サイコロ・くじ引き転生【短編集】(改題)   作:しゃしゃしゃ

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第一部
☆□ 23番 田中幸夫 享年19歳の場合


「…

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を 」

 

「―――。 ―――」

 

 

 

⚀⚁⚂⚃⚄⚅

 

 

 

「……ふぅ。キャラ作りも大変だなぁ。やっぱ素で対応したほうが楽かも」

「さて、次はっと」

 

ガチャ

「―――? 」

 

「どうも初めまして えー23番 田中幸夫さん、享年19歳でよろしいですネ? 」

 

「―――?! ―――! 」

 

「ええお亡くなりになりました。就寝中の突然死ですね。一人暮らしだったため発見が遅れた…と。とりあえずこちらにどうぞ。あ、ドアは閉めてくださいね」

バタン

 

「―――。 ―――? 」

 

「うふふふふ。そうですよ、神様転生というやつです。まぁ私は神じゃないですが、神の使いです」

 

 

「………」

 

「あ、大丈夫ですよ。ご安心を。田中さんの考えてるような陥れる系や、神が邪悪…的な物ではありませんので、普通にあなたを転生させて、その物語を見ようというだけなので。うちは、そうですね、娯楽目的の神様転生です」

 

「! 」

 

「はい、心を読みました。……あぁ、そんなにおびえなくて大丈夫ですよ。言ったじゃないですか娯楽目的って。別にあなたでなければならない理由はありませんが、転生者に選ばれた人を消すような真似はしませんよ」

 

「―――? 」

 

「あぁ、いえ。選ばれたというのは少し違いますね。正しくは無作為に選んだ中の一人です。23番とお呼びしたのはそういう意味です。今更ですが、転生拒否なさいますか? 」

 

「―――」

 

「ですか。ちなみに拒否された方は今まで一人もおりません。やっぱり生きたいって思いが皆さん強いんですかね」

 

「……? 」

 

「おっと、それでは転生なさるということで。ではまずは転生先を決めてもらいます

――――これを使って…! 」

 

 

「―――。 ―――? 」

 

「サイコロです。カラフルでしょう? 青と赤、黄色と緑もあるんですが使うのは2個なので。 ? あぁ見たことがある…そうですよ、これは100円ショップで買ったものです」

 

「………」

 

「このサイコロを田中さんに振ってもらい、出た目に対応する世界に転生してもらいます。まさに人生のかかった賽ですね、100円ショップのサイコロに人生をかけて、どうぞ! 」

 

「―――。 ―――?」

 

「おっと、失礼しました。出目に対応する世界はこんな感じになっています」

 

 

 

青 : 赤

⚀~⚂:⚀→ONE PIECE

⚀~⚂:⚁→BLEACH

⚀~⚂:⚂→IS

⚀~⚂:⚃→ハイスクールD×D

⚀~⚂:⚄→魔法少女リリカルなのは

⚀~⚂:⚅→To LOVEる

⚃~⚅:⚀→Fate/

⚃~⚅:⚁→ポケットモンスター

⚃~⚅:⚂→なんちゃってファンタジー世界

⚃~⚅:⚃→自由

⚃~⚅:⚄→自由

⚃~⚅:⚅→自由

 

 

 

 

「ざっとこんな感じです。最後3つの組み合わせが当たりですね」

 

「―――。 ―――? 」

 

「いえ、これを決めたのは神様です。転生先の世界は、神様の作った箱庭世界です。ほんものそっくり、物語そのままの世界です。原作通りに世界が動くかはあなた次第です。介入すればかわるかもしれません。それと、朗報ですよ、田中さん。どの世界もちゃんと二次元の世界です」

 

「? 」

 

「つ・ま・りっ! 女の子もちゃんとかわいいということですよっ! 実写化で全然可愛くなくて絶望した…ということにはならないということです。おぉ、喜色満面の感情が伝わってきます」

 

「さてそろそろ振ってみてください、どうぞ! 」

 

「―――!! 」

から、からからから

 

 

⚄:⚃

 

 

 

「っ!」

 

 

「おめでとうございま~す! 大当たり~。これで田中さんは自由な世界に転生する権利を獲得しました」

 

「―――! 」

 

