先週は予告なく投稿を休止してしまい申し訳ありませんでした。
現在プロフィールにあるTwitterアカウントが消失しているため、緊急な連絡をできる手段がないので今後は何かしら策を講じていこうと思っています。
では、前書きでダラダラ書いてもアレなので残りは後書きで語ります。
ということで本編です。どうぞ!
新エース
「なあ牧篠、今日の練習なんだけどさ…」
放課後、部活を始める前の着替えている時間。
こうやって大吾の方から相談されるということが、部に戻ってきてから続いている。
もちろん俺だけじゃなく沢さんや太鳳にも積極的に色々聞いたり話したりするようになったし、睦子や関鳥にはアドバイスや助言といった類いもやっている。
一度、キャプテンを変わらないかなんてことも言われたが、今の大吾はしっかりできていると思う。
改めて、大吾をキャプテンに指名した先輩たちの観察眼に敬服する。
その後メニューを話して決めながら、着替えを終えて部室を出る。
「ちょっとー、もう少し早く着替えてよね男子なんだから」
「なんだその言いがかり。ちょっと話してたんだから仕方ないだろ」
太鳳に若干冷ややかな顔で言われ、つい言い返してしまう。
「まあまあ、二人とも落ち着いて。言い合っても何もうまれないから、ね?」
「…すまん」
ちょっと言われると気になってしまう俺の悪い癖だ。
「ほら牧篠行くよ、先に準備しなくちゃ」
「そうだな、行こう」
こういうことができるのも大吾ならでは。
今日の俺は投手練習が多い。
シートバッティングの投手役や投げ込みなど。
新チームになり、一応俺がエースという肩書を背負うことにはなったが、なんの実績もないし睦子も投手なのでそこで驕るつもりはない。
大吾もこれからの伸び次第で決めたいと言っている。
それまでは俺も、投手と野手の二足の草鞋を履く。
また、これまではサードを守ってきた俺だが、関鳥のことを考えると外野に回ることも想定されるため、今は三ポジションの練習を順番にやっている状態だ。
色んなポジションをするのは大変だけど、先輩も練習を見てくれるしこれも経験と思えば楽しい。
ただ…。
* * * *
パン、と気持ちのいい音が夜の街に響く。
「ナイスボールだ、牧篠」
「ありがとうございます!」
「どうする?暗いしそろそろやめておくか?」
「いえ、まだ大丈夫ですしもうちょっとだけ、いいですかね?」
「無理はするなよ」
練習終わり、暗い中のキャッチボール。
相手はケン先輩。
「それにしてもいいのか?
大吾からはあんまり投げ込まないように言われてただろ」
「…キャッチボールって、投げ込みに入りますかね?」
「それは分からんが、大吾が聞いたら屁理屈言うなって返されそうだな」
「それは確かにそうですね笑」
「投げたくなる気持ちは俺にも分かるけど、ケガだけはホントに気をつけて欲しいから頼むぞ」
「それこそケン先輩にはわざわざ付き合ってもらって申し訳ないです」
「いやいや、一人で投げ込むより相手がいた方が良いだろ?」
「…怪我はもういいんですか?」
「激しい投げ込みじゃなければいいと言われてるよ。
そうじゃないと練習にも出られてないはずだからな」
「言われてみればその通りでした」
実は最近、練習後に一人で投げ込みの練習をしていたのだが、大吾にオーバーワークは厳禁と叱られ、投げるなと言われた。
それで自主練習は無理だと思っていたが、今日はケン先輩の思わぬ誘いを受けて今に至る。
他のポジションをやっているとはいえ、今自分が一番やりたいのはピッチャー。
エースとしてチームの柱になるため、普段の量では足りない投げ込みを自分で補いたい気持ちが強い。
そうしてしばらくキャッチボールをした後、
「ケン先輩、そろそろOKです」
「お、そうか。明日からもやるか?」
「すごく助かるんですけど、先輩は大丈夫なんですか?」
「今日の感じなら特に問題ないよ」
「そうですか、それならまたお願いします!
