超次元インフィニット ネプテューヌ・ストラトス 作:友(ユウ)
紫苑達と一緒に転移したはずの刀奈、簪、シャルロット、ラウラの4人は見知らぬ平原に放り出されていた。
「痛た………一体何が起きたの?」
刀奈が体を起こしながらそう言う。
「ううっ…………紫苑さん達は…………?」
簪も周りを確認しながら体を起こす。
「それ以前にここは一体…………?」
シャルロットが辺りを見渡しながら呟き、
「私達4人だけしかいない様だが…………?」
ラウラも辺りを見渡す。
「……………多分、定員オーバーで無理矢理転送した所為で転送地点に不具合が起こったんだと思う」
簪がそう推測した。
「それで私達だけここに飛ばされたって訳ね…………」
4人が揃って溜息を吐いた。
すると、それぞれが持つISの待機形態が輝き、3人の人型を形成した。
「私達を忘れてもらっちゃぁ困るねぇ」
ハーラーがそう言い、
「そうですよ。私達の事を忘れないでください」
ケモ耳を持つ果林が笑みを浮かべ、
「まあ、気持ちは分からなくもないけどね」
マリアノがやれやれと肩を竦める。
その言葉にそれぞれのパートナーが苦笑した。
「とりあえずこの場所だけど、ゲイムギョウ界に間違いは無いと思うわ」
刀奈が突然そう言った。
「えっ? どうしてわかるの?」
初めてくる場所なのにそう言い切った刀奈に簪は首を傾げる。
すると、
「ほら、アレ」
刀奈はとある方向を指差した。
刀奈が指し示す先には、数匹のスライヌが飛び跳ねながら移動している。
「あっ、モンスター!」
シャルロットが気付いたように口に出す。
「なるほど、モンスターが居るという事はゲイムギョウ界でほぼ間違いないだろう………」
ラウラも頷いた。
「ところで、さっきから気になってたんだけど、あれって街じゃないかな?」
ハーラーが遠くを指差した。
そこには、かなり遠いが街らしき建物が見える。
「………ホントだ!」
シャルロットが同意すると、
「なら、とりあえずあそこに向かうのが良いと思うんだけど………どうかしら、マスター?」
マリアノが刀奈に意見を述べると、
「そうね。まずはここがゲイムギョウ界の何処なのかを把握して、紫苑さん達と合流しないと…………」
「なら決まりですね!」
刀奈の言葉に果林が元気よくそう言うと、一同は街に向かって移動を始めた。
一行はISを纏って空を移動していた。
ラウラはISを持っていないためシャルロットに運んでもらっている。
因みに変身でないのは、そもそも変身はネプテューヌと紫苑の近くに居なければならず、例外としてプラネテューヌのシェアクリスタルの力が届く範囲内のみ変身が可能という事を聞いていたからだ。
空を飛べるというだけあって移動スピードは速く、歩けば何時間もかかりそうな道程を30分程度で街の規模を把握できるぐらいまで近付いていた。
一同が驚いたのは、その街の規模。
遠くから見ただけでは分からなかったが、建物の一つ一つがかなり大きく、街の中央にある巨大な塔に至っては、IS学園の大きさを超え、高さに至っては2倍に届くかもしれないというほどだ。
そして傍目から見てもその文明は地球のモノより進んでいることが伺える。
「凄い街の規模ね…………」
刀奈もこれには驚きを隠せなかった。
「…………多分だけど、このまま空から侵入したら警備システムが作動するかも」
「これだけの街の規模なら十分にありえるね」
簪の言葉にシャルロットも納得する。
「ここは大人しく街の入り口から行きましょう」
刀奈はそう言って、眼下に見える街道が続いている街の入り口らしき所に向かって降下を始めた。
すると、街の入り口が近付くにつれ、様子がおかしい事に気付いた。
何やら騒がしく、銃声のような音まで聞こえてくる。
「一体何が…………?」
刀奈が呟きながら街の入口へ近付く。
すると、
「ッ! 見ろ!!」
シャルロットに抱えられているラウラが指を指しながら叫んだ。
その先には、街の兵士らしき者達が入り口の前で無数のモンスターの群れと激しい戦いを繰り広げていた。
「モンスターに襲われてる!」
シャルロットも叫ぶ。
「………………どうする?」
刀奈が皆に意見を求める。
すると、
「決まっている!」
ラウラが力強くそう言うと、シャルロットも頷き、
「助けよう!」
迷いなくそう言った。
