今回はほとんどウラドさんの一人称視点です。
◆◇◆◇◆
俺とラティアスは船を出発してすぐに目標に追いついた。
「見えたな」
『うん、確かあれだよね』
現在上空で停止してプランを練っている最中なわけだが、
「方向と速度からいって間違いない。さてどうすっかなー」
『いつもみたいにどーん! ってカズナリがマストと船を撃ち抜いて沈めるじゃダメなの? 』
まぁ確かにそれが手っ取り早いし、いつもはそうしてる。今もつい癖で(
「だめだめ。あの船には天上金が積まれてるから、船を攻撃してもろともに沈ませるわけにはいかない。一応あの船に乗ってるのは海賊だけという話だったし、船に乗ってるやつら全員ぶっ飛ばすかな」
ラティアスには悪いけど降ろしてもらってさっきと同じように「剃刀」でこっそり侵入するかな。
『むー! また空でお留守番―?! やだやだ私も一緒に戦いたいー! 』
「(駄々きた…)いやいや! 一緒に戦ってるって。ほら、離れていても心は一緒とか、そういうのだよ! うん! さっきだって、銃弾止めて暴発させてくれただろ? 」
まぁあれくらい避けられたけど。
『うー! テレパシーで分かるんだからねー! 』
「ごめんごめん。とりあえずここで待ってて。もしもなんてないし、あってもすぐ回復するって分かってるけど、お前が傷つくのは見たくないんだよ。それに、俺のかっこいい所 みてもらいたいし」
これは本心。
『……分かった。がんばってね』
おっとっと。これはそっけない感じに見えるけど、照れてる時の反応ですね。いじった方がいいのかな? それともそっとしておいた方がいいのかな?
『! 早く行って! 』
「はいはい」
俺はラティアスの照れを背中に、“習得していてよかった超人体術六式”応用編・「剃刀」でもって音もなく降下していった。
ひゅんひゅんひゅん っと。はい到着。
海賊どもは………合計32人か。それなりだな。なんとなく強そうなのは一人だけ。それも正面切って余裕レベルか。ルールブックで吊るすのもありだけど、“デキる海兵”として、討伐ではなく捕縛したいなぁ…。昇進のためにも、余裕でしたよーって印象付けたいし。
それならこれだな。
「…眷属器・『
俺の腕を青緑色の鱗が覆う。
近く、一人でいる海賊を探り、強化された「剃」で瞬時に近づいて、
「……っ! 」
気づかれる前に鱗に覆われ、鋭くとがった爪で「指銃」。
「ぅっ! 」
「っ!? 」
体内に電流を流された敵は気絶する。
「名付けて、『
なんて。拳じゃなくて指だろとか、パクリじゃねぇかとか、自分で自分にツッコミ入れたい気分だ。便利な技だし、習得に時間と労力のかかった技だし、オリジナルのかっこいい名前にしようと思ったんだけど、ネーミングセンスないんだもんなー 俺。
「 『
「っ?! 」
何が大変だったかって、やっぱり一番は流す量の調節だよね。初めの頃はラティアスを実験台にしてたけど、完成近くなったら人体実験しないとで、俺の体に電流流して、そのまま失敗したもん。死にかけたもん。…もん とか言うと、きめぇな。
「 『
「っ?! 」
あんときは死ぬかと思ったなー。意識が一瞬で飛んで、ラティアスが自発的に「いやしのねがい」使ってくれなきゃ即死だった。
「 『
「っ?! 」
そもそも雷に変化させて放出するのも大変だった。なんど麻痺して「リフレッシュ」を使ってもらったことか。ラティアスに体内のエネルギーをモニターしてもらって、試行錯誤してなんとか…だったし。
「 『
「っ?! 」
そこいくと、覇気は楽に習得できた………いや、いやいやいや。
「 『
「っ?! 」
あれを楽と呼ぶな。感覚おかしくなってるぞ俺。
「 『
「っ?! 」
ガープさんのあれは修行でも特訓でもない。いくら死ぬ気で頑張るって言っても、他所の家の、ガキを無人島に放置するか 普通? いや結果的に生還してるけど。
「 『
「っ?! 」
当時はラティアスもレベル低くて、猛獣を相手にゾンビアタックしか手がなくてなぁ…。
「 『
「っ?! 」
ルールブックも条件に当てはまらず使用不可。拳銃は幼いので炎が弱く使い物にならない。本気で眷属同化も視野に入れてたよ。
「 『
「っ?! 」
…まぁ、無人島サバイバルのおかげで見聞色の覇気に目覚めたし、ラティアスのレベルも上がった。『死ぬ気』の感覚を掴めたし…ためになることばっかりだな。
「 『
「っ?! 」
いやいやいや! 思い出せ浦戸和成! 迎えに来た時のガープのジジイの爆笑を。殺す気でかかったのにいともたやすく攻撃を回避され、拳骨落とされた悔しさを!
