俺の名前は。   作:kwhr2069

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タイトルはふとした思い付きです。決して、とある映画(もう古い気がする笑)からインスピレーションを受けて...とかではないです、決して。


…では、テンポよくいきましょうということで早速本編です。
新入生歓迎試合...プレイボール!!


第二十話

歓迎試合

 

 先攻は、一年生チーム。

 そのため俺は、最初に打席に向かう。

 

「ミチル~、打ってよ~!」

 

「下の名前で呼ばないでって言ったじゃんか」

 

「いーじゃん別に、もう定着したんだもん」

 

 …定着すんの早えよ、まったく。

 

 まあでもとにかく、今は試合に集中しないと。

 投球練習を終えたバッテリーの先輩たちにお願いします、と礼をして打席に入る。

 

 マウンドのケン先輩が振りかぶり、一球目を投じる。

 アウトコース低め、見事に決められまずはワンストライク。

 当たり前だが、少年野球の時までと比べまた一段と、格が違う。

 

 二球目は、インコース胸元に外れてボール。

 三球目はそれよりもゾーンに近づいてきたので打ちにいく...が、ファールボール。

 

 これで追い込まれてしまった。

 後ろで相楽が何か野次を飛ばしているのが聞こえる気がするが、聞き取れない。

 

 まあ、気にせずいこう。

 

 

 

 

 

 この時、俺は完全に頭から抜け落ちていたことがあった。

 

 今、俺がやっているのは中学野球であり。

 この舞台は、今までの少年野球とは明らかに一つ異なっている部分があるのだと。

 

 そんな中で投じられた四球目。

 これまで先輩が投げてきたボールと違う...一度軽く上に浮き上がるような軌道のボール。

 

 

 スローカーブである。

 

 俺はただ呆然と、そのボールの軌道をゆっくりと追いかけることしかできずに。

 ストライクゾーンに構えたキャッチャーミットにボールが収まるのをただ見送った。

 

 見逃し三振。

 

 

「だから言ったのに、変化球あるよ~って」

 

 …あ、野次じゃなかったのか、なるほど。

 

「普通にすまん」

 

「…?…変なの」

 

 相楽に小首をかしげられながら、俺はベンチに戻る。

 

「変化球、考えてなかったでしょ~?」

 

 綾部先輩からからかうように言われる。

 

「はい、すっかり頭から抜けてました」

 

「…素直なのね(笑)」

 

 

 俺に続いて打席に立った相楽。

 スローカーブを見せられた後の真ん中高めのストレートに詰まらされ、内野フライ。

 

 そしてその後の沢さんは、カウント2-2から六球目のストレートを捉えるも、外野の先輩の好守備に阻まれ外野フライに倒れる。

 

 

 攻守は変わって、一回の裏。

 マウンドでは綾部先輩と茂野が何やら少し話し込んでいる様子。

 サインとかの確認だろうか。

 

 1番打者として打席に入るのは、さっき外野守備でいいプレイを見せた近江先輩。

 足は確実に速いだろうし、少し前に出ておくか。

 

 とここで、守備位置を少し説明しておこう。

 セカンドの沢さんがちょっとファースト寄りにいて、ショートの相楽がセカンド寄りで深めの位置。

 外野は一人、センター深めの位置に佐倉さん。

 

 ランナー状況とかで臨機応変に変えていけば何とかなるだろ、という結論で今の形に。

 ちなみに言っておくと、先輩たちの守備隊形も同じだったんだけど。

 

 

 左打席に入ったバッターに対し、綾部先輩が投球を始める。

 サイドスロー気味のフォームから、投じた一球目。

 打者の胸元、厳しいところに決まってストライクだ。

 

「(…初球からあそこに投げる先輩もだけど、茂野もなかなか度胸がすげえな)」

 

 その後、アウトコースボール球のストレート、アウトコースに入ってくるスライダー、低めのシンカーで空振り三振に抑える。

 

 次に打席に入るのは綜先輩。

 初球は、アウトコースに外れるストレート。

 その後、インコースへのスライダーを続けて見逃しとファールで追い込む。

 この状況で、フィニッシュに茂野が選択したのは。

 

 インコース胸元へのボール。

 アウトコースでの勝負を考えていたのか、綜先輩も腰を引いてボールを見送る。

 

 …しかし、これが僅かに外れてボール。

 

 カウント2-2からの五球目、投球はアウトコースへのシンカー。

 捕らえた打球が俺の正面に飛んできて、しっかりと捕球後、ファーストに入った沢さんに送球。

 これでツーアウト。

 

 3番打者は、キャッチャーの徳地先輩。右打席に入る。

 初球は低めのシンカー。見送ってストライク。

 二球目は胸元へのストレートで、外れてボール。

 三、四球目は外角のスライダーを続け、空振りとファール。

 

 五球目。

 茂野はアウトコース高めの釣り球気味のボールを要求。

 これを打ち上げ、打球は右中間方向へ高々と上がる。

 外野の佐倉さんが落ち着いて捕球し、スリーアウトチェンジとなる。

 

 

 二回表。

 新入生チームは茂野からの打順。

 スローカーブの後のストレートに振り遅れずスイングしたが、セカンド正面のライナー。

 続く佐倉さんは、スローカーブを打つがピッチャー正面のゴロでツーアウト。

 そして綾部先輩も、スローカーブを捉える。

 レフト方向に飛ぶが、近江先輩が走ってダイビングキャッチ。

 ファインプレーにも阻まれてスリーアウトチェンジとなった。

 

 

 二回裏。

 先頭はショートを守っている市松先輩で、右打席に入る。

 初球、アウトローへのストレートを弾き返すと、打球はライト線へ。

 急いで沢さんと佐倉さんが追いかける。

 なんとかランニングホームランは免れたが、先輩は三塁まで到達。

 

 ノーアウト三塁となって、打席にはケン先輩。

 スクイズも警戒しながら配球したバッテリーは、結果空振り三振に抑える。

 

 続くバッターは6番でセカンドに入っている坂口先輩。

 右バッターで、初球はアウトコースへのスライダーで空振りを奪う。

 二球目は低めへのシンカー。見送ってボール。

 三球目と四球目は外角へのスライダー。空振りと見送りでカウントは2-2に。

 

 五球目。

 

 ランナーが動く。

 投球と同時にスタートを切った。

 

「走った!」

 

 俺の声が、音の少ないグラウンドに響く。

 

 

 そして、バッテリーの選択はインコース高めのストレート。

 

 

 バッターはバントをしにいくが、ボール気味で身体に近いボールに上手く合わせられず、バントしたボールは後ろへ飛ぶ。

 

 スリーバント失敗で、ツーアウト三塁になった。

 失点するかもと思ったが、ぎりぎりなんとかいったようだ。

 

 

 しかし、ここまで無失点で来たものの、未だピンチは続いている。

 打席に入るのは、1番を打っている近江先輩。

 守備での好プレーが続くと、打撃でも良い結果を残すことはよくある。

 

 全く油断できない状況。一段と上がる緊張感。

 それを紛らわすかのように、俺は一つ、深く息を吐いた。

 




あっ、追加した方が良いタグとかありますかね?一応、思いついたのは入れているんですが...よろしければ、コメントの方で教えてくださると。
そしてこの機会に...批評や感想等もお待ちしておりますので、気兼ねなくどうぞ。
Twitterアカウント:@wakiwaki_2069←こちらの方でも全然いいので、どうぞお気軽に。

それでは今回は、このあたりで失礼します。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

※11月10日18:45、一部分の修正をしています。
 さほど重要なものでもないですが、一応報告だけ。
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