サイコロ・くじ引き転生【短編集】(改題)   作:しゃしゃしゃ

16 / 64
後書き(本編)

『劇場版仮面ライダーアマゾンズseason2 輪廻』見てきました。面白かった!
再編集もいい感じで、違和感は少ししかありませんでした。
………そんで、つい、テンション上がって、劇場近くのガチャポン(まだ残ってた)ジードカプセル回しまくってしまいました。
収穫:『アギラ』『ウィンダム』『ティガ』『ミクラス』・・・『メビウス』『ザンドリアス』
300円×6個=1800円。
  +傷物語缶バッチ200円×4個=800円
計2600円………なんで私はこんな出費をしてしまったんだろう。来週は映画のパンフレットやグッツを買おうと思っていたのに…。
 テンション上がると我を失う私でした。

 前置き長くなりましたがどうぞ
 タイトルのマークについてはあらすじに追加した部分があるのでそれをどうぞ。



★□ 8番 井上凱斗 享年16歳の場合

「次の方どうぞー」

 

ガチャ

 

 

「こんにちは~」

パタン

 

「はい、番号8番。井上凱斗(かいと)さんですね。席にお座りください」

 

「は~い」

 

「では、もうお気づきのようですが、あなたにはこれから転生を行っていただきます」

 

「やっぱり! 」

 

「早速説明に移らせていただきます。『かくかくしかじか』です。転生先と特典をサイコロとくじで決めてもらいます」

 

「ふぅむ………」

 

「何か質問はありますか? 」

 

「いえ、大丈夫です。サイコロは」

 

「はい、これです」

 

「青は私、好きじゃないんですが…他の色のはありませんか? 」

 

「(おお、初めてのタイプ…)そうですね…緑と黄色がありますが」

 

「では、緑をお願いします」

 

「どうぞ」

 

「はい………」

 

 

 

 

からんからん からん

 

 

 

⚄⚄

 

 

 

「うわぁ………」

 

「5と5…神様が自由に転生先を決定する、ですね」

 

「振り直しは…」

 

「できません」

 

「ですよね…」

 

 

 

 

 

 

「次は特典を決めていただきます。特典は『かくかくしかじか』ですが、まずは“アイテム特典”の数をサイコロの出目で決めていただきます」

 

「はい」

 

「………いつもは青なんですが、緑で行きますか? 」

 

「…はい。緑色好きですから」

 

 

 

 

 

 

からんからん

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「……2、ですね。ではくじを2枚引いてください」

 

「(えー、2とか…えー もう、ああああ、ああ)」

 

 

 

がさごそがさごそ

 

 

 

555・・・876

 

 

「555番、これは」

 

「なにか? 」

 

「あー、いえ…コホン。555番は『薄刀・針』です」

 

「………え? 」

 

「対戦格闘剣花絵巻『刀語』に登場する、天才刀鍛冶 四季崎記紀の作りし完成形変態刀十二本が一本。最も軽く、美しく、そして脆い刀です」

 

「ちょっと待ってください」

 

「はい」

 

「……… 確か、薄刀は振るうとして、剣筋を乱さず完璧な軌跡で振るわなければ斬るどころか、刀が壊れてしまうほどの。なんでしたよね」

 

「はい。仮にそうしたとしても、相手が体の筋をずらしただけでも砕けます。それすら見越して振るわなければいけないということですね」

 

「この特典には、才能はついてくるんですか? 」

 

「いえ…残念ながら」

 

「では、この特典は、どう使えばいいと」

 

「美術品でしょうか」

 

 

「………そうでしたね。日本刀は美術品ですよね(どうするどうするどうするどうする‼ )」

 

 

 

 

 

 

「876番は『百貌のハサンのセイントグラフ』です」

 

「百貌? Zeroアサシンですか」

 

「はい。特典の説明をさせていただくと、この特典は『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のクラスカードを模し、3つの使い方ができます。

 一つ目は『限定召喚(インクルード)』。短剣を召喚します。

 二つ目は『夢幻召喚(インストール)』。あなたの体を媒介にアサシンの力を具現化し、デミ・サーヴァントのようになり能力・技術を付与します。ただ、このサーヴァントは宝具やスキルが特殊なので夢幻召喚(インストール)でも発動はお勧めできません。

 三つ目は『英霊召喚』。アサシン百貌のハサンをサーヴァントとして召喚します。ただし令呪はありません。セイントグラフを介してパスは繋がっていますが、令呪がないため強化や抑制ができません」

 

「………分かりました。質問ですが、抑制ができないというのはどの程度でしょうか。百の貌のハサンって、善性の英霊ではなく、なんだかんだいって暗殺教団のトップだった英霊なわけですし」

 

「どの程度と言われると困りますが、ハサンは自分が作られた存在であることを知っています。そして井上さんが転生者であることも自分の持ち主であることも知っています。その上で、『人格統合? ないわー』と考えていて、特に望みもないので、真摯に向き合えば力になってくれるはずですよ」

 

「そうですか、努力します」

 

 

 

 

 

「では次は“能力特典”を決めていただきます………サイコロは」

 

「緑で」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

「はずれですね」

 

「(もう緑きらい)」

 

 

 

 

では転生です

あなたは2つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。

今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を

 

 

「はい。転生先は」

 

「『ヒメノスピア』です。行ってらっしゃいませ! 」

 

 

「え? なんですかそれ―――」

 

 

 

 

 






