選ばれし者と暁の英雄   作:黒猫ノ月

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らーめんどんぶりさん、chrono clubさん、誤字報告ありがとうございます。

追記、タイトルを書き溜めの時のままにしておりました。申し訳ありません。


16話

禁じられた森でレイが初めて闇の帝王と相対してから数日、数週間、数ヶ月と経ったが、特に何が起きるでもなく平穏な日々が続いた。

 

レイから禁じられた森での出来事を聞かされたシルヴィアとギルバート、アリスの三人は各々らしい反応を見せた。

 

シルヴィアはさすがと恐怖に屈さずに立ち向かったレイへ称賛を送る。

 

ギルバートは予想通り生きていた闇の帝王についてこれからの対策を冷静に思案していく。

 

アリスは最悪の予想が現実となったこととその最悪が自分達の近くにいるかもしれない恐怖にかられる。

 

そんなアリスだったが、その様子を悟った三人は頭を撫で、抱きしめ、額を弾く。

 

三人にめちゃくちゃにされたアリスは闇の帝王がそばにいても変わらない三人を見て、恐怖が遠のいていくのを感じていた。

 

この人達が居れば大丈夫。

 

そう思わせるものをレイとシルヴィア、ギルバートは持っていた。

 

三人によって心に平穏を取り戻したアリスは、恐怖に怯える自分を恥じてレイ達の足手まといにならぬよう、少しでも追い付けるようにむんっと自主練に気合いを入れるのだった。

 

それから確かに平穏な日々を過ごしたレイ達だったが、周囲を取り巻く環境は所々変化を見せていた。

 

まずはハリーとロンのレイへの態度について。

 

禁じられた森での出来事から翌日の朝のこと。ハリーはまずレイに食って掛かったことを素直に謝罪した。これにロンとハーマイオニーは面食らった。

 

つい昨日までレイに対して複雑な思いを抱いていたために、ロンと二人合わせてレイに素直になれなかったハリーが面と向かって頭を下げたのだ。特にロンの驚きようは見物だった。……ただ、エステルだけが驚くことなくその様子を眺めていた。

 

レイは謝罪を快く受け取り、二人の仲は改善した。

 

それからのハリーは身を守る魔法を中心に熱心に勉強するようになっていた。紛れもなくレイの影響だ。

 

またレイに呪文のコツなどのアドバイスを聞くことによって、元々才能があったためにここ数ヶ月でみるみる腕を上げていった。それは進級試験の呪文学、防衛術にも結果として現れることになる。

 

そんな親友の様子を見ていたロンが何も思わないはずがなかった。人は同じ仲間がいないと弱いもので、ハリーという仲間を失い、自分だけがレイに対してうじうじしてるのが恥ずかしくなったのだ。

 

ロンも一週間という遅れを持って、レイに謝罪するのだった。

 

次にレイ達が第一容疑者と定めたクィレルについて。彼は時が経つにつれて誰もが見てとれるほどにやつれていった。

 

ハリー達はこれを見ていよいよクィレルもスネイプに堕とされるかとヒヤヒヤしながら見守っていた。

 

逆にレイ達は闇の帝王からの圧力が酷いのだろうと予想していた。

 

ハリーとロンはレイと仲直りはしたが、スネイプ犯人説の主張を変えることはなかった。レイが知っていることを教えればそれも変わったかもしれなかったが、レイも変わらず話す気はなかった。

 

レイ達のスタンスはあくまで自分達に害が及ぼされた場合以外は手を出さないというものだ。ハリー達に教えれば、間違いなくクィレルにちょっかいをかけるだろう。ここで下手に手を出され、自暴自棄になられては堪ったものではない。

 

なのでハリー達には変わらず勘違いしていてもらおうとレイは放置しておくのだった。

 

最後に学校全体の雰囲気について。

 

少しずつ近づいてくる進級試験に、ホグワーツ生の殆どの者は憂鬱にならざるを得なかった。それは試験の日が迫るごとに増していき、とうとうホグワーツ全体を覆うかのように伝播していった。