「 『
「っ?! 」
…今でも近接戦闘では勝てるヴィジョンが思い浮かばないからなガープさん。マジどうなってんだ。老いてなお健在にもほどがあるぞ…。
「 『
「っ?! 」
勝つだけなら、ラティアスのサイコキネシスで一瞬だけでも動きを止め、最大火力の『
「 『
「っ?! 」
…だめだな。リロードの瞬間攻撃が途絶える。俺の場合拳銃をいったん消してまた出すっていう反則技で、原作より早くできるけど、無理だな。
「 『
「っ?! 」
せめて俺が武装色得意だったらよかったんだけど。…六式特訓時、教官に聞いたときも、「お前は見聞色特化で、武装色の才能がこれっぽっちもないな」って言われたしなぁ。
「 『
「っ?! 」
あれかねぇ。『PSYREN』でいうところのトランス偏重型サイキッカーみたいなもんかね。だったら、予知ができるレベルになりたい。せつに。
「 『
「っ?! 」
才能がないのが致命的だけれども。俺だって転生してからこのかた、必死で修行して力に驕らず自分を磨いてきたけど、そんなの誰でもやってる事なんだよな。
「 『
「っ?! 」
俺だけが特別なわけじゃない。俺より強い奴はいっぱいいる。正面切っての殴り合いじゃ俺はせいぜい“中の上”。新世界の“上の上”の海賊たちにはとてもかなわない。
「 『
「っ?! 」
制空権とって『判決執行のルールブック』を使えば負けないとは思うけれども。あれ集中力がいるからなぁ。
「 『
「っ?! 」
頂上決戦でも、黒ひげ吊りあげたはいいが“音越”に撃たれて、集中力と一緒に縄が切れちまったし。
「 『
「っ?! 」
まぁ結局、俺にできることはこうやって、俺でも倒せる海賊をぶっ飛ばして捕まえることだけってわけですな。
「 『
「っ?! 」
「よし終わり! 」
残りは10人。船底で集まっているな。飛び込んで一網打尽にするとするか。
『回復いる? 』
びっくりした。
『…そうだな、頼む。「いやしのはどう」 』
『うん! 届け、私の
アホなこと言っているが、効果は本物。なんとなく『金色のガッシュ‼』の月の石の光を連想した。ベリーメロン…。
『聞かなくても伝わってるけど、なんで足をそろえて両手を上に掲げてるの? 』
「違う、ラティアス。これはVの体勢をとっているんだ。こうしていれば俺にもギャグ補正が入るような気がするんだ」
華麗なるビクトリーム様の加護が受けられたら俺はきっとボケキャラになれる。あるいは神祖の加護が得られるかもしれない。今まで気づかなかったけどVの体勢ってローマのローマと同じだな。
そうか、ローマはローマでローマもローマだったのか…。ローマのローマをローマすることでローマもローマにローマするかもしれない。あれ? ローマ、ローマて言ってる? ローマ! ローマになってる! おおローマ!!
『………「リフレッシュ」する? 』
「いらん いらん。十分回復したし。……茶番はこれくらいにしてサクッと捕まえてしまいますか」
―――扉の先の敵、9体の位置把握完了。
―――気配から、こちらを察知した様子もなし。
意識を切り替え冷静に。
取っ手に手をかけ、開くと同時に
速攻!!
「 『
―――×10 ‼
一人 二人 三人 四人、瞬く間に突き刺し電流を流す。
五人 六人 七人 八人、狭い中でも超スピードで動けるように訓練した甲斐があり、些細なミスもなく攻撃を感知させることなく敵を無力化していく。
九人 じゅっ!? ??
