サイコロ・くじ引き転生【短編集】(改題)   作:しゃしゃしゃ

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 人生最初にふれた「ボクっ子」は仮面ライダーカブトの「日下部ひより」さんだと思う。かわいかった。当時はよくわかってなかったけど。

後書き(本編)


☆■ 18番 渡邊義幸 享年25歳の場合

「次の方どうぞ―」

 

ガチャ

 

 

「………あの」

 

「18番の渡辺義幸さんですね?こちらにどうぞ。説明しますので」

 

「え、っと、あ、はい」

 

「突然のことで混乱されましたか?ここは転生の間、これから渡邊さんにはいくつかの選択をしていただきその結果決まった世界に転生していただきます。転生 とは『かくかくしかじか』でして、『まるまるうまうま』というわけです」

 

「………信じがたいですが、受け入れるしかないようですね。それで、私は何をすればいいのですか?」

 

「まずはこのサイコロを振ってください」

 

「転生先、ですか…」カラカラカラカラカラ…

 

ヒュッ

 

からんからから

 

 

⚀:⚄

 

 

「お」

 

「おっとっと、1と5の出目、『魔法少女リリカルなのはシリーズ』ですね」

 

「えっと、これは」

 

「はい、もう一度、今度は青サイコロ一つを振ってください」

 

 

 

 

 

 

 

 

からんからから

 

 

 

 

 

 

「…」

 

「はい4が出たので『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の舞台、ミッドチルダに転生してもらいます

「StSは主人公がなのは様かスバルさんかどっちか微妙なので神様も唸っていましたが、若い方がいいだろうということで、スバルさんと同い年に転生してもらいます。原作開始時には15歳ですね

「ちなみにリリカルなのはについてはご存知ですか? ………ご存知ですか。それの続編です」

 

 

 

 

 

「次に特典を決めていただきます。『かくかくしかじか』になっていまして、まずは“アイテム特典”の数を決めていただきます。どうぞ」

 

「………はい」

 

 

からからからから

 

 

 

 

 

 

 

「出目は2ですね。では2枚くじを引いてください」

 

「はい」

 

ごそがさごそがさ

 

 

 

2238・・・470

 

 

 

「2238番、これは『ロコン(アローラのすがた)の入ったモンスターボール+こおりのいし』です」

 

「“アローラのすがた”?」

 

「はい。ポケットモンスターS・Mの新要素で、『リージョンフォーム』と呼ばれる従来のポケモン達の新しい姿で、アローラ地方の独自の自然環境に適応し、ほかの地方とは異なる姿をしているものがいて、その一体がこのロコン、所謂“アローラロコン”です」

 

「ポケモン…最近のは全く知らないんですよね…ゲームボーイの、四角いカセット以来ですよ」

 

「赤ですか?緑ですか?」

 

「赤です。あの頃、懐かしいなぁ…」

 

「………はい。で、ロコンは きつねポケモン、たかさ0.6m、おもさ9.9㎏、こおりタイプです」

 

「こおりタイプ?」

 

「リージョンフォームではタイプが異なったりするのです。ロコンの場合は本来の姿と真逆のこおりタイプで、進化に必要な石も「ほのおのいし」ではなく「こおりのいし」です。ちなみに進化させるとこおり/フェアリーの複合タイプになります」

 

「フェアリータイプ、ですか?」

 

「ポケットモンスターX・Yから追加されたタイプで、ドラゴンタイプの天敵です。ドラゴンの攻撃を無効化し、一方でドラゴンの弱点として効果は抜群、というタイプです。他にはあく・かくとうにも効果抜群です。

弱点はどくとはがねです」

 

「なるほど…ずいぶん変わったんですね。なんというか…訳が分からないくらい」

 

「何かありますか?」

 

「………レベルアップにはどうすればいいですか?」

 

「皆さん聞かれます。

 バトルをしてください。生き物を戦闘不能にすれば経験値が入ります。そうして、その経験値が貯まればレベルアップします。レベルアップすればわざも覚えることができます。そこのシステムはゲーム同様ですね。傷ついた場合はボールに戻して身の内に収めれば回復します」

 

「生き物…カラスとか虫とかでも?」

 

「人間が一番狩りやすくてオイシイ相手ですよ」

 

「…………………さすがに、それはちょっと」

 

 

 

