アニメ第十二話、見ましたよ。
光君の登場で火が点いた大吾君が奮闘し、見事勝ち越し点を挙げますが、アンディがフィールディングで足を怪我するという事態に。
このまま負けかと思いきや、光君の登板、そして受ける捕手は大吾君!
いや~、アツい、アツかったですね。
一回戦を突破し、次話からは二回戦に入るのでしょう、楽しみですね。
ふと思ったんですけど、7月からもメジャー2ndはアニメ放送続くんですかね?調べてないので分からないんですが。
まあでも、恐らく続くでしょうね、今終わるとなんか中途半端な気がしますし。
ではアニメ感想もこのあたりで終わって、小説の方へ。
全国大会予選の決勝戦、続きからです。
よろしくどうぞ。
越えていけ
*牧篠美智琉、小学三年、秋頃
この頃、俺はとある一つの悩みを抱えていた。
それは、『なかなか試合で打たせてもらえない』というものだ。
試合に少し出してもらえても、殆どが犠牲バントのシーン。
バントだけは最初から何故かうまく出来たため、俺が試合に出るときは、代打でバント、ということが大抵だったのである。
やはり、野球をやっている身としては、打ちたい、という欲がどうしても大きくなる。
小学三年生で、始めたばかりなら、なおさらだと思う。
だからこの頃、俺は代打でバントの場面で、バントをあえて成功させず、最終的には普通に打つ、というクソみたいなことをやっていた。
とある日。
俺は、ある事に気が付いた。
この頃打線で2番に座っていた茅ヶ谷先輩は、1番を打つ六年生の先輩の出塁率が非常に高かったため、ほとんどの打席で犠牲バントをしていたのである。
俺は、気になったので聞いたのだ。
『いつもバントばっかりで、つまらなくないですか?』と。
すると先輩は、こう答えた。
『バントをしてチームのためになるなら、それは嬉しいことだろう』と。
俺は、ビックリした。
野球は、自分が楽しんでなんぼのものではないのか、と思っていたから。
そして先輩は、驚いた顔をしている自分にこう続けた。
「…まあ、打ちたい気持ちがないか、と言われたら確かに嘘になるかも。
でも、俺は、先輩たちと比べるとまだまだヘタクソだから。
自分が出しゃばっちゃいけない、って思うようにしてるんだ」
更に、俺は驚いた。
「先輩は、十分うまいでしょ?!」
「いやいや、そんなことないよ」
「…先輩は、まだまだ自分が下手な方だって、そう思ってるんですか?」
こう聞くと先輩は、少し首をかしげるようにしながら、こう言ったのだ。
「そうだよ。俺は自分の事、ヘタクソだと思ってるよ」
先輩は、当時五年生の先輩たちの中でも、特に上手かった。
そんな人が、ここまで謙虚に自分の事を見つめられるものなのか、と、ただただすごいと感じた。
「自分の事下手だって思ってるから、割り切って犠牲バントもできるのかもな」
先輩は、すごい。
今でも俺の中で、常にキャプテンとしてあり続けている。
俺は、これからどうしていけばいいのか、どうすれば皆を引っ張っていくことができるのか、分からないときは、いつも先輩に頼りきりだ。
このままじゃダメな気が、しないでもないけど、どうしても頼ってしまう。
今回も、そうだ。
自分の実力を過信することなく、自分が出来ることを精一杯頑張る。
だからこそできた、あの場面でのセーフティバントという行動。
先輩と交わした、あの日の会話。
それがヒントとなり、今の自分がある。
いつか俺が、綜先輩を超えることは、果たしてあるのだろうか。
分からないけど、その日は限りなく遠い未来のことだということだけは、はっきりと言えるだろう。
* * * * * *
「…セーーフ!!」
「よっしゃ!ナイス盗塁、牧篠ー!」
「ヒット一本でホームまで帰ってこい!」
「よ~し、間宮―!打て―!!」
ツーアウトから1番牧篠がバント安打で出塁し、直後に盗塁を決める。
これにより、湧き上がる鹿瀬側ベンチ。
その雰囲気だけ見れば、試合で優位を握っているのが鹿瀬だと、勘違いしそうになる。
その押せ押せムードに乗った2番間宮。
二球目のインコースのボールをうまく打ち、打球は三塁線を...抜ける!
「しゃあ!回れ回れ!」
「ナイスバッティン、間宮!」
打った間宮は、二塁へスライディング、そして、ガッツポーズ。
二塁ランナー牧篠は、悠々と本塁に生還。
これで一点を返したことになる、だがまだ一点ビハインド。
しかし、彼らにはもうそんなものは関係なかった。
続く柳沢が四球を選び、ツーアウト一、二塁とする。
そして、4番筒本。
相手が一旦タイムを取り間を空けたが、それも意味はなかった。
初球、一閃。
打球はぐんぐんと伸び、ライトの頭を越える。
間宮、柳沢と本塁に還り、見事逆転。
更に、筒本自身も本塁を狙う。
が、流石に走力が足りず、本塁でタッチアウトとなってしまった。
しかし。
ツーアウトからキャプテン牧篠の出塁を皮切りに、一挙三得点。
これで、3-2。
遂に、逆転することに成功した。
六回のウラ。
逆転された直後の縄森ファルコンズの攻撃。
先頭は、9番キャッチャーの若宮。
ショートゴロに倒れ、出塁することはできず。
続く1番ショートの登坂。
センターライナーで、早くもツーアウトとなってしまう。
しかしここから、2番サードの幡川が、11球粘る意地を見せて、四球で出塁。
すると、3番のセカンド田山に対し、大屋はストレートのフォアボールを与えてしまう。
ツーアウト一、二塁のピンチで、打席には先程ホームランの高山が入る。
その初球だった。
鋭いスイングとともに飛んだ打球が、センター前へ...
抜けなかった。
華麗に跳んだセカンドの菊地原が、ライナーで打球をキャッチ。
アウト。
ファイプレーに対し、盛り上がる鹿瀬サイドと、驚きを隠せない縄森サイド。
セカンド菊地原のプレーに救われ、失点は免れた鹿瀬少年野球クラブ。
一方、逆転の余地はきっとあると、最終回の攻撃に望みを託す縄森ファルコンズ。
両者の思惑が揺れ動く中で、試合はとうとう、終焉を迎えようとしていた。
もう少し続きます。
長引かせて間延び感出てる気もしないでもないですが、それは気にしない方向で笑。
次話で決着はつきますので、それまでどうかお楽しみに。
では、今回はこの辺で失礼します。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。