十人目、おそらくこの海賊団の船長だと思われる男を攻撃した時、指先に痛みが走った。とっさに飛びのき、見てみれば俺の指が、眷属器を纏い強化された俺の指が切り裂かれていた。
そしてこうなった理由は、今自分が攻撃した海賊を見ればすぐに分かった。俺が攻撃したところから黒い突起が生えていた。攻撃する前はそんなものは生えていなかった。
能力者だ、そう思った。体から何かを生やしている様から“
「なんだ? なにがどういうことだ? お前、さっきの海兵か。じゃあこいつらが倒れてるのも、俺の自動防御が発動してるのも、お前の仕業でいいんだな? 」
「…ああ、そうだ。この船に乗っているお前以外の海賊には全員おねんねしてもらった。あとはお前だけだ。降伏するなら今のうちだが? 」
俺の降伏勧告に海賊はにやりと笑って、
「へぇ? そりゃすごいな。逃げた俺等に追いついて、たった一人で俺の部下を全滅させるとはな。でも降伏なんざするわけがないな」
「………」
「だっててめぇはたった一人なんだろう? だから奇襲を仕掛けてきた。そして哀れにも手痛いしっぺ返しを食らった。その指、痛そうだなァ~? 」
「………」
表情を変えないように努めるが、こいつの言うように超痛い。早くラティアスに回復してもらいたいが、敵の力が何なのかわからないままツッコむのは危険だ。武装色がつかえれば「とりあえず殴る」という脳筋戦法が取れるが、使えない俺は用心深いぐらいがちょうどいい。新兵時代、能力者相手に半身をぶっ飛ばされた時からの心得だ。
「………こんなもの、なんでもない。降伏しないというのならさっさと倒して俺の昇進の糧になってもらおう。お前のような無名の海賊を捕まえたところで大した名誉にはならないがな」
安い挑発。だが海賊、それも四つの海で燻ってるレベルなら逆にプライドは高い。引っかかるはず。
「なんだと?! 馬鹿にするな! 俺はクロス海賊団船長“千本鎗”のエイルハルト! 懸賞金1億200万ベリーの賞金首だ! 」
「“千本鎗”…か」
自己紹介どうも と言ってやりたい。おかげで力のタネが割れた。
『ヤリヤリの実』の鎗人間ってところか。トゲトゲの上位互換? 〈自動防御〉って言ってたな。元々の性能かは分からないけど、衝撃に反応して体表がヤリに変わるのか…こいつ自身は俺の動きについてこれなかった、なのに発動した。反射的に変わったのか まさに〈自動防御〉だな。
「そうだ! ………って、喋っている場合じゃねぇか。お前をぶっ殺して、こいつらたたき起こしてさっさと逃げないとなぁ! 」
言って、千本鎗は両手をこちらに向け、大きく太い鎗に変化させ、
「 『鎗玉』! 」
「おおっと! 」
ドガッ! とさっきまで俺が背にしていた壁を二本の鎗が貫いた。
思った通り伸ばしてきた。なかなかの速さ、破壊力だったが回避は容易い。一応大げさに避けたけど、穂先が分裂したり唐突に曲がったりもしなかった。
「カッ! よく避けやがったな! だが次はどうだ? この逃げ場のない室内で、俺の異名の元になった技―――」
全身から鎗を生やして『鎗千本』ってんでしょ。予想つくわ。
「―――『鎗千本』を避けられるかぁ!? 」
やっぱり。
“千本鎗”の体中から大小様々おびただしい数の鎗が生えて襲ってくる。逃げ場はないと言わんばかりに。
…技を見て思い出した、『
すべて避ける!
