をつなぐ次元ゲートが不安定になって地球に飛ばされたのか………?」
紫苑はそう推測する。
「多分そうかも。元々私達のゲイムギョウ界とプルルートさん達のゲイムギョウ界が繋がってることですら奇跡的な事ですから」
ネプギアもその推測に同意する。
そのまま話を続けようとした時、
「たたた、大変ですー!!」
パソコンのモニターの前で情報を整理していた真耶が突然叫んだ。
「どうした?」
「正体不明の生物群…………いえ、おそらくゲイムギョウ界のモンスターがこのエリアに接近中です!」
「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」
波乱の臨海学校は、まだ終わらない。
第26話です。
相変わらず短いです。
今回はピーシェに春万をぶっ飛ばして欲しかった。
ただそれだけの話です。
さて、次回はラウラが…・………