「次の方どうぞ―」
ガチャ
「………なんですかここ」
「19番、白井俊樹君ですね?どーぞこちらに」
「もしかしてどっきりとかですか。早く帰してくれませんか、訴えますよ」
「んー。(めんどくさいな。死んだことを理解してない子)………うん。ばーん☆」
ぐちゃ ボンッ
「へ? ! あ!ああ! う、うでぇ!僕の腕ェ!この、この!腕があ!」
「もしもーし。大丈夫ですかぁ?」
「だ…い…丈夫なわけッねえだろっ! どこに目ぇつけてやがる!このくそが!」
「おーこわ。でも大丈夫なはずですよ。痛みもないはずです」
「はぁ!?………は?」
「不思議ですか?その疑問の答えは簡単です。白井くん、君は死んでいる。亡くなっちゃってるんでーす☆」
「は?」
「不幸な事故でしたね。本当に。即死だったので全く記憶にないようですが」
「うそ…」
「嘘ではないですよ?まぁどんまいです。来世に期待してください」
「ふ、ふざけるなぁ!」
「ふざけてませんって。「来世に期待」ってのも軽口じゃないですよ?ここはそのための場所ですから」
「あん?」
「ここは神さまが救い上げた魂の来るところ。転生者のスタート地点です。『かくかくしかじか』というわけで転生をしていただくと、そういう訳です」
「(ふざけるなよ!神の遊びなんかで、第二の人生とか、くそっ!僕の人生はここからだったのに…ちくしょう………)」
「(おーおー、嘆いてる嘆いてる)………それでは早速ですが、転生先を決めていただきます。よろしいですね?」
「(こっちのことも考えず、くそ。嫌だといったらまた体を壊す気か)わかりました」
「(おっと、鋭い)ではサイコロをどうぞ」
「はい(やすっぽ)」
「む、」
「ひ」
っから からから
⚅:⚁
「おっと、6と2…ポケットモンスターの世界ですね」
「ポケモンか…」
「では転生する地方を決めるため、一個もう一回振ってください」
⚀…カント―・ジョウト地方
⚁…ホウエン地方
⚂…シンオウ地方
⚃…イッシュ地方
⚄…カロス地方
⚅…アローラ地方
「はい」
からかっ からからから
⚃
「はい。4が出たので『ポケットモンスターBW』の舞台、イッシュ地方に転生先が決定いたしました」
「………(ブラック・ホワイト…おじさんが貸してくれたアレか。聞いたことのないのじゃなくてよかった)」
「次は特典を決めていただきます。特典というのは『かくかくしかじか』という概念で、『まるまるうまうま』という2種類が用意されています。まずは“アイテム特典”の数を決めてもらいます。どうぞ」
「(なんでこんな茶番を……)」
からからから
⚄
「やっ…! ………」
「(照れが入りましたね。ワロスワロス)出目は5ですね。ではくじを5枚引いてください」
「はい」
がさごそがさごそ
1511・・・1741・・・1781・・・1180・・・2335
「はい、それでは説明を始めます。
まずは1511番『魔法のターバン』です」
「ターバン?」
「はい。絨毯ではありませんよ?
これは漫画『マギ』の主役 アラジンが所持していた魔法道具です。広げると樽を十数個乗せられるほどの大きさになり、留め具の赤い宝石が本体で、そこが無事であれば布地自体が破壊されても修復することができ、アラジンは後に単独ならば身につけるだけでもターバンを広げずに飛行能力を使うことができるようになりました」
「つまり、飛ぶことができるようになる道具ってわけ?」
「はい。ざっくり言うとそうですね。ちなみに、おまけとして『
「マゴイ?」
「はい。「マギ」の世界の魂だったり何だったりの“ルフ”、そのルフの生み出すエネルギーで、生命に至るまであらゆる自然現象を引き起こす。まぁMPのようなものです」
「つまり…魔法使いになれたり?」
「さぁ?」
「…さぁ?ってどういうわけですか」
「『マギ』の世界では魔法を使うにはルフに命令を送るため、強いマゴイを体内に宿していなければなりません。このおまけは、あくまで“おまけ”なので大小はランダムなんですよね。なのでまぁ…転生してみない事にはわからないんですよ」
「(っち。ちょっとわくわくしたのに)」
「まぁ、使える可能性もあるので、これでも読んでみてください。ここでの記憶は転生してから一言一句忘れないので」
ドサッ<漫画『マギ』関連書籍(シンドバットの冒険含む)
「…ありがとうございます」
―数時間後―
「1741番、これは『クローン培養器』です」
「それは一体…」
「『クローン培養器』は皆さんご存知 青だn…猫型ロボットドラえもんのひみつ道具の一つです」
「(こいつ…)それでこの道具は?」
「はい、これはまぁ、名前からお察しだとは思いますが、クローンをつくる道具です。