 

そんな中でもレイ達は自主練に励む。シルヴィアとギルバートは共に試験など余裕であり、レイとアリスも自主練に励むことは呪文学、防衛術、変身術の復習にもなるため励むことに躊躇はなかった。

 

また他の教科に関しても、ギルバートにより作成された教科書と図書室の本群から厳選された試験対策本の存在が二人に余裕を持たせていた。特に物覚えが悪いアリスはこの本の存在は大変有り難かった。

 

そしてその本の存在は、レイとアリスが寮内で自主勉強に励んでいる際に周囲の知るところとなり、後にギルバートより二人に制裁が下されることになる。

 

最終的にはレイはハリー達と、アリスは最初の友達達と試験対策本を囲み勉強することになったのだった。……余談だが、これを知った赤毛の双子はギルバートの元へ駆け込んだという。

 

長く続く平穏な日々。けれど、それが永久に続くことはありえない。何事にも終わりはやってくるのだ。そして、事態はある日より急展開を迎えることになる。

 

それは進級試験最終日のことだった。

 

………………

…………

……

……

…………

………………

 

生徒達を苦しめた試験も終わりを告げ、今では晴れやかな思いでホグワーツは満ちていた。それは本日の天気のようで、雲ひとつない青空は試験の出来に絶望する生徒の顔色をも表していた。

 

いつもより一層賑やかな校内ではあったが、そんな時でも必ず静かなところはある。そんな場所の一つであるとある人気のない廊下では、ハリー、ロン、エステル、そしてハーマイオニーの四人は真剣な面持ちで向かい合っていた。

 

「ロン、ハーマイオニー、ステラ。……僕達で『賢者の石』を守ろう。先生達が取り合ってくれない以上、僕達がやるしかない」

 

ハリーの決意を持った言葉にロンとハーマイオニーも覚悟を決める。しかし、エステルだけは表情にどこか迷いを帯びていた。

 

試験が全て終わった後、ハリー達はハグリッドがすでに守りの要の一つである三頭犬の対処法がスネイプに知られていたことを知った。

 

クィレルの様子から、すでにスネイプは彼からも対処法を聞き出した可能性があると考えたハリー達。すぐさまミネルバの私室に駆け込み『賢者の石』の危険を伝えようとしたが、まともに取り合ってはくれなかった。

 

その対応に歯噛みするハリー達にミネルバはさらに絶望をもたらした。

 

なんと頼りのダンブルドアが今日一日ホグワーツを留守にしていると言うのだ。これにはハリー達も絶句するしかなかった。

 

こうしてはいられないと、ハリー達はミネルバの私室を最低限の礼儀だけで飛び出していった。それをミネルバは嫌な予感と共に見送ったのだった。

 

そして今に至る。エステルは表情を変えずに決意を固める三人へとある提案をする。

 

「……ねぇみんな。せめてレイにも力を貸してもらおうよ。出来ればコルドウェルさん達にも」

 

この提案に三人は一瞬納得しかけるが、すぐに全員顔をしかめる。まず口を開いたのはロンだ。

 

「多分あいつら手を貸してなんてくれないぜ? どうせダンブルドアが何かしら手を打ってるとか言ってさ」

 

それは彼にしては珍しく的を得ているものだった。それにハーマイオニーが続ける。

 

「そうね。最悪は私達も止められてしまうわね。そうなれば悔しいけど私達に勝ち目はないわ」

 

そして最後にハリーが未だに渋るエステルを説得する。

 

「もし本当に大丈夫ならそれでいいんだ。僕達で無事を確認した後に明日ダンブルドア校長に話そう。あの人なら僕達の話を聞いてくれるよ」

 

エステルはそれを聞いてようやく決心する。でも、最後にこれだけはハリーに聞きたかったことがあった。

 