「私達は戦姫。ここが何処の国なのかは分からないけど、この世界がゲイムギョウ界ならどこの国でもプラネテューヌと友好を結んでいる筈。助けない理由が無い」
簪もハッキリとそう言う。
すると、刀奈も笑みを浮かべ、
「フフッ、聞くまでも無かったわね」
刀奈も元から助けるつもりだったらしく、得意げにそう言った。
「じゃあ、行くわよ!」
その言葉に全員は頷き、急降下を始めた。
一方、プラネテューヌの衛兵達は必死に戦っていた。
「うぉおおおおおっ! ここは通さない!」
「衛兵の意地にかけて!」
後方にいる兵士たちは銃を撃ち続け、前方でモンスターと直接戦っている兵士たちは剣や槍などの近接武器を使っている。
「邪魔よ!」
「えいですっ!」
そんな兵士たちに混じって2人の少女が戦っていた。
その2人はネプテューヌの友人でもあるアイエフとコンパ。
アイエフは両手に装備されたカタールでモンスターを切り裂き、コンパは巨大な注射器でモンスターに得体の知れない薬品を注入して倒していく。
2人は背中合わせになり、
「ったく、これだけのモンスターの群れは、久しぶりね! ネプ子達が居ないからかなり厳しいわ………!」
「でも、頑張るしかないですぅ!」
「わかってるわよ!」
2人がその場から対称方向に離れた瞬間、モンスターの攻撃がその場に着弾する。
「はぁあああああっ!!」
「痛いの行くですよ~!」
2人は再び戦闘を開始する。
各自奮戦しているものの、女神であるネプテューヌや守護者である紫苑がいない穴は大きいらしく、徐々に押し込まれていく。
すると、
「うわぁあああああああっ!?」
危険種モンスターの攻撃を受け、防衛網の一角が崩れる。
「拙いっ!」
アイエフがそれに気付いて応援に駆け付けようとした瞬間、
「あいちゃん! 後ろ!」
コンパの悲鳴に近い叫びが響いた。
アイエフが振り向くと、モンスターがアイエフに襲い掛かろうとしていた。
「ッ………………!?」
アイエフは目を見開く。
そのモンスターの攻撃がアイエフに届く。
その瞬間だった。
「はぁああああああっ!!」
上空から何者かが降下してきてそのモンスターにナイフを突き刺す。
その一撃でモンスターは消滅する。
アイエフを助けたのは銀髪に眼帯を付けた少女―――ラウラ―――だった。
ラウラは即座に辺りを警戒する様に両手にナイフを逆手に構え、
「状況は良く分からんが手を貸そう!」
ラウラはそう言って襲い掛かってくるモンスターにナイフを振るう。
一方、防衛網が崩されたところでは、
「行かせないよ!」
シャルロットがアサルトライフルで弾幕を張り、
「撃ち抜く!」
簪が荷電粒子砲『春雷』で街の中に侵入しようとしていたモンスターを全滅させる。
「今の内に立て直して!」
刀奈がモンスターに蒼流旋を突き立てながら衛兵達に指示を出す。
「誰かは分かりませんが、感謝します!」
刀奈達が参戦したことにより、崩れかけた防衛網を立て直すことに成功する。
「何………? あのパワードスーツは…………?」
アイエフが不思議そうに呟く。
「詳しい話は後だ! まずはこの場を乗り切る!」
ラウラがそう言うと、
「誰かは知らないけど、その意見には賛成ね!」
ラウラに負けじとアイエフもモンスターを切り裂いていく。
「そこ、危ない!」
シャルロットが
「あっ! ありがとうですぅ~!」
コンパがお礼を言うと、
「どういたしまして!」
再び武器をアサルトライフルに戻して弾幕を張った。
「ターゲット、マルチロック!」
簪が防衛網に接近していたモンスター達に狙いを定め、
「『山嵐』発射!!」
ミサイルを一斉発射して、衛兵たちに迫っていたモンスターの大半を吹き飛ばす。
「おおっ………!」
「すごい………!」
思わず衛兵たちにどよめきが起こる。
「ここよ!」
刀奈がフィンガースナップを打ち鳴らすとモンスターが密集している所で爆発が起こり、モンスター達が巻き込まれる。
刀奈達の奮戦もあり、徐々に流れを優位に持っていく衛兵達。
これなら耐えきれると誰もが思い始めたその時、
「ッ!? うわぁあああああああっ!?」
突如としてシャルロットが強力な攻撃を受け、吹き飛ばされた。
「シャルロット!?」
ラウラが思わず叫ぶ。
「くっ………! なんて重い攻撃………!」