…と言っても、一応投げる日と走る日交互に取りたいので明後日でもいいですか?」
「走りの自主練もしてるのか」
「ですね、スタミナつけるために。まあこの辺少しだけですけど」
「…何度も言うが、無理はするなよ。怪我したら元も子もないからな」
「ありがとうございます。ちゃんと気をつけておきます」
「それじゃあ、またな」
「はい。ありがとうございました」
別れの挨拶をし、俺は家へと走って帰った。
* * * * * *
「ねー、ミチルはさ」
「ミチル禁止って何回言えばいいんだ」
「さあ、言わなければいいんじゃない?」
「そんなわけにいくか。それで、なんだよ?」
昼休み。クラスメートの牧篠といつも通り昼食をとっていると突然の訪問者。
いつも通りの軽いやり取りをしている二人を横に、食事をとる。
「いやね、さっき弥生と話してたんだけど、あんた勉強できるじゃん」
「まあ、お前よりはな」
「うわウザ、まあいいや。
そろそろテストだし、ちょっと分かんないとこ教えてもらおうかな、みたいな話」
「へえ意外だな、それで俺に頼るなんて」
「まあ…テストで赤点とる方がだるいから」
「そんなに分からないとこあるのか?」
「質問攻めしつこいわね、女の子が困ってるんだから手を貸すことなんて普通二つ返事でしょ」
「…どう思う、大吾」
いきなり俺に話が振られ少しびっくりする。
「どう思う、とは?」
「太鳳がこんなので俺を頼るなんて珍しいし、絶対裏があると思うんだが」
「うーん…」
「ほんとミチルめんどくさい、勉強教えてくれるだけでいいのに」
「仮にも教えられる側の人間がそんな偉そうな口きいても良いんですかね?」
「はあ?私だって好きであんたなんかに頼まないわよ」
「おっ、ようやく本性出てきたな」
相も変わらず、牧篠と太鳳のやり取りが小気味よく続く。
ここまできて一度も互いに爆発したことがないのは不思議なくらいであるが。
とはいえ、教室にいるクラスメイト達の視線も気になってきたしそろそろ止める頃合いでもある。
「はい両者そこまで」
そう言うと、二人とも周囲の視線に気付いたようで口をつぐんだ。
「牧篠。テスト週間はどうせ練習できないんだし、ちょっと教えるくらいいいんじゃないか?
実際俺とは一緒に勉強してくれる約束もあったしその時に合わせてさ」
「さっすがキャプテン、話が分かる」
「…まあ、大吾に言われちゃしょうがないか。
その代わり覚悟しておけよ。徹底的に教えてやるからな」
牧篠の目が若干怖い。俺にまで被害が及ばなければ良いんだけど。
「それじゃ、勉強会の日時は後で決めるから。当日はよろしくねー」
そう言い教室を立ち去る太鳳。
出て行く時に一度こちらを振り返ったが、少し口元が緩んでいたように見えた。
「…変なことにならないといいけど」
そのつぶやきは、再び弁当を食べ始めた牧篠の耳にはどうやら届いていないようだった。
本編お疲れさまでした。
ちなみに『新エース』の話は以降②、③…と少し続く予定です。タイトル考えるのが面倒というわけではないです。
さて。まず先週の休載に関しては、自分がリアルで忙しく大学の課題に追われ、小説を書きあげられなかったことが原因です。すみませんでした。
またそれに伴ってということではないですが、来月以降は隔週での投稿を考えています。正式に決めた際には活動報告などでお伝えするかもしれません。ご了承のほどよろしくお願いします。
ところで話は変わりますが、本作品の総合UA数が3万を超えていました。6/17にはなぜかUA数・お気に入り登録数がともに急上昇していて少し目を疑ったのですが、どんな背景があったのでしょうか…?
なんにせよここまで多くの方に私の作品を読んでいただいてることは本当に嬉しく、励みになります。今後もできる範囲でしっかり頑張っていきますので、どうか応援よろしくお願いします!
それでは長くなりましたが、今週の後書きはこのあたりで失礼します。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。