「……ハリー、貴方は怖くないの? 今回はレイもいない。今度こそ死んじゃうかもしれないんだよ?」

 

ハリーはそう問われ、眼鏡の奥で目を瞑る。まぶたの裏に映るのはいつか見た大きな背中だ。そして、耳に聞こえてくるあの時の言葉。

 

ゆっくりとまぶたをあげてハリーはエステルと目を合わせて答えた。

 

「“例のあの人”が……ヴォルデモートが復活したら、今度こそ僕は殺されるかもしれない」

 

「うぉっ!?」

 

「きゃぁっ!?」

 

ハリーが闇の帝王の名を口にしたことで、ロンとエステルは悲鳴をあげる。しかしハリーは取り繕うこともなく続ける。

 

「けど、それは僕だけじゃない。ロンも、ハーマイオニーも、ステラも、レイも、僕の友達がみんな殺されるかもしれないんだ。……僕は、その方が怖いんだ」

 

「……ハリー」

 

ハリーは無意識に気づいていた。レイがあの時闇の帝王に立ち向かえた理由を。そして無意識に気がついたからこそ、その想いは誰かを真似たものではなく、正真正銘ハリー自身のものだった。

 

そしてそれは、聞いていた三人も同じ気持ちにさせるものだった。

 

「だから僕は行くよ。奴を止めるために。……付いてきてくれるかい?」

 

熱い決意とは裏腹に、そんなハリーの自信なさげな願いをエステルは笑顔で受け入れる。その顔をはもう迷いはなかった。

 

「うん、行こう! 私達で『賢者の石』を守るんだ」

 

四人は顔を合わせて頷き合い、これからの算段を整えて行く。

 

 

……その様子を伺っていた生徒の存在に気づかずに。

 

………………

…………

……

……

…………

………………

 

昼間に続き、雲ひとつない漆黒の空には宝石のように煌めく星々が飾られている。星々の展覧会は今夜が新月であることもあり、より美しく輝きを放っていた。

 

そんな展覧会に飾られた星々が最も美しく輝く時間帯に、レイはベッドの上で不意に身じろいだ。彼が眠る寝室には、暗闇が怖い同居人によって明かりが一つ灯されている。

 

少しの間身じろいだ後、レイは薄く目を開けた。しかし明かりが目に入り一度目を瞑る。何度か瞬くとやっと明かりに慣れていき、レイの視界にこの一年で見慣れた天井が写った。

 

顔を横に向ければ、窓の外はまだ夜であることが確認できた。レイは変な時間に起きたものだとシーツを掛け直し再び目を閉じようとした。しかし、ふと違和感を覚えたレイは閉じかけた目を開いて隣を見る。

 

そこにはレイの同居人がベットの上で横になっているはずなのだが、空っぽになっていた。レイは急速に眠りが覚めていく。これはレイからすれば異常なことだった。

 

同居人であるネビルは、寝るときに明かりをつけなければならないほど暗闇が怖い。なので、夜トイレに行きたくなったらレイを起こして一緒に行くのが常だった。

 

そんなネビルがいない。そう認識したレイは寝起きにも関わらずはね起きるようにベッドから飛び出す。もしかしたらネビルは『賢者の石』関連に巻き込まれたのではないかと心配したレイは、杖を持って寝室を出た。

 

落ち着いて、ゆっくりとレイは談話室へと降りていく。深夜の石階段にレイの足音が響き渡る。

 

階段では何事もなく、レイは談話室入り口までたどり着いた。そして物陰からそっと談話室を覗き込み、目を見開く。そこにはネビルが目を見開いて転がっていたのだ。

 

「ネビルっ!」

 

レイは警戒しながらもすぐさまネビルに駆け寄る。転がるネビルにそっと触れると、呪文によって石にされているのがわかった。

 

命の危険がないことに安堵し、レイはネビルに掛かった呪文を終わらせる。

 

「フィニート・インカンターテム、呪文よ終われ!」

 