実在の人間と全く同じコピーを作り出す道具で、人間の爪や髪の毛などの体の一部を入れて作動させると、直径1メートルほどの卵が出てきて、コピー元の人間と寸分違わない人間が孵化します。風貌や体格、年齢はコピー元の人間と同様であるものの、知能や運動神経は赤ん坊同然のため、育成や教育の必要があります。しかし成長速度は並みの赤ん坊よりはるかに早く、わずか1日で小学生並みにまでなる…とこんなところです。生まれた時から成体とか、寿命が短そうですよね」
「はぁ………」
「原作では、のび太くんの家に謝って配達された未来デパートの商品で、のび太はジャイアンとスネ夫のクローンを作り、自分で教育しておとなしい二人に作り上げようとしました。でも勉強を教えれば答えを間違え、運動をすれば教え子に負ける、そんな感じですっかり侮られ、本物と同じ性格にクローン二人は成長してしまいました。そして例のごとくドラえもんに助けを求めるが、クローンといえど人間。どうするか二人は悩み、結局クローン二人が『クローン培養器』に備え付けられていた「とりけし」のスイッチを押してくれたことで(つまり自殺してくれたことで)解決しました」
「んんん…なんというか…のび太作ってどうするつもりだったのか…」
「さぁ?何も考えてなかったんじゃないですかね」
「………」
「次は1781番『新種植物製造機』です」
「(番号が近い…またドラえもん?)」
「(お♪)これは先ほどと同様にドラえもんのひみつ道具の一つで、その名の通り新種の植物を作り出す道具です。種や球根の細胞内の遺伝情報をレーザーメスや電子のりで作り変えることで、意のままの植物を作り出すことができます。
「アニメでは
スイートピーの蝶
チュー!リップ(蜜を口移しする唇型の花)
ちゅーリップ(ネズミの花)
ラッパのような楽器ユリ
通話可能の蔦
躍る大根
かぼちゃの馬車
なすの馬
ベルのようなスズラン
ハープのようなひまわり
ギターのような瓜
などを作りました。
「大根を料理しようとしたママのせいで、大根たちが反逆し、なんだかんだあって新種植物製造機が壊れ、新種植物たちは元に戻りました。なので、もしも白井くんが反逆されたら道具をぶっ壊せば大丈夫ですよ
「ちなみに自立行動する植物は自分で増えようとすることがあります。そこらへんもお気をつけて。作るたびにしまっておくといいかもですね」
「はい」
「続いては1181番『ポチエナの入ったモンスターボール』です」
「え? モンスターボール?」
「はい。モンスターボール、です。ポケモンというナマモノを特典にするために神さまが屁理屈をこねた結果ですね」
「(ポケモンの世界にポケモンの特典…ハズレか。ポチエナってなんだよ)」
「ポチエナとは、ポケットモンスタールビー・サファイアで初めて登場した“かみつきポケモン”。たかさ0.5m おもさ13.6㎏のあくタイプのポケモンです。Lv.18で進化するとグラエナになります。ハイエナがモデルのポケモンです」
「んん(やっぱり伝説とかでもない普通のポケモン…ポケモン世界でポケモンもらってどうすんだよっ!)」
「何かありますか」
「いえ、なにも」
「最後は2335番『No.078 孤独なサファイア』です」
「なんですかそれは」
「はいこれは『HUNTER×HUNTER』グリードアイランド(G.I)編に出てきた指定ポケットカードの一枚で、説明文によると『このサファイヤの持ち主は巨万の富を得るかわりに一生を1人で過ごす。友人、恋人、家族すらすぐに持ち主の元を離れていくだろう。』です。カードの状態で持っている分には何もありませんが、“ゲイン”と言って実体化させると効力を発揮し始めます」
「巨万の富…具体的には?」
「はいそうですね………<一生金に困らない。むしろ金の方からやってくる>みたいな感じですね。くじを引けば大当たり、宝くじでは特等、カジノではテクニック無しでもぼろ勝ち、ぼーっと道を歩いてるだけでも数百万円は軽く手にできるほどですね」
「(なんか怖いな)それで?一人で過ごすってのは」
「はい、一人で過ごすというのはそのままです。関わる人間、関わる人間みんな離れていきます。白井くんの転生先ならポケモンもですね。これを実体化させると、手持ちのポケモンもあなたのもとを去っていきます」
「えっ?じゃ、じゃあ僕の特典のポケモンも?(損でしかない!)」
「ああ、それは大丈夫です。特典を失うことはありません。ポチエナだけはあなたの側にいますよ。
他の人間やポケモンはあなたとの関わりが一週間になると去っていきます。『関わり』を詳しく言うと、触れたり、会話したり、他者があなたと接していると感じ、あなたもまたその人と接していると感じることで『関わり』が持たれたとなります。その合計時間が一週間、つまり168時間に達するとあなたの前からいなくなり、『関わり』を持つことは出来なくなります。死んだわけではありませんよ?