 

「ぱちぱちぱち~。では、何の世界に転生しますか? 」

 

 

「……………。 ―――? 」

 

「はい、この後はお決まりの特典を選び、転生ですね。はじめは“アイテム特典”これも自由に選べるわけではありません。今度はくじ引きで選んでもらいます。そして、もう一度サイコロを振ってもらい、“特典能力”を選んでもらいます。そして転生です」

 

「――――? 」

 

「それは、まだ言えません。さぁ、あなたは何の世界に転生しますか? 」

 

 

 

「……………………………………………………………………。

『池袋発、全セカイ行き!』でお願いします」

 

 

「はいはい、えーと。なかなかマイナーな作品ですね。どうしてこれを? 」

 

「まず、日常系の作品がよかったんです。転生物でバトル系に転生して戦える精神を僕はもっていないと思うので」

 

「ふむふむ」

 

「次に、せっかくならかわいい子のいる作品がいいな…と。でも僕が知ってる作品で日常系で女の子が可愛いって、これかきらら系の作品しかなかったので」

 

「なぜきらら系の作品にしなかったので? 」

 

「いやぁ、きららは『あんハピ』ぐらいしか漫画もってなくてアニメでしか知りませんし、その……」

 

 

「あぁ~…。まぁ、そうですね。この作品作者が作者ですし可愛いというか」

 

「それ以上はやめてください! 恥ずかしいです…」

 

 

 

「それでは次に、特典を決めます。初めは“アイテム特典”です」

 

「―――? 」

 

「漫画やアニメの特殊な武器や道具を特典として与えるということです。このくじの中から選んで、このリストの番号に照らし合わせ、当たったアイテムを与えます」

 

「………」

 

「これですか? くじです。私のお手製の。厚紙に一つ一つ番号を書き、はさみで切って、大変でした。それと、ノートです。Tの書店で買いました。こう見えて常連なのですよ? ほら見てくださいポイント、すごいでしょ」

 

「―――! ………」

 

 

「おっと、横道にそれてしまいましたね。与えられた“アイテム特典”はハイスクールD×Dの神器のように任意に出現させたり消えさせたりすることができます。盗まれることはないでしょう。では、よろしいですか? 」

 

「―――」

 

「まずはくじを引く回数を決めます。サイコロをどうぞ。出た目の数が、あなたが得ることのできる特典の数になります。リストの中には普通に便利なものもあります。では、どうぞ! 」

 

 

「―――!! 」

から、からからから

 

 

 

 

「はい、では3回くじをお引きください、どうぞ」

 

がさごそがさごそ

 

 

1322・・・364・・・174

 

「―――? 」

 

「はい、えーと、少々お待ちを…」

 

 

 

「まずは、1322番、これは『クマシュンの入ったモンスターボール』ですね」

 

「………ポケモン? 」

 

「はい、ポケモンです。氷タイプのひょうけつポケモンですね」

 

「いや、ポケモンは生き物では? 」

 

「あくまでボールが特典です。文句なら神様に言ってください。リストを作ったのは私ですが、内容をリストアップしたのは神様ですから」

 

「はい…あの、ポケモンフーズとかどうすればいいんでしょうか」

 

「えーっと、普通の食べ物で大丈夫なようです。あくまでポケモンそっくりのモンスターなので。それと、体力が消耗したら、ボールに戻して、自分の中に戻せばいいみたいですね。いわばあなた自身がポケモンセンターと言ったところですかね」

 

 

 

 

 

「では、つぎ364番は『ペイズリー・パークのスタンドDISC』です」

 

 

「……スタンドじゃないですか」

 

「そうですね。『ジョジョリオン』の広瀬康穂さんのスタンド。自分や他人を行くべき方向や場所に導く能力をもつスタンドですね」

 

 

「えぇ…」

 

「この特典は、とりだし不可となっています。与えられた時点であなたにはスタンド能力として『ペイズリー・パーク』を使うことができるようになります」

 

「………」

 

「あなたの忌避感は理解できます。しかしこれは神様の作ったそっくりのコピー品です。あまり気にしない方がいいですよ」

 

「…そうですか…そうですね」

 

 

 

「では最後、174番は『滅火皇子(エスティンギル)』ですね」

 