すると呪文が解けたネビルは不自然だった手足も地面につき、横になった。しかし、突然ばっと起き上がりレイに抱きついたのだ。

 

「うおっ!? ね、ネビル!?」

 

レイは驚きの声を上げたが、ネビルが声を押し殺して泣いているのに気づく。何が起こったのか分からなかったが、怖かったんだろうなとネビルの背を軽く叩こうとした。しかし、それはネビルから漏れた声によって遮られた。

 

「……は……ない」

 

「……ネビル?」

 

聞き取れなかったレイは、ネビルへと聞き返す。ネビルはレイの服をことさら握りしめて、顔を上げた。

 

「ぐすっ……僕はっ、自分がなさけないっ!」

 

「……!」

 

その顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。ネビルは眉根を寄せ、しゃくりあげながらも悔しげにレイに叫ぶ。

 

「僕は聞いたんだ! ハリー達がまた夜中に抜け出すって話してるのをっ」

 

「ハリー達が?」

 

「ひっぐ、遠くて分からなかったけど、何かを守るんだって……」

 

「……あいつら、まさか」

 

レイはハリー達がネビルを石にしたこと、そして四階廊下の奥に向かったことを悟る。そして疑問を覚えた。

 

今まで犯人探しはしていたが、それが突然『賢者の石』を守りに行くという直接的な行動に出た。おそらく、レイが知らない何かがあったのだろう。

 

このままでは『賢者の石』が盗まれてしまうのではと彼らに思わせる何かが。

 

そんなレイを尻目にネビルの独白は続く。

 

「えっぐ、ぐすっ。こ、このままじゃまた点が減っちゃう。……それに、危ないことをしようとするハリー達を止めたかったんだ」

 

「ネビル……」

 

「……だけどっ、ぐすっ、何もできなかった! 僕は……友達一人止められないっ!」

 

「…………」

 

レイはネビルの心の叫びを黙って聞く。ネビルの今の様はまるで昔の自分を見てるようだった。

 

父親が変わり果ててゆく姿を見ていることした出来ず、最後にはこの手で終わらせることしかできなかった自分に。

 

ネビルの無力さが、レイには理解できた。

 

しかし自分とネビルでは明らかに違うところがあった。それは、傍観するか立ち向かったかという違いだ。

 

レイは変わりゆく父親を見ていることしかできなかった。怒られるのが怖かった。打たれるのが怖かった。嫌われるのが怖かった。……そして最後は追い詰められて決断を迫られただけなのだ。

 

しかしネビルは違う。彼は恐怖を押さえ込んでハリー達に立ち向かったのだ。

 

レイはそんなネビルを心の底から尊敬した。この自分の想いを伝えて励まそうとした時、ネビルから渇いた笑い声が聞こえてきた。その声は、自嘲に満ちていた。

 

「……ははっ、僕は何を考えてたんだろう。鈍間でダメな僕が、ハリー達を止められるわけないじゃないか」

 

レイはこれを聞いた瞬間、頭にカッと熱が上がったのを感じた。それは、尊敬している友人を例え本人であろうと馬鹿にして欲しくないという想いからだった。

 

「……ネビル」

 

「こんなことなら君を起こして連れてくるんだったよ。レイは強くて頼りになるから、君なら絶対止められる……」

 

「ネビルっ!」

 

「ひっ!?」

 

レイは自分を卑下するネビルの名を強く呼び、肩に手を乗せ無理矢理視線を合わせる。

 

「自分を卑下する気持ちは分かる。俺もそうだからな。けど、今回はダメだ」

 

「れ、レイ?」

 

普段の優しいレイではない、厳しい表情で自分を見る様子に戸惑い、怯えるネビル。けれど、レイは構わず続ける。

 

「ネビル、お前の行動は無駄だったと思うか?」

 

「えっ」

 

「答えろ」

 

「ひっ、う、うんっ」

 

こくこくと頷くネビル。

 

「断言してやる。それは絶対に無駄じゃない」

 