「なっ‼ 」
(「紙絵・柔軟骨外し」)
“習得していてよかった超人体術六式”パート2
相手が次に移るよりも早く、奥の手を放つ。
眷属器『
純粋に増したパワーでもって鎗を押しのけ接近する。千本鎗は慌てるが、逃がしはしない。
―――
―――触れられないなら触れる前に壊す。
―――覇気使いや六式使い、ただ殴っただけではこちらの拳が砕けるような相手を、それでもぶん殴って殺すために編み出した必殺技。
―――防御をぶち抜き、触れるまでもなく敵を“分解”する。
「原子に還れ」
『憤怒の炎』を「
名付けて―――
「ひっ! 」
拳を振りぬく。
「―――『
「………」
拳は〈自動防御〉を突き抜け、千本鎗の胴体に穴をあけていた。
腕を引き抜くと、絶命した遺体から鎗が消え、倒れ伏す。
「………(痛い)」
超痛い。
テンション上がっちゃって奥の手出したけど、そのせいで腕がボロボロだ。さながら『僕のヒーローアカデミア』の初期緑谷のように。
治るから怪我してもいいってわけじゃないのですよ。痛いもんは痛いのよ。
上空を飛行中だろうラティアスをいったん特典として収納し、ここでボールから出す。
『え、あ! また大怪我してるー‼ 』
「ごめんごめん。テンション上がっちゃって。とりあえず「いやしのはどう」お願い。痛みで泣き叫びそう」
『もー! もー! 』
暖かな光が俺を包む。少しすると俺の体は傷一つなくなっていた。
「さんきゅー」
『遊びで大怪我しちゃだめだよ! 』
「いや仕事だよ」
『でも、怪我しなくても勝てたでしょ?! 』
「うん…まぁ………」
能力が分かった時点でどうにかなった。そもそも『判決執行のルールブック』を使えば戦闘にすらならなかった。
『だめだよ…。カズナリ死んだら、死んじゃうんだよ? 私は死んでも大丈夫だけど』
「…ごめんなさい」
ラティアスをなだめた後、海賊たちを縛り上げ、さぁ帰ろう!
帆を張って、ラティアスのサイコパワーで風を起こしてもらい、輸送船の元に戻った。
◆◇◆◇◆
「……では、天上金はこの海賊船に積み込まれているということですので、支部の皆さんも手伝ってあげてください。その後海賊たちを連行をお願いします」
「はい。了解です! 准将! 」
「えっと、それじゃあ…『プルプルプルプルプル プルプルプルプルプル』……失礼『ガチャ』 もしもし」
『もしもし、ウラド准将、フローウェレです』
「大尉、どうした。救助なら完了して海賊も支部の海兵隊に預けるところだが」
『新たに救助要請が入り、出動命令が出ました。至急向かうようにと』
「あー…了解。幸い自分は傷一つない、すぐに向かう。場所は? 」
『ポイント25です』
「えっと……(“
『准将? 』
「分かった。すぐに向かう」
『ガチャ』
ウラドは海兵と船員たちに顔を向けた。
「…自分はまた別の救助場所に行かなければならなくなりました。なので皆さん。この場はお任せします」
「分かりました。
お前たち! ウラド准将に敬礼! 」
指揮官の声に合わせ、その場の海兵たちがビシッ! っと敬礼をする。
「ウラド准将! ありがとうございました! 」
「「「ありがとうございました! 」」」
船員たちが口々に感謝を告げる。
ウラドは彼らに一礼し、背を向け、
「ラティアスー! 」
空に向かって叫ぶと、船員たちが先ほど見たように“竜”が降りてきた。
「(あれ? )」
誰ともなく疑問を持った。
「(似てるけど? 色が違う…? )」
降りてきた竜は赤色だった。
「では 」
軽く会釈しウラドは竜の背中に飛び乗り、腕の輪っかに触れた。
「………『メガシンカ』!! 」
そういうと竜はめきめきと姿と色を変え、青紫色の竜に変わった。
そして驚く彼らをおいて彼方へと飛び去って行った。
「あれが“竜将”ウラドか………」
◆◇◆◇◆
「だーーーーー………。ちかれた~」
俺はいくつかの任務を終え、お仕事終了のお電話が鳴ったので、家に帰ってきていた。
転生する前の俺はアパート暮らしだったので、マイホームとか憧れがないではなかったのだけど、仕事が忙しすぎて『偶に帰って寝るだけの場所』と化している。
「ただいまー♪ 」
元気よく帰宅の挨拶を
「んー? 私ボールに戻されてたしー、かいふくしてるから」
そうだった…ずるいなぁ。
「今日の夕ご飯は私が作るから! 元気出してっ! 」
ぐっ! とラティアスが腕を曲げて両手でガッツポーズ…『がんばるぞい! 』のあのポーズで笑った。
「それはたのしみだなぁ。じゃあおれはソファーで横になるから出来たら起こして~…」
言って俺はソファーに倒れ込んで寝た。おやすみー、ぐう…。
ゆさゆさ、ゆさゆさ 体が揺さぶられている