シャルロットは何とか立ち上がるが、目の前に赤い巨大なロボット型のモンスターが存在していた。
「嘘っ!? ライバルキ!? 接触禁止種が何でこんな所に!?」
アイエフが驚愕する。
更に、以前IS学園に出てきたキラーマシンの色違いのモンスターが4機現れる。
「そんな…………! 上位危険種のデウス・エクス・マキナが4体…………!?」
アイエフは戦慄する。
ハッキリ言って、敵の戦力はネプテューヌ…………女神が居たとしても手古摺るほどだ。
今の戦力では間違いなく全滅する。
「くっ! アンタ達、今すぐにラステイションのノワール様とリーンボックスのベール様に応援を頼んで!」
「は、はいっ!」
アイエフに指示された衛兵は報告の為に駆け出そうとする。
だが、いつの間にかデウス・エクス・マキナの一体が回り込んでおり、門への道を塞いでいた。
「あ……あ…………!」
衛兵はデウス・エクス・マキナの威圧感に立ち竦むことしか出来ない。
デウス・エクス・マキナは巨大なメイスを持つ方の手を振りかぶった。
「何してるの!? 逃げなさい!!」
アイエフは叫ぶがその衛兵は動けない。
「くっ!」
ラウラは何とかその衛兵を助けようと駆け出す。
だが、メイスが振り下ろされ始めた。
「う、うわぁあああああああああああああああっ!?」
衛兵は情けなく悲鳴を上げる。
ラウラの位置からでは間に合わない。
ラウラは右手を前に伸ばし、
「やめろぉおおおおおおおおおおっ!!」
必死に叫ぶ。
そしてその衛兵が叩き潰されようとした。
その瞬間、ガァンと一発の銃声が鳴り響き、メイスが逸らされて衛兵のすぐ横に叩きつけられた。
「うわぁあああああああっ!?」
その衛兵は衝撃で吹き飛ばされるものの、大きなケガは無いようだった。
そして、その銃声の元は、
「……………何故………この武器が……………」
ラウラは呆然と呟いた。
ラウラの右手には、戦姫の武具である銀色の銃が握られている。
ラウラたちは、ネプテューヌと紫苑がいない現状、変身は出来ないと思い込んでいた。
しかし、ラウラは戦姫の武具を何の問題もなく使用した。
そして理解する。
この先の変身も可能だと。
「ッ!」
ラウラは考えることは後にして現状に対応することに決めた。
「シェアライズ!」
空に向かって輝く銃弾を放つ。
その弾丸がUターンしてラウラを貫き、光に包まれ変身した。
「「「「「「ッ!?」」」」」」
その瞬間を目撃した者達は驚愕する。
「戦姫ラウラ。戦闘を開始する!」
変身したラウラは先程のデウス・エクス・マキナに向かって銃を構え、
「ホロウダーク!」
闇のエネルギーを込めた弾丸を放つ。
それはデウス・エクス・マキナに直撃し、大ダメージを与えてその巨体を地に付けた。
ラウラは即座に飛び出し、
「お前達も変身しろ!」
「ラウラ!? どうして!?」
「理由を考えるのは後だ! ここでは変身が可能だ!」
ラウラがそう叫ぶと、シャルロット達は気を取り直し、
「うん、そうだね!」
3人はISを解除し、それぞれの武器を呼び出す。
「シェアライズ!」
刀奈が戦姫の武具であるランスを呼び出して空中に投げ放つ。
それが刀奈に向かってきて刀奈の体を貫く。
光に包まれて変身した。
「戦姫カタナ。変身完了!」
簪が手を前に翳すと、その手に水色の弓が現れる。
「シェアライズ!」
その弓を上空に向け、魔力の矢を放つとラウラの時と同じように空中でUターンして簪へ向かって来る。
簪はその矢を受け入れ、貫かれると光に包まれた。
その姿は水色の全翼機のようなウイングを背中に背負い、右肩にはキャノン砲。
足には姿勢制御用のバンカーを装着した姿となり、右目に女神の証を浮かび上がらせる。
「戦姫カンザシ…………行く……!」
そしてシャルロットが右手を前に翳すとその手に黒い銃が現れ、ラウラと同じように天へ向けた。
「シェアライズ!」
空へ輝く弾丸を放つと同じようにUターンしてきてシャルロットの体を貫く。
光に包まれたシャルロットは、左肩に黒と茶色の2色の巨大なリング、腰の左側に三連の砲塔のようなものを備え、右腕と両足に同じ色のプロテクターを装着した姿となり、右目に女神の証を浮かび上がらせる。
「戦姫シャルロット。やるよ!」
4人の戦姫がこの場に降臨した。
「先ずはあの取り巻きの方をやるわよ!」
「了解!」