 

 

 

「470番『アイスエイジメモリ(I)』です」

 

「メモリー?」

 

「いえ、メモリです。“ガイアメモリ”。『仮面ライダーW』の敵である人間が強化された怪人『ドーパント』。そのドーパントに変身するためのアイテムが“ガイアメモリ”です。ガイアメモリには「地球の記憶」が込められていて、メモリに内包された「地球の記憶」を注入することで、変身します

「アイスエイジメモリは、その名の通り『氷河期の記憶』を内包したガイアメモリで絶対零度の冷気を放出する、空気中の水分を氷結させて武器化する等の能力を持ったアイスエイジ・ドーパントになることができます。

「ガイアメモリを使うためには「生体コネクタ」という刺青のような、メモリを体内に挿入するためのモノが必要となります。なのでそのコネクタを転生時に渡邊さんの体に付けさせていただきます。アイスエイジは原作でメモリ挿入が描かれていない唯一のドーパントなので、コネクタの位置を渡邊さんが決めていいことになっています。どこにしますか?」

 

 

「えっと………どこがいいとか、おすすめはありますか?」

 

「ん~そうですね…。コネクタはデザインが禍々しいので、目立たない場所に付けるといいと思います。ただ、足の裏とかだと、咄嗟に使えないので…ん~普段は服で隠れてて、咄嗟に表出させやすい所とかですかね」

 

「………舌、でおねがいします」

 

「はい。かしこまりました。

最後に、メモリには適合率があります。これはメモリとの相性とも言え、高すぎると過剰適合者となり、低いと力を引き出せなかったりします。十全に特典を使えるようにこちらで適合率を上げさせてもらいます」

 

「はい」

 

「………気を強く持ってください」

 

「…?はい」

 

 

 

 

「では次に“能力特典”を決めていただきます。どうぞ」

 

「はい」

 

 

 

からからん

 

 

 

 

「お」

 

「おーーー!おめでとうございます。3『翻訳』ですね。ミッドチルダは文字が違うのでこれがあればスタートで苦労しなくてすみますよ」

 

「おお、それはよかった」

 

 

 

 

それでは転生していただきます。

 

あなたは2つと1つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。

今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。

これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。

あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。

私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。

三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。

転生を実行します。それではよき人生を 

 

 

「いってらっしゃいませ」

 

「ありがとうございました」

 

 

 

 





No.18 渡邊義幸
 転生して、普通に一般人として幼少を過ごした。←生まれた時、舌に変なものが…と検査されたが、特に魔力反応などもなかったので見逃された。
 ロコンを出してこっそり遊んでいたら、親にバレた。「いったいどこから?」と怪しむ両親に召喚ができると嘘をついた。→「黙っていなさい」&召喚しちゃダメ。

 こっそり夜に放し飼いしてミッドの野生動物を経験値に変えさせた。→レベルアップ!

 原作のスバルの空港火災に巻き込まれる。両親とはぐれ、パニックになってアイスエイジメモリをコネクタに挿した。←恐怖の感情が生体コネクタを成長させた。

<アイスエイジ!>
 なんとかロコンとの ダブルれいとうビーム で必死に脱出。怪人体、なのは様に撃たれそうになった。

 メモリの毒素にやられてしまった。転生直後ならともかく、転生してロコンとふれ合う内に適合率が上昇。元々高く調整されていた相性がさらに高まり、依存症に。

 数日後、家出。―――二度と戻らなかった。

 アウトローになり、キュウコン(進化させた)と共に通り魔的犯行を繰り返すように。←完全にメモリに心を奪われている。

 次元世界の裏社会で「狂人」として名をはせその道の人間として生涯を送った。局との戦闘においてはメモリを意図的に暴走させ、街一つ氷河期の再現をしたことも。
 最終的にメモリの過剰使用・暴走で体がボロボロになって消滅した。
 死ぬまでの間に凍死させた人の数は数えきれないほど。大犯罪者として歴史に名を連ねた。


はい。
おっかしいなぁ…私こんな犯罪者にするつもりなかったのになぁ…。
 アイスエイジメモリにここまでのスペックがあるのかは怪しいですが、そこはまぁ「氷河期の記憶」という時代を内包したメモリなんだから、これくらいできろよ。という無茶ぶりです。できる気はしますよね?ね?



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