俺の名前は。   作:kwhr2069

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メジャー2nd、アニメ化おめでとう!
ということで書きました。

といってもこの話はプロローグなので悪しからず…。

なんかオリストばかりになりそうですので、むしろ原作知識は邪魔かも…?


プロローグ

「牧篠さーん」

 

 病院、待合室。

 医師が、患者の一人を呼ぶ。

 

 

「牧篠、美智琉さーん」

 

 繰り返して名前が呼ばれる。

 

 その時、お手洗いから出てきた中学生が一人。

 その子が”牧篠美智琉”のようで、名を呼ばれている事に気付き、慌てて向かう。

 左手首にガーゼを巻いた彼はその後、病室へと入っていった。

 

* * * * * *

 

「お大事にー」

 

 その言葉を背中に受けて、病院を出る。

 

「ふう、これで一時病院通いも終わりかな」

 そう呟きながら、ガーゼの取れた左手首を見る。

 軽く手を振ってみる。

 

 うん、痛くない。よかったよかった。

 

 

 今度は、右手の腕時計を見る。15:21。

 

「意外と時間経ってるじゃん。

 …もう、今日はやめとこうかな」

 

 そして、足取りを自宅へとむけた。

 

 

 

 俺の名前は、牧篠 美智琉(まきしの みちる)

 私立風林中学校に通う、中学二年生だ。

 ちなみに部活は、軟式野球部である。

 

 

 

 突然だが、俺は自分の名前があまり好きではない。

 それは何故か。

 

 

 ひとえに、”女っぽい”からだ。

 

 

 最近では、男とも女とも言い難いような名前がよく見られる。

 だから、男で”美智琉”というのも、さほど珍しくはないだろう。

 

 しかし、そういう問題ではない。

 

 子供、小さい頃はまだいいのだ。

 カワイイで押し通せるから。

 

 だが、俺は今中学生で、もうカワイイと言われるお年頃ではない。

 

 周りに、確かに似たような境遇の名前のやつはいるが、それとこれとは別だ。

 

 自分が”女っぽい”名前で呼ばれてしまう。

 とにかくこのことが、受け入れられないのだ。

 どうか、分かっていただきたい。

 

 

 ちなみに、誤解がないように付け加えておくと、決して、俺にこの名前を付けた親を恨んでいることはない。

 

 

*  *  *  *

 

 翌日。

 

 昨日入学式があったわが校では、今日から中二になって初めての授業が始まる。

 俺は、久々に部活にしっかり参加できることもあり、授業にはなかなか集中できず、また時間の進みがやけに遅く感じられる。

 

 ゆっくりと時は流れ、漸く昼休みになった。

 

 俺は、一人のクラスメートのもとへ。

 

「よっ」

 

「おう、牧篠じゃん」

 

「今日から、練習OKになったぞ」

 

「そっか、それは良かった」

 

「それで?昨日の新入生たちはどうだったよ?」

 

「聞きたい?」

 

「是非」

 

 

 コイツは、茂野 大吾(しげの だいご)

 俺のことを、名前ではなく名字で呼んでくれる数少ない存在で、俺が所属する野球部のキャプテンでもある。

 

 

 と、その時。

 教室の扉が開いて、二人の女子が姿を見せる。

 

「あれ?弥生に太鳳、なんでうちのクラスに?」

 

 同じ野球部のメンバー、沢 弥生(さわ やよい)相楽 太鳳(さがら たお)だった。

 

「いやね、美智琉、今日から練習出られるんでしょ?先生から聞いたのよ」

「それに、昨日の話もせっかくだしミチルにしてやろーかと思って」

 

 二人とも()()()()()()()、俺のことを名前で呼んでくれる気さくな女子だ。

 

 一般的に、中学生男子は女子に下の名で呼ばれると嬉しいものだろう。

 (※ごめんなさい、これは作者の思い込みなのかもしれません)

 

 しかし俺は、そんなのはまっぴらゴメンだ。

 ただ、これを公言するといろいろ面倒な気がするから口には出せないのだが。

 

 

 とまあ、そんなことはどうでもいい。

 

「昨日の話なら、今丁度大吾に聞こうとしてたぞ」

 

「悪い、牧篠。俺先生に用事あるから、話はこの二人から聞いててくれ」

 

 えぇ...そんな...。

 

 

「さてミチル、どこから聞きたい?」

 

「なあ、そろそろマジでミチル呼び、やめてもらえませんですか?」

 

「今更遅いって、諦めなよ」

「そうよそうよ、もう一年も経っちゃったんだから」

 

「いや、俺は諦めないからな、ずっと言い続けてやるよ」

 

「ねえ、どうしてそこまで、”美智琉”と呼ばれることを嫌うのよ?」

「そーいえば、それ聞いたことなかったね」

 

「…別に、特に話すようなことはねえよ」

 なんか面倒なことになったな。

 

 

 ミチル。

 この名前に、俺はかなりのコンプレックスを抱いている。

 

 そしてそれは、あの頃からのものだ。

 




プロローグてことなんで、この辺で。

お察しの方もいるかは分かりませんが、次話からは一時、原作キャラの登場はほぼ見られません。
個人的に、硬式少年野球→軟式中学野球、の流れがしっくりこなかったためです。
(※追記:作者の勘違いで、大吾たちは小学校では硬式野球をやっていると思っていましたが、正しくは軟式野球でした。すみません。もしかしたら原作キャラの登場、あるかもしれません。)

こんな作品ですが、御自愛頂ければ幸いです。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

※11月10日18:00に若干部分的修正を加えました。
 今更ですけどこの話、文字数めっちゃ少ないですね、まあ今更なんですけど。
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