それぞれがデウス・エクス・マキナに向かって行く。
「手負いの獣を侮るつもりは無いのでな…………!」
ラウラは先程ダメージを与えたデウス・エクス・マキナに接近し、大鎌での一撃を加える。
即座にナックルグローブに変更し、アッパーでその巨体を空中に打ち上げるとその先に回り込み、銃を乱射して地面に叩き落とす。
そして左腕を翳すと紫の三重の魔方陣が浮かび上がり、
「マジカルエフェクト アーティフィカルダーク!」
闇の力でブラックホールを発生させ、周りのモンスターごとデウス・エクス・マキナを消し去った。
カタナは武器の形態を銃に変更し、遠距離から射撃をしながらデウス・エクス・マキナに近付いていく。
デウス・エクス・マキナも反撃しようと戦斧を振りかぶって攻撃してくるが、カタナはそれをひらりと避ける。
「悪いけど、それには当たってあげられないなぁ」
そんな事を言いながら銃を撃ってダメージを蓄積させていく。
デウス・エクス・マキナは、そんなカタナを鬱陶しく思ったのか一気に接近してきた。
そしてメイスを振りかぶり、
「遅いわ!」
その瞬間、カタナは後ろに回り込んでいた。
「ラフィングシニカル!!」
ランスの連続攻撃でダメージを蓄積させ、最後の一閃でデウス・エクス・マキナを消滅させた。
カンザシは弓を引き絞り、
「シューティングスター!」
矢を放った瞬間、中央の矢の周りを3本の矢が螺旋を描くように回転しながら突き進む.
直撃したデウス・エクス・マキナは身体を大きくのけ反らせる。
カンザシは左手を地面に付けると地面に三重の魔方陣が浮かび上がり、
「マジカルエフェクト フリージングコフィン!」
デウス・エクス・マキナの足元から無数の氷柱が突き出してデウス・エクス・マキナを串刺しにする。
「これで止め…………!」
カンザシは武器を大鎌に変形させると、
「ワクシング クレセント…………!」
素早い動きでかく乱しながら近付き、空中からの大鎌による氷の斬撃がデウス・エクス・マキナを切り裂いた。
あっという間に取り巻きであるデウス・エクス・マキナがやられても、この群れのボスであろうライバルキは取り乱してはいなかった。
取り乱す知能があるかは分からないが。
ライバルキは近くに居たカタナに向かってブレードを振り下ろす。
「うわっと!」
カタナは避けるが予想以上のパワーとスピードに少し肝を冷やした。
「こいつは他とは違うようだな」
ラウラは特に慌てずにそう言う。
「ええ、1人だったら危なかったかもしれないでしょうけど………」
「力を合わせれば必ず勝てる!」
カタナに続いてシャルロットがそう言う。
「じゃあ、一気に決めよう…………!」
カンザシの言葉でそれぞれが行動に移る。
カタナが一気にライバルキに接近、
「リミットアタック モーメンタリアレクイエム!!」
先ほど以上のランスによる斬撃の乱舞を叩き込み、更に目にも止まらぬ連続突きを無数に叩き込む。
更に最後の一閃を食らわした後、ライバルキに背を向け、
「それではさようなら………なんてね」
その言葉と共にフィンガースナップを打ち鳴らすと叩き込まれたエネルギーが炸裂。
ライバルキに大ダメージを与える。
すると、
「次は私だ! リミットアタック エンドストライク!!」
背部ユニットがスライドし、ラウラの頭部を覆うとライバルキをロックオンする。
そして、特殊な赤い弾丸を数発撃ち込み、そのまま接近。
全力の蹴りを叩き込んで吹き飛ばすと頭部を覆っていた背部ユニットを外して直接狙いを定めると、
「喰らえ!」
強力なエネルギーを込めた弾丸を放ち、直撃させると一瞬後にそのエネルギーが解放されライバルキを呑み込んだ。
「私も続くよ! リミットアタック サウザンドブリッツ!!」
シャルロットは左手にも銃を出現させ、地上を滑るように移動しながら二丁の拳銃を連射する。
その際に、左肩のリングから次々と魔法陣が展開され、シャルロットの移動に合わせてライバルキを囲う様に設置されていく。
ライバルキを魔法陣が囲い終えるとシャルロットは一旦射撃を中断して距離を取る。
そして目の前に最後の魔方陣を展開させると、二丁拳銃をその魔法陣に向け、
「ダイナミックシュート!!」
一気に連射した。
その瞬間、目の前に撃ち込まれた弾丸の数だけ無数の魔方陣のそれぞれから同じ数だけの弾丸が放たれ、ライバルキに弾丸の嵐を降らせていく。
