アニメ第六話、見ました~
原作読んでた時から思ってたんですが、大吾が光に、父親とキャッチボールをしてないのおかしいとか言ってますけど、大吾だって父の吾郎にはほとんど会えてすらないから、キャッチボールやってないんですがね...笑。あ、だからこそ、せっかく近くにいるのにやらないのはおかしいぞ、ってなるのかな?
また、最後のシーンで、光の引っ越しが告げられ、これから大吾はどうなっていくのやら...って、原作読んでるから知ってるんですけどね笑。
とまあ、アニメの感想はこの辺で終わりにして、小説の方へ。
先週始まった試合の続きとなっています。
では、よろしくどうぞ。
奮起の理由
五回の表、相手チームの攻撃は三番の桐原から。
風津先輩はこの打者に対し、今日二回目の死球を与えてしまう。
俊足のランナーが一塁に出て、打席には今日二安打で絶好調の四番兼橋。
このタイミングで、俺たち内野手はマウンドに集まる。
マウンド上の風津先輩は、現時点で被安打六、与四死球三、失点五。
相手チームの走力に翻弄され、自らカウントを悪くしてしまっている。
そこから四球を与えたり、甘い置きにいったボールを打たれたりしている印象だ。
「…太輔、大丈夫か」
キャッチャーの戸崎先輩が尋ねる。
風津先輩は、スタミナをかなり消耗しているのか、肩で息をしながら、
「なんとか、してみせるさ...」
と言った。
俺たちのチームの二番手投手は、五年の間宮。
だが、前の試合で完投しているため、体力を考えると交代は難しい。
次に投げる機会が多いのは、五年の大屋。
しかし大屋は、ランナーがいる状況下でのピッチングがあまり良くない。
つまり、出来るだけ風津先輩が投げる方がよいのだが...。
今は、二点ビハインドの状況。
これ以上点を与えられないわけで。
でも、風津先輩の他に今この状況下で頼れる投手がいないのも事実。
だからこそ、どうするのが正解なのか。
するとベンチから、楢崎監督が出てきた。
「太輔、いけるか」
「…俺が何とかするしかないでしょ。エース、なんですから」
風津先輩はこの一年間、鹿瀬少年野球クラブのエースとして、投手陣を引っ張ってきた。
最後の大会となるこの大会にかける思いは、並々ではないはずだろう。
「…皆、聞いてくれ」
監督がこう切り出す。
「相手のランナーは俊足。リードをさらに広げるためにも、ここは盗塁してくるだろう。
だが、気にしすぎるな。それよりもっと気にしないといけないのは――、」
「兼橋のバッティング、ですよね」
「その通りだ、牧篠。
兼橋はこの試合も、三塁打とヒットを打っている。
だからこそ、このチャンスで抑えることができれば――、」
「逆にこっちに、チャンスが回ってくる...。」
「ああ、そういうことだ。だからこそだ、太輔」
「…はい」
「お前の一年間の頑張り、その集大成を、ここで見せてみろ」
円陣がとけ、各選手がそれぞれポジションに散っていく。
ノーアウトランナー一塁。打席には、四番兼橋。
投手風津の初球は、アウトコースに外れる。ボール。
やはり、スタミナの消耗は大きいか。
とここで、一塁ランナー桐原の二次リードが若干大きいのを見て、キャッチャー戸崎が一塁けん制。
タイミングは際どかったものの、セーフ。
しかし、戸崎が良い送球を見せたことで、ランナーは走りにくくなりうる。
二球目。しっかりと指にかかったボールが、打者の胸元寄りに構えた戸崎のミットに綺麗に吸い込まれる。ストライクだ。
三球目、先程とほぼ同じところに構えたミットより、若干内に入ってきたボールを打者の兼橋は見逃さなかった。
一塁手の「走った!」という声とともに投じられたそのボールを、兼橋が打つ。