「うん? 」

 

「『BLEACH』に出てくる破面の一人ワンダーワイス・マルジェラの帰刃の名前ですね」

 

「ワンダーワイスって誰でしたっけ…? 」

 

「あれですよあれ、あーとかうーとか言ってた、浮竹さん貫いたアレです」

 

「あー…。この特典、なんなんですか? 」

 

「はい、形状はワンダーワイスの持っていた十字架のような斬魄刀ですね。そしてその斬魄刀がワンダーワイス・マルジェラでもあります」

 

「…それはあれですか、破面にとって斬魄刀は一部だから、それだけでは何にもならない。ならいっそ斬魄刀=破面にして特典にしよう…という」

 

「その通りです。神様のせいです。ッ私は悪くありません」

 

「はあ」

 

「田中さんの言うように、『滅火皇子(エスティンギル)』=ワンダーワイス・マルジェラです。死神の皆さんが行っていたように刃禅を行えば対話も可能です。そうしたら、帰刃も可能です」

 

「帰刃というと、あれですか、控えめに言って化け物ですが、というか実体なんですか? 」

 

 

「いえ、霊体です。帰刃時のみ霊体となるとのことです。あと、この特典のおまけというか、副次効果というか、否応にも霊圧が高まり、幽霊が見えるようになるので、ご了承ください」

 

「はい? え、幽霊いるんですか? 『池袋発、全セカイ行き!』はそういう世界じゃないはずなんですけど」

 

「いますね。逆に、いないと明言されている世界でないと幽霊はいます。まぁ霊圧が高まれば幽霊なんて消滅していくようになりますよ、たぶん」

 

「えぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、“アイテム特典”の次は“能力特典”です。これはサイコロの出目によって便利な能力を一つ手にできます」

 

「―――」

 

「はい、これが対応する能力となっています」

 

 

⚀ アイテムBOX(内容量無限)(内部時間停止)(中身把握)(生物不可)

⚁ 鑑定(名前など基本的な内容が丸わかり)(人の名前忘れちゃったとき便利だね)

⚂ 翻訳(どんな言葉も理解できるよ)(読めるし書けるし聞けるし喋れるよ)(on/off可能だよ)

⚃ リスタート×1(不慮の事故など寿命以外の原因で死亡した時、回避可能な時間に戻って 1度だけ やり直しができるよ)

⚄ ○○○コントロール(アレを自由に動かせるよ)(○倫男になれるよ)(たっちゃってたちあがれない時に便利だね)

⚅ はずれ(残念外れだよ、アイテムで我慢してね)

 

 

 

「………」

 

「()の中は私じゃありません。神様です。神様のせいです」

 

 

「では、これで最後です。どうぞ」

 

 

「―――」

からん、からから

 

 

 

 

 

「4ですね。リスタート×1です。おめでとうございます」

 

「できれば翻訳が欲しかった…」

 

「そうなんですか」

 

「はい、僕 英語苦手なので…」

 

「まぁ、仕方ないですよ」

 

 

「あーミスったなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

それでは転生です。

あなたは3つと1つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。

今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を 

 

「ありがとうございました。行ってきます」

 

 

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





No,23田中幸夫
 最善の選択を選び続け、平凡だが波乱のない人生を送った。
 享年81歳。大手企業に入社し出世。最善の女性と結婚。子どもを最善のタイミングで二人作り、老後は妻と共に自宅で余生を過ごした。
 子どもや孫の見守る中幸せに息を引き取った。
 クマシュンは進化しなかった。誰にも教えず、たまに戯れた。
 『滅火皇子(エスティンギル)』は一度だけ抜いた。悪霊が襲ってきたため。ワンダーワイスとは1度も対話しなかった。
 生まれてから死ぬまで、『ペイズリー・パーク』の“最善”に逆らうことはなかった。
 原作には一切かかわらなかった。原作が進んでいる間も普通の高校に通い、勉強をしていた。関わりたい気持ちはあった、でも関わらなかった―――それが“最善”だったから。


いかがだったでしょうか。感想もらうと意欲がわきます。

追記:サイコロとくじは作者がリアルに振って、引いています。引き直しもしてないです。
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