更に最後に大爆発が起こってライバルキを巻き込んだ。
既にボロボロのライバルキ。
そんなライバルキの目の前にカンザシが降り立つ。
「バンカーセット!」
両足のバンカーが地面に突き刺さり、その場に固定する。
すると、カンザシの右肩のキャノン砲にエネルギーが集中。
「リミットアタック スーパーノヴァ!!」
次の瞬間、極太のビーム砲が放たれた。
その極太のビーム砲にライバルキは呑み込まれる。
そのまま大爆発が起こり、ライバルキは完全に消し飛ばされた。
すると、ボスがやられて戦意を喪失したのか、モンスターが散り散りに逃げて行く。
それを見ると、衛兵達が喜びの声を上げる。
カタナ達が地面に降り立つと、アイエフとコンパが歩み寄ってきた。
「ありがとう。あなた達のお陰で助かったわ」
「ありがとうですぅ~!」
それぞれがお礼を言う。
「いえ、そんな………」
「お礼なんか良いですよ………」
カンザシとシャルロットは恥ずかしいのか顔を赤くする。
「ところで聞きたいんだけど、あなた達って『戦姫』よね?」
「ッ………!? え、ええ、そうだけど………」
いきなり戦姫と見抜かれたカタナは一瞬息を呑みこむがすぐに肯定する。
「因みに誰の?」
「紫苑だが?」
アイエフの言葉にラウラが即答する。
「ふぇえええええっ!? シオ君の戦姫ですぅ!?」
その言葉にコンパが盛大に驚く。
「紫苑を知ってるの!?」
その反応にシャルロットが思わず聞き返すと、
「知ってるも何も、シオンはウチの国の女神の守護者よ」
アイエフは若干呆れた様にそう言った。
「紫苑さんの国………じゃあ、ここがプラネテューヌ?」
「ええ、その通りよ」
カンザシの疑問にアイエフは頷く。
「なるほど、道理で紫苑さんが居なくても変身出来たわけね」
カタナが納得できたと言わんばかりに頷いた。
すると、衛兵の隊長らしき人物が近付いてきて、
「アイエフさん、コンパさん、お疲れ様です!」
「お疲れ様。大丈夫だった?」
「治療が必要なら私がやるですぅ!」
隊長の言葉にアイエフとコンパはそう言う。
「いえ、今の所は衛生兵だけで大丈夫です。ところでそちらの方々は………?」
隊長がそう尋ねると、
「ああ、彼女達? シオンの戦姫らしいわよ」
アイエフがそう言うと、
「なっ!? バーニングナイト様の戦姫!?」
隊長が驚きながらそう叫ぶ。
すると、姿勢を正してカタナ達に向き直ると、
「危ない所をありがとうございました! 失礼ですがお名前を伺っても宜しいでしょうか!?」
敬礼をしながらハキハキとそう聞く。
「…………刀奈よ」
「簪………」
「シャルロットだよ」
「ラウラだ」
隊長の態度の若干困惑しながらもそう名乗る。
「はっ! カタナ様! カンザシ様! シャルロット様! ラウラ様ですね!」
それぞれの名を復唱する隊長。
しかも『様』付きで。
「シャ、シャルロット様ぁっ!?」
様付けの呼ばれ方にシャルロットが思わず狼狽えた。
因みにカタナとカンザシは家柄の関係で様付けには慣れているのか特に反応せず、ラウラに関してはあまり興味が無いだけだろう。
「はい! あなた方はこの国の女神であるパープルハート様の伴侶であるバーニングナイト様の妻でいらっしゃる方です。敬うのは当然のことです!」
「は………あはは…………」
思わず苦笑するシャルロット。
「では改めて。カタナ様! カンザシ様! シャルロット様! ラウラ様! ようこそおいで頂きました! 我々プラネテューヌの国民一同、貴方様方の来訪を歓迎いたします!」
隊長が敬礼すると共に、残りの衛兵達も同時に敬礼するのであった。
第32話です。
中々手応えのある話になったと思います。
さて、狙ったようにプラネテューヌ付近に転送された刀奈達でした。
モンスターフルボッコ。
因みに簪の変身はフェアリーフェンサーエフADFのエフォールのフェアライズ。
シャルロットはハーラーのフェアライズです。
因みに前回書き忘れましたが刀奈はマリアノのフェアライズです。
刀奈に関してはマリアノかティアラかどちらで行こうか迷いましたが、ティアーズ繋がりでセシリアをティアラにしました。(ティアラのフルネーム、ティアラ・ティリス・ティアーズ)
さて次回はルウィー組。
お楽しみに。