「はい、はい…」
目を開けると、見事なまでのケモノ娘がいた。というか ラティアスだった。
「夕ご飯できたー。おきてー」
料理するにあたって人型に変わったらしい。
それにしても、本当に良かった。最悪ゴリラになっても我慢しよう、と思ってラティアスに『ヒトヒトの実』食わせたけど、人型が女性らしくて本当に良かった。
多分、♂が食うか ♀が食うかで伸びる部分が違うんだろう。
「はいはい。起きた起きた起きました。それで今日のメニューは何ですか? 」
聞くとラティアスは笑って
「カルボナーラ! 」
と言った。
「「ごちそうさまでした」」
食った食った。
「どうだった? 美味しかった? 」
「う~ん。普通においしかった」
「うぬぬぅ…厳しい評価ぁ~もっと褒めてよ~! 」
「そうはいってもなぁ・・・」
「ちゃんと褒めないとだめなんだよ! えっと~…あれ! “じゅくねん離婚”ってのされちゃうよ! 」
ビシィ!っと指を突き付けてくるが何を言っているのやら。
「お前俺と一心同体みたいなもんだろ? 離婚とかありえないだろ」
「きゅんっ! 」
なんだその鳴き声は。
おまえの鳴き声は「ひゅああーん! 」だろ。
「ときめいちゃった音。私の乙女心にストライッ! だったの! 」
「でしたか」
正直事実を言っただけのつもりだったから、そういう受け取り方されると恥ずい。
「………カズナリ、この後どうする? 」
ちらちらこちらを見て聞いてくる。あぁ…これはあれですね。
「この後は、報告書をまとめて、それが終わったら寝るかな」
「じゃ、じゃあ寝る前に呼んで…」
「はい」
これは
報告書を書き上げたのでボールに強制収納し、自室で出す。
「お、終わった? 」
見るからにそわそわしている。そしてナチュラルにポケモンの姿から人型に変わった。
「終わった」
「じゃ、じゃあ…首 絞めて! 」
「………はい」
俺はルールブックを取り出し、ラティアスを条件殺害の対象にする。
「―――殺人の罪により、ラティアスを死刑に処す―――台を蹴れ。判決執行のルールブック」
現行犯ではなく過去の罪。頂上決戦で海賊たちを殺した罪でラティアスを吊り上げる。ルールブックは、そして俺の中の価値観はラティアスの罪を死刑に相当すると認めた。
「っ!! 」
縄が食い込みラティアスの気道をふさぐ。
「っ! っ! 」
ラティアスは呼吸できず悶え、苦しみ、
「~~~! ………」
やがて動かなくなった。
「………」
俺は無言で絶命したことで効果が切れ床に倒れたラティアスをボールに戻した
「出てこい、ラティアス」
「~~~♪ はぁ、ん。気持ち、よかったぁ…」
びくびくと快感に悶える赤いドラゴンがボールから出てきた。
「カズナリぃ。もう一回、もう一回、やってぇ…」
ふぅ ふぅ と吐息を漏らしてこちらを見上げて懇願してくる。世が
………まさかこうなるなんて思ってなかった。ルールブックによる殺人衝動を抑えるため、『
まぁそれがいけなかったんでしょうねぇ。パブロフの犬的な感じで、あるいは「なつき度」の仕組みとおかしなつながりができたのかもしれない。気が付いたらうちのラティアスは「首絞められフェチ」の変態ドラゴンになってしまった。意識が遠のいていく瞬間が最高に気持ちよくて「こん こん」ってクるんだとか。その擬音は何だと聞いたら“お腹の下の方に届く快感の擬音”と教えられた。やかましいわ。
…現実逃避終了。何べんも繰り返したためにラティアスに対しては集中しなくてもルールブックを使用できるようになったため、思考中もじわじわ首吊らせていた。あ、死んだ。
「………」
無言でラティアスをボールから出す。
「はっ! はっ! ~~んん、んぁ ん。…~~っ‼ 」
声も出せないくらいびくびくに蕩けている。とろとろでびくんびくんでびちゃびちゃだった。
「………ラティアス」
ラティアスは俺の顔をとろんとした顔で見て、こくんと頷いた。
――規制――
一息ついて、隣でまどろむラティアスを見つめて思う。
「(これでよかったんだよな…)」
考えるのは仕事のこと、将来のことだ。
自分が就ける(両親に報いるためにも)社会的に立派で、『
もうすぐ“
不安だ。とても不安だ。最近はそのことばかりが頭をよぎる。俺たち海軍はルフィたちからすれば敵サイドだ。この先の展開次第ではどうなるかわからない。原作が少年誌だからそこまで悲惨なことにはならないと思うが…こんな普通に満ち足りた生活はできなくなるかもしれない。
怖い。俺は弱くて、ここが限界点だ。これから先インフレしたらついていけない。どうしようもなく強い奴に殺されるかもしれない。
怖くて怖くて、
「カズナリ…」
!
