「次の方どうぞ―」
ガチャ
「ど、どうも…失礼します」
「番号9番、土田
パタン
「あ、あのもしかして“転生”ですか? 」
「えぇ。やっぱり最近の人は言う前に分かっちゃうんですね。ただここの転生は少々変わっていまして、説明させていただきますと、『かくかくしかじか』ということなのです」
「なるほど…まぁ、二度目が与えられるのはありがたいです」
「そういっていただくと、なんだかこそばゆいですね」
「では、サイコロをどうぞ。転生先を決めていただきます」
「はい…っ! 」
からんからから
⚃⚃
「お! 」
「4と4で自由選択ですね。おめでとうございます。では早速決めてください」
「え?今すぐですか? 」
「はい。あんまり長く悩まれてもいい選択はできないと神さまがおっしゃられて…20分以内に決めていただきます」
「う、うーん………」
‐20分後‐
「決まりました」
「はい、どこでしょうか」
「『ニセコイ』の世界にお願いします」
「…分かりました。転生先が決まりましたので次は特典の決定です。特典は『かくかくしかじか』で、“アイテム特典”の数をサイコロの出目で決めていただきます」
「はい…っ! 」
からんからん からん
⚄
「多っ 」
「出目は5ですね。では5枚くじを引いてください」
「(ニセコイの世界でそんな火力とか武器とか持っていたくないんだけどなぁ。というか宝の持ち腐れになるだろ…)」
がさごそがさごそ
254・・・968・・・637・・・913・・・868
「特典の説明をさせていただきます。254番は…」
「どうかしましたか? 」
「いえ、254番は『アヌビス神の宿った妖刀』です」
「アヌビス神? それって…」
「はい。ジョジョの奇妙な冒険第三部・エジプト編に登場した「本体が死亡し、刀に宿り続けていた自我を持ったスタンド」です」
「確か手にしたら操られるんでしたっけ? じゃあ! 」
「落ち着いてください。特典としては確かに地雷ですが鞘から刀身を抜き出さなければ問題はありません。使わなければ操られる心配はありません」
「そ、そうですか…(不安だ)」
「次は938番『匣兵器・天空ライオン(レオネ・ディ・チェーリ)+大空のリング』です」
「匣兵器? リボーンですか。懐かしい」
「この特典は匣兵器と大空のリング、そして大空の炎をリングに灯すための波動込みのセットとなっています。ちなみにこのセットの天空ライオンは沢田綱吉所有の「ナッツ(形態変化機能オミット)」です」
「そうなんですか(まぁ、必要ないしいいかな)」
「3つ目の特典は637番『トリガーハッピー』です」
「?」
「『灼眼のシャナ』の1巻に登場した敵、紅世の王“狩人”フリアグネの所持していた『実体のない弾丸を命中させたフレイムヘイズの内に眠る“王”を目覚めさせ器を破壊する拳銃型宝具』です。この宝具は彼自身がフレイムヘイズ特攻の宝具を作り出そうと、フレイムヘイズに恨みを持つ少年ビリー・ホーキンと魂をより合わせ創り出した宝具です」
「………つまり、『ニセコイ』の世界においては」
「まぁ、何の意味もない特典ですね。残念ながら」
「(全く使えない特典2つ目来たー…いや、いいんだけどさー。はぁ)」
「4つ目の特典は913番『聖杯(汚)』です」
「どういうことですか…? 」
「Fateシリーズの聖杯の汚染されたものです。冬木の第三次聖杯戦争においてアンリマユに汚染され〈どんな願いでも人を殺すという形でしか叶えられない欠陥品〉になってしまった願望機です。Zeroで現れた小聖杯とアンリマユの眠る大聖杯のセットで、手に取って使用できるのは小聖杯のみですが、それでも願えば人類を滅ぼすことが可能です」
「いや、しませんからね。これも地雷ですね…」
「そうですね…ついでに言うと、汚染されたものとして設定しているのでアンリマユを取り除こうとか、消滅させようとしてもできません」
「そうですか…(半分が死蔵品とか)」
「最後の特典は868番『ナイチンゲールのセイントグラフ』です」
「………」
「…はい。説明を続けます。この特典は『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のクラスカードを模していて、3つの使い方があります。
一つ目は『
二つ目は『
三つ目は『英霊召喚』。バーサーカー・ナイチンゲールをサーヴァントとして召喚します。ただし令呪はありません。セイントグラフを介してパスは繋がっていますが、令呪がないため強化や抑制ができません。抑制ができません」
「(大事なことなので2回言いましたって感じだな)」
「使わなければ、何もないと思いますが、使えば何かが起きるでしょう」
「そうですね(自分で顕現して走り出すイメージがありありと浮かぶ)」
「では次に“能力特典”決めていただきます。サイコロをどうぞ」
「(頼む! せめてはずれだけは…! )」
からからから
⚀
「1ですので『アイテムBOX』です。おめでとうございます」
「よかった。よかった! 」
では転生です。
あなたは5つと1つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。
今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。
これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。
あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。
私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。
三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。
転生を実行します。それではよき人生を
「行ってらっしゃいませ。がんばってください」
「ありがとうございました」
No.9 土田水人
子ども時代、原作組が遊んでいるところをカメラで撮影する。
高校生になり凡矢理高校入学。ラブコメ?関係ねぇ!と言わんばかりに一条楽と小野寺小咲を速攻でくっつけた。(桐崎千棘転入前に)
←結果ニセ恋人関係は出来ずヤクザVSギャング戦争が起こったがそれはそれ。+集英組に警察の捜査が入ることになったらしいが、知らないったら知らない。
盛大に原作ブレイクして、自分は大学出て就職して平凡な人生をと思っていたが、20歳の誕生日に初めての飲酒で加減をミスってべろんべろんに酔っ払い、婦長召喚。
酔って乳触ろうとしたら銃口を突き付けられ一瞬で素面に。その後体調管理で説教。ナイチンゲールの弁舌に引き込まれ(酒が残っていたこともあり)「自分にできることなら何でもする」と言ってしまい、その後の人生を全ての患者たちのために捧げた。
『
学校を作ったり、意識改革したり、後進を育てたりした。
最終的に偉人レベルの活躍で歴史に名を刻んだが、婦長の確信する”いつか確実に果たされる現実” 「怪我人・病人の根絶」が果たせなかったことを悔しく思いながら最後まで働いて亡くなった。享年87歳、生涯独身だった。
はい。
土田さん、くじ運低すぎ………。
彼が転生先に「ニセコイ」を選んだのは、ぼんやり考えて浮かんだのがそれだったからです。特典が分からない以上バトル系を選ぶのは厳しいですからね。
→土田さんは大学入ってから漫画・アニメ・ラノベやめていました。今まで最初から最後まで見たことのあるもので、思い浮かんだのがコレだったわけです。
「ニセコイ」実写化だそうですね。おめでとうございます。見に行こうとは思わないけど。
ニセコイ好きでしたよ? 橘さんの結婚式までは。あの時登場した橘・母がちょっと…+楽さんのぶち壊しが「うわぁ………」でそれ以降読むのをやめてしまいました。
お気に入りは初期の鶫さんと楽さんのデート()回。なれないヒールで足痛めておんぶされて、の鶫さん…可愛かったなぁ。
それでは次回~。