センター方向に、鋭い打球が飛ぶ。
投手の風津、打球に反応しグラブを出す。
打球は、風津の正面――むしろ顔面の方へ飛び。
ボゴッ、という怪しげな音とパシッ、というボールを取った音がした。
ライナーに反応できず帰塁できないランナー桐原を尻目に、打球を捕った風津はボールを一塁へ送る。
ピッチャーライナーによるダブルプレーが成立し、沸く鹿瀬側ベンチ。
しかし。
マウンドに立つ男の異変に気付く。
併殺を成立させた風津の誇らしげな顔を、二筋の血が伝っていたのだ。
幾らか時間が経過し、マウンドには風津ではなく五年生の大屋が上がっていた。
風津は、鼻血を出してベンチに下がっただけだったが。
その後治療を受けているときに右手中指を突き指していることが発覚。
監督は続投が不可能だと判断し、一応準備はさせておいた大屋をマウンドに送り出した。
風津は、泣いていた。
エースとして迎えた、一年の締めくくりの大会。
自らがチームを優勝に導くはずだった。
その結果が、これである。
が、ここで、鹿瀬のメンバーたち。
最後までマウンドに立とうとしたチームのエースの、熱い涙をきっかけにして、雰囲気が変わる。
まず、代わってマウンドに上がった大屋。
急遽の当番の為、最初の二人にこそ四死球を与えるが、二死一、二塁から七番打者を空振り三振に抑える。
そして、打線。
切りよく一番から始まった打線の口火を切ったのは、五年の牧篠。
しぶとく三遊間に転がして内野安打とする。
二番新木の打席、二球目に仕掛けたヒットエンドランで、広く空いた一二塁間に転がして、無死一、三塁とする。
三番波多は着実に犠牲フライを打ち、一点を返す。
打席には四番筒本。今日はレフト前安打と四球で、連続出塁している。
しかし、相手投手も意地を見せ、また、兼橋のファインプレーもあり、結果センターライナー。
二死一塁となり、打席に入るのは先程の回からリリーフしている大屋。
その初球だった。
インコース高めのボールを完璧に捉え、ぐんぐん伸びた打球はスタンドへ。
ゲームをひっくり返すツーランホームラン。
しかし打線は、ここでは止まらない。
六番内樺がレフトにヒットを放つ。
そして、風津とバッテリーを一年間組み続けてきた戸崎も、右中間へのツーベースヒット。
二死二、三塁となって、八番柳沢もセンター前ヒット。
二塁ランナー戸崎も、懸命の走りで本塁を狙いにいく。
しかし、そこはセンター兼橋の強肩。
残念ながらアウトとなり攻守交代だが、この回一気に四点を挙げることに成功。
試合状況は、7-5。
先程までとはうって変わり、鹿瀬側がリードする展開に。
流れを掴んだ鹿瀬少年野球クラブ。
大屋は六回を三者凡退で完璧に抑え、七回もツーアウトランナーなしまで持ってくる。
ここで打席に入るのが、相手の四番、兼橋。
キャプテンで、四番で、センターで攻守を幾度となく見せてきた、このチームの圧倒的な支柱。
その意地か、二球で追い込まれた後、七球粘り、カウント2-2となってから、センターへヒットを放つ。
底力を見せたキャプテンに続こうとするも、次打者はあえなくファーストフライ。
そして、試合は終わった。
7-6。大熱戦の末に勝ち上がった鹿瀬少年野球クラブは、見事決勝戦へと駒を進めた。
準決勝に勝ち、次週は決勝戦、つまり今の世代とも次でお別れになります。
どうぞ、お見逃しなく。
そういえば、前書きでアニメの感想書いてますけど、「ネタバレ食らった、糞野郎!」とか思った方って、いらっしゃるんでしょうか?
まあ、このシステムはあまり変えるつもりないんですけど笑。
では、今回はこのへんで失礼します。
ここまで読んで下さり、ありがとうございました。