↓月刊HEROS公式(試し読み)『ヒメノスピア』
https://viewer.heros-web.com/episode/10834108156632483678


No.8 井上凱斗
 小学校でいじめられる『ヒメノスピア』主人公、園藤姫乃をかばう。守った。自分自身もいじめの標的にされ、殴られたり、水被せられたり、泥まみれにされたり、給食に虫を入れられたり、教科書を捨てられたり、色々されたが小中学校と姫乃の味方・友達であり続けた。
「凱くん」「ひーちゃん」と呼び合う仲。
 高校は、姫乃が私立鷺宮女子高等学校に進学したので離れ離れになってしまったが、それでも登下校途中まで一緒に歩いたり、お喋りしたり、一緒にいた。


 原作開始:いじめっこりーだー、服部渚が姫乃に『蜂』を食わせ、姫乃は「女王」になる。

 少しして、「女王」となった姫乃を捕獲するため警察が鷲宮女子高校に突入。姫乃は追われる身となり、凱斗は唯一の親しい人物として警察に連行()された。
 それから一週間、姫乃が警察を堕とす仕掛けをしている間、尋問を受けた。飲まず食わずで寝ることも許されずに恫喝まがいの尋問。体を痛めつけられ身体中あざだらけで憔悴しきっても、姫乃の味方だった。

  「凱くん! 」

  「ぅ…ひー、ちゃん? 」

  「しっかりして! 凱くん! ごめんなさい、私のせいで、私が!考えなしだったせいで、凱くんをひどい目に」

  「だい、じょうぶ。ぼくは、ひー、ちゃんのともだち、だから」

  「どうして! 私なんて、クズでのろまで何のとりえもなくて、愛想もないし、顔も…なんでそんなに優しいの、なんで、なんで私を」

  「ひーちゃんが大好きだから、ぼく、ひーちゃんのことがずっと好きだったから」


  えんだー
 二人は幸せなキスをして終了。
 ヒメノスピアで、凱斗は姫乃と一緒に暮らし、主夫業をこなし、番いになった。
 その後は特にこれといった問題も起きず、姫乃と共に年を取り、死んだ。





↑表





↓裏





 転生した井上凱斗は、原作知らなかったのでとりあえず将来に備え、ハサンを召喚。人格を把握することに努めた。
 小学校に入学し、クラスメイトの「園藤姫乃」を主人公では?と疑う。←宝具で分裂増殖したハサンの一体(仕事人気質の常識的な個体)を監視につけた。
 欠席し、顔の右半分にやけどを負って登校した姫乃を見て、主人公だと確信する。←姫乃の母親が連れ込んだ男が姫乃に服を脱ぐように言ったことも、間一髪帰ってきた母親が逆上し、姫乃に殴る蹴るしてアイロンを顔に押し付けたことも、全部知っていた。アサシンに命じて悲劇を防ぐことは簡単だったがあえてしなかった。
 主人公組の一員になれば、生存率が上がると考え姫乃をかばった。
 仲間意識を持つように、いじめを受けた。人心誘導の方法などをそれに秀でたハサンから学び、姫乃が自分に無意識下で依存するように仕向けた。

 小中学生の間、ハサンたちから心について学び、手の空いているハサンには電子機器の扱いの技術を学んでもらった。
 計画通り凱斗は姫乃のよりどころとなり、最も親しい人となり、ふとした時に気になる異性になった。

 高校で、母子家庭なのに姫乃が私立高校に通うことになったのを見て、遂に物語がスタートすると思い、ハサンを学校と姫乃の近くに常駐させる。←姫乃へのいじめはひどいものだったが、素知らぬふりで接した。

 原作スタート。校内全裸散歩からの「蜂」強制摂食、「女王」化。それらの出来事がハサンを通して凱斗に伝わった。いじめっこと母親の変貌、姫乃に起こった肉体の変化も全てハサンが見ていた。

 警察が「蜂」について聞いてきたことを知り、「そういうもの」と察する。
自分の将来を決める。
  「恩を売って、愛を与えて、女王(姫乃)の男妾になる」

 母親が警察に殺されたのを知り、自分を囚われの身にすることを思いつく。
 ハサンたちを使って、さも自分が警察に捕まったかのように装い、警察のデータベースをいじくり命令書と承認をでっちあげ、捕まった。

 感動の再会を演出し、告白。
男妾、あるいはジゴロ、あるいはヒモになった。

 その後は〈ヒメノスピア〉にて女王の機嫌を取って愛して愛して愛して愛して愛した。
 そしてこの楽園が壊れないようにハサンたちを使い、楽園を維持した。

 最期まで本心を明かさず、完璧に園藤姫乃の理解者・味方であり続けた。







はい。
 今回は月刊HEROSより『ヒメノスピア』でした。マイナーですかね。
 原作は村田真哉先生。同誌にてアニメ化もされた『キリングバイツ』の原作を書いている先生の作品です。既刊2巻で絶賛連載中。

 今回はくじの結果を受けて転生先をこれにしようと考えました。「神様が決める」は くじを引く前に転生先を決めるのではなく、特典を決めてから作者が選択しています。こうしたらおもしろそうだなーとか考えて。

フォローすると、
 今回井上さんは苦労してないように見えてめっちゃ苦労しています。主に準備段階で。肉体的精神的にハサンの技能取得の修行は並大抵ではありませんでした。
 その甲斐あっての「絶対権力者の寵愛を一身に受ける存在」という位置付け獲得でした。



ではまた次回。ぐっない はばないすでぃ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。