「寝言か…」
ラティアスの頭を撫でる。
「んんっ………」
かわいい。
………考えても仕方ない。今さら海賊になろうだなんて考えられないし、未来を心配しても今を捨てられないなら変えられない。
これから先の未来がどうなっているのかはわからないけど、偶然で得た第二の人生『おもしろおかしく』過ごしてみよう。
そう決意を新たに、俺は眠りに落ちていくのだった まる。
No.25 浦戸和成
サイコロ:出目
・転生先
⇒⚂:⚀ (「ONE PIECE』)
・アイテム特典
⇒⚄
くじ↓
1542・・・判決執行のルールブック(『断裁分離のクライムエッジ』)
1060・・・ラティアスの入ったモンスターボール+キーストーン+メガリング+ラティアスナイト(『ポケットモンスター』)
1516・・・眷属器『
930・・・
10・・・ヒトヒトの実(『ONE PIECE』)
・能力特典
⇒⚄ (『○○○コントロール』)
5歳の頃、ガープに土下座して「鍛えてください、俺海兵になりたいんです」。
13歳で海軍に入隊。ガープの紹介で将校に六式を教えてもらう。
15歳、雑用脱却。
バリバリ働いてバリバリ昇進。
19歳、准将に。←イマココ
近接戦闘での実力は中将クラスにぎりぎり届くレベル。扱える覇気は見聞色のみ。そのため能力者相手だとうまく力を発揮できない場合がある。
彼の本領はラティアスに乗って誰も手出しできない空からの攻撃にある。
上空から
個人爆撃機として最も輝く。
あるいは上空から『判決執行のルールブック』を用い条件殺害という手段もある。首吊り自体で殺せなくても、『
主人公のウラドさんのENDは、
・ルート1(海軍存続)
⇒中将に昇進。65歳で退職。新兵育成などをしつつ、余生を過ごす。
・ルート2(海軍崩壊)
⇒世界政府非加盟国(自分を知らない土地)で再出発、町の駐在さん的な存在に。穏やかな日々を過ごす。
って感じです。
はい、いかがだったでしょうか。
ちゃんとした本編、ちゃんとした短編として書いてみました。
疲れました。そして時間がかかりました。でも楽しかったです。
これからは、このパターンで書いたり、今までのパターンで書いたり。出る特典によって変えようと思います。(どっちのほうがおもしろくなるか考えて)
ちなみに、書くにあたり『劇場版ポケットモンスター水の都の護神 ラティアスとラティオス』を見返そうと思ったのですが市内の蔦屋では取り扱い無しの取り寄せ不可で、変身能力についてよくわからなかったので、このラティアスは変身能力なし、のラティアスです。結果ウラドさんがケモナーになってしまいました。
今作のラティアス(人型)は有名なケモノ度チェックの画像でいうところの3段階目。骨格は人だけど…という感じです。まぁ原作のチョッパー並みのケモノ感です。ただし本文にも書いたように人型は女性的な体つきです。とてもやわらかい!
おっぱいどーんのおしりぼーんです。
ではまた次回~。