「え……」

 

「たしかにお前は止められなかったかもしれない。……けど、お前はあいつらを止めるために一人立ち上がる事が出来た」

 

「…………」

 

「お前は俺が強くて頼りになるって言ってたけど、それは俺が“そうならざるを得ない経験”をしてきたからだ。けど、お前は違う」

 

ネビルはレイの言っていることがよく分からなかった。しかし、その声は、言葉は、ネビルから自嘲に溢れた負の感情をかき消していく。

 

「お前はそんな経験がなくても立ち上がれた。嫌われるかもしれない、痛い目に合うかもしれないと震え、怯えながらも友達のために立ち向かった。すげえよネビル。それは、昔の俺には出来なかったことだ」

 

「……レイ?」

 

 

 

「俺は、友達のために立ち上がったお前を笑わない。俺はお前を、心から尊敬するよ」

 

 

 

「……っ!」

 

その言葉はネビルの心に突き刺さる。レイが冗談とかこの場しのぎで言っているのではなく、本心からの言葉だとわかったからだ。

 

ネビルは再び涙がこみ上げてくる。自分が一番尊敬するレイが、自分を尊敬していると言ってくれたのだ。こんな鈍間で、間抜けで、泣き虫の自分なんかを……。

 

それだけで、ネビルの心は救われた。

 

「それにな、ネビルの思いは無駄にしねぇよ」

 

「レイ?」

 

レイはネビルの肩を数回叩いて立ち上がる。ネビルは涙で歪む視界でレイを見上げて目を見開いた。

 

歪む視界はレイの背中を捉えていた。そして、その背中がとても大きく感じたのだ。

 

呆然と見上げるネビルに、レイは背を向けたまま顔だけ後ろを向いて誓うように告げる。

 

「俺が、必ずあいつらを無事に連れて帰る。もちろん、途中で見つかって減点なんてさせない。……そしてお前の前に全員並べて頭を下げさせてやるよ」

 

「レイ……」

 

涙を拭ったネビルは、レイの背中が大きく見えたのが目の錯覚でないこと知る。今、目の前に立つ人の背中は大きく、逞しく、そして優しかった。

 

「だから俺を信じて待っててくれ、ネビル。お前の思いを俺が継いで、絶対に助けてくるからよ」

 

「……うんっ」

 

ネビルの返事を聞いたレイは頷いて前を向き、寮の外へと走り出す。向かう先はもちろん、四階廊下のその奥だ。

 

ネビルはその背中を見送る。絶対の信頼と安心を持って……。

 

………………

…………

……

……

…………

………………

 

レイは走る、走る、走る。

 

途中で見つからないよう、ギルバートにいざという時のために教えてもらった道を辿り、目的の場所を目指す。

 

しばらくして、レイは辿り着いた。その速さはハリー達をはるかに上回る。息を整えながら目的の場所の扉の鍵を見ると、やはり開けられている。誰かが入って行ったのは明らかだ。

 

レイは無言で扉に手をかける。ゆっくりと押し開けて部屋の中へと足を踏み入れる。そして、侵入者を感知した三頭犬が立ち上がり唸り声を上げた。

 

「「「ぐるるるぅぅっ!」」」

 

「……これは、中々に迫力があるな」

 

レイは扉の前で立ち止まり、三頭犬を観察する。トロールとは比べ物にならない迫力、しかし、湖畔での対決で見た闇の帝王よりも恐怖は感じられない。

 

三頭犬を警戒しながら部屋の周囲を見渡す。そして、三頭犬の足元に扉があるのを見つけた。おそらくあそこから奥に行けるのだろう。

 

レイは覚悟を決め、杖を構える。

 

「お前に手こずってられねぇんだよ! さっさと退いてもらうぞ、犬っころ!!」

 

「「「ぐるあぁぁぁぁっ!!」」」

 

レイと三頭犬は部屋の中央で激突した。




次回、彼の名は。
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