僕は気づいたら歩いていた。お母さんも、動かなくなっていた。お父さんは戦いに行って以来帰って来なかった。だから、だから僕は探さないといけないんだ。
食べ物は建物に入ればある時だってある、お水は外のものは飲まないようにってお母さんに言われた。だから容器に入っているものを探して飲むようにしている。
お家もなく、何処に行けばいいかわからない。でも、僕は探すって決めたから歩き続ける。行きてお父さんに会うんだって決めたから。そう思い続けてどれくらい経つだろうか、靴はボロボロになり服もボロボロだ。髪は傷み続けてこれもボロボロだ。
食料も少なくなってきた、お水ももう手持ちの3本だけ。そろそろ違う町に行かなきゃ、そう思って僕は違う町を目指した。転がっているのは動かなくなった人、動かなくなった犬や猫、鳥など様々な生き物。そしてそれらを食べて生きながらえる生き物。きっとどこかでは前みたいな生活をしている町があるはずだ。
僕はまず、森に入る。この森を抜けた先に町があると聞いた事がある。だけれど迷ったら出れないとか。でも、そんなのはうわさ話に決まってるんだ。
この靴では歩きにくいし、たまに怪我をする。でも、僕は歩き続けた、ただひたすらに歩き続ける。
森に入って何日経つかな、歩いては休み、歩いては休み。この繰り返しで、それも繰り返す頻度が増えた気がする。無心で歩き続けると山が見える、これを超えれば町に着くのかな。
「僕...もう、歩きたくない。ううん、駄目だ...歩かなきゃ。」
当初の目的ももう頭に浮かばない、ただ歩かなければという思いだけで歩いてた。山を登り、険しい道も歩いた。靴はもう擦り切れてるも同然だけど、それでも歩いた。
下を見ないように渡った、足はもう震えていた。怪我ばかりで、食料も少なくて、水ももう無い。そのせいか、僕は力が入らなくなっていた。山道を渡りきったあと、坂道を下り続ける。とても急な斜面で転びそうになるけれどそれでも必死に耐えながら進んだ、そうしたら洞窟が見えた。
もしかしたらここを抜けたら町に着くんじゃないか、そういう希望をもって洞窟を進む。
洞窟の途中で何やら植物が壁から生えている、それも見えなくなる程暗いところまで進む。壁を伝いながら進んで行く、どこまでいったかわからなくなる程歩いた。そうしたら一筋の光が見えた、あぁ...やっと着いたんだ。町に、ようやく...。
「ん...んん...あれ?ここは...?」
目が覚めると、おそらく家の中だ。それも、ベッドの上に寝かされている。さっきまでのは長い夢だったのかな?そう思ってはみたけど、見覚えの無い部屋だ。それなら、きっと町の人が助けてくれたんだ。きっと、そうだろう。
この町はおそらく、生き物がたくさんいるんだろう。鳴き声が色んな場所から聞こえてくる。まだ、人がいっぱい住んでいる場所があるんだ。はやく外に出たいと思ってベッドから立とうとするも倒れてしまう。
「痛っ...どうしてたてないんだろう。力が入らない...。」
「あら?...起きたの。」
声がするほうに目を向けると、そこには僕と同じくらい?いいや、もう少し大きい女の子がいた。その人はお皿に野菜を盛りつけたものや、スープを持っていた。
「...あなた、この森の入り口で倒れてたから...。」
「そ、そうなんだ。」
「これ...ご飯。あなたは生き物の活動源、エネルギー...まあ、カロリーというものが足りないからこれで摂取しなさい?」
「うん、ありがとう...。」
この子は、よくわからない事を言うけれどご飯をくれた。食べてみると、やっぱり野菜だって感じ。スープは野菜と、お肉が入っていた。
「その、君は名前何て言うの...?」
「アイリス...。皆はそう呼んでる。」
「そうなんだ、僕はアレン。それで、聞きたいんだけどここは町なの?」
「...ううん...。森よ。」
「森?」
どうやら、ここは町じゃないらしい。
「それで、僕は他の町に行きたいんだけど...。」
「町...?人間が自らの手で滅ぼし合った町に行ってどうするの?」
「え...?何を言ってるの?」
何だろう、ものすごく難しいことを言っている。このおねえちゃんは、普通の子どもとは違う。
「言葉の通りよ、それとも...わからない?」
「え?」
「教育に関してよ、無理もないかな...。」
それから、アイリスに色んな事を教えてもらった。勉強のこと、言葉のこと、この森のこと、この地球のこと、生きるということ、植物の育て方、動物の手なずけ方、そして...
人類は僕とアイリスしか、生存していないこと。