ただこれはあくまで個人、人に対してだけで、例えば通販なんかでは届けてくれた人が変わるだけでずっと使用可能です。どこかの会社との電話や、寄付なんかをするとしても、対応する人が変わるだけで関係を続けることは可能です」
「………(いや、寄付とかしないし)」
「こんなところでしょうか」
「はい」
「では続いては“能力特典”です。サイコロをどうぞ」
「はい」
からん
⚅
「………」
「わーお。出目は6『ハズレ』ですね。残念でした」
「クッソ」
では転生です。
あなたは5つの神からの贈り物をもって別世界に転生します。
今のあなたの自我を保ったまま、赤ん坊からあなたは人生をやり直します。
これからあなたの生きる世界に私たちは関与しません。
あなたがこれから手にする力で何をしても、それはあなたの自由です。
私たちはあなたが亡くなった後に、あなたの人生を閲覧しますが、評価するわけではありません。
三度目はありません。二度目の人生を、後悔なく過ごせるかはあなた次第です。
転生を実行します。それではよき人生を
「いってらっしゃいませ~」
「さようなら!」
No.19 白井俊樹
少年時代をカノコタウンで過ごし、普通に生活していた。トウヤたち同世代が旅に出るというので、ポチエナをパートナーポケモンにして旅に出た。
最終的に手持ちは
・グラエナ・ムーランド・ギガイアス・ゼブライカ・ヒヤッキー・ローブシンでした。←グラエナの代わりにジャローダを入れると私のBでのパーティーになります(ポケスペを真似て?捕まえた6匹だけで冒険をしていた時期の)。
トレーナーとしての才能はなく、『新種植物製造機』で加工した「ふしぎなアメ」ならぬ『ふしぎなきのみ』でレベル上げて、ごり押し戦法だったので、トレーナースキルで劣っている相手には勝てなかった。どうにもこうにもならず、ドロップアウトした。
帰ってから、「もういいや、金が欲しい」と“ゲイン”。サファイアの影響で、家族がどっかいった。手持ちもどっかいった。
説明通り道を歩けば何かしら起こって、大金が手に入った。シッポウシティの外れに土地を買って、豪邸を建ててもらった。
ゲームでは出でこなかったが存在したカジノ的施設で金を稼いだりも。
そしてそこで、偶然プラズマ団の残党(アクロマの黒ズマ団の方)と遭遇。「金あげるから紹介してくんない?」と交渉。資金提供(億単位)と引き換えに、ツテで何でも屋や探偵(ブラック系)を紹介してもらった。
→女性ジムリーダーとかの髪の毛とか入手してきて。
………あとはわかりますね?
豪邸でグラエナとクローン(週一で作り直し)と植物たち(会うとだめなので接触せずに)と過ごした。
金の使い方が分からず、使えもしないクルーザーを買ったり、ヘリを買ったり、無駄に土地を買ったり、宝石を買い占めたりした。買って満足したらそこら辺の子どもにあげたりした。←それも巡り巡って大金ゲットになったり。
警察やポケモン協会に多額の寄付をしたり。←しないと言っていたが結局した。
ポケウッドの売れない女優のパトロンになって支援したり。
見知らぬ人たちを誘ってホテルを買い取ってパーリィを開いて散財したり。
他地方に行ってクローン元を増やしたり、寄付をしたり。
そんなかんじで人生を過ごした。
「ひとりだけど、ひとりじゃなかった」
はい。
そんな感じです。他に言うことはありませんね。
作った植物は
警備員として「擬態ダイコン」とか泥棒撃退用に「カブ地雷」とか
ドリアード♀とかも作りましたが、それは枯れてしまいました。
どんまい。
なんだかんだ一切金にも食事にも困らず。
勝ち組かよ。うらやま。
19時の新連載もお楽しみに。